11/7 TIFF(白)

11月7日(土)
『淵に立つ』深田監督、出演の筒井真理子さんQ&A
監督も筒井さんも黒づくめの衣裳で、バックの黒色に溶け込んでしまいました。
内容はこちら。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3305NOW03

『荒れ地』(イラン)
長い間続いたレンガ工場の操業が不振になり、経営者が従業員を集めた。この場面が見る者の視点を変えて繰り返され、少しずつ内容が長くなる。みな家族ごと住んで働いているが給料も滞っている。ここで生まれて40年の男は家族もなく、レンガ作りしかしたことがない。
荒涼とした荒れ地と消えゆく産業と人。厳しく寂しい作品。

『愛で家族に〜同性婚への道のり』(台湾)
同性愛者にも結婚の権利を、とレインボーカラーのデモがある。法律が認める音を心待ちにしている人々が大勢いる。保守派が同性愛者カップルを認めないと署名を集めて提出した。
40何年も同居している男性カップルの一人は、かつて結婚して子供も孫もいる。パーキンソン病になって、パートナーがつききりで世話をしている。女性カップルは以前交際していて、一旦別れ、復縁した。精子提供を受けて授かった女児がいて3人で家族にと願っている。
彼や彼女たちの家族は最初は戸惑ったが、「幸せであることが一番」という。台湾の人は熱いな。まだ家族に言えないままの人もいるけれど変えていく気がする。
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©Portico Media Co., Ltd.

『足を探して』(台湾)
グイ・ルンメイとトニー・ヤンがダンスで知り合った夫婦役。夫が「命を守るため」壊死しかかった足を切断した。医者の言う通りにしたのに死んでしまい、病状が進んで手遅れだったと言われる。遺体を引き取って帰りかけるが、切断した足を縫合して送ってやりたい。
妻が足の行方を捜す顛末が描かれる。病院に迷惑がられながら執拗に探す間に二人のそれまでのシーンが挿入され、妻の知らなかった夫の行動も暴かれていくのがスリリングかつコメディタッチで、とても面白かった。

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©Creamfilm Production

11/6 TIFF(白)

11月6日(金)

『ある職場』(日本)
あるホテルチェーンの従業員たちが会社の保養所で懇親会を開く。女性スタッフが上司にセクハラを受け、匿名でこぼしたら名前や勤め先をさらしたツイートがついた。SNSが炎上し、ホテルの評判はガタ落ち。彼女を慰めようと集まったのだが。
セクハラを簡単に考えている男性たち。いやな思いをしても口に出せない女性たち、どこまで理解し、是正できるのか??昔々女性は戦利品や褒美の品でした。そんな文化?やイヤなことをはっきりイヤだと言えない土壌を考えると、なかなか根深い問題です。
なぜ保養所に泊りがけで?と疑問がわきました。


『オマールの父』(イスラエル)
イスラエル側で手術の甲斐なく死んだ幼子オマール。パレスチナ人の父親は遺体を抱いてチェックポイントに向かうが、外出禁止令が出て帰れなくなった。イスラエル人の女性は、たまたま出会った彼をほっておけなくなる。普段なら接することのない男女が織りなすふれあいの物語。
暑い国なので、腐臭が出始めるというのがなんともリアルで切ないです。なんとかしようとあせって事態は悪くなるばかり。

『ジョゼと虎と魚たち』(日本)アニメーション
大学生の恒夫は坂道を暴走してきた車椅子の女の子を受け止める。ジョゼという彼女は、幼いころから車椅子生活で、おばあちゃんと二人暮らし。外の世界に出ることなく、本と絵と妄想が友達で口が悪かった。バイトを探していた恒夫はおばあちゃんに乞われて、ジョゼの相手をすることになった。
2003年の実写版(犬童一心監督/妻夫木聡、池脇千鶴)も好きですが、アニメ版はより明るくてハッピーでした。

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©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

11/5 TIFF(白)

11月5日(木)
本日は4本。TIFFのyoutube公式チャンネルで、リモートトークの動画が見られます。
コロナ禍でいろいろ変わってしまって不便なこともあるけれど、地方にいても見られるものがいくつもあるのは嬉しいと思う。アーカイブに残るので、私たちも後からゆっくり見ることができます。困るのは来春の特集記事です(本誌は年1回)。
去年はプレス試写上映の後にあった会見がなくなり(海外ゲストがいない)、取材はリモートか、Q&Aや舞台挨拶にかけつけるしかありません。試写の時間がタイトで、あまり空き時間もなくて食べ損ねるわ、食べてると満席になってしまうわ、でやりくりが大変。
予約限定なので、急に時間が空いても去年のように、取材に入れません。取材席が空いているなら、プレス試写のように入れてくれるとありがたいのに。これも安全のためとわかってるんですけどね。


『トラブル・ウィズ・ビーイング・ボーン』(オーストリア、ドイツ)
パパと娘の物語と見えたが、少女型アンドロイドと中年男性でした。映像は美しいけれど、部品を洗浄する場面で『空気人形』を思い出しました。人は孤独だ。

『悪の絵』(台湾)
画家のシュー・バイチンは、囚人に絵の指導をしている。若い死刑囚チョウ・チェンティンの描く絵に魅了されて、展覧会の開催に奔走する。
芸術として優れているのか、抽象画は苦手でさっぱりわかりません。死刑囚と知ったら、何故?と普通気にならないかなぁ。

『デリート・ヒストリー』(フランス、ベルギー)
郊外の低所得者向け地域に暮らす人々。離婚して定職がなく、酒癖が悪い女性は間違いばかり。借金がありながら通販の女性の声に惚れて、買い物をしてしまう男。タクシーの女性運転手は、ネットでの評価が低くて落ち込む。ドラマの沼にもハマっているがやめられない。
3人が集まってひねり出した解決策があまりにも無謀で、コメディだからと笑いとばせない。

『リトル・ガール』(フランス)ドキュメンタリー
男の子の体で生まれたけれど、女の子になりたいサシャ。両親は小さなころからそう訴えてきたサシャの気持ちをくんで、街の専門医に相談にいく。性別違和について家族は理解しサシャを支えるが、学校は校長・担任も受け入れず、生徒たちも右ならえ。母親の粘り強い闘いと専門医の協力で、すこしずつ事態は変化していく。母親に心配をかけまいと、学校での出来事を話さず、一人で我慢していたサシャがいじらしくて涙がにじむ。「ユース部門」だからと観なかった方、もったいない。ぜひ公開してー。
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© AGAT FILMS & CIE – ARTE France – Final Cut For real - 2020

11/4TIFF(白)

11月4日(水)
本日プレス試写『第一炉香』(中国/アン・ホイ監督)あっという間に満席になってしまいました。松岡さん、私もアウト。
ちょうど観たい作品もなく、次に観る予定の『ムクシン4Kデジタル修復版』まで大分時間ができてしまい、ほかに移動。遅い昼ご飯をゆっくり、王子製紙のホールへ久しぶりに紙のサンプルを見に。次のカード作りのヒントがありました。

もういいかなと、ヒルズ前に戻って、行列。『第一炉香』が早く満席になったのは何故?と話していたら、すぐ後ろの女性が「1席あけでした」と教えてくださって。そりゃあぶれるわけです。一般上映は売り切れだし、文芸映画系の映画館で観たいものです。
おうちの猫の話をされたので、会場へ歩きながら「良かったら見てください」と三好さんの案内ハガキを差し上げて名刺交換したら、なんと三留まゆみさんでした!!映画雑誌でページびっしりに俳優たちのイラストを描かれる方です。こんなところで(不思議はないですが)ご本人に会えるなんて嬉しい。試写にあぶれたおかげです。
そうそう、きのう台湾の懐メロを教えてくださったのは、台湾音楽&映画評論家の丸目蔵人さんでした。お名前はプレスや本で知っていましたが、初めてご本人に会えました。 昨日といい、今日といい、ちゃんといいこともあります。禍福はあざなえる縄のごとし…。


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『ムクシン4Kデジタル修復版』
オーキッドは10歳。いつもラブラブのパパとママ、お手伝いのおばさんと暮らしている。女の子の遊びより、男の子たちとサッカーする方が楽しい。ムクシンはほかの村から親戚の家に移ってきた12歳の男の子。すぐに仲良くなっていつも一緒に遊ぶようになる。
二人の暮らし向きの違いや、思春期に入りかけたムクシンとまだ子供のオーキッドの気持ちのずれに、胸がチクっとします。ヤスミン監督のミューズのアマニをはじめシャリファ姉妹が揃って出ています。

『細い目』(04)『グブラ』(05)、『ムクシン』(06)は、オーキッドが主人公の3部作。中でも人気の『ムクシン』が撮影監督ロウ・スン・キョン監修のもと、日本の修復技術で蘇りました。
2009年7月に急逝したヤスミン・アフマド監督は、マレーシア映画界を牽引し、まとめる力と人望があり、若手映画人が師匠ともお母さんとも慕っていた方です。TIFFでマレーシア映画特集をしたとき、シネジャでもヤスミン監督インタビューを予定していましたが、行き違いがあってキャンセルに。準備していた梅木さん(故人)が気落ちしていました。
亡くなられた後のヤスミン監督映画上映では、司会もゲストもみな涙止まらず、ティッシュが箱ごと手渡されました。客席の私たちも一緒に泣いて、こんなトークショーは初めてでした。
今日も映画の最後にヤスミン監督のご両親がピアノを弾いて歌うところに、監督や妹さん、キャスト・スタッフさんが次々と加わり、大団円となります。ここで満面の笑みを見せているヤスミン監督はもういないのだとまたしんみりしましたが、いつまでも惜しまれ、素敵な作品が残り、志を継ぐ若い人たちがいることを喜ぶことにします。(白)

11/3 TIFF(白)

メトロの24時間券の時間ぎりぎりに改札に滑り込み。銀座伊東屋別館B1で開催中の水彩画展を見て、カレンダーを入手。ちょうどご本人・三好貴子さんがいらっしゃいました。猫や花の絵が素敵なんですよー!ポストカードもたくさん。
11月15日まで。


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三好貴子さん(掲載許可いただきました)
https://www.facebook.com/takako.y.miyoshi
https://www.instagram.com/takako.y.miyoshi

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ミッドタウン日比谷の広場では野外上映を楽しむたくさんの方々。「ゴレンジャー」かな?雨天中止ですので晴れが続きますように。
https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/hibiya-cinema-festival/

『老人スパイ』(チリ、アメリカ、ドイツほか)
「80~90歳以上の老人求む」の求人案内に応募したら、老人ホームに入居してある標的の生活を探る、というものだった。慣れないアイフォンを駆使して調査し、報告をする。導入はともかく、ホームのおばあちゃんたちは本物?にしか見えないと思っていたら…ドキュメンタリーだったの?!

『悪は存在せず』(ドイツ、チェコ、イラン)150分
中東ものは(咲)さんにお任せ。でもこれは観たいとこちらも滑り込み。席につくまでご迷惑おかけしました。
イランの死刑制度をめぐる4本の短編オムニバス。日常を細かく描いていて突然切りかわる起承転結がドラマチック。いきなり「結」で驚いたのもあり。ベルリン映画祭金熊賞。監督は拘留中で授賞式には欠席だったとか。