あいち国際女性映画祭2019に行ってきました(暁)

『紅花緑葉(原題)』
英題:Red Flowers and Green Leaves
中国/2018年/97分
監督:劉苗苗(リウ・ミアオミアオ)
出演:ロー・クーワン、マー・スーチ
日本初公開  劉苗苗監督
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舞台は中国西北部の寧夏回族自治区の黄河上流域の村。この回族自治区では漢族系のイスラム教徒が多く住んでいる。撮影場所は劉苗苗(リウ・ミアオミアオ)監督が幼い頃から中学生頃まで10年余り住んでいた地域。
この地域に住むイスラム教徒の青年、古柏(グー・ボ)は、幼いころからてんかんの発作があるため結婚をあきらめていた。そんな彼に突然見合い話が舞い込んだ。彼は拒否したのだが、家族は強引に結婚話を進めてしまう。そして彼にとっては高嶺の花と思われた聡明で美しい阿西燕(アー・シーイェン)と結婚した。ゆっくりと距離を縮める二人だが、二人とも自分の状況については隠していた。やがて互いの隠し事が明らかになった。阿西燕には結婚寸前だった婚約者がいたが、交通事故で死んでしまい、なかなか立ち直れないでいた。そして家族は村の仲人業?をしている女性に依頼し、二人は見合いをし、結婚したのだが、それぞれの状況を乗り越え、二人は互いを受け入れることができるのか。中国のムスリム社会の農村を舞台に紡ぐ若者の愛の物語。
緑の少ない黄土高原が続く地の農村。農耕器具も簡単なものしかなく、ほとんど自分たちの体力が勝負の畑仕事の暮らし。そんな土地を出ていく若者も多く、この主人公の青年も仕事を求めて、他の土地へ働きに行くことも考えたが、病気もちのため、思うようにはいかない。
そんな彼の葛藤。狭い世界の中で、誰もが自分のことを知っているような土地で、なかなか自分の思うようにいかずもがいていた。家族の思いやりと束縛から逃れられずにいる、典型的な農村の光景。彼はそこから飛び出せずに、親の言いなりに結婚することになる。そんな生活と、中国のムスリムたちの風俗、風習など、これまでの中国映画とは一味違う生活が描かれる。
監督の劉苗苗は、1978年、北京電影学院に16歳という若さで入学。文化革命後、10年ぶりに募集があった北京電影学院に応募し、見事合格した。この年、回族からは3人の入学者がいたとのことだったが、その年の入学者には、のちに世界的に有名になった陳凱歌(チェン・カイコー)、田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)、張藝謀(チャン・イーモウ)などがいて、他にも李小紅(リー・シャオホン)、彭小連(ポン・シャオレン)、寧瀛(ニン・イン)の3人の女性監督も同学年である。10年もの年の差の人たちもいる中での学生生活で、最初は気後れもしたけど、3年生になる頃には、製作実習などで同等に渡り合っていたらしい。、これらの監督の作品は、日本で数々紹介されてきたが、劉苗苗監督の作品も、これまでに『吉祥村の日々』(1992)、『朱家の悲劇』(1994)が公開されている。

『And Then They Came for Us
(そして私たちの番がきた)』
9月4日(水) 18:30/ミッドランドスクエアシネマ
アメリカ/2017年/50分
監督:アビー・ギンツバーグ
出演:ジョージ・タケイ、サツキ・イナ
アメリカ法曹協会2018 Silver Gavel Awards受賞

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左より アビー・ギンツバーグ監督とサツキ・イナさん

第2次世界大戦中、1942年アメリカ。ルーズベルト大統領が発令した「大統領令9066号」で、約12万人の日系アメリカ人が内陸部10ヶ所の収容所に送られた。アメリカ本土在住日系人の約8割、2/3はアメリカの市民権を持っていた。戦後45年以上たった1988年、レーガン大統領時代に正式謝罪があり一人一律2万ドルの補償がされ、強制収容の歴史を伝えるための基金も設立されたという。
収容の様子を撮ったドロシア・ラングやアンセル・アダムスなどの未発表写真などから歴史を振り返るとともに、後半では、苦難の歴史を生抜いた日系人たちが、現在、トランプ大統領が進めているイスラム系移民への入国禁止などの排他的な政策が「戦争当時の日系人に対する歴史の繰り返しだ」と抗議する姿も描かれる。現代を生きる私たちができることは何か。平和とは何かを考えさせられるドキュメンタリー。
監督は上映前「日系アメリカ人の強制収容があったことを知っている方は?」と質問したがほとんどの人が知っていた。
これまですずきじゅんいち監督の『東洋宮武が覗いた時代』(2009年日本公開)や『442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』(2010年日本公開)、リンダ・ハッテンドーフ監督の『ミリキタニの猫』(2016年日本公開)などのドキュメンタリー映画で、この収容所のことを観てきたけれど、アメリカの写真家による記録は、この作品で知ることができた。
大恐慌時代の写真で知られる報道写真家ドロシア・ラングだが、その後、撮った強制収容所に移送される日系アメリカ人を撮影した写真は、約800枚が没収されたという。ヨセミテ渓谷の写真で有名なアンセル・アダムスはマンザナー収容所で収容所生活の様子などを撮影した。
 「そして私たちの番が来た」という題名は、「他人事だと思っていたら次は自分が標的だった」という、ナチスのユダヤ人迫害の歴史を踏まえたドイツ人牧師の戒めの言葉だという。上映後には、収容所経験者の子孫で、この映画にも出演しているサツキ・イナさんも監督と一緒に登壇しQ&Aを行った。この歴史を伝えるための活動をしている。

『この星は、私の星じゃない』 
英題:This planet is not my planet
9月5日(木) 10:00/ウィルホール
日本/2019年/90分
監督:吉峯美和
出演:田中美津、上野千鶴子
配給:パンドラ
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左から吉峯美和監督、田中美津さん

「女性解放」を唱えて始まった日本のウーマンリブ運動を牽引した田中美津さんの歩んできた道、鍼灸師として働く姿、そして沖縄辺野古に通う彼女の今を4年に渡り追ったドキュメンタリー。1970年、田中さんがビラに書いた「便所からの解放」が多くの女性の共感を呼び、ウーマンリブ運動のカリスマ的存在になった。昨今、話題になっている「Me Too運動」の先駆けともいえる。女性が「母性=母」か「性欲処理=便所」の二つのイメージに分断されているととなえ、その解放の呼びかけに「便所からの解放」という言葉が使われた。
「自分の思いに忠実に生きる」「ありのままの自分でいい」「自身の思を大切にして、他者からもそういう生き方が尊重されるべき」というような主張に結びついた。今ではこういう考え方はあたり前になっているけど、当時はそういうことを言うと「女のくせに」といわれた。「この星は、私の星じゃない」と嘆きながら、不器用にこの星に立ち続けてきた美津さん。体も弱くそれが鍼灸師の道を選ばせた。居場所を求めて、自分の思いに忠実に行動してきた美津さん。そんな美津さんの魅力にせまる。

『この星は、私の星じゃない』田中美津さん、吉峯美和監督インタビュー記事
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/471281947.html

『作兵衛さんと日本を掘る』 
英題:Sakubei and the Mining of Japan
9月4日(水) 16:00/大会議室
日本/2018年/111分
監督:熊谷博子
配給:オフィス熊谷 
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熊谷博子監督

福岡県筑豊の元炭坑夫、山本作兵衛(1892~1984)が描いた炭鉱の記録絵と日記が日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録されたのは2011年。暗くて狭く、熱い地の底で石炭を掘り出す男と女。命がけの労働でこの国の発展を支えた人々。作兵衛は幼い頃から炭鉱で働いていた。自分の体験した労働や生活を子や孫に伝えたいと60歳半ばから本格的に絵筆を握り、2000枚とも言われる絵を残した。
石炭を掘り出す作業は家族労働が主だった。女性の炭鉱内労働は1930年に禁止されたが、筑豊では戦後まで続いたという。作兵衛が記録画を描き始めたのは、国策で石炭から石油へと、エネルギー革命で炭鉱が次々と閉山していく頃。さらに、その裏で原子力発電への準備が進んでいて、炭鉱労働者は、今度は原子力発電所に流れていった。
監督は作兵衛の残した記憶と向き合い、104歳の元女炭坑婦を老人ホームに訪ねて、当時の炭鉱道具の使い方を教わったり、筑豊に住む作家森崎和江のほか、作兵衛の三女、孫、炭鉱労働者の自立と解放のための運動拠点を作った上野英信の長男など、作兵衛を知る人々の証言を聞き取り日本の近現代史をみつめた。

『作兵衛さんと日本を掘る』 熊谷博子監督インタビュー
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/465896456.html

『女は女である』 
英題:A Woman Is A Woman
9月7日(土) 14:30/ウィルホール
香港/2018年/93分
監督:メイジー・グーシー・シュン
出演:アマンダ・リー、トモ・ケリー
協力:大阪アジアン映画祭 香港国際映画祭2018出品

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左からトモ・ケリーさんとミミ・ウォンプロデューサー

男子高校生のリンフォン(トモ・ケリー)は、自分の性別に違和感を覚え、思い悩んでいる。
学校が企画した「普段着での登校日」に、友人たちの提案で、女子用制服を身に着けて登校したところ心打ち震える感覚に真の自分を確信し、自分らしく生きることを決心する。
一方、リンフォンのガールフレンド、ライケイの継母ジーユー(アマンダ・リー)は20年前に性別適合手術を受けて女性になっていた。幸せな結婚生活を送っていると思っていたのに、それを知らずに結婚した夫ジーホンはショックで事実を受け入れられず、ライケイと共に家を出てしまう。果たして元の家族に戻れるのか。
 そしてリンフォンはライケイに、自分が女性になりたいと言えずにいる。自分らしく生きたいと願う二人のトランスジェンダー女性が抱える戸惑いや葛藤。時代は違っても、なかなか理解されない彼女たちの思いをリアルに描く。
「香港では、まだ日本ほどトランスジェンダーやLGBTに理解がなく、多くの人に観てもらいたかったので、LGBTを支持している有名な歌手アマンダ・リーに出てもらった」と、監督は語っていたそうだが、確かに香港映画で、こういうテーマのものは少ないかも。
 トモ・ケリーさんは日本で演技を学び、自身トランスジェンダー。「日本では、はるな愛さんなどトランスジェンダーの方がテレビにいっぱい出ているけれど、香港ではほぼゼロ。この映画を通じて、自分も彼女たちみたいにいろいろ発信できたら」と、きれいな日本語で語っていた。「トモ」は「友」が由来とのこと。

『カランコエの花』 
英題:Kalanchoe
9月6日(金) 14:20/ウィルホール
日本/2016年/39分
監督:中川駿
出演:今田美桜、永瀬千裕
配給:SDP
第26回レインボー・リール東京グランプリ受賞
京都国際映画祭2017クリエイターズ・ファクトリーグランプリ受賞
第4回新人監督映画祭コンペティション・中編部門グランプリ受賞

LGBTが抱える問題を、当事者ではなく周囲の人々の目線から描いた。とある高校2年生のクラス。ある日唐突にLGBTについての授業が行われた。しかし他のクラスではその授業は行われておらず、「うちのクラスにLGBTの人がいるんじゃないか?」と生徒たちに疑念が生じる。日常に波紋が広がり、思春期ならではの心の葛藤を抱えた生徒たちは、それぞれに行動を起こすが…。LGBTをテーマに、当事者ではなく周囲の人々にフォーカスしたドラマ。

『mama』 英題:mama
9月6日(金) 『カランコエの花』上映後/ウィルホール
日本/2019年/35分
監督:はるな愛
出演:吉野寿雄、田中俊介
配給:シネマスコーレ

『mama』は、はるな愛さんの初監督作品。
映画の舞台は名古屋市中川区の架空のバー。
吉野ママこと、伝説のゲイボーイ吉野寿雄さんは現在89歳。各界の著名人が訪れた六本木のゲイバーを閉め、今は中川運河沿いにあるバーをまかされている。そこへママを慕ってトランスジェンダーの亜美とゆしん、俳優の田中俊介が訪れ、東京でゲイバーを営んだママの戦前、戦後のゲイの歴史を引き出していくという設定。ドキュドラマの形を使って、戦前から戦後期の性的少数者に焦点を当てた。
 吉野ママは1951年、戦後初のゲイバーという新橋の「やなぎ」で働き始めた。63年に開店した六本木のゲイバー「吉野」は芸能界や政財界の著名人でにぎわったという。2000年に閉店したが、今も伝説として語り継がれる。
 はるな愛さんは名古屋で映画の番組に出演していて、その関係で「監督をやってみないか」と声をかけられた。それで考えたのが大先輩のオネエのレジェンド、ゲイとして生きてきた吉野のママの貴重なお話を聞いて、ドキュメンタリー作品にすることだったそう。

AIWFF2019 『過ぎた春』『女は女である』香港映画を立て続け二本 (千)

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◆ 9月7日ウィルホールAM1000〜
『過ぎた春』バイ・シュエ監督 中国/2018年/99分

香港人の父親と中国大陸人の母親が離婚し、母親側についた娘ペイペイは中国大陸から海を渡って香港の高校に通学中…その越境通学を逆手に取ってスマホの密輸の片棒を担ぐ。スマホって、あんなに儲かるの?! そして、どんどん危険な裏仕事に染まってゆく…って、よくあるパターンだけど、染まらなくて、ヨカッタ。私もJK時代、駅のトイレで制服から私服に着替えて埼京線に乗ってトーキョーへ遊びに行ったなあ、遠い目…
香港の女子高生も沢山出てくるんだけど、みんなカワイイ‼︎ 愛知では初公開作品。

☆大阪アジアン映画祭2019ミッキーさんのレポートはコチラ
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/464659285.html


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◆ 9月7日ウィルホール1430〜
『女は女である』メイジー・グーシー・シュン監督 香港/2018年/93分

実話に基づく劇映画。男子高校生のリンフォンはクリスチャンの両親のもと、まじめに育てられ学級委員にもなるほど。けれども自分の性別に違和感を抱きはじめ、両親に反発しながら、自分らしく生きたいと模索してゆく…主役を演じたトモ・ケリーさん、プロデューサーのミミさん、ふたりともトランス当事者。だからなのか、とてもリアルに伝わってきてドキュメンタリー感が強い。
立て続けに香港映画を二本観て、とても香港へ行きたくなる… 香港、台湾、チベット、これからどうなるんだろうか…日本もだけど…、
昨年の香港国際映画祭に出品された作品、愛知では初公開。

☆大阪アジアン映画祭2019ミッキーさんのレポートはコチラ
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/464550986.html


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映画の合間に先輩スタッフ(暁)さん&(美)さんとウィルあいち地下レストランでお食事しました。このあたりでは〈名古屋市の官庁街です〉お手頃価格で美味しかったです♡
(明日のお昼ごはんも此処で食べたい・千)

AIWFF2019 ドキュメンタリー『空と、木の実と。』常井美幸監督 (千)

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◆ 2019年/日本/84分/ ミッドランドスクエアシネマ9月6日1830〜

日本では最年少で性別適合手術を受けた小林さんの実話。義務教育時代に不登校になり「ゼロの自分」に還ることで、本当の人生を歩めるのではないかと男性の戸籍を取得する。胸を切除したり子宮と卵巣も無くして、かなりな大手術…ここまでしないと性別が変更できない日本の法律がある…他国の場合はどうなんだろう…(手術シーンを見てたら2011年に公開されたドキュメンタリー『ピュ〜ぴる』松永大司監督。を思い出した…) 映画の中には小林さんだけではなく、 FTMやMTFの方々が登場するが、とくに印象に残ったのは70歳を過ぎてから女性戸籍になった音楽家の八代さん。その八代さんが「音楽に性差は関係無い〜人間誰をも感動させることが出来るから」といった言説があり、心に突き刺さった。私がずっと芸術界隈に身を置いてることも、そうゆう理由があるからに他ならない。芸術に性別は関係ない、いま日本では、たったひとつの素朴な少女像が世間を賑わしていることも良い例。
上映後のトークイベントで監督が「若い世代の人たちに、この映画を観てもらいたい」と…ほんと私もそれを熱烈に希望します‼︎ そしてエンディングも大どんでん返し?!でした。
ところで小林さんは「ドラゴンボール」が大好物の様子でしたが…あれって私が小学生の頃に読んでいた週刊少年ジャンプで連載していた漫画「ドラゴンボール」みたいでしたが…まだ連載してるのでしょうか、まさかまさか、

作品公式サイト:https://konomi.work/

★9月8日にも上映あります‼︎

監督トークイベント抜粋
左:司会の藤原さん 右:常井監督
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★名古屋市ミッドランドスクエアシネマ
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以前、名古屋の映画館ではシネマスコーレとシネマテークへは行ったことありましたがシネコンは初めて‼︎ 映画祭の会場のひとつ「ミッドランドスクエアシネマ」は名古屋駅前の立地の良い場所にあり、週末金曜夜なだけあってロビーは沢山のお客様で賑わってました。映画が始まるまで、フィッシュ&チップスセットで待機。美味しくて、あやうくビールを呑んでしまうところでした☆ (お茶でガマンの・千)

★シネジャスタッフ日記
http://cinemajournal.seesaa.net/article/469832932.html



あいち国際女性映画祭2019が9月4日(水)から始まりました(暁)

24回目を迎えた「あいち国際女性映画祭2019」が、9月4日(水)~8日(日)まで、5日間の日程で開催されています。

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左から『紅花緑葉』劉苗苗(リウ・ミアオミアオ)監督
   『And Then They Came for Us(そして私たちの番がきた)』  
    サツキ・イナさん、アビー・ギンツバーグ監督
   『雪子さんの足音』浜野佐知監督、吉行和子さん、菜 葉 菜さん
   『作兵衛さんと日本を掘る』熊谷博子監督

女性監督製作の作品や女性の活躍をテーマにした作品、国内外の女性監督によるコンペティション、招待作品が愛知県女性総合センター(ウィルあいち)を中心に上映されます。
作品の監督や出演者(吉行和子さん、倍賞千恵子さん、はるな愛さん、菜 葉 菜さんなど)も多数参加し、映画上映後にはトークショーが行われるほか、監督と交流できるイベントも開催され、映画だけでない楽しみ方もできます。

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リウ・ミアオミアオ監督

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アビー・ギンツバーグ監督 
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出演者のサツキ・イナさん

『雪子さんの足音』
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浜野佐知監督督
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吉行和子さん
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菜葉菜さん

『作兵衛さんと日本を掘る』
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熊谷博子監督

あいち国際女性映画祭2019案内(暁)

今年も9月4日(水)から9月8日(日)までの5日間で「あいち国際女性映画祭」が名古屋市のウィルあいちを主会場に、開催されます。
24回目を迎える今回は、国内外で活躍する女性監督による作品、女性に注目した作品を集め、日本初公開1作品、愛知初公開9作品を含む全33作品が上映されます。
吉行和子さんを13年ぶりにゲストで迎え、主演作『雪子さんの足音』が上映されます。この作品では浜野佐知監督、菜葉菜さんも参加します。また、5月に逝去された俳優の京マチ子さん追悼企画として、山田洋次監督の『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』を上映し、ゲストに倍賞千恵子さんが参加予定です。
また、名古屋を舞台に制作した、はるな愛さんの初監督作品『mama』が上映されます。

主催:公益財団法人あいち男女共同参画財団、あいち国際女性映画祭2019運営委員会
共催:弥富市、蟹江町
日 程:2019年9月4日(水)から9月8日(日)まで 
会 場
 愛知県女性総合センター(ウィルあいち) 名古屋市東区上竪杉町1
 ミッドランドスクエアシネマ 名古屋市中村区名駅4-7-1
共催会場
 富市総合社会教育センター9月7日(土)弥富市前ケ須町野方802-20
 蟹江町産業文化会館9月7日(土)海部郡蟹江町城1-214

上映作品 全33作品 ※フィルム・コンペティション作品は、実写部門・アニメーション部門ノミネート13作品及びニューヨーク・ジャパン・シネフェスト招待作品1作品

国内外から11人の女性監督、プロデューサーが来場予定。
【海外】
・リウ・ミアオミアオ監督『紅花緑葉(原題)』(中国映画)
・アビー・ギンツバーグ監督
『And Then They Came for Us(そしてわたしたちの番が来た)』(アメリカ映画)
・ミミ・ウォンプロデューサー『女は女である』(香港映画)
【国内】
・浜野佐知監督『雪子さんの足音』 
・熊谷博子監督『作兵衛さんと日本を掘る』
・吉峯美和監督『この星は、私の星じゃない』
・平松恵美子監督『あの日のオルガン』
・橋本真理子監督『イーちゃんの白い杖』
・山田火砂子監督『一粒の麦 荻野吟子の生涯』
・常井(美幸監督『空と、木の実と。』
【国内(短編)】
・はるな愛監督『mama』

上映作品

『紅花緑葉(原題)』 英題:Red Flowers and Green Leaves
9月4日(水) 10:00/ウィルホール
9月5日(木) 18:30/ミッドランドスクエアシネマ
中国/2018年/97分
監督:リウ・ミアオミアオ
出演:ロー・クーワン、マー・スーチ
日本初公開/監督来場予定

あらすじ 幼いころから病気のために結婚をあきらめていたグー・ボ。家族の取り決めにより、聡明で美しいアー・シーイェとの結婚が決まる。ゆっくりと距離を縮める二人だが、やがて互いの隠し事が明らかになっていく。二人は互いを受け入れることができるのか。中国ムスリムが暮らす農村を舞台に紡ぐ愛の物語。

『And Then They Came for Us (そして私たちの番がきた)』
9月4日(水) 18:30/ミッドランドスクエアシネマ
9月5日(木) 10:00/大会議室
アメリカ/2017年/50分
監督:アビー・ギンツバーグ
出演:ジョージ・タケイ、サツキ・イナ
監督、サツキ・イナさん来場予定
アメリカ法曹協会2018 Silver Gavel Awards受賞

あらすじ 1942年に当時の米大統領ルーズベルトが発令した大統領令9066号は、第二次世界大戦中、約12万人の日系アメリカ人の強制収容への道を開くことになった。収容の様子を撮ったドロシア・ラングの未発表写真などから歴史を振り返るとともに、現在の移民政策に対し声を上げる日系人たちの姿を映す。

『過ぎた春』 英題:The Crossing
9月7日(土) 10:00/ウィルホール
中国/2018年/99分
監督:バイ・シュエ
出演:ホアン・ヤオ、スン・ヤン
協力:大阪アジアン映画祭
2018平遥国際映画祭Fei Mu Awards最優秀作品賞受賞
第14回大阪アジアン映画祭来るべき才能賞受賞(監督)

あらすじ 香港人の父と中国人の母を持つペイペイは、毎日深圳から国境を越えて香港の高校に通っている。父は香港で別の家庭を持ち、母は家で友人と麻雀に興じるばかり。孤独なペイペイは、ある日親友と参加した船上パーティーで出会った青年にスマートフォンの密輸団を紹介され、危険な裏仕事に手を染める。

『女は女である』 英題:A Woman Is A Woman
9月7日(土) 14:30/ウィルホール
香港/2018年/93分
監督:メイジー・グーシー・シュン
出演:アマンダ・リー、トモ・ケリー
協力:大阪アジアン映画祭
愛知初公開/ミミ・ウォン プロデューサー、トモ・ケリーさん来場予定
香港国際映画祭2018出品

あらすじ 男子高校生のリンフォンは、自分の性別に違和感を覚え思い悩んでいる。一方で、性別適合手術を受けて女性になったジーユーは、結婚して幸せな生活を送っていたが、その事実を知った夫は娘を連れて家を出てしまう。自分らしく生きたいと願う二人のトランスジェンダー女性が抱える戸惑いや葛藤をリアルに描く。

『ワーキング・ウーマン』 英題:Working Woman
9月7日(土) 18:00/ウィルホール
イスラエル/2018年/94分
監督:ミハル・アヴィアド
出演:リロン・ベン・シュルシュ、メナシェ・ノイ
協力:東京国際映画祭
愛知初公開
エルサレム国際映画祭2018出品、トロント国際映画祭2018出品、カルガリー国際映画祭2018出品

あらすじ オルナは、3人の子どもの母親。夫は開業したばかりのレストランの経営に苦労している。家計を助けるために働き始めたオルナだが、仕事と家庭の両立に苦しむ。オルナを高く評価した上司は彼女を昇進させるが、同時に、執拗なセクハラを始める。彼女は、このまま泣き寝入りするのか。

『雪子さんの足音』 英題:THE LANDLADY 
9月4日(水) 13:00/ウィルホール
日本/2019年/112分
監督:浜野佐知
出演:吉行和子、菜葉菜
配給:旦々舎
愛知初公開/監督、吉行和子さん、菜葉菜さん来場予定

あらすじ 大学時代に下宿した月光荘の大家・川島雪子が熱中症で孤独死したことを知った薫は、20年ぶりに月光荘に向かう。教養もあり文化的な香りを漂わせる老嬢の雪子と、肉親や職場の人間関係に屈折した感情を抱く小野田。二人の女性の過剰な好意と親切に窒息しそうになった日々が、薫の脳裏によみがえる。第158回芥川賞候補作・木村紅美の同名小説を、主演・吉行和子で映画化。

『作兵衛さんと日本を掘る』 英題:Sakubei and the Mining of Japan
9月4日(水) 16:00/大会議室
日本/2018年/111分
監督:熊谷博子
配給:オフィス熊谷
愛知初公開/監督来場予定

あらすじ 2011年、福岡県の筑豊炭田に生きた炭鉱夫・山本作兵衛の描いた記録画と日記が、日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録された。作兵衛は、自らが体験してきた労働や生活を子や孫に伝えたいと2000枚以上の絵を残した。彼の残した記憶と向き合い、元おんな抗夫の人生や、作兵衛を知る人々の証言を通じ、この国の過去と現在、未来を掘る。

『この星は、私の星じゃない』 英題:This planet is not my planet
9月5日(木) 10:00/ウィルホール
日本/2019年/90分
監督:吉峯美和
出演:田中美津、上野千鶴子
配給:パンドラ
愛知初公開/監督、田中美津さん来場予定

あらすじ 日本のウーマン・リブ運動の伝説的なリーダー田中美津。女であることの痛みがリブの田中を生み、虚弱であることのせつなさが、一心の治療を35年間も続けている鍼灸師の田中を生んだ。「この星は、私の星じゃない」と呟きつつ、全身でこの星に立ち続けてきた魂の遍歴を追う。

『イーちゃんの白い杖』 英題:Ii-chan’s White Cane
9月6日(金) 10:00/大会議室
日本/2018年/108分
監督:橋本真理子
出演:小長谷唯織、小長谷息吹
配給:テレビ静岡
愛知初公開/監督来場予定
2019年度児童福祉文化賞(映像・メディア等部門)受賞
第56回ギャラクシー賞報道活動部門奨励賞受賞
UDCast対応

あらすじ 生まれつき目が見えない唯織(イーちゃん)。「学校にいても家にいてもつらい」、「死にたい」と思ったこともある。そんな時、唯織のそばにはいつも2歳下の弟・息吹がいた。重度の障がいを抱え、入退院を繰り返し、手術を何度経験しても前に進む息吹。互いの顔を見たことがない姉と弟、支える家族を20年にわたり記録したドキュメンタリー。

『空と、木の実と。』 英題:Zero as You Are
9月6日(金) 18:30/ミッドランドスクエアシネマ
9月8日(日) 10:00/大会議室
日本/2019年/84分
監督:常井美幸
出演:小林空雅/このみ、八代みゆき
愛知初公開/監督来場予定

あらすじ 国内最年少で性別適合手術を受け《女性》から《男性》になった空雅(たかまさ)。様々な人とふれあうなかで浮かび上がってきたのは、性という枠組みでは括りきれない、多様で豊かな人生だった。とらわれのない《ゼロの自分》に還るため、しくみのなかに埋没せず、自分の感じる力を試すため、空雅の旅は続く。

『一粒の麦 荻野吟子の生涯』
英題:A Grain of Wheat ~Japan’s First Female Doctor’s Struggle~
9月8日(日) 13:10/ウィルホール
日本/2019年/105分(予定)
監督:山田火砂子
出演:若村麻由美、山本耕史
配給:現代ぷろだくしょん
愛知初公開/監督来場予定

あらすじ 明治18年(1885年)医術開業試験に合格して、日本の公許女性医師第1号となった荻野吟子。女性に医者の認可制度がなかった当時、自身の闘病経験から女医の必要性を感じ、女性による女性のための医療の実現を目指して道なき道を奔走する。社会運動家として、医師として、女性として、不屈の精神と大いなる愛に導かれたその生涯を描く。

『骨までしゃぶる』 英題:Nothing But Bones
9月5日(木) 13:00/ウィルホール
日本/1966年/88分
監督:加藤泰
出演:桜町弘子、久保菜穂子
配給:東映

あらすじ明治30年代の廓に売られてきた貧農の娘が表面は華やかに見える廓の世界の内実を知り、密かに反発を覚える。純粋な桶職人との出会いをきっかけに、自分の幸せをつかもうと大胆な行動に出る。遊郭に生きる女たちをリアルかつ妖艶に描き出したエロチシズム溢れる作品。

『あの日のオルガン』 英題:Organ
9月6日(金) 10:00/ウィルホール
日本/2018年/119分
監督:平松恵美子
出演:戸田恵梨香、大原櫻子
配給: マンシーズエンターテインメント
監督来場予定

あらすじ 1944年東京。戸越保育所の主任保母・板倉楓は、園児たちを空襲から守るため、親元から遠く離れた疎開先を模索していた。最初は反発していた親たちも、子どもだけでも生き延びて欲しいと、保母たちに我が子を託すが、見つかった疎開先は荒れ寺だった。幼い子どもたちとの生活は問題が山積みだったが、保母たちは子どもたちと向き合い、勇気づけていた。そんな中、米軍の爆撃機が東京を襲来、疎開先にも徐々に戦争の影が迫っていた−。

『カランコエの花』 英題:Kalanchoe
9月6日(金) 14:20/ウィルホール
日本/2016年/39分
監督:中川駿
出演:今田美桜、永瀬千裕
配給:SDP
第26回レインボー・リール東京グランプリ受賞
京都国際映画祭2017クリエイターズ・ファクトリーグランプリ受賞
第4回新人監督映画祭コンペティション・中編部門グランプリ受賞

あらすじ とある高校2年生のクラス。ある日唐突にLGBTについての授業が行われた。しかし他のクラスではその授業は行われておらず、「うちのクラスにLGBTの人がいるんじゃないか?」と生徒たちに疑念が生じる。LGBTをテーマに、当事者ではなく周囲の人々にフォーカスしたドラマ。

『mama』 英題:mama
9月6日(金) 『カランコエの花』上映後/ウィルホール
日本/2019年/35分
監督:はるな愛
出演:吉野寿雄、田中俊介
配給:シネマスコーレ

あらすじ 吉野ママこと、伝説のゲイボーイ・吉野寿雄は現在89歳。各界の著名人が訪れた東京・六本木のゲイバーを閉め、今は中川運河沿いにあるバーをまかされている。そこへママを慕ってトランスジェンダーの亜美とゆしん、俳優の田中俊介が訪れ、ママの戦前、戦後のゲイの歴史を引き出していく。

『ある精肉店のはなし』 英題:Tale of a Butcher Shop
9月7日(土)10:00/大会議室
日本/2013年/108分
監督:纐纈あや
出演:北出家のみなさん
配給:やしほ映画社
第18回釜山国際映画祭ワイドアングル部門正式出品

あらすじ いのちを食べて人は生きる。「生」の本質を見続けてきた家族の記録。
大阪府貝塚市で7代にわたり家族で屠畜・解体、販売を行ってきた北出精肉店。家業を継いだ兄弟の心にあるのは被差別部落ゆえのいわれなき差別を受けてきた父の姿。102年続いてきた屠畜場の閉鎖に伴い、北出精肉店も最後の屠畜の仕事を終えて新たな日々を重ねていく。

『ここに生きる』 英題:Kokoniikiru (Here, We Live)
9月7日(土) 13:00/大会議室
日本/1962年/41分
監督:望月優子
国立映画アーカイブ所蔵作品

あらすじ 全日本自由労働組合の委託により、当時国会に提出されていた緊急失業対策法改正案に対する反対運動の一環として製作されたドキュメンタリー。全国の失業対策事業の日雇労働の現場で働く人びとの日々の労働と生活を、実際の現場で撮影した記録映像と、職業俳優を交えた再現ドラマパートを交錯しつつ映し出す。

『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』 英題:Tora’s Pure Love
9月8日(日) 10:00/ウィルホール
日本/1976年/104分
監督:山田洋次
出演:渥美清、京マチ子
配給:松竹
シーン・ボイスガイド付

あらすじ 山田洋次監督・渥美清主演の国民的人気シリーズ『男はつらいよ』の18作目。旅先から故郷柴又に帰ってきた寅さんは、美しい柳生綾に逢い舞い上がるが、不幸な半生を送って来た綾は、不治の病で余命幾ばくもない。周囲の心配をよそに、妹・さくらだけは寅さんの味方をするが。日本映画を代表する名女優・京マチ子が、薄幸のマドンナ綾を好演。

実写部門・アニメーション部門ノミネート作品
1 うめぼしパトロール
2 タイムマシン
3 His name is Pesu
4 浴室の中の果実
5 湯沸かしサナ子、29歳
6 ペールブルーがかさなる
7 CA$H
8 歩く魚
9 ラムネ
10 ランチメイト症候群
11 Magician on the roof
12 不毛
13 わたしのヒーロー
招待オフク
9月6日(金)13:10/大会議室 13作品一挙上映!
途中2回休憩あり/6.『ペールブルーがかさなる』・11.『Magician on the roof』の上映後

『僕の帰る場所』 英題:Passage of Life
9月5日(木) 15:20/大会議室
日本、ミャンマー/2017年/98分
監督:藤元明緒
出演:カウン・ミャッ・トゥ、ケイン・ミャッ・トゥ
配給: E.x.N
第30回東京国際映画祭(2017) 「アジアの未来部」部門出品 同部門の作品賞及び国際交流基金
アジアセンター特別賞受賞

あらすじ東京の小さなアパートに住むミャンマーからやって来た母ケインと幼い二人の兄弟。入国管理局に捕まった夫アイセに代わり一人で家族を支えるケイン。日本で育ち、母国語を話せない子供達にケインは慣れない日本語で愛情を注ぐが、兄弟は父に会えないストレスでいつも喧嘩ばかり。ケインは、これからの生活に不安を抱き、ミャンマーに帰りたい思いを募らせていく。

シンポジウム「日本の難民支援について考えよう」
9月5日(木)17:15 /大会議室 《入場無料》

トーク「中国映画:製作の現場から」
9月4日(水)13:30/大会議室 《入場無料》
ゲスト:リウ・ミアオミアオさん(『紅花緑葉』監督)
中国第五世代監督のリウ・ミアオミアオ(劉苗苗)さんをお迎えし、成長し続ける中国映画産業や映画製作の現場についてお話をうかがいます。
進行役:木全純治 (当映画祭ディレクター)