TIFFトークサロン 『ティティ』(イラン)

『二階堂家物語』の加藤雅也さんからサプライズも!
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『ティティ』原題:TiTi
2020年/イラン/102分/カラー/ペルシャ語
上映:2020年11月1日(日) 20:45~ 11月4日(水) 11:00~
TOKYOプレミア2020 国際交流基金アジアセンター共催上映
☆ワールド・プレミア
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3301TKP31

*物語*
ブラックホールを解き明かそうとする物理学者のイブラヒムは、入院中に病室の清掃を担当していたロマ(ジプシー)の女性ティティと知り合い、心を通わせていく。


TIFFトークサロン
11月4日(水)18:45~
登壇者:アイダ・パナハンデ(監督/脚本/プロデューサー)
司会:石坂健治さん(TIFFシニア・プログラマー)
ペルシア語通訳: ショーレ・ゴルパリアンさん
英語通訳: 竹内まりさん 
アーカイブ動画:https://youtu.be/-fpsxP_k7EE


◆前作『二階堂家物語』は日本で撮影
石坂:ようこそいらっしゃいました。そちらは何時ですか?

アイダ:こんにちは~ こちらは午後1時20分です。

石坂:一言、ご挨拶を!

アイダ:アイダ・パナハンデ、41歳です。テヘラン芸術大学では撮影を学び、大学院で監督を学びました。短編をたくさん作っています。テレビドラマやドキュメンタリーも作っています。本作は、長編4作目。3本目の『二階堂家物語』は日本で撮影しました。

石坂:長編デビュー作『NAHID(ナヒード)』がカンヌで受賞。(2015年「ある視点」部門で「期待すべき新人賞」。なら国際映画祭の最高賞を受賞した縁で)3本目は日本で撮られています。イランを代表する若手監督です。奈良での撮影で、日本を気に入っていただけましたか?

アイダ:天理の町で素晴らしい経験をしました。最初、こわいと思ったけれど、皆さんと撮影をし始めたら、前からいるような気持ちになりました。とても楽しかったです。

◆自立を目指す女性を描いた
石坂:さっそく質問が入っています。Q「ティティという人物のキャラクターが魅力的でした。モデルがいるのですか? 演じた女優さんについても教えてください」

アイダ:一緒に脚本を一緒に書いたプロデューサーでもあるアルサラン・アミリ(注:監督の夫)と、ティティを魅力的なキャラクターとして、エンジョイしながらミステリーっぽく書きました。キャラクターは、フェリーニの『道』のジェルソミーナをイメージしています。彼女は犠牲になっているような人物ですが、ティティは最終的に独立して歩みます。
ティティのキャラクターは、周りにいそうで、どこか自分にも似ていて、全世界の女性にもいそうな人物です。
ティティを演じた女優エルナズ・シャケルデューストは、若くて、今、売れている優秀な人です。よく演じてくれました。

石坂:フェリーニのジェルソミーナを思い出したという方が二人いました。
次の質問です。Q「今回東京国際映画祭で上映された『ノーチョイス』でも代理母としてお金を稼ぐ女性が出てきました。作品のテーマとしては偶然かもしれませんが、イランでは社会問題になっているのでしょうか?」


アイダ:『ティティ』のテーマは代理母ではありません。『ノー・チョイス』にも出てきたのは知りませんでした。『ティティ』のメインテーマは、孤独と不可能な愛の話です。独立するのに頑張っている女性がメインテーマです。お金を貯めて家を作って独立したいと夢見ています。イランの社会問題として、代理母はすごく少なくて、それを許す家族も少ないです。イランの大きな社会問題はアメリカの制裁によるものです。

◆イランのロマ(ジプシー)
石坂:Q「ティティを通してロマの文化に触れました。イランにおけるロマの暮らしや文化について教えてください」
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アイダ:約1500年前にイランの王様がインドからミュージシャンとして宮廷で演奏してもらうためにロマを連れてきたといわれています。今でもテヘランなどの大都会の街角でバイオリンやアコーディオンを弾いたりしています。全世界のロマにとって音楽が大事です。イランはイスラーム政権になって、外で音楽を演じたり、女性が歌うのが禁じられた時期にも、ロマの人たちは街角で演奏したり踊ったりして、音楽の伝統を残してくれました。街角で彼らが演奏していたことを老人たちはよく覚えています。今でもイランの北のカスピ海近くには特にたくさんのロマが住んでいます。

◆女性監督が数多く活躍するイラン
石坂:Q「女性監督のイランでの状況は? やりづらいと感じることはありますか?」

アイダ:全世界をみると女性監督は少ないかもしれませんが、皆さんが想像できないくらい、イランでは女性監督が大勢活躍しています。ほかの国に比べたら女性監督が多く活動していると思います。有名な女性監督として、ラクシャン・バニエテマッド監督がいます。私の同世代でも優れた作品を作っている女性監督が4~5人います。ドキュメンタリーやアニメーション、短編の女性監督も多いです。中近東やアジアの国に比べたら、イランの監督はいい環境で映画を作っていると思います。女性としての問題はないけれど、女性も男性も監督の仕事は大変です。

石坂:Q「日本で撮影された時、日本映画をたくさんご覧になりましたか? これまでに影響を受けた日本の監督は?」

アイダ:イラン映画と同じくらい、日本の映画を昔から観ています。私だけじゃなく、イランで映画を学ぶ人は、すべての日本映画の黄金時代の映画を隅から隅まで観て勉強しています。日本映画はイランで人気が高くて、皆、大変影響を受けています。
カンヌで、記者から「どんな映画の影響を受けていますか」と聞かれて、「日本映画です」と答えました。もちろん、タルコフスキーとイングマール・ベルイマンは好きですが。溝口、小津や黒沢、小林など、すごく観すぎて、すべての映画の台詞を覚えています。私の最初の長編「NAHID(ナヒード)」が奈良で上映された後、奈良で映画を撮ってくださいと言われて、冗談かと思ってびっくりしました。日本に呼ばれていると思ってすごく嬉しかったです。自分の国以外で撮影したことはありませんでしたから。日本は文学の国、映画の国、白黒の映画の国。そこで撮影できるのはほんとうに嬉しかったです。河瀬監督、是枝監督の作品もよく観ていて、どれも日本的な映画だなと思います。

◆枠にはまらず自由に生きるロマ
石坂:今、監督は撮影現場にいらしていて延長ができない状況です。そろそろ最後の質問にしたいと思います。Q「映画にロマの言葉や言い伝えが出てきましたが、心に響いたものはありますか?」(注:景山からの質問)

アイダ:言葉としては、今、思い出せないのですが、ロマのことを尊敬しています。人生そのものが自然との繋がりを感じます。枠の中に入らなくて、とても自由です。空、星など、人工的なコンクリートの社会ではない、大きな世界の中で自由に生きていることを感じました。

◆加藤雅也さんからのサプライズメッセージ
石坂:『二階堂家物語』主演の加藤雅也さんからメッセージが届いています。サプライズですね。「今朝の上映で拝見しました。素晴らしい作品でした。(大学教授)イブラヒム役を僕がやりたかったです。」

アイダ:とても嬉しいです。私の映画を観てくれたとは! 私からのメッセージを伝えてください。絶対、日本に戻って、加藤さんと映画を作ります。

石坂:必ず伝えます。今、見ているかもしれませんね。それでは、最後の一言を!

アイダ:『ティティ』をワールドプレミアで東京で上映していただき、ありがとうございます。日本の豊かな文化をほんとうに愛しています。19~20歳のころ、亡くなってしまった監督たちの作品を細かくたくさん観たのが今に繋がっていると感じています。イランと日本の文化関係がますます深まりますように。また一緒に映画が作れればと思います。今日はほんとうにありがとうございました。


*スクリーンショットタイム*
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アイダ: アリガトウゴザイマス

報告:景山咲子



★このTIFFトークサロンに先立ち、監督にリモートでインタビューの時間をいただきました。
こちらでご覧ください。

東京国際映画祭『ティティ』アイダ・パナハンデ監督インタビュー

自由な心で生きる女性ティティの物語を紡いだ

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作品情報
『ティティ』 原題:TiTi
監督:アイダ・パナハンデ
2020年/イラン/102分/カラー/ペルシャ語
上映:2020年11月1日(日) 20:45~ 11月4日(水) 11:00~
TOKYOプレミア2020 国際交流基金アジアセンター共催上映
☆ワールド・プレミア
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3301TKP31

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*物語*
ブラックホールを解き明かそうとする物理学者のイブラヒムは、入院中に病室の清掃を担当していたロマ(ジプシー)の女性ティティと知り合い、心を通わせていく。


◎アイダ・パナハンデ監督インタビュー 

11月4日(水) 16:00-16:30リモート取材
通訳:ショーレ・ゴルパリアンさん

◆映画を観てイランにロマの存在を知る
― 人が生きる上で、なにが大事なのかを考えさせられる素敵な映画でした。なら国際映画祭の映画製作プロジェクトNARAtive(ナラティブ)の一環で作られた『二階堂家物語』で、日本のしきたりに注目されていましたが、本作ではイランのロマの文化に注目されています。監督の身近にロマの人がいて、本作につながったのでしょうか?

監督:イランのロマに関するあるドキュメンタリーを観て、イランにもロマが住んでいることを知らなかったので、驚きました。その後、バフマン・キアロスタミ監督の作品も含め、イランのロマに関する映画をいくつも観ました。
1500年前位に、多くのロマの人たちがインドからイランにやって来たとされています。現在、イランには1万人位のロマの人がいて、カスピ海そばのマーザンラダーン州に多く住んでいます。イランに溶け込んで暮らしていて、自分たちの文化を持ちながらもイラン人という意識です。
(注:ペルシア語でロマのことは、Kowli )

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― 映画の撮影は、マーザンダラーン州で行われたのでしょうか?

監督:物語の中では、場所を特定していません。撮影は、マーザンダラーン州の隣のギーラン州で行いました。地元の人たちはギーラキー(ギーランの言葉)を話しています。ティティは孤児で手品師に拾われて育てられたと説明しています。ロマに育てられたので、彼らの習慣を身に着けているのです。

― ティティ役エルナズ・シャケルデュースト(Elnaz Shakerdust)も、アミール・ササン役のホウタン・シャキリバ(Hootan Shakiba)も、ロマになりきっていて、実際にロマの方かと思うほどでした。お二人にどのように役作りをしてもらったのでしょうか?

監督: エルナズ・シャケルデューストは、とても才能のある役者です。一緒にロマに関するドキュメンタリーをいくつか観ました。また、トニー・ガトリフ監督などヨーロッパのロマのことを描いた映画を観てくださいとお願いしました。ロマは、自由な生活をしている、枠に入り込まない人たちです。それを多くのドキュメンタリーを観て、掴んで貰えたと思います。
アミール・ササンは、自分がロマだとは言ってません。ロマの人たちと一緒に音楽活動をしている人物です。ティティもロマの手品師に育てられましたが、血筋は特定していません。

◆かけ離れた二人が心を通わす物語を紡いだ
― ブラックホールを解き明かそうとする物理学者のイブラヒムと、ロマの女性ティティという、かけ離れた二人の物語をどのように思いついたのでしょうか?

監督:プロデューサーで脚本を一緒に書いたアルサラミン・アミリ(注:監督の夫でもある)とどんな物語にするか考えました。最初に話していたのは、小さな町に住む学校の先生が人類を救うという設定でした。教師を大学教授に変えて、相手は普通じゃない、無知で可愛い女性にしようということになりました。イメージしたのは、フェデリコ・フェリーニ監督の『道』(54)のジェルソミーナです。孤独だけど自由な性格が大好きです。さらにそれをロマの女性にすれば、ロマの伝統も入れられると考えました。

◆描きたかったのは自立しようとする女性の姿
― 今回の東京国際映画祭で上映されたイラン映画『ノー・チョイス』にも代理母をする若い女性が出てきました。イランでは、アメリカの経済制裁もあって経済がひっ迫していますが、代理母や売春婦など身体を売るしかない女性が増えているのでしょうか?

監督:『ノー・チョイス』は観てなくて、映画に代理母が出てくることも知りませんでした。代理母がイランで増えているかどうかも知りません。仕方なく売春している女性たちがどれくらいいるかも知りません。ただ一つ言えるのは、経済的に苦しんで、これまでやったことのないことをやるしかない人たちがいるということです。

― 監督は、これまでにも女性の権利について映画で描いてこられました。最後に、この映画に込めた思いをお聞かせください。
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監督:自分は女性だし、イランの中での女性の問題を女性のフィルムメーカーとして描きたいと思っています。8歳の時に父が亡くなって、母一人で育ててくれました。自然に自分の中にある声を表現したいと思うようになりました。自分の話をしないと、男性は聞こうとしません。女性のフィルムメーカーとして、女性のことを描き続けたいと思います。

― 次の作品も日本で観られることを楽しみにしています。本日は、ありがとうございました。

*ここに掲載した監督のスクリーンショットは、東京国際映画祭事務局より提供いただきました。

取材:景山咲子




*取材を終えて*
インタビューは、11月4日(水)の4時からリモートで行いました。同じ日の夜、TIFFトークサロンの監督とのQ&Aで、恐らく『二階堂家物語』や、これまでに影響を受けた映画については質問が出ると思って、質問しませんでした。予想通り、トークサロンで日本映画についての話題が数多く出ました。★トークサロンの様子は、こちらで!
自宅からの初めてのZOOMを利用してのリモート取材で、途中でWi-Fiが不安定で接続が切れるハプニングもあって慌てました。録画にも失敗し、取材を終えてすぐ、メモから書き起こしました。もともとメモ魔なので助かりました。とはいえ、監督が答えてくださったことのすべてを思い出すことはできず申し訳ない思いです。

東京フィルメックス・オンライン上映(11/21~12/6)

今年の第21回東京フィルメックスで上映された作品の中から、12作品がオンラインで配信されます。

実施期間:11月21日から11月30日まで → 11月22日(日)午前10:00時配信開始~ 11月30日(月) 12月6日(日)23:59まで ★11/27変更
料金:1作品1,500円均一  → 1作品13米ドル 
決済方法:クレジットカードのみ
視聴方法・諸注意:
・作品の購入後から48時間以内再生可能。再送開始時点から更に72時間以内に視聴可能時間が終了になります。
・配信は特設サイトよりご覧頂けます(11月21日よりアクセス可能)。
 詳細は映画祭HP(https://filmex.jp/2020/online2020 )からご確認下さい。
・日本国内からの視聴可能となります。海外からのご利用はできません。
・各作品には視聴可能者数制限があり、視聴可能者数は作品ごとに異なります。
・対象作品は11月16日(月)現在での予定です。急な変更の可能性がありますので、予めご了承下さい。

★対象作品★
『風が吹けば』Should The Wind Drop
監督:ノラ・マルティロシャン(Nora MARTIROSYAN) ★女性監督
フランス・アルメニア・ベルギー / 2020 / 100分

『死ぬ間際』 In Between Dying
監督:ヒラル・バイダロフ(Hilal Baydarov)
アゼルバイジャン・メキシコ・アメリカ / 2020 / 88分

『迂闊(うかつ)な犯罪』 Careless Crime
監督:シャーラム・モクリ(Shahram MOKRI)
イラン / 2020 / 139分

『イエローキャット』 Yellow Cat
監督:アディルハン・イェルジャノフ(Adilkhan YELZHANOV)
カザフスタン・フランス / 2020 / 90分

『アスワン』 Aswang
監督:アリックス・アイン・アルンパク(Alyx Ayn ARUMPAC)★女性監督
フィリピン / 2019 / 85分

『無聲(むせい)』 The Silent Forest
監督:コー・チェンニエン(KO Chen-Nien) ★女性監督
台湾 / 2020 / 104分

『デニス・ホー:ビカミング・ザ・ソング』 Denise Ho: Becoming the Song
監督:スー・ウィリアムズ(Sue WILLIAMS)
アメリカ / 2020 / 83分

『日子』 Days
監督:ツァイ・ミンリャン(TSAI Ming Liang)
台湾 / 2020 / 127分

『海が青くなるまで泳ぐ』 Swimming Out Till The Sea Turns Blue
監督:ジャ・ジャンクー(JIA Zhang-ke)
中国 / 2020 / 111分

『平静』 The Calming
監督:ソン・ファン(SONG Fang)
中国 / 2020 / 89分

◆特集上映:エリア・スレイマンより
『消えゆくものたちの年代記』 Chronicle of a Disappearance
パレスチナ / 1996 / 84分

『D.I.』Divine Intervention
フランス、パレスチナ / 2002 / 92分

インディアンムービーウィーク2020 リターンズ

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この9月に開催したインド映画の特集上映「インディアンムービーウィーク(IMW)」などから、人気作品を選びアンコール上映する『インディアンムービーウィーク2020リターンズ』を2020年12月11日(金)より新宿ピカデリー、キネカ大森など全国10劇場にて開催します。
5つの言語圏(ヒンディー、タミル、テルグ、マラヤーラム、カンナダ)のヒット作、注目作品10作品を日本語字幕付きで上映
*劇場により異なりますのでご注意ください。
https://imwjapan.com/
https://www.youtube.com/watch?v=Yd_QCuVtPqk&feature=emb_logo
主催:SPACEBOX

上映作品:全劇場共通(10作品)
日本初上映(2作品)
『ジガルタンダ』(原題:Jigarthanda)
監督:カールティク・スッバラージ(ペーッタ)
2014 年/171 分/タミル語

『ジッラ(仮題)』(原題:Jilla)
監督:R. T. ネーサン
2014 年/ 176 分/ タミル語 ダンスあり

アンコール上映作品
『無職の大卒』(原題:Velai Illa Pattadhari)
監督:ヴェールラージ
2014年/133分/タミル語 ダンスあり

『僕の名はパリエルム・ペルマール』(原題: Pariyerum Perumal)
マーリ・セルヴァラージ監督
2018年/153分/タミル語

『ジャパン・ロボット』(原題:Android Kunjappan Version 5.25)
監督:ラティーシュ・バーラクリシュナン・ポドゥヴァール
2019年/138分/マラヤーラム語

『お気楽探偵アトレヤ』(原題:Agent Sai Srinivasa Athreya)
監督:スワループ R. S. J.
2019年/146分/テルグ語

『ストゥリー 女に呪われた町』
監督:アマル・カウシュク
2018年/128分/ヒンディー語 ダンスあり

8『キケンな誘拐』(原題:Soodhu Kavvum)
監督・脚本:ナラン・クマラサーミ
2013 年/133 分/ タミル語"

9『サルカール 1票の革命』(原題:Sarkar)
監督:A.R.ムルガダース
2018 年/162 分/ タミル語 ダンスあり

10『'96』(原題:'96)
監督:C.プレームクマール
2018 年/158 分/タミル語"

【キネカ大森のみにて上映】
K1『伝説の女優 サーヴィトリ』(原題: Nadigaiyar Thilagam)
監督:ナーグ・アシュウィン
2018年/167分/タミル語 ダンスあり

K2『浄め』(原題:Shuddhi)
アーダルシュ. H. イーシュワラッパ監督
2017年/116分/カンナダ語/PG12

K3『人生は二度とない』(原題:Zindagi Na Milegi Dobara)
監督:ゾーヤー・アクタル(ガリーボーイ)
2011 年/155 分/ヒンディー語 ダンスあり

K4『ラーンジャナー』(原題:Raanjhanaa)
監督:アーナンド L. ラーイ(タヌはマヌと結ばれる)
2013 年/ 139 分/ヒンディー語 ダンスあり

K5『ムンナー・マイケル』(原題:Munna Michael)
監督:サビール・カーン(スタローン in ハリウッド・トラブル)
2017 年/140 分/ヒンディー語 ダンスあり

【新宿ピカデリーほか松竹系劇場およびミッドランドスクエアシネマにて上映】
S1『ベルボトム』(原題:Bell Bottom)
監督:ジャヤティールタ
2019 年/128 分/カンナダ語
ジャンル:探偵、コメディ ダンスあり

劇場
●キネカ大森
2020 年12月11日(金)~2021 年1月7日(木)
https://ttcg.jp/cineka_omori/

●新宿ピカデリーほかSMT系劇場
2020年12月11日(金)~12月24日(木)
同時開催:MOVIX昭島、MOVIX三郷、MOVIX京都、MOVIX堺、MOVIXあまがさき

●大阪・なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、名古屋・ミッドランドスクエア シネマ
2020年12月11日(金)~12月31日(木)

第21回東京フィルメックス 授賞式

最優秀作品賞は、アゼルバイジャンの詩的な『死ぬ間際』に!
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例年、11月下旬に開催されていた東京フィルメックスですが、今年は東京国際映画祭と連携し、いつもより早い10月30日(金)~11月7日(土)の日程で開催されました。
コロナ禍で、東京国際映画祭ではコンペティションをやめて、観客賞のみとなりましたが、東京フィルメックスでは、例年通り、12作品のコンペティション作品の中から受賞作を選定し、7日に授賞式が行われました。
司会:レイチェル・チャンさん(J-WAVE)

◆第21回東京フィルメックス受賞結果◆
最優秀作品賞:『死ぬ間際』ヒラル・バイダロフ
審査員特別賞:『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』池田暁
スペシャル・メンション:『Pierce』ネリシア・ロー、『KANAKO』北川未来
観客賞:『七人楽隊』アン・ホイ、ジョニー・トー、ツイ・ハーク、サモ・ハン、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム、パトリック・タム
学生審査員賞:『由宇子の天秤』春本雄二郎

New Director Award:『熱のあとに』(日本/山本英監督)
New Director Award 審査員特別賞:『まどろむ土(仮)』(日本/金子由里奈監督)

タレンツ・トーキョー・アワード 2020:『Oasis of Now』(マレーシア/チア・チーサム)
タレンツ・トーキョー・アワード 2020 スペシャル・メンション:『Pierce』(シンガポール/ネリシア・ロー)
タレンツ・トーキョー・アワード 2020 スペシャル・メンション:『KANAKO』(日本/北川未来)


◎授賞式
発表された順に報告します。

◆New Director Award
東京フィルメックス 特別協賛のシマフィルムによって設けられた、若い映画製作者を対象とした新しい部門。シマフィルム 田中誠一さんより発表が行われました。

New Director Award最終選考選出者11名の中から、New Director Awardには、『熱のあとに』の山本英監督が選ばれました。
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山本英監督:誰かの側にいること、いれないことを描いた脚本です。イナウォンさんと二人で紡いだ企画です。(左がイナウォンさん)

New Director Award 審査員特別賞
『まどろむ土(仮)』

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金子由里奈監督



◆タレンツ・トーキョー
今年のタレンツ・トーキョーは、11月2日~7日の6日間、オンラインで実施され、アジア各国の15名が参加。パク・キヨン監督をはじめとする4人のメイン講師のほか、黒沢清監督や是枝裕和監督のマスタークラスが開催されました。

タレンツ・トーキョー・アワード 2020:『Oasis of Now』
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マレーシア チア・チーサム監督
「困難な時期にオンラインで開催を可能にしてくださり、ありがとうございます。多様な仲間から多くを学びました」


◆観客賞
『七人楽隊』香港、2020年 
監督:アン・ホイ、ジョニー・トー、ツイ・ハーク、サモ・ハン、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム、パトリック・タム

市山さんが7人の監督の名前を思い出しながらあげたのですが、「誰か忘れてますね」との言葉に、会場から「サモ・ハン!」と声があがりました。10月17日のチケット売り出しの時にも、真っ先に売り切れた人気作です。

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ジョニー・トー監督が代表してビデオコメントを寄せられました。


◎コンペティション 各賞発表
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各賞発表の前に、プログラムディレクターの市山尚三氏より挨拶。
「コロナ禍の中、連日会場に足を運んでいただいた皆様に感謝申しあげます。今年の4月の時点では開催できるかどうかが微妙でしたが、リアルな開催にこぎつけることができたのは、サポートしてくださった皆さまのお陰です。東京国際映画祭との共催も手探り状態でした。上映が重なってしまったとの声もありますが、日本映画界を盛りあげていく為に今後も続けていきたいと思っています」

また、一部の作品をオンライン上映することが発表されました。
11月21日~30日の期間限定で、上映作品等詳細は公式サイトで確認ください。
東京フィルメックス 公式サイト
★オンライン特設サイト 11月21日よりアクセス可能

◆学生審査員賞:『由宇子の天秤』
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学生審査員:常間地裕(多摩美術大学)、千阪拓也(日本大学芸術学部)、田伏夏基(明治大学)の3人が登壇し、学生審査員賞を発表しました。
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春本雄二郎監督「釜山国際映画祭でも受賞(ニューカレンツ部門 最高賞ニューカレンツアワード)しましたが、オンラインでも授賞式をしていません。 Winerには、違和感があります。勝者というけれど、負者が存在するのか? 世の中、敵か味方か、白か黒かと単純に二極化するこごあ加速化し、良い未来が築けるのか? 『由宇子の天秤』は、正しさについて問う内容です。今、私たちに必要なのは、見えている世界が都合の良いものに最適化されていることに気づくこと。その外に手を伸ばせる力が映画にあると信じています。学生審査員賞は、これからを担う人たちからいただいたもの。若い世代に映画作りの指針になるよう頑張っていきたい」


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【コンペティション審査員】
万田邦敏(審査委員長:日本/映画監督)
クリス・フジワラ(米国/映画評論家)
坂本安美(日本/アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任)
エリック・二アリ(米国/プロデューサー)
トム・メス(オランダ/映画評論家)


◆審査員特別賞『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』
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池田暁監督 「最優秀作品は何かな、もう1回呼ばれるといいなと思っています。期間中、ずっと映画を観ていました。いい作品がたくさんあったので、また日本で上映されるきといいと思います。このような中で開催してくださったことに感謝します」


◆最優秀作品賞『死ぬ間際』

審査委員長 万田邦敏監督:「一人ぼっちの人間がこの世界とつながるには何が必要か?神話的で重層的、中央アジアのとんでもない大自然。映画監督だったら誰でも撮ってみたい風景、そしてユーモアが描かれていました。人と人がつながるには愛が必要という単純なことに行きつくのですが、そこに行きつくまでをみごとに描いていました」

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ヒラル・バイダロフ監督からのビデオメッセージ:
「選んでくださって嬉しいです。アゼルバイジャンの映画を初めて観た方もいらっしゃると思います。映画祭の皆さま、ありがとうございました」
★『死ぬ間際』ヒラル・バイダロフ監督とのリモートQ&Aの模様は後日お届けします。

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最後に行われた受賞者記念写真も、ソーシャルディスタンスを保って行われました。

☆こちらに掲載しきれなかった写真も含めて、下記のアルバムを作成しています。
facebookアルバム「第21回東京フィルメックス  授賞式」
https://www.facebook.com/cinemajournal/photos/?tab=album&album_id=1340432292989793


☆東京フィルメックスを終えて☆
コロナ禍の中、例年同様の作品を揃えてリアルな上映を行い、外国からのゲストの来日が叶わない中、上映後にリモートでQ&Aを行うなど、最大限の努力をしてくださったことに感謝です。
日程を早めた為か、会期中、平日の半分以上の会場は、朝日ホールではなくTOHOシネマズ シャンテとなり、定員が朝日ホールより少ないため、作品によっては満席になって入れない方もいたようです。
今後も東京国際映画祭との連携を続けるとの市山さんの言葉がありましたが、同時期開催で、鑑賞作品を絞らざるをえなくて、究極の選択を迫られました。できれば、これまで同様、違う時期に開催してほしいと切に願います。(景山咲子)


報告:景山咲子   写真:宮崎暁美、景山咲子