5月の開催予定が延期されていた「ドイツ映画祭 HORIZONTE 2021」が、11月18日より開催されます。
期間:2021年11月18日(木)~21日(日)
会場:ユーロライブ(渋谷)
公式サイト:https://www.goethe.de/doitsueigasai2021
★特別先行販売 11月1日(月)~11月14日(日)1300円
ユーロスペース公式サイトhttp://www.eurospace.co.jp/
その後は、鑑賞日の3日前からオンラインとユーロスペース窓口で販売。
一般:1500円 学生・シニア・ユーロスペース会員:1200円
ドイツ映画は今、変化の過程にあります。2021年ドイツ映画祭「Horizonte」(地平線、視界)の上映作品7本のうち5本は、移民の背景を持つ監督による作品です。ここ数年は新世代の映画人が登場し、従来とは異なるドイツを物語る作品を発表しています。彼らの作品は、ドイツでの生活を自明と考えてきた人々とは異なる視点を提示し、ドイツにある多様な現実に光を当ててくれます。この光によって、これまでのドイツ映画の世界では見えなかった「色」が輝き出し、表現がより豊かになります。ドイツの現実に対する眼差しが多様化することは、ドイツ映画の充実だけでなく、私たち自身の「視界(Horizont)」を拡げ、ひいては未来の社会を共に構築するための大切な支えを作るのです。
(公式サイトより)
開会式&トーク
11月18日(木)
19:30-20:20 トーク
濱口竜介監督(リアル来場登壇予定)
『未来は私たちのもの』主演ベンヤミン・ラジャイブプル※
『マリアム エヴィーン刑務所生まれて』マリアム・ザレー監督※
※印のゲストは、オンライン登壇になります。
トーク後、『未来は私たちのもの』上映
◎イラン系監督の作品
◆『悪は存在せず』
監督:モハマッド・ラスロフ(ドイツ在住イラン人)
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21/the.html
11月20日(土)10:00
11月21日(日)13:50
*2020年の東京国際映画祭で上映された作品。
イラン政府当局から映画製作を禁じられているラスロフ監督が、死刑制度にまつわる四つの短編を繋げて、人間の尊厳を問うています。
TIFFトークサロン報告記事
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/478620118.html
◆『未来は私たちのもの』
監督:ファラズ・シャリアット(イラン移民2世。1994年生)
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21/fut.html
11月18日(木)19:30 開会式&トーク後、上映
11月20日(土)20:40
◆『マリアム エヴィーン刑務所に生まれて』
監督:マリアム・ザレー(イランの政治犯収容のエヴィーン刑務所生まれ)
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21/bor.html
11月19日(金)14:00
11月20日(土)18:00 上映後Q&A ザレー監督
◎アフガニスタン系監督の作品
◆ベルリン・アレクサンダープラッツ
監督:ブルハン・クルバニ(アフガニスタン人難民の息子。1980年ドイツ生まれ)
西アフリカ・ギニアビサウ出身の男フランシスが、難民としてたどり着いたベルリンで、麻薬組織に巻き込まれ人生を翻弄させられる物語。
原作は、1920年代に出版されたアルフレート・デーブリーンによる現代ドイツ文学の金字塔「ベルリン・アレクサンダー広場」。ブルハン・クルバニ監督が、独自の解釈で映画化。原作の主人公は、下層労働者でしたが、それをアフリカからの難民に設定。貧困・人種・難民の問題を盛り込んだ深みのある作品に仕上げています。
シネジャ作品紹介は、こちらで!
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/481528389.html
公式サイト:
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21/ber.html
11月19日(金)18:45
11月21日(日)10:20
◎トルコ系監督の作品
◆『オライの決断』
監督:メフメト・アキフ・ビュユックアタライ
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21/ora.html
11月20日(金)15:20 上映後Q&A ビュユカタライ監督
11月21日(土)20:30
◎ドイツ人監督の作品
◆『システム・クラッシャー 家に帰りたい』
監督:ノラ・フィングシャイト
2019年ベルリン映画祭銀熊賞
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21/sys.html
11月19日(金)10:30
11月20日(土)13:00
◆『異端児ファスビンダー』
監督:オスカー・レーラー
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21/ent.html
11月19日(金)16:00
11月21日(日)17:20
「ドイツ映画祭 HORIZONTE 2021」11月に延期に
5月20日より開催予定だった「ドイツ映画祭 HORIZONTE 2021」が、緊急事態宣言の延長を受けて、11月に延期されてしまいました。
会場は渋谷・ユーロライブが予定されていました。同じ建物の中のユーロスペースやシネマベーラ渋谷は緊急事態宣言中も開館しているので、映画祭主催者の判断だと思います。
ドイツ映画祭 公式サイト:https://www.goethe.de/doitsueigasai2021
今年のドイツ映画祭の上映作品7本のうち5本が、移民の背景を持つ監督による作品で、イラン系3人、アフガニスタン系とトルコ系が一人ずつと、とても楽しみにしていたのです。
*私の注目作品*
『悪は存在せず』モハマッド・ラスロフ監督(ドイツ在住イラン人)
2020年の東京国際映画祭で上映された作品。死刑制度にまつわる4つのエピソードから、人間の尊厳を問うものです。
TIFFトークサロン報告記事
『未来は私たちのもの』ファラズ・シャリアット監督(イラン移民2世)
『マリアム エヴィーン刑務所に生まれて』マリアム・ザレー監督(イランの政治犯収容のエヴィーン刑務所生まれ)
『オライの決断』メフメト・アキフ・ビュユックアタライ監督(トルコ系)
『ベルリン・アレクサンダープラッツ』ブルハン・クルバニ監督(アフガニスタン移民2世)
このうち、『ベルリン・アレクサンダープラッツ』は、5月20日(木)よりMIRAIL(ミレール)、Amazon Prime Video、U-NEXTにてオンライン上映されます。
ひと足早く拝見させていただきました。
西アフリカ・ギニアビサウ出身の男フランシスが、難民としてたどり着いたベルリンで、麻薬組織に巻き込まれ人生を翻弄させられる物語。
原作は、1920年代に出版されたアルフレート・デーブリーンによる現代ドイツ文学の金字塔「ベルリン・アレクサンダー広場」。アフガニスタン人難民の息子として、1980年にドイツで生まれたブルハン・クルバニ監督が、独自の解釈で映画化。原作の主人公は、下層労働者でしたが、それをアフリカからの難民に設定。貧困・人種・難民の問題を盛り込んだ深みのある作品に仕上げています。
作品紹介は、こちらで!
会場は渋谷・ユーロライブが予定されていました。同じ建物の中のユーロスペースやシネマベーラ渋谷は緊急事態宣言中も開館しているので、映画祭主催者の判断だと思います。
ドイツ映画祭 公式サイト:https://www.goethe.de/doitsueigasai2021
今年のドイツ映画祭の上映作品7本のうち5本が、移民の背景を持つ監督による作品で、イラン系3人、アフガニスタン系とトルコ系が一人ずつと、とても楽しみにしていたのです。
*私の注目作品*
『悪は存在せず』モハマッド・ラスロフ監督(ドイツ在住イラン人)
2020年の東京国際映画祭で上映された作品。死刑制度にまつわる4つのエピソードから、人間の尊厳を問うものです。
TIFFトークサロン報告記事
『未来は私たちのもの』ファラズ・シャリアット監督(イラン移民2世)
『マリアム エヴィーン刑務所に生まれて』マリアム・ザレー監督(イランの政治犯収容のエヴィーン刑務所生まれ)
『オライの決断』メフメト・アキフ・ビュユックアタライ監督(トルコ系)
『ベルリン・アレクサンダープラッツ』ブルハン・クルバニ監督(アフガニスタン移民2世)
このうち、『ベルリン・アレクサンダープラッツ』は、5月20日(木)よりMIRAIL(ミレール)、Amazon Prime Video、U-NEXTにてオンライン上映されます。
ひと足早く拝見させていただきました。
西アフリカ・ギニアビサウ出身の男フランシスが、難民としてたどり着いたベルリンで、麻薬組織に巻き込まれ人生を翻弄させられる物語。
原作は、1920年代に出版されたアルフレート・デーブリーンによる現代ドイツ文学の金字塔「ベルリン・アレクサンダー広場」。アフガニスタン人難民の息子として、1980年にドイツで生まれたブルハン・クルバニ監督が、独自の解釈で映画化。原作の主人公は、下層労働者でしたが、それをアフリカからの難民に設定。貧困・人種・難民の問題を盛り込んだ深みのある作品に仕上げています。
作品紹介は、こちらで!
ドイツ映画祭 HORIZONTE2019
ドイツ映画の今がわかる!
最新のドイツ映画から選りすぐりの作品を上映!
期間:2019年3月8日(金)〜3月15日(金)
会場:東京渋谷 ユーロスペース
主催:ゲーテ・インスティトゥート東京
HP:www.goethe.de/tokyo
助成: German Films
協力:アルバトロス・フィルム/クロックワークス、彩プロ
サイトHP:https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/hor.html
映画祭チラシpdfはこちら
【上映作品】
『ロミー・シュナイダー~その光と影~』(原題:3 Tage in Quiberon)
1981 年、世界的⼤⼥優ロミー・シュナイダーは、フランス、ブルターニュ地⽅のキブロンで静養のために数週間を過ごしていた。そこに、⻑年の友⼈ヒルデが訪れてくるが、加えてドイツから⻘年記者とカメラマンもやって来る。繊細なスター⼥優と野⼼的ジャーナリストの攻防が始まる。
1981 年のシュテルン誌に掲載された実際のインタビューと、キブロンで撮られた⽩⿊のポートレート写真に基づいて制作された作品。当時の雰囲気を再現した映像に、痛々しいほどに⼈間らしいロミー・シュナイダーが描かれている。⾃⼰顕⽰とメディア搾取、⽣への激しい渇望の狭間で揺れる映画スターの複雑な⼼の内に迫る。本作は 2018 年のドイツ映画賞にて 7 部⾨での受賞に輝いた。
2018 年/ 115 分/ ドイツ語・フランス語、⽇本語字幕つき
監督:エミリ・アテフ
キャスト:マリー・ボイマー、ビルギット・ミニヒマイヤー、ロベルト・グヴィスデク、チャーリー・ヒューブナー、ドニ・ラヴァン
『マニフェスト』(原題:Manifesto)
オスカー⼥優ケイト・ブランシェットが時に教師、また時にホームレスとなり、ポップ・アートからドグマ 95 まで、20 世紀のさまざまな芸術の潮流を作り上げた宣⾔を 13 のエピソードで演じる。映像作家ユリアン・ローゼフェルトによる監督のもと、国や時代、社会的⾝分や性別を越えたキャラクターを⼀⼈で演じきるブランシェットの演技⼒は圧倒的だ。作中、未来派やダダ、フルクサスなど、芸術組織のテキストや、芸術家個⼈の思索を監督が編集、13 のコラージュに再構成した。芸術におけるマニフェストとは、新しいものを⽣み出す可能性と、教義として凝り固まる危険を併せ持つ。この映画は、そのマニフェストのアンビバレントな役割を⾒事に描き出している。
2017 年 / 95 分 / 英語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ローゼフェルト
キャスト:ケイト・ブランシェットほか
『キャスティング』(原題:Casting)
初めて監督するテレビ映画にファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』のリメイク版を選んだ監督のヴェラ。繰り返しオーディションを⾏うが撮影初⽇を前に主役が決まらない。不安を感じ始めるプロデューサーや撮影チームをよそに、ゲルヴィンはそんな状況を歓迎している。オーディションを受けに来る有名⼥優たちの相⼿役として、台詞を合わせることが仕事だからだ。主演男優が突然役を降りることになると、ゲルヴィンはチャンスとばかり⾊めき⽴つ。ヴァッカーバルト監督はファスビンダーの複層的な原作に対応しながら、独⾃の作品世界を作り上げた。鋭い視線で、権⼒や欲望に⽀配された⼈間関係の深淵に切り込み、⾯⽩くも⾟辣にドイツテレビ界のパワーゲームと依存関係に光を当てる。
2017 年 / 91 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ニコラス・ヴァッカーバルト
キャスト:アンドレアス・ルスト、ユディット・エンゲル、コリンナ・キルヒホフ
『プチ・ブルの犬』(原題:Selbstkritik eines bürgerlichen Hundes)
⼤志を抱きながらもパッとしない映画監督ユリアンはいくつもの助成申請を却下され、やむをえず農家で収穫作業をすることになる。ユリアンが共産主義の理想を謳うメルヘン映画の主役に⼝説いていたカナダ⼈⼥性カミーレも成り⾏きで同⾏し、ふたりはリンゴ農家にたどり着く。⾁体労働で使い物にならないユリアンを尻⽬に、カミーレはありもしない映画の準備に没頭し、奇跡を信じるホンとサンチョという友達もできる。さらには、アメリカン・ドリームを掲げた模範的労働者や、不思議な僧侶も現れ混乱を深める。
ラードルマイヤー監督の⻑編デビューは、政治的態度を模索する今⽇の若い世代が抱えるジレンマを独特のコメディータッチで描き 2017 年のベルリン国際映画祭で⼤きな反響を得た。
2017 年 / 99 分 / ドイツ語・英語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ラードルマイヤー
キャスト:ユリアン・ラードルマイヤー、デラ・キャンベル、キョンテク・イ、ベンヤミン・
フォルティ
『明日吹く風』(原題:Whatever Happens Next)
これまでの⼈⽣を捨ててしまうことはいつだってできる。今すぐにでも。その電⾞から、⾞から、⾃転⾞から降りてどこかに⾏ってしまえばいいのだ。43 歳のパウル・ツァイゼは、普通だったら振り払ってしまうこんな考えをある⽇実⾏に移してしまう。妻、仕事、すべての⾝分と地位を捨てて。気のいい役⽴たずとして⼈にたかりながら放浪するパウル。勝⼿に⼈の⾞に同乗し、呼ばれてもいないパーティーや葬式に参列する。そしてある⽇、少し⾵変わりなネレと出会い恋に落ちる。次第に⾃分のペースにパウルを引き込んでいくネレ。
ユリアン・ペルクセン監督は⻑編デビューとなる本作で、現代の忙しい⽣活から逃れて気ままな暮らしに⾝を置いた時に待ち受ける混乱を、ユーモラスかつメランコリックに描いている。
2018 年 / 97 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ペルクセン
キャスト:セバスティアン・ルドルフ、ニルス・ボアマン、エファ・レーバウ、リリト・シ
ュタンゲンベルク
『ソーシャルメディアの“掃除屋”たち』(原題:The Cleaners)
世界規模でデジタルコンテンツ検閲を⾏うマニラの巨⼤な影の産業を追ったドキュメンタリー映画。そこでは、シリコンバレーに委託され、何万⼈というコンテンツ・モデレーターが、フェイスブック、YouTube、ツイッターなどの問題のある投稿を削除している。残酷な表現に継続的に晒される作業は、作業員たちの認識能⼒や⼈格に異常をもたらすが、作業に関わる経験は⼝外厳禁だ。本作はコンテンツ・モデレーターを取り上げながら、フェイクニュースやヘイト・コンテンツがネットを通じて拡散・扇動される様⼦を映し出す。
監督のブロックとリーゼヴィークは、この作品でソーシャルメディアの理想と夢が破れる様を描き出し、その社会への重⼤な影響⼒に警鐘を鳴らす。
2018 年 / 88 分 / 英語・タガログ語、英語・⽇本語字幕つき
監督:ハンス・ブロック、モーリッツ・リーゼヴィーク
『父から息子へ~戦火の国より~』(原題:Of Fathers and Sons)
ベルリン在住のシリア⼈映画監督タラル・デルキ(『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』)は、本作品の制作にあたりシリア北部の家族に 2 年半にわたり密着した。シリアで活動するアルカイダの関連組織ヌスラ戦線のメンバーを⽗親に持つ⼀家の元に滞在する。客として迎え⼊れられた監督は、戦⽕を⽬の当たりにする⼦供たちの⽣活を⾒つめ、特に⻑男と次男の成⻑を追った。観客はあるイスラム主義者のプライベートな側⾯、息⼦たちをイスラム国家の戦⼠に育て上げようとする⽗親としての側⾯を⽬にする。戦争の残酷さと家庭⽣活の内側とが絡み合う深いヒューマニズムの上に成り⽴ったこのドキュメンタリー映画は、2018 年ドイツ・ドキュメンタリー映画賞をはじめ数々の賞を受賞している。
2017 年 / 99 分 / アラビア語、英語・⽇本語つき
監督:タラル・デルキ
『希望の灯り』(原題: In den Gängen)
旧東ドイツのとある量販店で働き始めたクリスティアンは、その未知の⼩宇宙にそっと降り⽴つ - ⻑い通路、延々と続く商品棚、フォークリフトのシュールなメカニズム。軽い気持ちでクリスティアンの気を惹こうとするマリオンに、クリスティアンは恋をしてしまう。ところが急にマリオンは職場に来なくなり、落ち込むクリスティアンは、かつての惨めな⽣活に引き戻されていく。
ステューバー監督は、壁崩壊から 30 年、旧東ドイツの地⽅で単純労働者として運命を共にする⼈々の⽣活と、その密接な⼈間関係をこれまでとは違った視座から描いた。現実、憧れや夢などが堅実にフレーミングされた映像の中に収められ、量販店の冷たい宇宙は、魔法をかけられたような空間に変貌する。
2018 年 / 125 分 /ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:トーマス・ステューバー
キャスト:フランツ・ロゴフスキ、ザンドラ・ヒュラー、ペーター・クルト
配給(⽇本):彩プロ
『僕たちは希望という名の列車に乗った』(原題:Das schweigende Klassenzimmer)
1956 年、東ドイツの模範的労働者都市スターリンシュタットの⾼校 3 年⽣、テオとクルトは列⾞で訪れた⻄ベルリンの映画館でハンガリー動乱のニュース映像⽬にし、いたく⼼を揺さぶられる。スターリンシュタットに戻ると、⾃由を求め闘ったハンガリーの犠牲者に、授業中、2 分間黙祷することを思いついた。そのことが誰も予測できなかった結果をもたらす。国家権⼒は少年たちの⾏動を反⾰命的⾏為と断罪、⾸謀者の名を挙げるよう詰寄る。卒業を⽬の前に、彼らは将来を⼤きく変える決断に迫られる。
監督・脚本のラース・クラウメは新⼈俳優を起⽤し実⼒派で脇役を固めた。原作となったのはディートリッヒ・ガーストの⾃伝的⼩説『Das schweigende Klassenzimmer』(沈黙の教室)。ドイツ戦後史の⼼に刺さる⼀章。
2017 年 / 111 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ラース・クラウメ
キャスト:レオナルド・シャイヒャー、トム・グラメンツ、レーナ・クレンケ
配給(⽇本):アルバトロス・フィルム/クロックワークス
『未来を乗り換えた男』(原題:Transit)
ドイツ軍の迫るパリを逃れ、ゲオルクはマルセイユに辿り着いた。鞄には、迫害の不安に耐え切れず⾃殺した作家ヴァイデルの遺品である原稿と⼿紙、そしてメキシコ⼤使館が発⾏した⼊国許可証を持っている。
港町マルセイユで、ゲオルクはヴァイデルのアイデンティティを盗み、船で渡航する機会を掴み取ろうとする。ある⽇、マリーに出会ったゲオルクは計画の変更を迫られる。『東ベルリンから来た⼥』で知られるペッツォルト監督は、アンナ・ゼーガースが 1941〜42 年、亡命中に執筆した⼩説『トランジット』を原作とし、舞台を現在のマルセイユに移した。⼤戦当時と今の難⺠たちの姿が重なりあい、過去と現在が時空を超えてつながり、全ての物語は、この永久の「トランジット(中継)」地へと集結する。
2018 年 / 101 分 / ドイツ語・フランス語、⽇本語字幕つき
監督:クリスティアン・ペッツォルト
キャスト:フランツ・ロゴフスキ、パウラ・ベーア、ゴーデハルト・ギーゼ
配給(⽇本):アルバトロス・フィルム
最新のドイツ映画から選りすぐりの作品を上映!
期間:2019年3月8日(金)〜3月15日(金)
会場:東京渋谷 ユーロスペース
主催:ゲーテ・インスティトゥート東京
HP:www.goethe.de/tokyo
助成: German Films
協力:アルバトロス・フィルム/クロックワークス、彩プロ
サイトHP:https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/hor.html
映画祭チラシpdfはこちら
【上映作品】
『ロミー・シュナイダー~その光と影~』(原題:3 Tage in Quiberon)
1981 年、世界的⼤⼥優ロミー・シュナイダーは、フランス、ブルターニュ地⽅のキブロンで静養のために数週間を過ごしていた。そこに、⻑年の友⼈ヒルデが訪れてくるが、加えてドイツから⻘年記者とカメラマンもやって来る。繊細なスター⼥優と野⼼的ジャーナリストの攻防が始まる。
1981 年のシュテルン誌に掲載された実際のインタビューと、キブロンで撮られた⽩⿊のポートレート写真に基づいて制作された作品。当時の雰囲気を再現した映像に、痛々しいほどに⼈間らしいロミー・シュナイダーが描かれている。⾃⼰顕⽰とメディア搾取、⽣への激しい渇望の狭間で揺れる映画スターの複雑な⼼の内に迫る。本作は 2018 年のドイツ映画賞にて 7 部⾨での受賞に輝いた。
2018 年/ 115 分/ ドイツ語・フランス語、⽇本語字幕つき
監督:エミリ・アテフ
キャスト:マリー・ボイマー、ビルギット・ミニヒマイヤー、ロベルト・グヴィスデク、チャーリー・ヒューブナー、ドニ・ラヴァン
『マニフェスト』(原題:Manifesto)
オスカー⼥優ケイト・ブランシェットが時に教師、また時にホームレスとなり、ポップ・アートからドグマ 95 まで、20 世紀のさまざまな芸術の潮流を作り上げた宣⾔を 13 のエピソードで演じる。映像作家ユリアン・ローゼフェルトによる監督のもと、国や時代、社会的⾝分や性別を越えたキャラクターを⼀⼈で演じきるブランシェットの演技⼒は圧倒的だ。作中、未来派やダダ、フルクサスなど、芸術組織のテキストや、芸術家個⼈の思索を監督が編集、13 のコラージュに再構成した。芸術におけるマニフェストとは、新しいものを⽣み出す可能性と、教義として凝り固まる危険を併せ持つ。この映画は、そのマニフェストのアンビバレントな役割を⾒事に描き出している。
2017 年 / 95 分 / 英語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ローゼフェルト
キャスト:ケイト・ブランシェットほか
『キャスティング』(原題:Casting)
初めて監督するテレビ映画にファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』のリメイク版を選んだ監督のヴェラ。繰り返しオーディションを⾏うが撮影初⽇を前に主役が決まらない。不安を感じ始めるプロデューサーや撮影チームをよそに、ゲルヴィンはそんな状況を歓迎している。オーディションを受けに来る有名⼥優たちの相⼿役として、台詞を合わせることが仕事だからだ。主演男優が突然役を降りることになると、ゲルヴィンはチャンスとばかり⾊めき⽴つ。ヴァッカーバルト監督はファスビンダーの複層的な原作に対応しながら、独⾃の作品世界を作り上げた。鋭い視線で、権⼒や欲望に⽀配された⼈間関係の深淵に切り込み、⾯⽩くも⾟辣にドイツテレビ界のパワーゲームと依存関係に光を当てる。
2017 年 / 91 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ニコラス・ヴァッカーバルト
キャスト:アンドレアス・ルスト、ユディット・エンゲル、コリンナ・キルヒホフ
『プチ・ブルの犬』(原題:Selbstkritik eines bürgerlichen Hundes)
⼤志を抱きながらもパッとしない映画監督ユリアンはいくつもの助成申請を却下され、やむをえず農家で収穫作業をすることになる。ユリアンが共産主義の理想を謳うメルヘン映画の主役に⼝説いていたカナダ⼈⼥性カミーレも成り⾏きで同⾏し、ふたりはリンゴ農家にたどり着く。⾁体労働で使い物にならないユリアンを尻⽬に、カミーレはありもしない映画の準備に没頭し、奇跡を信じるホンとサンチョという友達もできる。さらには、アメリカン・ドリームを掲げた模範的労働者や、不思議な僧侶も現れ混乱を深める。
ラードルマイヤー監督の⻑編デビューは、政治的態度を模索する今⽇の若い世代が抱えるジレンマを独特のコメディータッチで描き 2017 年のベルリン国際映画祭で⼤きな反響を得た。
2017 年 / 99 分 / ドイツ語・英語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ラードルマイヤー
キャスト:ユリアン・ラードルマイヤー、デラ・キャンベル、キョンテク・イ、ベンヤミン・
フォルティ
『明日吹く風』(原題:Whatever Happens Next)
これまでの⼈⽣を捨ててしまうことはいつだってできる。今すぐにでも。その電⾞から、⾞から、⾃転⾞から降りてどこかに⾏ってしまえばいいのだ。43 歳のパウル・ツァイゼは、普通だったら振り払ってしまうこんな考えをある⽇実⾏に移してしまう。妻、仕事、すべての⾝分と地位を捨てて。気のいい役⽴たずとして⼈にたかりながら放浪するパウル。勝⼿に⼈の⾞に同乗し、呼ばれてもいないパーティーや葬式に参列する。そしてある⽇、少し⾵変わりなネレと出会い恋に落ちる。次第に⾃分のペースにパウルを引き込んでいくネレ。
ユリアン・ペルクセン監督は⻑編デビューとなる本作で、現代の忙しい⽣活から逃れて気ままな暮らしに⾝を置いた時に待ち受ける混乱を、ユーモラスかつメランコリックに描いている。
2018 年 / 97 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ペルクセン
キャスト:セバスティアン・ルドルフ、ニルス・ボアマン、エファ・レーバウ、リリト・シ
ュタンゲンベルク
『ソーシャルメディアの“掃除屋”たち』(原題:The Cleaners)
世界規模でデジタルコンテンツ検閲を⾏うマニラの巨⼤な影の産業を追ったドキュメンタリー映画。そこでは、シリコンバレーに委託され、何万⼈というコンテンツ・モデレーターが、フェイスブック、YouTube、ツイッターなどの問題のある投稿を削除している。残酷な表現に継続的に晒される作業は、作業員たちの認識能⼒や⼈格に異常をもたらすが、作業に関わる経験は⼝外厳禁だ。本作はコンテンツ・モデレーターを取り上げながら、フェイクニュースやヘイト・コンテンツがネットを通じて拡散・扇動される様⼦を映し出す。
監督のブロックとリーゼヴィークは、この作品でソーシャルメディアの理想と夢が破れる様を描き出し、その社会への重⼤な影響⼒に警鐘を鳴らす。
2018 年 / 88 分 / 英語・タガログ語、英語・⽇本語字幕つき
監督:ハンス・ブロック、モーリッツ・リーゼヴィーク
『父から息子へ~戦火の国より~』(原題:Of Fathers and Sons)
ベルリン在住のシリア⼈映画監督タラル・デルキ(『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』)は、本作品の制作にあたりシリア北部の家族に 2 年半にわたり密着した。シリアで活動するアルカイダの関連組織ヌスラ戦線のメンバーを⽗親に持つ⼀家の元に滞在する。客として迎え⼊れられた監督は、戦⽕を⽬の当たりにする⼦供たちの⽣活を⾒つめ、特に⻑男と次男の成⻑を追った。観客はあるイスラム主義者のプライベートな側⾯、息⼦たちをイスラム国家の戦⼠に育て上げようとする⽗親としての側⾯を⽬にする。戦争の残酷さと家庭⽣活の内側とが絡み合う深いヒューマニズムの上に成り⽴ったこのドキュメンタリー映画は、2018 年ドイツ・ドキュメンタリー映画賞をはじめ数々の賞を受賞している。
2017 年 / 99 分 / アラビア語、英語・⽇本語つき
監督:タラル・デルキ
『希望の灯り』(原題: In den Gängen)
旧東ドイツのとある量販店で働き始めたクリスティアンは、その未知の⼩宇宙にそっと降り⽴つ - ⻑い通路、延々と続く商品棚、フォークリフトのシュールなメカニズム。軽い気持ちでクリスティアンの気を惹こうとするマリオンに、クリスティアンは恋をしてしまう。ところが急にマリオンは職場に来なくなり、落ち込むクリスティアンは、かつての惨めな⽣活に引き戻されていく。
ステューバー監督は、壁崩壊から 30 年、旧東ドイツの地⽅で単純労働者として運命を共にする⼈々の⽣活と、その密接な⼈間関係をこれまでとは違った視座から描いた。現実、憧れや夢などが堅実にフレーミングされた映像の中に収められ、量販店の冷たい宇宙は、魔法をかけられたような空間に変貌する。
2018 年 / 125 分 /ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:トーマス・ステューバー
キャスト:フランツ・ロゴフスキ、ザンドラ・ヒュラー、ペーター・クルト
配給(⽇本):彩プロ
『僕たちは希望という名の列車に乗った』(原題:Das schweigende Klassenzimmer)
1956 年、東ドイツの模範的労働者都市スターリンシュタットの⾼校 3 年⽣、テオとクルトは列⾞で訪れた⻄ベルリンの映画館でハンガリー動乱のニュース映像⽬にし、いたく⼼を揺さぶられる。スターリンシュタットに戻ると、⾃由を求め闘ったハンガリーの犠牲者に、授業中、2 分間黙祷することを思いついた。そのことが誰も予測できなかった結果をもたらす。国家権⼒は少年たちの⾏動を反⾰命的⾏為と断罪、⾸謀者の名を挙げるよう詰寄る。卒業を⽬の前に、彼らは将来を⼤きく変える決断に迫られる。
監督・脚本のラース・クラウメは新⼈俳優を起⽤し実⼒派で脇役を固めた。原作となったのはディートリッヒ・ガーストの⾃伝的⼩説『Das schweigende Klassenzimmer』(沈黙の教室)。ドイツ戦後史の⼼に刺さる⼀章。
2017 年 / 111 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ラース・クラウメ
キャスト:レオナルド・シャイヒャー、トム・グラメンツ、レーナ・クレンケ
配給(⽇本):アルバトロス・フィルム/クロックワークス
『未来を乗り換えた男』(原題:Transit)
ドイツ軍の迫るパリを逃れ、ゲオルクはマルセイユに辿り着いた。鞄には、迫害の不安に耐え切れず⾃殺した作家ヴァイデルの遺品である原稿と⼿紙、そしてメキシコ⼤使館が発⾏した⼊国許可証を持っている。
港町マルセイユで、ゲオルクはヴァイデルのアイデンティティを盗み、船で渡航する機会を掴み取ろうとする。ある⽇、マリーに出会ったゲオルクは計画の変更を迫られる。『東ベルリンから来た⼥』で知られるペッツォルト監督は、アンナ・ゼーガースが 1941〜42 年、亡命中に執筆した⼩説『トランジット』を原作とし、舞台を現在のマルセイユに移した。⼤戦当時と今の難⺠たちの姿が重なりあい、過去と現在が時空を超えてつながり、全ての物語は、この永久の「トランジット(中継)」地へと集結する。
2018 年 / 101 分 / ドイツ語・フランス語、⽇本語字幕つき
監督:クリスティアン・ペッツォルト
キャスト:フランツ・ロゴフスキ、パウラ・ベーア、ゴーデハルト・ギーゼ
配給(⽇本):アルバトロス・フィルム