東京国際映画祭 トルコ映画『シレンズ・コール』記者会見  (咲)

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東京国際映画祭 2018年 コンペティション部門
『シレンズ・コール』 2018年/トルコ

建築ラッシュの大都会イスタンブルを脱け出して、自由に生きる女性シレンのいる南の町に行きたいのに、なかなか空港にたどり着けない男タフシンの物語。

◆記者会見  
10月30日(火)『シレンズ・コ―ル』P&I上映後 13:40から記者会見が行われました。
   
登壇者:ラミン・マタン監督、俳優デニズ・ジェリオウル、女優エズギ・チェリキ、プロデューサー:エミネ・ユルドゥルム
*女優のエズギさんのみトルコ語で発言し、マタン監督が英語に通訳しました。
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監督:上映をご覧いただき嬉しいです。質問を楽しみにしています。

デニズ:来日できて嬉しいです。遠く感じられますが、そこまで遠くないと思います。

司会:映画のキャラクターと違って、ソフトな方ですね!

デニズ: yes!

エズギ:映画を楽しんでいただけたら嬉しいです。ここに来られてワクワクしています。

プロデューサー:作品をご覧いただき、ありがとうございます。

司会:東京にいると、都会の生活はもう嫌だと思うのですが、最後のシーンを観て、自分もやっぱり都会を捨てられないと思いました。映画に込めた思いを!

監督:都会から逃れたいというのはイスタンブルでも東京でも皆が思っていると思うのですが、ほんとはどうなのか? 大都市での日々の生活に関する物語を作って検証したいと思ったのが発端でした。

司会:監督は都会派? 田舎派?


監督:たぶん、大都市から離れては住めない。でも、イスタンブルのようなカオティックな場所にいると、家から出たくなくなることもあります。

司会:デニズさん、ダメ親父ぶりが最高でした。

デニズ:サンキュー! 

司会:演じる上で、どこが難しかったですか?

デニズ:役者にとってリサーチしなければ演じるのが難しい役もあるけれど、この役は大都市に住んでいる人物で、精神的には遠くなかったです。駄目っぷりだけでなく、共感してもらえるように演じるのが難しかった。

司会:シレンは田舎に憧れながら、都会のシステムを捨てきれない複雑なキャラクターでした。何かを象徴しているように思えました。
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エズギ:多くの人が都会から離れたいと思っているけれど実行できないでいます。シレンは実際に行動を起こして都会を離れ、新しいところで暮らすけど、それは自分で作りだしているもので、考え方は変わってなくて、一貫性のある人物です。

<strong>司会:演じたお二人は、都会派? 田舎派?
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エズギ:難しい質問! たぶん、心の準備が整ってないので、都会を離れられません。

デニズ:田舎で町に近いところ! 創作を続けるには都会じゃないと難しいけれど、心の平穏を保つために緑もあるところがいいと思いますので。

司会:大都会を駆けすり回る映画。製作側としては、どこが難しかったですか?
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プロデューサー:すべて! 資金調達が一番大変でした。2016年、プリプロダクションに入って2週目にクーデターが起こって、その後は世の中クレイジーな状況になりましたので、すべての作業を止めなければなりませんでした。翌年、再開したのですが、予算も限られている中で、素晴らしいクルーに恵まれて撮影することができました。町中を駆け回る生々しさを撮るのが特に難しかったです。嘘っぽくなくリアルに撮るのが大変でした。

司会: 監督、リアルに撮る難しさは?

監督:ほんとうに予算が限られていたので、生々しさを作るより、ゲリラ的に、いきなり行って撮影する形でした。バスで移動するシーンも、道路を閉鎖して撮影するのではなく、いきなり行って小型カメラで撮影しました。

司会:バスの中のシーンも? 乗ってる人たちもエキストラではない?

監督:周りを囲む数人だけエキストラの人を採用しました。一般の人だと、カメラを覗きこんだりしてしまいますので。実は、エキストラも、クルーの中から選びました。

★会場より
― 最初に入った喫茶店のようなお店は?

監督:あれはカフェバーで、若い人たちが飲みに行く隠れ家的な知る人ぞ知る場所で、解き放たれた気持ちなれる所です。

― 都市への人口流入が日本より激しくて、建設ラッシュのようでした。都市計画含めて、わかる範囲で教えてください。

監督:
イスタンブルの人口は公式で1700万人位。そこまで新しい住居が必要なわけではないのに、ここ数年、建築バブルで、バブルも崩れつつあって、150万戸が売れ残っています。建築計画もなく、インフラも整備されていません。

― トルコ行進曲が効果的でした。最初から使うつもりだったのでしょうか?

監督:元々考えていたのではなく、最初の10分位を編集していて思いつきました。元々のタイトルが、「Ronde(輪舞)」で、タクシンが町をぐるぐる回る内容に合うと思いました。最後の方では、調子を崩してみたら面白いなと考えました。

― 『シレンズ・コール』は英語のタイトルで、トルコ語のタイトルは「Son Çıkış」で最後の出口という意味だと思います。どういう思いを込めてタイトルをつけたのでしょうか? 都会のイスタンブルに戻るというラストでしたが。

監督:オリジナルのタイトルは実は『シレンズ・コール』です。Sirenがトルコ語だと、パトカーのサイレンがまず思い浮かぶので、トルコ語では別のタイトルにしました。トルコ語ではタイトルを変えました。『最後の出口』の意味するところは、皆さんの解釈にお任せします。

『jam』舞台挨拶報告(白)

第31回東京国際映画祭で特別招待作品として上映された『jam』が12月1日(土)より劇場公開になりました。遅ればせながらEXILE全員が登壇した模様をお届けします。
作品紹介
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/463022776.html

11月1日(木)EXシアター六本木
MC:笠井 信輔 通訳:鈴木小百合
ゲスト:SABU監督、青柳翔、町田啓太、鈴木伸之、秋山真太郎、八木将康、小澤雄太、小野塚勇
人、佐藤寛太

 和太鼓の演奏の後、赤いステージ衣装で青柳さん登場。
「こんばんは ありがとう お客様 強く抱きしめたい~♪」
客席と舞台から「ヒロシ~!」と合いの手が飛び「あなた~一筋です~♪」と歌い上げる青柳さん。


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青柳:(息を切らしながら)今日は、僕のソロライブにお越しいただき、ほんとにありがとう。このような素敵な場所で歌わせていただけるのも、それもこれも、あれもこれも、どっちもどっちで皆様のおかげです。僕のためにスペシャルな演奏をしてくれたメンバーを紹介します。ドラムス真太郎、雄太、将康、小野塚、寛太。そしてスペシャルなパフォーマンスをしてくれたノブありがとう。今日わざわざロンドンから駆けつけてくれたスペシャルなハイクォリティ・ブラジャー・パフォーマー町田啓太~!

町田の「クチパクでしたよね」というつっこみに青柳「100%ヒロシ's voice」(笑)
ここから一人ずつのご挨拶です。


青柳翔(場末の演歌歌手 横山田ヒロシ) この映画『jam』をこの東京国際映画祭で上映することができてほんとに嬉しく思っております。みなさん、よろしくお願いします。

町田啓太(毎日3つ良いことをする好青年タケル)さきほどちょっと歩かせていただいたら、引き気味な目で見られたのが新鮮で嬉しかったです。この映画EXILE全員で出させていただけて、ここに立ててほんとに嬉しいです。

鈴木信之(金槌1本でヤクザへの復讐に燃える鉄男)劇中一言も台詞がなかったので、今日短い時間ですがいっぱい喋るんでみなさん一緒に楽しんでいきましょう。

秋山慎太郎(山下)英語での挨拶:世界各国から観客の集まる映画祭に参加できたことを光栄に思っています。初めてEXILE全員が出た映画を気に入っていただけますように。

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八木将康(金城)12月1日から公開なので、ぜひ皆さん一度と言わず2度3度と劇場に足を運んでください。

小澤雄太(瀬名)みなさん楽しんでいただけましたか?ありがとうございます。

小野塚隼人(滝口)滝口を演じました小野塚です。みなさま来てくれてありがとう。
(英語で挨拶し、thank youを三度言いましたが、1回だけの訳)

佐藤寛太(前島)和太鼓をこんな衣装で、なかなか披露できない、それも東京国際映画祭という場で。ありがとうございます!

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監督 Thank you for coming tonight.(EXILEへ)君らすごいね。すごい面白かったです!

ー終わりですか?会話ですよ、それ(笑)。監督、劇団EXILEとのコラボレーションはいかがでしたか?

監督 みんなすごく仲が良いんで現場は楽しくやれました。

ー青柳さん、見事な演歌歌手ぶりで天職かと思うほどでした。

青柳 現場では監督に楽しくディレクションしていただき、ふたりでこそこそと悪巧みをしながら遊んで、遊んでっていったら駄目ですね(笑)。撮影させていただきました。

ーファンミーティングで「頑張れチャンチャン、負けるなシュッシュ!」とありましたがあれは何なんでしょう?(笑)

青柳 監督に聞きたいです(笑)。

監督 ちゃんとコンテにもイメージ書いてあります。
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ー意味は?

監督 それだけ一体感があるというか宗教的というか。

ーじゃここでやってみましょうか。(笑)(やってみたらバラバラ)町田さん、一番いい役だったんじゃないかと思うんですけど撮影の想い出や印象に残っていることは?

町田 たくさんあるんですけど。(風で飛んで外に落ちていた)ブラジャーとるところを最初普通に上げて「落ちましたよ~」とやったら(監督が)「違う。いやらしく上げて。いやらしくフリフリして」とニコニコしながら言ってきてくださって、だいぶ衝撃的でした(笑)。

ー(通訳する鈴木さんに)どんなくだらない話でも英語になるんですね。(町田:すごいですね)。海外のプレスのかたもいらっしゃってますからね。(笑)鈴木さん、金槌のアクションはすごかったですね。

鈴木 たいへんでした。撮ったのが冬だったので寒かったです。池でおばあちゃんを救い上げるときすごく寒くて、後ろから小澤さんにも刺されましたし(笑)、きつかったです。

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ー殺陣もないようなアクションで暴れまわっていましたけど。

鈴木 はい、今回誰も怪我もせず事故もなく、みんな無事に撮影を終えることができました。

小澤 危なくてしょうがないなぁと見てて、やられたんですが、あの武器はすごく柔らかいんですよ。でも痛かったです。(笑)鈴木の激しいキックが入って、あんこというかガードは入れているんですが、普段出ないような声が出ました。

ーみなさんのポテンシャルは高かったんじゃないですか?

小野塚(英語で)そう思います。彼は危険なハンマーです。

ー異常なファンの筒井さん怖かったですね。

鈴木 ま夜中にフルートの音がするんです。監督に翌日音どうですか?と聞いたら「音入らない」と言われてました。(笑)

ー町田さん、日ごろからいいこと3つしようと思いましたか?

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町田 したいです。今日はまだできていないので、頑張ります。

ー出演しての想い出や感想を。

鈴木 台詞がないので、アクションに思い切り集中できました。北九州で撮影中全員でご飯に行きました。

ー青柳さん、EXILE全員が出演するという体験はどうでした?

青柳 なかなかこのような体験をさせていただくことはないので貴重ですし、これから『jam』をもっともっとたくさんのかたに見ていただけるよう、盛り上げていけたらと思っております。

ーSABU監督、最後にみなさんに一言お願いします。

監督 『jam』より『jam2』のほうが面白いかなって。(笑)「まだ撮ってない」と総つっこみ。ほんとに思惑通りというか、作戦通りきっちりと嵌ったと言うか・・・今日のライブまでイメージしていた通りにできて良かったと思っています。ほんとに 『jam2』のほうが面白い。(笑)

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東京国際映画祭 イラン映画『冷たい汗』ソヘイル・ベイラギ監督とのQ&Aセッション (10月30日) 

友人の毛利奈知子さんから、私が参加できなかった10月30日のQ&Aの報告をいただきました。11月1日のQ&Aに先駆けて、お届けします。(景山咲子)

『冷たい汗』  アジアの未来部門
女子フットサルのイラン代表チームがアジア選手権大会の決勝進出を決め、いざ、マレーシアへ。ところが、主将をつとめる女性が、夫の出国許可がないため足止めを食ってしまう物語。
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(写真:11月1日のQ&Aの時に景山咲子が撮影したものです)

2018年10月30日 21:30からの上映後のQ&A 
 於:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ SCREEN2

午後11時を過ぎた遅い時間にも関わらず、たくさんの観客がその場に残って、ソヘイル・ベイラギ監督のQ&Aセッションに参加されていました。司会は「アジアの未来」プログラミング・ディレクターである石坂健治さん、ペルシア語・日本語の通訳はおなじみのショーレ・ゴルパリアンさんでした。本Q&Aセッションでは日本人だけでなくイラン人の観客の方からの質問もありました。

司会者コメント: アジアの未来の部門で今回上映されたこの「冷たい汗」はベイラギ監督にとって2作目の作品です。イランで公開中ということですが、成績がかなり良いそうですね。

監督A: もう今7週目ですが、あと2週くらい上映される予定です。この映画は、たいへん評価されてお客さんがたくさん入っています。こういう感じの映画は通常なかなかロングランされませんが、この映画はうまくいったので嬉しいです。

司会者Q: 女性の観客の支持が多いということなのでしょうか?

監督A: テーマがこういうテーマなので女性の観客が多く、メインの観客は女性だと思います。

観客Q: この映画では、最近イラン映画に多い女性の差別の問題を中心にしつつ、それ以外の様々な要素が描かれ、SNSや激しい裁判のディスカッションドラマにもなっていたりと、いろいろな要素が入っていたので、面白かったです。話の途中で、SNSで彼女の問題を拡散していこうという動きがあり、もっとその部分が広がると思いましたが、映画の中でその部分はそれほど広がりませんでした。イランにおけるSNSにおける効果、SNSの盛り上がりがあるかといった状況を教えていただけますか?イランにおけるSNSの規制がかかったりするのでしょうか?この映画の中で主人公の性格の問題があったからか、あるいはこういう内容の問題だったからSNSによってそれほど広がらなかったのでしょうか?イランにおけるSNS状況を踏まえつつこの作品の中でのその描き方について教えていだだきたいです。

監督A: 今、イランの社会の中ではSNSは一番フリーなメディアといえるほど人気が高く、自由な意見を載せられるのがSNSです。イランの中ではいろいろ規制があり、特にテレビなど映像関係は規制がかかります。SNSは規制がかかっていませんので、皆が自由に意見を書いたり、自分に問題があるとSNSで発表したりしています。映画の中でも主人公のアフルーズは自分の問題をSNSで説明していけば皆が助けてくれると思って載せていました。

観客Q: 製作のきっかけになった直接的な事件や出来事があったのでしょうか?


監督A: ある時、ひとつのニュースを読みました。それは国から試合に行く自分の奥さんが国外に出るのを旦那さんが許可しなかったというニュースでした。そのニュースがこの作品のアイデアのきっかけになりました。しかし、きっかけだけであとは自分で想像力を膨らませて書きました。

観客Q: ヘジャーブは家庭の中では外してもいいはずなのに、カメラが入るとヘジャーブを被っていないといけないのでしょうか?

監督A: ヘジャーブは頭に被るスカーフなどのことですが、これについては規制があり、ヘジャーブを守らないと自分の映画を公開できません。そのため、家の中で女性を描く時でもヘジャーブを被ってもらわなければなりません。

観客Q: イランとタイの試合のシーンでタイのチームの選手もヘジャーブをつけていたのはなぜですか?

監督A: イランの社会の中では女性は必ずヘジャーブをつけないといけません。スポーツ界でも同様です。特にフットサルは規制があり、完全に映画で見た通りにヘジャーブを守らないとフットサルができません。映像の中でご覧になったようなそのままの服装でフットサルの試合をしています。カメラが入っているフットサルの試合では海外の選手でもヘジャーブをつけなくてはいけません。カメラが入ってなければ(海外の選手は)ヘジャーブはつけなくてもフットサルの試合はできます。

司会コメント: イランのフットサル女性チームは強いですよね。アジアで何度も優勝していますね。

監督A: 選手たちはとても厳しい状況の中でフットサルをしています。障害があると人間は強くなりますよね。イラン女性も頑張っていて、 今までに二回くらいはアジアの大会ではチャンピオンになっています。

観客Q: イランの女性の働く機会について知りたいと思います。アフルーズの旦那さんはひどい男として描かれています。アフルーズは旦那さんを嫌って別居している割には自分で働いて生活費を稼いでいません。旦那さんに生活費を出してもらって、家も借りてもらってフットサルをしています。旦那さんに依存しているといえます。 だから従属すべきという訳でもありませんが、独立したいなら経済的にも独立しないと対等にモノが言えないのではないでしょうか? イランでは女性働く機会や、生活できるだけの十分な賃金を得る機会は女性にはないのでしょうか? それがないなら仕方ありませんが、、、。アフルーズに同情はしますが、働けるのに働かなくて権利だけ主張しているように思えます。女性の働く機会や賃金の高さを知りたいです。

監督A: 映画の中のアフルーズは、旦那さんに頼っているのは、経済的にというのではなく、海外の大会に出るには旦那さんの許可を得なければならないので旦那さんの言うことを聞いているのです。しかしながら、実際にはイランの中では女性は独立していてとても強いです。さまざまな仕事に多くの女性が進出しています。社会に進出しているかということと、この映画の中のアフルーズの問題とは違うと思います。旦那さんは、アフルーズには独立性を手に入れさせたくないと思っています。そういう考えを持っているため旦那さんはアフルーズが試合のために国を出ることを許可しないのです。アフルーズは強い女性なので独立を手に入れたら夫より上のポジションに行くのではないかということが旦那さんは許せないのでしょう。

司会者Q: 夫の側に嫉妬があるという感じでしょうか?

監督A: ひとつだけ問題を言えばやはりそれは嫉妬です。

観客Q: 国家的なパワハラ、セクハラのような感じに見えるのですが、イランではそれに対する取り組みはあるのですか?

監督A 男性のパワーについて話を戻すと、イランでは伝統的な考えを持っている男性は家族の中でパワーを持っていますが、イランの平均的なところでは少ないほうだと思います。

観客Q: Me Tooの取り組みはイランではいかがでしょうか?

監督A:イランの女性の一人ひとりは静かにMee Tooをがんばってしていますが、一般的には、外に出てMee Tooデモをしたりはしていません。

観客Q: あのテレビ番組は本当にイランであるのでしょうか?

監督A: まずテレビ番組はまったく同じ番組があります。リメイク的な感じで、かなり細かく見て作りました。(注:この番組を知っているイラン人の観客と思われる方たちから笑いが起こりました。よほどよく似せて作られているのだと思います。)

観客Q: イランの国内で公開中とお聞きしました。SNSでは今自由に発言できるとのことですが、この映画を見た観客の反響はいかがでしょうか?映画の中で起こったストーリーの状況を変えようといった動きは出ているのでしょうか?

監督A: まずSNSにおけるこの映画を見た人たちの意見はとてもポジティブで反応がよかったです。 この映画はセンシティブな内容だったのでPR活動は許されなかったのですが、口コミですばらしい宣伝をしてくれたのは普通の人たちでした。それもSNSを使ってここまで宣伝して守ってきてくれました。
また、この映画の中で、実際アフルーズに事件が起きた時には、ニュースにはなりませんでした。ですので、アフルーズがSNSに投稿をしていなければ皆がこの事件を知ることが無かったと思います。SNSの力は大切で、このアフルーズの事件はSNSから広がって、それを読んだ人たちが怒りを書いたりしたので、そういう部分ではアフルーズは救われたと言えます。

観客Q: 主人公のアフルーズはチームメイトとずっといっしょにいました。そのチームメイトの女性も問題を抱えているようでしたが、そのあたりがよくわかりませんでした。その関係性を教えてください。

監督A: 友だちの名前はマシと言います。マシはアフルーズとチームメイトとしてずっといっしょにサッカーをしてきました。 同じ家で同居もしていて、とても仲が良くお互いを信用している親友同士でした。ですから、フェデレーションからアルフーズを裏切るようなことを薦められて彼女はとても迷います。しかしながら、最終的にやはりマシは自分の道を歩むことを決め、自分の友だちのアフルーズに背中を向けて、海外に行ってしまいます。マシは個人的には問題はなかったかもしれませんが、しかし、彼女のこの決断によって後からマシの心が揺れたのは親友のアフルーズを裏切らないといけなかったからです。 結果として、権力者によって仲の良い二人も離すことができる訳で、権力とはそういうものなのです。

観客(イランの女性)Q: 宣伝がとてもたいへんだったと聞いていますが、この映画を公開するためには、規制・検閲されたところ、またカットされたところはあったのでしょうか?

監督A: 基本的には検閲はなかったと言えます。シーンのカットはなかった。指導省が映像後完成後、一般公開の前に映画を見て、一般公開の許可を与えています。指導省からところどころ台詞についてたとえば言葉遣いが良くないなどと言われ、ディテールで台詞だけを変えたところがあります。結果としてこの映画が出来上がって上映許可が下りたが、その後なかなか いい宣伝をさせてもらえなかったり、劇場をなかなか空けてくれなかったりといったことがありました。 そういう意味ではこの映画を抑えようとする動きがあったと思います。
また、エンディングについては違うエンディングもあったが、検閲には関係なく自分で考えて最終的に決めたものです。

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☆感想☆
テレビ番組の司会を担当しているアフルーズの旦那さんは、メディア業界で働いていて、職業的なステータスも高く、収入も良さそうだし、その上ハンサム。アフルーズはある意味恵まれてもいるのに、なんであんなに旦那さんに反抗的なのだろう?そして、なんであんな性格のキツい反抗的なアフルーズと旦那さんは別れたがらないんだろうとまずは思ってしまいました。おそらく、アフルーズとしてはどんなに旦那さんがハンサムですてきな仕事をしていても、彼の性格が良くないあるいは合わないという問題があったり、アフルーズに対して妻としての自分の理想を押し付けるタイプというか支配的であるのが気に入らないのだと思います。一方、旦那さんは、随分酷い男に描かれていて、アフルーズを支配したがっていたり、フットサルで成功しているアフルーズへの男の嫉妬のようなものが表立って出ていたりするものの、根っこの部分ではアフルーズのあの性格のキツさや強さ、フットサルに燃えている姿に案外かなり惚れ込んでいるのではないかと思いました。それは最後の方で、旦那さんが部屋で一人、大きなスクリーンに映るアフルーズが試合で奮闘している様子をじっと見つめていたシーンで感じました。彼はアフルーズに対する愛情の向け方が間違っているだけで、実はアフルーズの鼻っ柱の強いところも含めて彼女に対する愛情は一方的かもしれませんが、かなり深いんじゃないかと思いました。若い時に結婚してそれなりの期間、夫婦として生活している訳で、その月日を無駄にしたくないし修復できると信じている旦那さんの気持ちもわからないでもありません。しかし、アフルーズにとって今は彼に対する愛情以上にフットサルが命であったり、旦那さんの支配的なところに我慢できないっていうところですれ違っているという、なかなか他人には解決できない夫婦の問題の難しさも感じました。しかし、アフルーズがフットサルの選手として海外に出ることを許可することと夫婦間のすれ違いは、旦那さんに彼女に対する愛が実は深いならなおさら別の問題として考えてほしいところです。

男性であるソヘイル・ベイラギ監督がイランのスポーツ界におけるこのような女性の問題を扱って映画化されたというところはとても素晴らしいと思いました。テヘランに住む私の知り合いの若いイランの女性はサッカーが大好きなのですが、スタジアムに女性は観戦に行けないことをいつも嘆いています。また、彼女によると、女性のフットサルの試合はテレビで放映することが今では禁止されているそうで、女性のフットサルの試合はスタジアムでも女性しか見られないそうです。今回の「冷たい汗」のような映画がイランの社会の変革のきっかけとなって、イランの女性も自由にスポーツ観戦が出来たり、国を代表するような女性選手が自由に海外で試合に参加できたりする動きが今後広がるといいなと思います。

毛利奈知子(もうり なちこ)




TIFF10日目(白)

11月3日(土)

ミッドタウン日比谷に行って「ゴジラ・フェス」をちょっと覗きました。
広場に大きなスクリーンが設置されて、ワゴン車が並んでいます。ゴジラにちなんだスナックが売られていました。

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TIFF9日目(白)

11月2日(金)

本日は受賞作品発表です。

●受賞結果

東京グランプリ/東京都知事賞 『アマンダ(原題)』フランス/ミカエル・アース監督
審査委員特別賞『氷の季節』
最優秀監督賞 エドアルド・デ・アンジェリス『堕ちた希望』
最優秀女優賞 ピーナ・トゥルコ『堕ちた希望』
最優秀男優賞 イェスパー・クリステンセン『氷の季節』
最優秀芸術貢献賞『ホワイト・クロウ(原題)』
最優秀脚本賞 Presented by WOWOW『アマンダ(原題)』
観客賞『半世界』
アジアの未来 作品賞『はじめての別れ』
国際交流基金アジアセンター特別賞 ホアン・ホアン『武術の孤児』
日本映画スプラッシュ 作品賞『鈴木家の嘘』
           監督賞 武正晴『銃』
               田中征爾『メランコリック』
東京ジェムストーン賞 木竜麻生『鈴木家の嘘』
           リエン・ビン・ファット『ソン・ランの響き』
           カレル・トレンブレイ『蛍はいなくなった』
           村上虹郎『銃』


●最後のプレス試写で見た作品

『ある誠実な男』フランス/ルイ・ガレル監督・主演
アベルの親友だったポールが急死した。その妻マリアンヌ(レティシア・カスタ)はかつて自分の恋人でもあった。一緒に暮らしはじめるが、マリアンヌの息子はママがパパを殺したと吹き込む。ポールの妹、エヴ(リリー・ローズ・デップ)も加わってアベルは右往左往する。
前作の続編。陰では気をもんでも、アベルの前ではいつも余裕たっぷりに微笑むマリアンヌ。エヴが「あんなに恋焦がれていたのに、暮らしてみたら普通の男だった」と気づくのも織り込み済み。女性のほうが一枚も二枚も上手でした。子役がとっても美形です!チェックしとこう。

『蛍はいなくなった』カナダ
地方都市の生活にいやけがさしている女子高校生。一番愛した父は労働争議で遠くへ追いやられ、母は大嫌いな父の友人と再婚した。元ミュージシャンの男にギターを習い始め、休暇で戻った父に聞かせる。
娘役のカレル・トレンブレイがジェムストーン賞を受賞したので外せないな、と観ました。このヒロイン「人間が嫌い。ハートの女王みたいに斬首したい」といって怒ってばかり。愛してほしいの裏返しなのだろうけれど、みな中途半端に放り出す。みな失ってみれば大事なものがわかるよ、というメタファーなのか、ラストは闇の中で蛍が光る。

『ジェリーフィッシュ』イギリス
15歳のサラは精神疾患を抱えてなにもできなくなった母、小学生の妹、弟と暮らしている。収入はサラのバイト代だけ、ときどき支払いが間に合わず電気が止まる。みんなで暮らしたいと必死で働き、弟妹の面倒をみるサラは、学校の授業にもよく遅れる。パフォーマンスの先生に勧められてスタンダップ・コメディを知り、初めて打ち込めるものを見つける。母が手続きを忘れたために住宅手当まで止まってしまった。このままでは家を追い出される。
周りの大人は何をしているんだ~!と歯がゆくなります。どんな母親でも一縷の望みをつなぎたい娘、若い娘にすり寄る男、理由を聞かない先生。子どもの不幸は大人が原因、どんなに頑張っても限りがある。それでも逃げないサラ。こちらのサラ役リヴ・ヒルにもジェムストーン賞をあげたい。後ろから蹴飛ばしたくなるような男たち、ダメ母を演じた俳優さんに助演賞を。イギリスの笑いってほんとに辛口。そこが好きですが。(白)