アジアフォーカス『ナイト・ゴッド』 カザフスタン制作会社の若き女性に聞く 

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2019で上映されたカザフスタン映画『ナイト・ゴッド』と、ゲストとして来日された制作会社のボータ・アブディラフマノワさんインタビューをお届けします。

『ナイト・ゴッド』 

原題:Nochnoi Bog 英題:Night God
監督: アディルハン・イェルジャノフ
2018年/カザフスタン/110分/DCP/1:1.85/カザフ語・ロシア語

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終末を迎え闇が世界を支配し、空に現われた神を見た者はすべて焼き尽くされるという。ネオンがわびしく光る中、男一人と女二人。大きなスーツケースが傍らにある。
どこに旅立とうとしているのか・・・

終始暗闇の中の、まるで舞台のセットのような街角で会話が続き、カザフスタンの風景が見られなかったのが残念でした。
監督は、「不条理」を描いたそうですが、話が難解で、よく理解できませんでした。
監督が来日されなかったので、映画に込めた思いを直接伺うことはできませんでした。

制作会社のボータ・アブディラフマノワさんが来日。インタビューの時間をいただきました。
アディルハン・イェルジャノフ監督の作品を掲載したリーフレットをいただきました。どの作品も画像から受ける印象が暗かったのですが、ボータさんに「監督はどんな方ですか?」と伺ったら、「とても可愛い感じの方で、話しやすい方です」との答えが返ってきました。映画から受ける印象とは、まったく違う雰囲気の方のようです。

アディルハン・イェルジャノフ監督
1982年生まれ。2009年、映画監督の視覚を取りカザフスタン国立芸術アカデミーを卒業。
長編作『Owners』(2014年)カンヌ映画祭でワールドプレミア。
『The Plague at the Karatas Village』(2016年)ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア。NETPACアジア最優秀映画賞授賞。
『ナイト・ゴッド』は、モスクワ国際映画祭でワールドプレミアされている。

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9月17日(火)14:05からの上映前の舞台挨拶
特に詳細な説明はありませんでした。
右:ボータ・アブディラフマノワさん  左は通訳のロシア女性

9月15日16:00からの上映後のQ&A 公式レポート 
(私は残念ながら参加していませんでした)

◎ボータ・アブディラフマノワさん インタビュー
2019年9月17日(火)
福岡「ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13」8階 ゲストルームにて

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笑顔が素敵な25歳。イスラーム教徒。母語はカザフ語だが、ロシア語も日常的に使用。通訳を目指して大学で英語を学ぶ。映画祭で英語通訳を務めるうちに映画に興味を持つ。夢は映画祭を主宰すること。

◆映画『ナイト・ゴッド』について

とても実験的な映画で、カザフスタンの映画の中では、珍しいタイプで主流の映画ではありません。撮影には残念ながら立ち会っていません。海外への販売に携わっています。
監督はとてもかわいい感じの方です。質問すれば、なんでも優しく答えてくれます。
結構きびしい内容の映画で、暗い映画ですが、最後には新しい命が生まれて、明るい未来を感じさせてくれると思います。

◆映画祭で英語通訳をするうちに映画に興味を持つ
大学では通訳になりたくて英語を専攻しました。通訳として映画祭に参加する機会があって、映画に興味を持つようになりました。これまであまり映画を観る機会がなかったのですが、外国の映画も観るようになりました。『ロード・オブ・リング』や『千と千尋の神隠し』のようなタイプの映画が好きです。
今は、カザフスタンの映画を海外に売ることにも携わっています。いろいろな映画がありますので、売り込む時には、それぞれに考えないといけないのですが、カザフスタン独特の文化を紹介できるものであれば、それをキーワードにします。

◆カザフスタンの映画事情
大きな町には、結構な数の映画館があります。皆、映画が好きで、映画館に足を運ぶ人も多いです。新しい映画が公開されると、映画館に行くのが楽しみです。
一方、今、ネットで観る人も増えています。『ナイト・ゴッド』に関していえば、全体的に画面が暗いこともあって、スクリーンの方が迫力あります。音も違いますし。
ソビエトの時代から、インド映画はよく上映されていました。
イラン映画は映画祭で上映される程度です。トルコのものは映画もテレビドラマも多いです。

*今、私が平日毎晩観ているトルコのドラマ「オスマン帝国外伝 〜愛と欲望のハレム〜」も、カザフスタンで人気だそうです。
カザフ語はトルコ語に近いので、聞けばかなりわかるそうですが、このドラマはトルコ語のオリジナルではなく、吹替えだそうです。カザフ語なのかロシア語なのか聞きそこねました。



◆夢は映画祭を開催すること

制作会社に所属していますが、プロデューサーになることよりも、私の夢は映画祭を開くことです。いろんな国の映画が観て、いろんな国の文化を知って、世界が広がることが素晴らしいと思います。
自分の国の文化や伝統を映画を通じて知ってもらうことも嬉しいです。
映画祭だけでなく国際交流によって、自分の国を守ることもできると思います。
ほかの国のことを知ることによって、お互いの理解が深まると思います。
自分自身で映画祭を開催できるまでには、まだまだあちこちの国にも行って、勉強しないといけないです、映画祭の名前はまだ考えていません。

◆映画業界で活躍する女性も増えている

映画業界の中で、今までは女性が参加するのはなかなか難しかったのですが、今は、若い世代を中心に女性も活躍できるようになりました。大学や専門学校で映画関係の学科がいろいろあります。女性も多く学んでいます。映画監督として映画(短編・長編)を製作している女性も増えています。私自身、仕事の上で女性だからというハンディは感じたことはありません。

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ボータさんとお話して、とても伸びやかに仕事を楽しんでいるのを感じました。
この日の通訳の方はロシアの女性でした。思えば、英語で直接お話したほうがよかったかも。ムスリマ(イスラーム教との女性)とわかって、「アッサラームアライクム」と挨拶したら、「ワレイコムアッサラーム!」と応じてくれました。
カザフ語とロシア語が普通に共存するカザフスタンを感じたひと時でした。

取材:景山咲子





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