マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)

*オンラインのフランス映画祭
2021年1月15日(金)~2021年2月15日(月)
公式サイト:https://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/

8つのテーマ別に活力にあふれ多様性豊かな現代フランス語圏映画をご自宅で楽しめます。
視聴: 動画配信サービスWATCHA
短編作品は、 クレジットカードなどの情報を登録することなく、 1ヶ月間限定で無料でご視聴いただけます。 (パソコンのブラウザのみ)

◆作品一覧はこちら

【ラインナップ】
テーマ:フォーエバー・ヤング
もがきながら大人になっていく若者たちの姿を描いた、 繊細な輝きを放つ作品を集めました。
『思春期 彼女たちの選択』 『アデュー』 『幕あい』

テーマ:クレイジー・ラヴィング・ファミリー
優しい視線で複雑な家庭環境を描く、 エスプリの効いた作品はこちらから。
『ジャスト・キッズ』 『フェリチタ!』 『奥様は妊娠中』 『ソレ・ミオ~私の太陽』『核家族』

テーマ:トゥルー・ヒロイン
それぞれに複雑な事情を抱えた女性たちが、 傷つき、 怒りながらも、 運命を自分で切り開いていく…。 見えない敵と闘うすべての女性にエールを送る作品を集めました。
『カミーユ』『ワーキング・ガールズ』『言葉にならない』『青く震える娘』『クエシパン~私たちの時代』

テーマ:フレンチ・ゴースト・ストーリー
ときには、 フレンチスタイルのゴーストストーリーはいかがでしょう。
『バーニング・ゴースト』『空っぽの場所』『オルフェ』『二十歳の死』

テーマ:オン・ザ・ロード
国際紛争から逃れてさすらう人々を描いた作品です。
『ジュゼップ』『英雄は死なない』『犬っころ』

テーマ:ラヴ・イズ・ラヴ
あらゆる角度から「愛」について問うドキュメンタリー1作品と短編3作品
『ビューティー・ボーイズ』『ミス・シャゼル』『友だちの友だち』『マダム』

テーマ:キッズ・コーナー
言葉を介さずに、 フランス映画の楽しみを小さなお子さまと分かち合えるアニメーション作品です。
『O28』『お遊戯会』『ダリアの世界』『マエストロ』『都会のオオヤマネコ』



フランス映画祭 2020 横浜 中東絡みの作品たち  (咲)

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当初6月に予定されていたフランス映画祭 2020 横浜が、コロナ禍で延期され、12月10日から開催されます。
上映される長編10作品の内、9作品は日本公開が決まっていて、オープニング作品の『ゴッドマザー』のみ、配給未定です。試写の案内をいただき、主役の役柄が「アラビア語通訳」とあったので、これは観なければ!と、飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京に駆けつけました。
また、ショートショート フィルムフェスティバル & アジアとのコラボで無料配信される6本の短編の中に中東絡みの作品が2本ありましたので、併せてご紹介します。

フランス映画祭 2020 横浜 公式サイト:https://www.unifrance.jp/festival/2020/


オープニング作品
『ゴッドマザー』 原題:LA DARONNE
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:イザベル・ユペール、イポリット・ジラルド

警察でアラビア語の通訳として働くパシャンス(イザベル・ユペール)。今日も、麻薬捜査班の取り締まりに同行して、通訳を務める。パシャンスの目下の悩みは、介護施設にいる我儘な母親のこと。介護士ハディージャ(*注)の優しさに支えられている日々だ。
ある日、警察の依頼で通話の盗聴をしていて、大麻の密輸事件のドラッグディーラーの一人が、介護士ハディージャの息子だと気づいてしまう。どうしても、その息子を助けたいと、パシャンスは大胆な計画を立てる・・・
(*注:ハディージャは、預言者ムハンマドの最初の妻の名前。介護士がムスリマであることがわかります。)

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「イザベル・ユペール主演の社会派コメディ」のうたい文句通り、まぁハチャメチャなドラッグ密輸組織を揺るがすゴッドマザーの大活劇! 
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大量の大麻樹脂を元手に、パシャンスはドラッグディーラーのちょっと抜けた二人組に取引きを持ちかけ、ヒジャーブ姿でアラブの女に成りきって出かけます。いつしか「ゴッドマザー」と呼ばれるようになるパシャンス。

パシャンス(忍耐)という名前は、ろくでもない父親がつけてくれたらしいのですが、オマーンの首都マスカットにある墓に眠る父を訪ねたあと、パシャンス号と名付けられた船でオマーンの海に乗り出します。思いもかけず、オマーンの美しい風景も楽しめた作品でした。
麻薬を扱う男たち相手の通訳は、わざとわかりにくい方言を使われたりして、大変な仕事であることも垣間見れました。



◎ブリリア ショートショート シアター オンライン配信作品から

◆『音楽家』原題:ペルシア語Navozande, フランス語 le musician
監督:レザ・リアヒ
フランス/14:56/アニメーション/2020
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~引き裂かれた恋人たちはいつまでも想い合う〜
1219年、ペルシア。モンゴル軍の侵攻で、恋人の音楽家と引き裂かれた女性。40年後、宮廷で働く彼女は、盲目の楽師が生き別れた恋人だと気づく・・・
残虐なモンゴルの襲撃、そして華やかな宮廷の宴が、伝統楽器の美しい調べと共に繰り広げらるアニメーション。
ペルシア語を学び始めた時に、「モンゴル軍が来て、焼いて、殺して、破壊して・・・」と順序は忘れましたが、動詞を覚えるのに教わったのを思い出しました。ペルシアにとって、モンゴルの侵攻はそれほど残虐な記憶。それを象徴する15分でした。


◆『思い出たち』 原題:Souvenir Souvenir
監督:Bastien Dubois
フランス/15:10/アニメーション/2020
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~戦争を語ること、知ることの難しさ〜
祖父がアルジェリアから持ち帰ったサソリの標本。この10年、アルジェリア戦争のアニメ映画を作ろうとして、戦争に行った祖父に実態を知りたいと聞くけれど、仲間や狩りの楽しい話ばかり。問い詰めると、招集されて行くしかなかったとポツリ。
実戦で地獄を見た人ほど、戦争経験を話さないのはいずこも同じ。思い出したくない記憶を抱えて生きる人たちに思いを馳せました。


★上記2作品を含めて、6作品を下記のサイトで視聴できます。
配信サイト:ブリリア ショートショート シアター オンライン
特設ページ: https://sst-online.jp/magazine/9184/
配信期間 12/5(土)10:00〜12/18(金)10:00

『真西へ 』(原題:Plein Ouest)監督:アリス・ドゥアール
『アデュー』(原題:Un adieu)監督:マティルド・プロフィ
『ローラとの夜』(原題:La Nuit, tous les chats sont roses)監督: Guillaume Renusson / BSSTO作品
『音楽家』(原題:Navozande, le musicien)監督:レザ・リアヒ
『岸辺』(原題:Rivages)監督:ソフィ・ラシーヌ
『思い出たち』(原題:Souvenir Souvenir)監督:バスティアン・デュボワ


景山咲子

フランス映画祭2020 横浜

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期間:2020年12月10日(木)〜12月13日(日)全4日間
*当初、6月25日(木)〜6月28日(日)に予定されていたものを延期して開催

会場:横浜みなとみらい21地区、イオンシネマみなとみらいほか
主催:ユニフランス
共催:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、横浜市
特別協賛:日産自動車株式会社
公式サイト:https://www.unifrance.jp/festival/2020/

上映作品
オープニング作品
『ゴッドマザー』
監督:ジャン=ポール・サロメ 出演:イザベル・ユペール 
  ★オープニングの本作のみ日本公開未定
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作品内容は、こちらで!


『カラミティ(仮)』
『ハッピー・バースデー 家族のいる時間』
『FUNAN フナン』
『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』
『MISS(原題)』
『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』
『私は確信する』
『マーメイド・イン・パリ』


◆特別マスタークラス  *SSFF & ASIAとのコラボ企画
フランス映画祭2020 横浜
×
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 特別マスタークラス

配信日時:12月11日(金)11:00〜12:00 (予定)*生配信
配信URL:https://www.youtube.com/c/フランス映画祭2020横浜
(フランス映画祭2020 横浜公式チャンネル)
テーマ フランスのショートフィルムでみる親と思春期の子の関係
対象作品
『真西へ 』(原題:Plein Ouest)監督:アリス・ドゥアール
『アデュー』(原題:Un adieu)監督:マティルド・プロフィ
『ローラとの夜』(原題:La Nuit, tous les chats sont roses)監督: Guillaume Renusson / BSSTO作品

★ブリリア ショートショートシアター オンラインで6作品配信

上記特別マスタークラスの3作品のほか、下記3作品を無料配信
『音楽家』(原題:Navozande, le musicien)監督:レザ・リアヒ
『岸辺』(原題:Rivages)監督:ソフィ・ラシーヌ
『思い出たち』(原題:Souvenir Souvenir)監督:バスティアン・デュボワ

配信サイト:ブリリア ショートショート シアター オンライン
特設ページ: https://sst-online.jp/magazine/9184/
配信期間:12/5(土)10:00〜12/18(金)10:00

作品内容ほか詳細はこちらで
https://www.unifrance.jp/festival/2020/event/

『音楽家』と『思い出たち』は、こちらもどうぞ!
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/478868949.html


フランス映画祭2019横浜 『カブールのツバメ』 ザブー・ブライトマン監督&エレア・ゴべ・メヴェレック監督インタビュー

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来日した共同監督のザブー・ブライトマンさん(左)と、エレア・ゴべ・メヴェレックさんのお二人にお話を伺う機会をいただきました。 

『カブールのツバメ』  原題:Les Hirondelles de Kaboul
監督・脚本:ザブー・ブライトマン、監督:エレア・ゴべ・メヴェレック 
出演:ジタ・アンロ、スワン・アルロー、シモン・アブカリアン、ヒアム・アッバス
2019年/フランス・ルクセンブルク・スイス/フランス語/1.85:1/82分
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© LES ARMATEURS – MELUSINE PRODUCTIONS – CLOSE UP FILMS - ARTE FRANCE CINEMA - RTS - KNM 2018

*ストーリー*
1998年夏、アフガニスタンのカーブルはターリバーン勢力の支配下に。ズナイラとモフセンのカップルは、暴力と悲惨な現実の中でも希望を持ち続けていたが、ある行動が災いし…。
2019年、カンヌ国際映画祭ある視点部門コンペティション出品。

監督・脚本:ザブー・ブライトマン
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1982年に「Elle voit des nains partout !」で映画デビュー。その後、『ラ・ブーム2』(82)、『ゴールド・パピヨン』(84)に出演してコメディエンヌぶりを発揮。「Billy Ze Kick」(85)での演技が評判となり、セザール賞有望若手女優賞にノミネート。90年代には、ディアーヌ・キュリス、フィリップ・リオレといった監督の作品に出演。2001年には初の長編映画『記憶の森』を手がけ、その年のセザール賞で最優秀作品賞を含む3部門を受賞。その後も精力的に映画やテレビドラマ製作に携わり、2013年にはコメディ・フランセーズの依頼で「システム・ラバディエ」を演出。2014年はパリ・オペラ座にてオペラ演出家デビューも果たした。

監督:エレア・ゴべ・メヴェレック (アニメーション作家)

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応用美術を勉強した後、2003年にエコール・デ・ゴブランでアニメーションを学ぶ。初監督した短編作品「MADAME」(06)がアヌシー国際アニメーション映画祭に出品された。その後、TV番組や高級ブランドなどのグラフィックデザイナーとしてキャリアを積み、自身がアニメーターとして参加した短編「BANG BANG!」(ジュリアン・ビサロ監督)が2015年のセザール賞にて最優秀アニメーション映画にノミネート。キャラクター・アニメーションを多く手がけ、2016年にはコミック原作のアニメ・シリーズ「Lastman」に参加。本作は彼女の初長編作品となる。


◎インタビュー
2019年6月20日(木) 14:00~14:25 
   ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 12Fにて

FM横浜の生放送出演を終えて、駆けつけてくださったお二人に、お話を伺いました。

ザブー: 遠いところの話をご覧いただき、ありがとうございます。

― 実は私にはわりと身近なところの話です。
ターリバーンが猛威をふるっていた時代の映像をいくつか観ています。公開処刑の場面は実写だと目を背けたくなる光景です。 
アニメーションで描いたことにより、目をそむけずに見ることができ、しかも、その残酷さはしっかり伝わってきました。

二人:まさにそうだと思います。

― 原作は有名な物語ですが、どんな経緯で、アニメで描こうと思われたのですか?

ザブー:シナリオの段階で、アニメでと決まっていました。監督を探していると話が私のところにきました。原作をアニメ用に脚色しています。いろいろな候補者がいる中で、エレアさんにアニメーションをお願しました。

― カーブルの情景がとても生き生きと描かれていましたが、お二人はアフガニスタンにいらしたことがありますか?

二人:キャブール!(フランス語では、こう発音するようです) 行ったことはないですね。

― 本作を描くのにあたって参考にしたドキュメンタリーなどはありますか?

エレア:いろんな写真家が撮ったものも見ましたし、当時のドキュメンタリーをほんとにたくさん客観的に観ました。
原作はフィクションなので、少し距離を持って作ったほうがいいと思いました。カーブルの町の光の感じや埃とか、写真家の方から見せていただいたものがとても参考になりました。


― 原作者のヤスミナ・カドラさんというのは、女性の名前ですが、実は男性ですよね。アニメで描くのにあたり、お会いになりましたか?

ザブー:
アルジェリアの軍人だった人で、奥様の名前をペンネームにしているのですね。もちろんお会いしたことがあります。
原作を映画用に修正したところはありますが、基本的な考え方や設定は同じです。脚色の段階で、いくつか変更しています。中でも主人公の女性が絵を描くことにしたのは、映画のオリジナルです。デッサンを描くことや、写真を撮ることもターリバーンの政権下では禁止されていました。

― 人間らしく生きたいというヒロイン・ズナイラの思いが切々と伝わってきました。看守がズナイラさんに恋をしているのを、奥さんが見守るという夫婦の愛情も描かれていましたね。

ザブー:愛する気持ちから夫のために女性は自分を犠牲にします。すべて愛がもとにあります。

― 40年前のソ連が入る前のアフガニスタンに駐在していた人たちや旅をした人たちから、のどかで平和だったアフガニスタンのことをよく聞いていました。ですので、逆に私たちは今すごく平和に過ごしているけれど、いつ恐怖政治にさらされるかもしれないという意味で多くの人の共感を得ることができる作品だと思います。

二人:
ありがとうございます。

― 共同監督ですが、どのように制作を進めていったのでしょうか?

ザブー:2つの段階があります。アニメを作る前に、役者に演じてもらって、身体の動きや口の動きを見て、それを再現するように描きました。人間的な動きを反映さえています。

エレア: カーブルの景色については、ビデオなども参照しました。技術的にはできるだけエネルギーを倹約する工夫もしました。2Dの手法に、デッサンに必要があれば動きを加えました。

最後のサラという女性の一人のシーンなのですが、監督の意向に沿う形でスタートしたのですが、役者の動きが2分間ほとんどなくて、動きがないとアニメで描くのにはとても難しいのです。最後に息づかいと、ちょっとした動きがあって、それを活かしました。


― ヒアム・アッバスさんなど声の出演者に実際に演じて貰ったのですね?

ザブー:そうです。絵と実際の役者がすごく似ています。主役の夫婦は土地独特の伝統的な人たち。演じてもらったのも看守である夫役のシモン・アブカリアンはレバノン人、妻役のヒアム・アッバスはパレスチナ人です。二人とも中東の人なので、ちょっとした仕草や振る舞いにもそれらしさが出ています。
老人役は、実は私の父に演じてもらいました。撮影後に亡くなったので、あの老人を見ると父そのもので涙が出ます。


― まだまだお聞きしたいことがあったのですが、時間がきてしまいました。いつか日本で公開されることを願っています。




フランス映画祭2019横浜  『シノニムズ』

『シノニムズ』 原題:Synonymes
監督・脚本:ナダヴ・ラピド
出演:トム・メルシエール、カンタン・ドルメール、ルイーズ・シュヴィヨット
2018年/フランス・イスラエル・ドイツ/フランス語/スコープ/123分/R15+
★第69回ベルリン国際映画祭 金熊賞受賞

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© 2018 SBS FILMS - PIE FILMS - KOMPLIZEN FILMS - ARTE FRANCE CINEMA

*ストーリー*

イスラエルからパリにやってきたヨアヴ。イスラエルの国籍を捨て、フランス国籍を取得しようと奮闘している。
広々とした空き部屋のバスタブで凍死しそうになっているところを、エミールとキャロリーヌのカップルに助けられる。
やがてイスラエル大使館の警備員の仕事に就くが、大雨の日、列を作る人々のために「国境を越えろ」と柵をあけ、皆を中に入れたことからクビになる。
「ヘブライ語の講師もしているしモデルの仕事もある」というが、カメラマンに裸になり自慰するのを強要される。「ヘブライ語で何か言って!」と指示され、「俺はここで何をしている?」とヘブライ語で叫ぶ。
国籍を取るために市民講座に通うヨアヴ。はたしてフランスは彼を救ってくれるのか?


国を捨てて、フランスに受け入れてもらいたいという思いが、ヨアヴの息づかいや吐き出すようなフランス語の単語の練習から、伝わってきました。
フランスが自国の狂気から自分を救ってくれると信じるヨアヴの姿を通じて、国籍とは? 母国語を捨てるということとは? と、様々なことを考えさせられる作品。

ナダヴ・ラピド監督にインタビューの時間をいただいていたのですが、上海で予定の飛行機に乗り損ねたとのことで、取材を断念。お聞きしたいことがいっぱいあったのに、ほんとに残念でした。

用意していた質問の一部をここに挙げておきます。

母国語を拒否するのは自分の一部を殺すのと同じという言葉がでてきました。 監督ご自身、パリに移住したのち、イスラエルに戻っていらっしゃいます。 この言葉は監督ご自身の経験からきているのでしょうか?

主人公ヨアヴの祖父がリトアニアから英領パレスチナに来た人物という設定でした。先に行った兄は自殺。家族はホロコーストで皆死んだとありました。
祖父は宗教学校の秀才だったけれど、国を出て、イディッシュ語を拒否し、もう一言も話さないと宣言。 これは、監督のお祖父さんの話でしょうか?

市民講座で、1905年は 国家と教会の分離の年と教えられます。
人の宗教も自分の宗教も話さない。教会、モスク、シナゴーグには税金を使わない。
宗教、神様はいない。税金は教育に使われる。 という説明があり興味深かったです。
メトロに乗り、イスラエルの歌を口ずさみながらメトロの中の乗客一人一人を覗き込む場面がありました。キッパを被りましたが、それ自体、フランスでは禁止行為なのではないでしょうか? (メトロが公共の場とすればですが)

ほかにもお聞きしたいことがたくさんある作品でした。


監督・脚本:ナダヴ・ラピド  プロフィール
1975年イスラエル、テルアビブ生まれ。テルアビブ大学で哲学を学び、卒業後に自国の徴兵に参加した後にパリに移住。イスラエルに戻り、サム・スピーゲル映画テレビ学校を卒業。初監督作品「Policeman」は2011年のロカルノ国際映画祭にて審査委員特別賞を受賞。「The Kindergarten Teacher」(14)は、カンヌ・批評家週間をはじめ、数多くの映画祭に出品された。2016年にはカンヌ・批評家週間の審査員も務めた。(公式サイトより)