アニメアワード3(白)

3月11日(月)

東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)最終日です。
午後からの”イスラエルアニメーション特集”だけ観てきました。イスラエルの”今”を伝える9本の短編アニメは、詩情あり、ユーモアあり、思春期の少女たちや親子のすれ違い、学校でのいじめまで、国の違いに関わらず通じる作品でした。資金も技術もまだまだとのことですが、若い方々の意欲や夢を後押しできる世の中であってほしいです。

夕方、各部門の受賞が発表になりました。
公式HP:http://animefestival.jp/ja/

■長編アニメーション
グランプリ『アナザー デイ オブ ライフ』
英題:ANOTHER DAY OF LIFE
(ポーランド・スペイン・ベルギー・ドイツ・ハンガリー)
監督:ラウル・デ・ラ・フエンテ&ダミアン・ネノウ
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© 2017: Platige Films SP. Z O. O., Kanaki Films S. L, Walking the Dog BVBA, Wüste Film GMBH, Animationsfabrik GMBH, Arena Comunicacion Audiovisual S. L

優秀賞『パチャママ』英題:Pachamama
(フランス・ルクセンブルク・カナダ)
監督:ファン・アンティン
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c 2018 Folivari / O2B Films / Doghouse Films / Kaibou Production Pachamama Inc / Blue Spirit Studio / Haut et Court Distribution

■短編アニメーション
グランプリ『花咲く道 11 歳』英題:Bloeistraat 11
(ベルギー・オランダ)
監督:ニンケ・ドゥーツ

優秀賞『聖者の機械 6 – 前へ進め』英題:Bendito Machine VI - Carry On
(スペイン・フランス)
監督:ジョジー・マリス
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©Jossie Malis


今日は東日本大震災から8年目です。1月末にいわきに行ってきましたが、津波の跡などはまったく目にせずに帰宅しました。乗ったタクシーの運転手さんから、どんなであったか直接伺えたのが唯一。防潮堤が高く作られて今は海が全然見えないのだとか。
被災者のみなさまが平安でありますように。(白)

アニメアワード2(白)

3月10日(日)
きのうは別件のためアニメアワードはお休み。日曜にはまとめて観ようと楽しみにしていました。

長編コンペ作品3本

『パチャママ』フランス
アンデスの山の中の村に住む男の子テップルパイ。いつかコンドルに乗って空を飛ぶのと、シャーマンになるのが夢。いつも自分のことばかりで、幼馴染の女の子ナエルに呆れられている。
大地の神パチャママへ一番大切なものを捧げて一人前と認めてもらう日、テップルパイはコンドルの羽根を差し出せなかった。ナエルは大切なアルパカの子を捧げて認められ、恵の雨が降る。
祖先から受け継いでいる”村の宝物マカ”がインカの役人に取り上げられてしまった。テップルパイとナエルは王宮まで取り返しにいく。

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ファン・アンティン監督

シンプルに図案化された背景が絵本のようです。2015年のグランプリ『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』を思い出しました。
人物の表情がお地蔵さんに似ていて、親近感がわきます。やんちゃで自分本位な男の子が義務や責任を知り、冒険を経て一人前になっていく物語。同じ年ごろの女の子が最初からしっかりしているところが、どのアニメの設定も大体そう。これは万国共通なのねと、おもしろいです(笑)。


『キャプテンモートンと蜘蛛の女王』エストニア
お父さんがいない間、知り合いの家に預けられているモートンは、お父さんのように船乗りになりたい。家の中のものでオモチャの船を作り、虫たちを乗組員に見立てて遊んでいる。不思議な霧をあびて小さくなってしまったノートン、船に乗り込んで船長になる・・・はずだったが、船では蜘蛛の女王がいばりちらしていた。

長編の応募作品中、唯一のストップモーションアニメ。背景をつくり、小さな人形を少しずつ動かしてコマ撮りしています。たいへん手数がかかるので短編が多いのですが、これは珍しい長編です。虫たちのキャラクターが秀逸で、人形だからこそ許せるブラックユーモアも散りばめてあります。

『捨て犬』韓国
山道を走ってきた車から犬のムンチが降ろされる。遠くに投げられたボールを咥えて戻ると、飼い主の車が走り去って行くのが見えた。捨てられたことが信じられないムンチは、いつまでも飼い主を待つがもう戻ることはなかった。同じ目にあった捨て犬たちに誘われ、ムンチも廃村に住むようになった。虐待する人間から逃げ出したパミに出逢い、危ないところを救われる。山に住む彼らも人間に追われることのない土地を探していた。

犬好きなら最初のシーンから泣けてしまいそう。いろいろな犬種の子たちが個性を発揮しています。ムンチは白に青い色になっていますが、ボーダーコリー(実際は黒白で長毛)じゃないかな。悪役は思い切り悪人顔の人間が全部引き受けて、犬に優しい人間はほんの少しだけ登場します。虐げられる辛い日々から、自由と幸せを求めて旅するという世界中の難民問題にもオーバーラップする物語です。
韓国アニメで最高の興行成績を残した『庭を出ためんどり』(2011)のオ・ソンユン、イ・チュンベク監督作。人気のEXO ディオ(『あの日、兄貴が灯した光』『7号室』主演)、パク・ソダム、パク・チョルミン、イ・ジュンヒョクたちが声優として出演しています。客席がどの作品よりも埋まっていたのにびっくりしましたが、この声優効果のようです。ファンはありがたいですね。上映後のトークで第1次審査員の方が「選出したときに声優のことを全く知らなくて、チケットの売れ行きに驚いた」とおっしゃっていました。


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コンペ作品4本が4本とも全く違うタイプの作品なので、観ていて優劣つけがたいです。グランプリがどの作品になるのか、私もドキドキです。11日(月)19:30から新文芸坐でグランプリ作品がもう一度上映されます。(白)

アニメアワード1(白)

3月8日(金)
長編コンペ作品
『アナザー デイ オブ ライフ』ポーランド
1975年 アフリカ南西部のアンゴラ。ベテラン記者のカプシンスキは、ワルシャワから独立戦争の取材に来ている。最前線に行こうとする彼を誰もが無理だと止める。なんとか車を調達し前線へ向かって目にしたものは、道を塞ぐように累々と続く死体だった。

企画から資金調達、製作と完成まで8年かかったという作品。アニメーションを主に実在した人物の画像や映像も多く使われています。19歳の女性兵士の笑顔が忘れられません。カプシンスキは何冊も本を著し日本語訳も出版されています。

オープニング作品
『エセルとアーネスト ふたりの物語』イギリス
ロンドンで出会ったエセルとアーネスト。ようやく一人息子を授かり、アーネストは家族を抱えて懸命に働いた。戦闘が近づいたため、家に防空壕を作り、子どもたちは田舎へ疎開させることになった。

世界中で親しまれている絵本「スノーマン」「風が吹くとき」「さむがりやのサンタ」などの作家、レイモンド・ブリッグズが自身の両親の思い出を書いた本が原作。本人も冒頭に登場します。第二次大戦をはさんでごく普通の家族の話が細やかに描かれていました。2019年秋公開予定。