ドイツ映画祭 HORIZONTE2019

ドイツ映画の今がわかる!
最新のドイツ映画から選りすぐりの作品を上映!


期間:2019年3月8日(金)〜3月15日(金)
会場:東京渋谷 ユーロスペース
主催:ゲーテ・インスティトゥート東京
   HP:www.goethe.de/tokyo
助成: German Films
協力:アルバトロス・フィルム/クロックワークス、彩プロ
サイトHP:https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/hor.html

映画祭チラシpdfはこちら


【上映作品】

『ロミー・シュナイダー~その光と影~』(原題:3 Tage in Quiberon)
1981 年、世界的⼤⼥優ロミー・シュナイダーは、フランス、ブルターニュ地⽅のキブロンで静養のために数週間を過ごしていた。そこに、⻑年の友⼈ヒルデが訪れてくるが、加えてドイツから⻘年記者とカメラマンもやって来る。繊細なスター⼥優と野⼼的ジャーナリストの攻防が始まる。
1981 年のシュテルン誌に掲載された実際のインタビューと、キブロンで撮られた⽩⿊のポートレート写真に基づいて制作された作品。当時の雰囲気を再現した映像に、痛々しいほどに⼈間らしいロミー・シュナイダーが描かれている。⾃⼰顕⽰とメディア搾取、⽣への激しい渇望の狭間で揺れる映画スターの複雑な⼼の内に迫る。本作は 2018 年のドイツ映画賞にて 7 部⾨での受賞に輝いた。
2018 年/ 115 分/ ドイツ語・フランス語、⽇本語字幕つき
監督:エミリ・アテフ
キャスト:マリー・ボイマー、ビルギット・ミニヒマイヤー、ロベルト・グヴィスデク、チャーリー・ヒューブナー、ドニ・ラヴァン

『マニフェスト』(原題:Manifesto)
オスカー⼥優ケイト・ブランシェットが時に教師、また時にホームレスとなり、ポップ・アートからドグマ 95 まで、20 世紀のさまざまな芸術の潮流を作り上げた宣⾔を 13 のエピソードで演じる。映像作家ユリアン・ローゼフェルトによる監督のもと、国や時代、社会的⾝分や性別を越えたキャラクターを⼀⼈で演じきるブランシェットの演技⼒は圧倒的だ。作中、未来派やダダ、フルクサスなど、芸術組織のテキストや、芸術家個⼈の思索を監督が編集、13 のコラージュに再構成した。芸術におけるマニフェストとは、新しいものを⽣み出す可能性と、教義として凝り固まる危険を併せ持つ。この映画は、そのマニフェストのアンビバレントな役割を⾒事に描き出している。
2017 年 / 95 分 / 英語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ローゼフェルト
キャスト:ケイト・ブランシェットほか

『キャスティング』(原題:Casting)
初めて監督するテレビ映画にファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』のリメイク版を選んだ監督のヴェラ。繰り返しオーディションを⾏うが撮影初⽇を前に主役が決まらない。不安を感じ始めるプロデューサーや撮影チームをよそに、ゲルヴィンはそんな状況を歓迎している。オーディションを受けに来る有名⼥優たちの相⼿役として、台詞を合わせることが仕事だからだ。主演男優が突然役を降りることになると、ゲルヴィンはチャンスとばかり⾊めき⽴つ。ヴァッカーバルト監督はファスビンダーの複層的な原作に対応しながら、独⾃の作品世界を作り上げた。鋭い視線で、権⼒や欲望に⽀配された⼈間関係の深淵に切り込み、⾯⽩くも⾟辣にドイツテレビ界のパワーゲームと依存関係に光を当てる。
2017 年 / 91 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ニコラス・ヴァッカーバルト
キャスト:アンドレアス・ルスト、ユディット・エンゲル、コリンナ・キルヒホフ

『プチ・ブルの犬』(原題:Selbstkritik eines bürgerlichen Hundes)
⼤志を抱きながらもパッとしない映画監督ユリアンはいくつもの助成申請を却下され、やむをえず農家で収穫作業をすることになる。ユリアンが共産主義の理想を謳うメルヘン映画の主役に⼝説いていたカナダ⼈⼥性カミーレも成り⾏きで同⾏し、ふたりはリンゴ農家にたどり着く。⾁体労働で使い物にならないユリアンを尻⽬に、カミーレはありもしない映画の準備に没頭し、奇跡を信じるホンとサンチョという友達もできる。さらには、アメリカン・ドリームを掲げた模範的労働者や、不思議な僧侶も現れ混乱を深める。
ラードルマイヤー監督の⻑編デビューは、政治的態度を模索する今⽇の若い世代が抱えるジレンマを独特のコメディータッチで描き 2017 年のベルリン国際映画祭で⼤きな反響を得た。
2017 年 / 99 分 / ドイツ語・英語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ラードルマイヤー
キャスト:ユリアン・ラードルマイヤー、デラ・キャンベル、キョンテク・イ、ベンヤミン・
フォルティ

『明日吹く風』(原題:Whatever Happens Next)
これまでの⼈⽣を捨ててしまうことはいつだってできる。今すぐにでも。その電⾞から、⾞から、⾃転⾞から降りてどこかに⾏ってしまえばいいのだ。43 歳のパウル・ツァイゼは、普通だったら振り払ってしまうこんな考えをある⽇実⾏に移してしまう。妻、仕事、すべての⾝分と地位を捨てて。気のいい役⽴たずとして⼈にたかりながら放浪するパウル。勝⼿に⼈の⾞に同乗し、呼ばれてもいないパーティーや葬式に参列する。そしてある⽇、少し⾵変わりなネレと出会い恋に落ちる。次第に⾃分のペースにパウルを引き込んでいくネレ。
ユリアン・ペルクセン監督は⻑編デビューとなる本作で、現代の忙しい⽣活から逃れて気ままな暮らしに⾝を置いた時に待ち受ける混乱を、ユーモラスかつメランコリックに描いている。
2018 年 / 97 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ユリアン・ペルクセン
キャスト:セバスティアン・ルドルフ、ニルス・ボアマン、エファ・レーバウ、リリト・シ
ュタンゲンベルク

『ソーシャルメディアの“掃除屋”たち』(原題:The Cleaners)
世界規模でデジタルコンテンツ検閲を⾏うマニラの巨⼤な影の産業を追ったドキュメンタリー映画。そこでは、シリコンバレーに委託され、何万⼈というコンテンツ・モデレーターが、フェイスブック、YouTube、ツイッターなどの問題のある投稿を削除している。残酷な表現に継続的に晒される作業は、作業員たちの認識能⼒や⼈格に異常をもたらすが、作業に関わる経験は⼝外厳禁だ。本作はコンテンツ・モデレーターを取り上げながら、フェイクニュースやヘイト・コンテンツがネットを通じて拡散・扇動される様⼦を映し出す。
監督のブロックとリーゼヴィークは、この作品でソーシャルメディアの理想と夢が破れる様を描き出し、その社会への重⼤な影響⼒に警鐘を鳴らす。
2018 年 / 88 分 / 英語・タガログ語、英語・⽇本語字幕つき
監督:ハンス・ブロック、モーリッツ・リーゼヴィーク

『父から息子へ~戦火の国より~』(原題:Of Fathers and Sons)
ベルリン在住のシリア⼈映画監督タラル・デルキ(『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』)は、本作品の制作にあたりシリア北部の家族に 2 年半にわたり密着した。シリアで活動するアルカイダの関連組織ヌスラ戦線のメンバーを⽗親に持つ⼀家の元に滞在する。客として迎え⼊れられた監督は、戦⽕を⽬の当たりにする⼦供たちの⽣活を⾒つめ、特に⻑男と次男の成⻑を追った。観客はあるイスラム主義者のプライベートな側⾯、息⼦たちをイスラム国家の戦⼠に育て上げようとする⽗親としての側⾯を⽬にする。戦争の残酷さと家庭⽣活の内側とが絡み合う深いヒューマニズムの上に成り⽴ったこのドキュメンタリー映画は、2018 年ドイツ・ドキュメンタリー映画賞をはじめ数々の賞を受賞している。
2017 年 / 99 分 / アラビア語、英語・⽇本語つき
監督:タラル・デルキ

『希望の灯り』(原題: In den Gängen)
旧東ドイツのとある量販店で働き始めたクリスティアンは、その未知の⼩宇宙にそっと降り⽴つ - ⻑い通路、延々と続く商品棚、フォークリフトのシュールなメカニズム。軽い気持ちでクリスティアンの気を惹こうとするマリオンに、クリスティアンは恋をしてしまう。ところが急にマリオンは職場に来なくなり、落ち込むクリスティアンは、かつての惨めな⽣活に引き戻されていく。
ステューバー監督は、壁崩壊から 30 年、旧東ドイツの地⽅で単純労働者として運命を共にする⼈々の⽣活と、その密接な⼈間関係をこれまでとは違った視座から描いた。現実、憧れや夢などが堅実にフレーミングされた映像の中に収められ、量販店の冷たい宇宙は、魔法をかけられたような空間に変貌する。
2018 年 / 125 分 /ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:トーマス・ステューバー
キャスト:フランツ・ロゴフスキ、ザンドラ・ヒュラー、ペーター・クルト
配給(⽇本):彩プロ

『僕たちは希望という名の列車に乗った』(原題:Das schweigende Klassenzimmer)
1956 年、東ドイツの模範的労働者都市スターリンシュタットの⾼校 3 年⽣、テオとクルトは列⾞で訪れた⻄ベルリンの映画館でハンガリー動乱のニュース映像⽬にし、いたく⼼を揺さぶられる。スターリンシュタットに戻ると、⾃由を求め闘ったハンガリーの犠牲者に、授業中、2 分間黙祷することを思いついた。そのことが誰も予測できなかった結果をもたらす。国家権⼒は少年たちの⾏動を反⾰命的⾏為と断罪、⾸謀者の名を挙げるよう詰寄る。卒業を⽬の前に、彼らは将来を⼤きく変える決断に迫られる。
監督・脚本のラース・クラウメは新⼈俳優を起⽤し実⼒派で脇役を固めた。原作となったのはディートリッヒ・ガーストの⾃伝的⼩説『Das schweigende Klassenzimmer』(沈黙の教室)。ドイツ戦後史の⼼に刺さる⼀章。
2017 年 / 111 分 / ドイツ語、⽇本語字幕つき
監督:ラース・クラウメ
キャスト:レオナルド・シャイヒャー、トム・グラメンツ、レーナ・クレンケ
配給(⽇本):アルバトロス・フィルム/クロックワークス

『未来を乗り換えた男』(原題:Transit)
ドイツ軍の迫るパリを逃れ、ゲオルクはマルセイユに辿り着いた。鞄には、迫害の不安に耐え切れず⾃殺した作家ヴァイデルの遺品である原稿と⼿紙、そしてメキシコ⼤使館が発⾏した⼊国許可証を持っている。
港町マルセイユで、ゲオルクはヴァイデルのアイデンティティを盗み、船で渡航する機会を掴み取ろうとする。ある⽇、マリーに出会ったゲオルクは計画の変更を迫られる。『東ベルリンから来た⼥』で知られるペッツォルト監督は、アンナ・ゼーガースが 1941〜42 年、亡命中に執筆した⼩説『トランジット』を原作とし、舞台を現在のマルセイユに移した。⼤戦当時と今の難⺠たちの姿が重なりあい、過去と現在が時空を超えてつながり、全ての物語は、この永久の「トランジット(中継)」地へと集結する。
2018 年 / 101 分 / ドイツ語・フランス語、⽇本語字幕つき
監督:クリスティアン・ペッツォルト
キャスト:フランツ・ロゴフスキ、パウラ・ベーア、ゴーデハルト・ギーゼ
配給(⽇本):アルバトロス・フィルム