第15回大阪アジアン映画祭(OAFF2020)2(暁)

2日目、7日から11日までは、ほとんどシネ・リーブル梅田での会場。1日3本~4本の作品を観る。その中からセレクトしての紹介を。

●特別注視部門 
『マリアム』 Mariam
3/7土 16:45 シネ・リーブル梅田4    
監督:シャリパ・ウラズバエヴァ Director:Sharipa URAZBAYEVA
2019年/カザフスタン・ドイツ/75分 
出演:メルエルト・サブシノヴァ、アルマス・ベクティバエフ、ハムザ・コクセベク、エディゲ・アフメト

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カザフスタンの最大都市アルマトイから400キロ、さらに幹線道路から3キロ離れた大平原にある村で、マリアムは夫と4人の子どもたちと、牛を飼育して細々と暮らしていた。平原には雪が積もるある冬の日、夫は何も言わず姿を消してしまい、夫が乗っていた馬だけが主もなく戻ってきた。警察に捜索願いを出すが、警察も積極的に捜してくれているとは思えない。夫が失踪したことを知った雇い主からは、妻一人では牛を育てられないだろうと、牛を返すよう要求され、連れて行ってしまう。生計手段を失った一家は飼っている羊も少なく、困窮していくばかりとなってしまう。病気の子どもを抱えたマリアムは、警察にも何度か通い、必死に夫の行方を探すが、一向に進展のないまま数ヶ月が過ぎてしまった。そこで彼女は、同級生だった警官と会い、生きるための手段を相談する。それは草原でみつかった死体が夫であると認定することだった。ほんとにそうなのかはあやふやのまま、認定して国からの何らかの母子家庭に対する補償金を得るようになったのだが、数回もらったところで夫が突然帰ってきた。半年以上?帰ってこなかった夫は、その間どうしていたとも何も言わない。でも、怪我をしているらしく、働くことが難しそう。その補償金は国に返還しなくてはならないけど、今、返還するお金はない。マリアムは生きるため取った行動とは…。
半年以上、雪の中にある平原に暮らすマリアムの一家。しかも4人の子供。まだ一番上も中学生くらい。幼い子供を抱え、厳冬の大地を生き抜く、残された妻と子どもたちの生き様が、丹念にそしてあふれるリアリティで描き出される。

●特別招待作品部門 『燕 Yan』
3/8日 16:00 シネ・リーブル梅田
監督:今村圭佑 Director: IMAMURA Keisuke
2019年/日本/86分 
脚本:鷲頭紀子
出演:水間ロン、山中崇、一青窈、テイ龍進、平田満
2020年6月5日から全国公開 公式HP

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(C)2019「燕 Yan」製作委員会

日本と台湾を舞台に、離れ離れになった兄弟、父母がそれぞれの思いを抱え、悩み、もがき苦しみ、成長する姿を描いた。
28歳の早川燕は、埼玉の父から台湾の高雄で暮らす燕の兄、龍心(リュウシン)に、ある書類に判を押してきてもらうよう頼まれる。子供の頃、燕を中国語で「イエンイエン(燕燕)」と呼んでいた台湾出身の母(一青窈)は、燕が5歳の時に兄、龍心を連れて帰ってしまった。「僕は母さんに捨てられた」。そんな母への複雑な思いを抱えながら育った燕は、母が病気と聞いても、亡くなった時にも台湾には行かなかった。20年以上の月日が過ぎたが、母と兄にはあれから一度も会っていない。そんな状態で、燕は台湾に行くことを拒むが、病気の父の最後の頼みと懇願され、渋々台湾へと旅立つ。
母はどんな思いでいなくなってしまったのか? なぜ自分を捨てたのか。なぜ手紙すらくれなかったのか?様々な思いがあって、高雄の母の実家に着いても、素直に兄とも向き合えない。

燕役は『パラレルワールド・ラブストーリー』の水間ロン。中国・大連出身で「僕自身も日本と中国、2つの家があり、そこに壁も境界線もありません。そういった思いでこの映画を見て頂けると幸いです」と語る。兄、龍心役は山中崇。中国語が不自然にならないくらい学んでこの役に挑戦している。歌手の一青窈が2人の母を演じている。たくさんの映画で撮影監督を務め、昨年の話題作『新聞記者』でも撮影監督を務めた今村圭佑の長編監督デビュー作。

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左から今村圭佑監督、水間ロンさん、山中崇さん

この作品の中で、日本人の作るカラフルなお弁当と台湾人のお母さんが作る茶色の地味なお弁当との違いと不満が出てくるが、後に観た『フォーの味』にもポーランド在住のベトナム人とポーランド人女性との間に生まれた女の子の話の中にも、ポーランド人が作るパンのお弁当と、ベトナム人のお父さんが作るお米の弁当への不満の話が出てきて、文化の違いに葛藤する子供ながらの話が出てきて、なるほどと思ってしまった。国際結婚の影で、習慣や文化の違いへの葛藤に苦しむ子供の姿というのが共通な点でした。この件は下記スタッフ日記に書いていますので参照ください。

スタッフ日記「第15回大阪アジアン映画祭へ行ってきました」http://cinemajournal.seesaa.net/article/474046141.html

●コンペティション部門 
『フォーの味』 The Taste of Pho
3/9月 14:40 シネ・リーブル梅田4

監督:ボブリックまりこ Director: Mariko BOBRIK
2019年/ドイツ・ポーランド/83

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ポーランドの首都、ワルシャワ。ポーランド人の妻に先立たれたベトナム移民のロンは、団地で一人で娘のマヤを育てている。娘のスカートにアイロンをかけたり、縫い物も器用にこなす。ベトナムレストランでシェフを務め、流暢にポーランド語も話し、現地に溶け込んで暮らしている。しかし、現地の生活に慣れたとはいえ、母国の文化への執着を捨てられない。純粋なポーランド人として暮らしたい娘のマヤは、学校で浮かないように父が愛情込めて作ったベトナム料理の弁当を密かに捨てている。そしてたまにはパンのお弁当を食べたいと思っている。ある日、ロンが勤めている店が新しいオーナーに変わってしまった。ひき続き雇われるが、日本料理のほうが売れると、得意のフォーの代わりに寿司を作るように言われ、日本料理の勉強も始めた。さらにタイ料理も。オーナーが変わったときにベトナムに帰えろうか迷って、残ることにしたことを後悔。そして母国を懐かしむ。一方、亡き母への思いが強いマヤは、近所の金髪美人と父の間に何かがあると疑い、向かいの家に住む彼女を双眼鏡で監視し始めるが誤解を生んでしまう。

先の『燕 YAN』と対をなすような作品だった。『燕 YAN』で母が台湾人で父が日本人。母は一生懸命、日本で子供を育てるが、小学校にあがった子供は、母の文化と日本の文化の中で葛藤を抱えるようになる。母は自分の持っている文化と日本の文化の狭間で悩み、台湾に帰ってしまった。異文化の中で生きることと、溶け込むこと。そして親子の絆について焦点を当てた作品だった。

監督は、ウッチ映画大学を卒業した日本人のボブリックまりこ。この映画ではベトナムから移住した男性と娘の話にしているが、ポーランドは以外にもアジアからの移民が多いのかもと思った。ベトナムコミュニティがあったし、ベトナムだけなく、日本やタイの料理に興味をもつ、ポーランド人たちもたくさんいた。

●特別注視部門 
『ローマをさまよう』Roam Rome Mein
3/7土 18:40 シネ・リーブル梅田   
監督:タニシュター・チャタルジー Director: Tannishtha CHATTERJEE
2019年/インド・イタリア/101分 
出演:ナワーズッディーン・シッディーキー、タニシュター・チャタルジー、ヴァレンティーナ・コルティ、フランチェスコ・アポッローニ、ウルバノ・バルベリーニ、イーシャ・タルワール

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インド人青年ラージは、親から「妹の行動の管理」を任せられている。自分の結婚式が近いのに、妹は行方不明。ローマにいることがわかったがどこにいるかはわからない。出張と称してローマに行き、姿を消した妹リーナを捜しローマの街をさまよう。妹を捜し歩く先々で今まで会ったこともない不思議な人々と出会い、現実と非現実が交錯するなか、ラージが今まで知らなかった本当の妹の姿が浮き彫りになっていく。妹のやりたかったことがわかるにつれ、妹の行動に抑圧的な家父長制的な考えにとらわれている自分に気づいてゆく。

「これは男性が主演のフェミニズム映画で、近代のフェミニズムの芽が育まれたローマで撮ることが重要だった」と監督であり妹リーナ役を演じるタニシュター・チャタルジーは語る。『アンナ・カレーニナ』(2012)、『祈りの雨』(第26回東京国際映画祭上映)、『LION/ライオン~25年目のただいま~』(2016)に出演の国際派女優タニシュター・チャタルジーが初めてメガホンを取った意欲作。
ラージ役は『女神は二度微笑む』(2012)、『めぐり逢わせのお弁当』(2013)、『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015)等に出演のナワーズッディーン・シッディーキー。『LION/ライオン~25年目のただいま~』でタニシュター・チャタルジーと共演し、映画作りで意気投合した二人の映画への思いが『ローマをさまよう』で実を結んだ。

●特集企画《祝・韓国映画101周年:社会史の光と陰を記憶する》
『マルモイ ことばあつめ』 
Malmoe: The Secret Mission
3/8日 18:10 シネ・リーブル梅田
監督:オム・ユナ Director: EOM Yu-na
2019年/韓国/135分 
出演:ユ・ヘジン、ユン・ゲサン、キム・ホンパ、ウ・ヒョン、キム・テフン
2020年5月22日(金)より、シネマート新宿&シネマート心斎橋ほか全国順次公開
公式HP
配給 インターフィルム
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(C)2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

1940年代の朝鮮半島:京城(日本統治時代の韓国・ソウルの呼称)。盗みや映画の上映劇場の宣伝で生計を立てていたお調子者のパンス(ユ・へジン)は、ある日、息子の授業料を払うためにジョンファン(ユン・ゲサン)のバッグを盗む。日本軍の台頭によって朝鮮民族の言葉が消えゆく1940年代、言葉を守ることによって国を守ろうとした人たちがいた。
ジョンファンは親日派の父(学校長)を持つ裕福な家庭の息子だが、失われていく民族の言語を守るため、父に秘密で辞書を作ろうと、各地の方言などあらゆる言葉を集めていた。辞書作りの為、全国の言葉・方言を集める「マルモイ(ことばあつめ)作戦」が多くの人の協力で秘密裏に進んでいた。しかし、日本の警察?に知られてしまい、せっかく集めた資料を没収されてしまう。日本統治下の朝鮮半島は、話す言葉が朝鮮語から日本語へと変わり、名前すらも日本式となっていく時代だった。
一方のパンスは学校に通ったことがなく、母国語である朝鮮語の読み方や書き方すら知らない。盗んだバッグをきっかけにジョンファンと出会ったパンスは、ジョンファンを始め、協力者たちの辞書作りを通して、自分の話す母国の言葉の大切さを知っていく。

日本統治時代の朝鮮半島では監視と弾圧の中、言葉だけでなく創氏改名、日本化が進められていた。このことを描いた作品としては林權澤(イム・グォンテク)監督の『族譜』が有名だが、この作品では辞典を作るのに非識字者が主人公という思いもよらない設定で、ユ・ヘジンの行動が、笑いと感動で観客の心を動かしてゆく。



第15回大阪アジアン映画祭(OAFF2020)1(暁)

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第15回大阪アジアン映画祭(OAFF2020)が3月6日(金曜日)に始まりました。シネ・リーブル梅田、梅田ブルク7、ABCホール等の会場で15日(日曜日)まで開催予定。
大阪アジアン映画祭は「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマに、アジア映画最新作のコンペティション部門をはじめ、インディ・フォーラム部門、特集企画など、多彩なプログラムでアジア映画の魅力を発信してきました。
今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で、全ての舞台挨拶やサイン会の中止という過去にない状況の中、上映は予定通り開催されています。
シネマジャーナルからいつも参加するメンバーSさんは参加を断念。私も5日まで迷ったけど、ここで観ないと観ることができない作品の多さを考え行くことを決めました。

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オープニングでビデオ出演のトム・リン監督

オープニング作品は、林書宇(トム・リン)監督作、李心潔(リー・シンジエ/アンジェリカ・リー)主演、阿部寛出演のマレーシア映画『夕霧花園(原題)』。クロージング作品は、中川龍太郎監督、穐山茉由監督、安川有果監督、渡辺紘文監督作、松林うらら出演・企画の日本映画『蒲田前奏曲』。

最初に観たののは韓国映画の『君の誕生日』。金曜日の16時からということで、やはり観客はいつもよりだいぶ少なくて、新型コロナウイルスのは影響大きいと思いました。でもオープニングの『夕霧花園(原題)』は開始時間が18:45ということもあり、満席に近かったのでホッとしました。


●特集企画《祝・韓国映画101周年:社会史の光と陰を記憶する》
『君の誕生日』 Birthday 
3/6金 16:00 シネ・リーブル梅田
監督:イ・ジョンオン 出演:ソル・ギョング、チョン・ドヨン
2019年/韓国
2020年6月5日 ロードショー
公式HP

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2014年4月16日に起こったセウォル号の沈没事故。修学旅行中の高校生ら300人以上が犠牲となった。この沈没事故で犠牲になった遺族の思いを描いた作品。
この事故で息子スホを亡くし、息子への思いを胸に収め、日々の暮らしに追われる母スンナム(チョン・ドヨン)。謎の男のように登場する父親のジョンイル(ソル・ギョング)。長く家を留守にしていて、どこからか帰ってくるが居留守を使われ、家に入れてもらえない。娘のイェソルは父の姿を見ても始めは誰だかわからない。しかたなく妹の家に滞在し、そこから自分の家に通う。少しづつ娘のイェソルに寄りそいながら、妻の心を癒してゆく。長らく家に帰っていなかったらしい。どうも刑務所にいたよう。そして海外にもいて、息子が死んだ時に不在だったらしい。「必要な時にいなかった」と、いきなり離婚届けを突きつけられてしまう。息子が亡くなった日に父親としての役目を果たせなかったジョンイルは、家族に対して罪悪感を抱えている。
最初は拒絶していた妻も、父親の不在で家の電球の取替えやドアの不具合などがそのままになっていたところを直したりしてゆくうちに、妻も夫を受け入れてゆく。
被害者の会の人たちの誘いがあっても、息子の死を受け入れられなくて、そこに出向いていなかったスンナム。遺族の会が主催する息子の誕生会の開催にOKするジョンイル。しかたなく一緒に出かけるスンナム。息子の子供の頃しか知らないジョンイルにとって、成長した息子の姿が想像できず、すべてが見慣れない現実の中、家族と一緒にスホの誕生日を迎える。誕生会の話の中から息子の思い出が浮かび上がってきた。スンナムも受け入れられなかった息子の死と向き合う。家族だけでなく、故人を知る人々が共に記憶し、悲しみを分かち合うことが、それぞれの遺族にとってどれだけ生きていく上での励みになるかが描かれる。

『私にも妻がいたらいいのに』以来、18年ぶりに共演したソル・ギョングとチョン・ドヨン。息子を亡くした遺族の喪失感を満身の演技で熱演。イ・チャンドン監督のもとで経験を積んだイ・ジョンオン監督の長編デビュー作。監督自身がボランティア活動を通じて長い期間、遺族と接する中で生まれたそう。

あらためて、あの信じられないような事故のことが思いだされ、若い犠牲者たちに思いを馳せ、遺族の方たちは、その後いろいろな活動をしているのだと知った。誕生会をすることで、1年、また1年と、自分たちの子供は今も人々の心に生きていると確認し、それによって残った家族も少し救われた思いになるということが描かれていたけど、そこに至るまでのスンナムの苦悩ははかなり深いものがあったのだろう。

●オープニング作品 
夕霧花園(原題)
The Garden of Evening Mists
3/6金 18:45 梅田ブルク7
監督:林書宇(トム・リン)
出演:李心潔(リー・シンジエ/アンジェリカ・リー)、阿部寛、張艾嘉
2019年/マレーシア
提供:マクザム、太秦  配給:太秦

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マレーシア出身の作家、陳團英(TAN Twan Eng)の英文小説で、英ブッカー賞最終候補作にもなった「The Garden of Evening Mists」が原作で、旧日本軍に捕えられた経験のある女性と戦後出会った日本人庭師男性とのの恋物語でもある。
第二次世界大戦後、再びイギリスの植民地になったマラヤ(現マレーシア)では独立をめぐり動きが続いていた。ユンリン(李心潔)は、今は亡き妹の夢だった日本庭園を造るため、日本人庭師の中村有朋(阿部寛)を訪れ庭作りを依頼するが、有朋に断られてします。しかし現在造っている庭園“夕霧花園”で自分の見習いをしながら庭造りを学ぶのならと提案する。仕方なく見習いをすることにしたユンリンだったが、深い信念を持って庭造りに打ち込む有朋に惹かれてゆく。それから約30年たち、ユンリン(張艾嘉)は、必要にかられ、有朋の真実を知るために再び「夕霧花園」を訪れる。
監督は台湾人の林書宇。ユンリンの若い頃を演じるのはマレーシア出身で
香港・台湾映画界をメインに活動する李心潔(リー・シンジエ/アンジェリカ・リー)。30年後を演じるのは台湾出身で香港映画界で活躍してきて、最近は監督でも活躍している張艾嘉(シルヴィア・チャン)。ミステリアスで孤独な中村有朋を演じるのは阿部寛。
2019年11月に開催された台湾の第56回金馬奨では、作品賞、監督賞、主演女優賞をはじめとする9部門にノミネートされ、最佳造型設計賞を受賞した。

監督は台湾人だし、飛び交うのは広東語、英語、日本語とかなりグローバル。太平洋戦争中の日本軍の蛮行も描かれ、海外、特にアジアの当事国の視点から旧日本軍についての思いも描かれ、日本人としてはやはり直視しなくてはという場面もある。しかし、繊細で質素な日本の芸術や文化についても描かれている。

初日のオープニング、ゲストはビデオ挨拶だけで終り。やっぱりゲストなしというのはとても寂しい。東京からの映画仲間たちもこの日は誰も来ていなかったので帰ろうと思ったら、関西在住の友人がいたので、映画が終わってから梅田の地下街に。まだ21時前なのに、シャッターが閉まっているところが多く、開いているところを探す。やっと焼き鳥屋をみつけ、さっそく乾杯。再会を喜ぶ。今度の映画祭のこと。これからの作品への期待など話しながら焼き鳥を楽しむ。でも1時間もしないうちに閉店といわれ、そそくさと店を出た。それにしても金曜日の夜というのに、人もまばら。彼女と別れ、十三(じゅうそう)のホテルへ。

第15回大阪アジアン映画祭 OAFF2020 

2020年3月6日~15日
第15回大阪アジアン映画祭 OAFF2020 
公式HP 上映作品確認は こちらへ

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今年の大阪アジアン映画祭は「大阪発、日本全国、そしてアジアへ。」をテーマに、優れたアジア映画と多数のゲストを迎えます。
・会場:梅田ブルク7、ABCホール、シネ・リーブル梅田、他

オープニング作品は、リー・シンジエ主演、阿部寛出演でおくるトム・リン監督によるマレーシア映画『夕霧花園(原題)』に決定しました。マレーシアを舞台に現地華人女性の日本人庭師への秘めた思いを描いた本作を、3/6(金)、梅田ブルク7にて日本初上映
http://www.oaff.jp/2020/ja/program/op.html

クロージング作品は、松林うらら出演・プロデュース、中川龍太郎監督、穐山茉由監督、安川有果監督、渡辺紘文監督による連作スタイルの長編映画『蒲田前奏曲』に決定しました。今秋からの全国公開に先がけ、3/15(日)、ABCホールにて世界初上映
http://www.oaff.jp/2020/ja/program/cl.html

上映部門
・コンペティション部門
・インディ・フォーラム部門
・その他特集企画・部門

●上映本数は58作(うち、世界初上映12作、アジア初上映3作、海外初上映12作、日本初上映24作)。

<世界初上映>
クロージング作品『蒲田前奏曲』(日本)をはじめ、レオン・ダイ出演『君の心に刻んだ名前』(台湾)、ベテランの城定秀夫監督が名作演劇を映画化した『アルプススタンドのはしの方』(日本)など14作。

<海外初上映>
メトロマニラ映画祭審査員特別賞『愛について書く』など今年も勢いが衰えないフィリピンから4作のほか、永瀬正敏主演の台湾映画短編『RPG』など12作。

<アジア初上映>
『東京不穏詩』(OAFF2018)のアンシュル・チョウハン監督最新作『コントラ』(日本)、ポーランドに生きるベトナム人を描いたボブリックまりこ監督作『フォーの味』(ドイツ・ポーランド)、撮影監督・俳優としても活躍する岸建太朗監督作『ハンモック』(日本)の3作。

<日本初上映>
オープニング作品『夕霧花園(原題)』(マレーシア)をはじめ、現地で大ヒットの『少年の君』(中国・香港)、『花椒の味』(中国・香港)、ロイ・チウ主演『ギャングとオスカー、そして生ける屍』(台湾)、『新聞記者』などで撮影監督を務める今村圭佑監督の長編デビュー作『燕 Yan』(日本)、『大和(カルフォルニア)』(OAFF2017)の宮崎大祐監督最新作『VIDEOPHOBIA』(日本)など24作。

●製作国は過去最多の23の国と地域。

●常設のコンペティション部門、インディ・フォーラム部門に加え、今年新たに「特別注視部門」を設置。まだポピュラーにはなっていなくても、今年、特に注視しておきたい潮流、才能を厳選してピックアップ。(暉峻創三プログラミング・ディレクターの肝煎り。)

●特別招待部門のうち1作は、神戸女学院大学文学部英文学科の協賛により、バングラデシュの若い女性たちが労働組合を作るべく奔走する姿を描いた『メイド・イン・バングラデシュ』を上映。(本作に関するシンポジウムも開催)

●特集企画は、恒例の台湾映画、香港映画、東南アジア映画の“今”をお届けするほか、韓国(朝鮮)映画が誕生101周年を迎えたのを記念し、今日に至る重要な社会史に根差した作品を特集。『君の誕生日』『ポーランドへ行った子どもたち』『はちどり』『マルモイ ことばあつめ』の4作を上映。

●その他、4年目となる協賛企画<芳泉文化財団の映像研究助成>の作品を上映。

“お帰りなさい監督”
15回記念の特別イベントはありませんが、『夕霧花園(原題)』のトム・リン監督をはじめ、過去にOAFFで作品を上映した13人の監督たちが、新作を携え続々と大阪に帰ってきます。
(トム・リン、安川有果、デレク・ツァン、ナワポン・タムロンラタナリット、アンシュル・チョウハン、ヤン・リーナー、キム・テシク、藤元明緒、三澤拓哉、いまおかしんじ、宮崎大祐、リー・チョクバン、アモス・ウィー)

●チケット発売:2月23日(日)から発売開始
ABCホール、シネ・リーブル梅田上映分:全国のぴあ店舗、セブン‐イレブン

梅田ブルク7上映分:KINEZO及び劇場窓口にて販売
前売券:1,300円、当日券:1,500円、青春22切符:22歳までの方、当日券500円
問合せ先 大阪アジアン映画祭運営事務局
〒540-0037 大阪府大阪市中央区内平野町2-1-2-6C
TEL 06-4301-3092 FAX 06-4301-3093

ホームページ 
開催 2020年3月6日〜2020年3月15日

大阪アジアン映画祭2018 各賞発表 (美)

★グランプリ(最優秀作品賞)
『中英街一号』(No. 1 Chung Ying Street/中英街一号)
香港|監督:デレク・チウ(Derek Sung-kee CHIU/趙崇基)

★来るべき才能賞
ミカイル・レッド(Mikhail RED)
フィリピン|『ネオマニラ』(NEOMANILA)監督

★最優秀女優賞
飯島珠奈(IIJIMA Shuna)
日本|『東京不穏詩』(Bad Poetry Tokyo)女優

★ABC賞
『私を月に連れてって』(Take Me To the Moon/帯我去月球)
台湾|監督:シェ・チュンイー(HSIEH Chun-Yi/謝駿毅)

★薬師真珠賞
ライザ・セノン(Ryza CENON)
フィリピン|『ミスターとミセス・クルス』(Mr. and Mrs. Cruz)女優

★JAPAN CUTS Award
『クシナ』(KUSHINA, what will you be)日本|監督:速水萌巴(HAYAMI Moet)

★観客賞
パン・ホーチョン(彭浩翔)監督『恋の紫煙3』(春嬌救志明)(香港、中国)

大阪アジアンの受賞作品で観ているのは1作品のみ。ガックリ……。あれこれ迷ったり、中国の映画祭とドッキングしていたりで見逃したのも多々あった。こればかりは時の運、チョイス運任せだ。以下は観た作品の感想や大阪滞在日記。(美)

大阪アジアン映画祭 (1)『パンツ泥棒』『ニュートン』
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/457877172.html
大阪阪アジアン映画祭 (2)『パキ』『どこでもない、ここしかない』
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/457942277.html
大阪アジアン映画祭 (3)『大大ダイエット』『パパとムスメの七日間』
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/457966697.html
大阪アジアン映画祭(4)『川流の島』『牌九(パイゴウ)』
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/457996618.html
大阪アジアン映画祭 (5)『ポッピー ハリウッドに行く Redux』『ネオマニラ』
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/458031145.html

第13回 大阪アジアン映画祭 2018年3月9日~18日(暁)1

今年も大阪アジアン映画祭に来ています。
11日から18日までの滞在予定です。とはいえ、中国映画祭「電影2018」の作品、東京で4作品しか観ることができなくて、11,12日は中国映画祭大阪での作品鑑賞。『追跡』『シティ・オブ・ロック』『ライスフラワーの香り』『無敵名人の最強食譜』『乗風破浪~あの頃のあなたを今想う』の5本を観ました。

大阪アジアン映画祭オープニングの『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』(イ・ジュンイク監督)を観たかったのですが、東京での中国映画祭「電影2018」と重なっていたため、東京でのこの映画祭が終わってから大阪に来たので、この作品をオープニングで観ることができず残念でした。でも、今回も中華圏の作品を中心に観ています。

大阪アジアン11日は『ひとりじめ』1本。12日は『ポッピーハリウッドに行く Redux』『大大ダイエット』。
13日からやっと大阪アジアンの作品に集中です。とはいえ13日は『どこでもない、ここしかない』『パパとムスメの七日間』の2本だけ。
泊まっている十三(じゅうそう)の街が好きで、この日は十三の商店街散策や、すじねぎのお好み焼きが有名な山本というお店に食べに行ったり。8回目の大阪アジアン映画祭参加だけど、今までほとんど観光したことがなかったので、今回は少しは観光というか、映画以外にも大阪の街を楽しみたいとここに宿を取りました。3年前の映画祭の時に「第七劇場」での上映が多く、この街に宿を取ったのですが、その時にこの街をあちこち歩きまわり、この街が気に入りました。梅田にも一駅だし、昭和の感じの商店街はあるし、おいしそうな店もいっぱい。そして何より駅前の和菓子屋「喜八洲総本舗(きやすそうほんぽ) 本店」の草餅や金つばが大好き。ほんとはみたらし団子も食べたいのですが、これを買って映画祭に持っていくわけにはいかず、帰りには店は閉じていてなかなか食べる機会がありません。すみません。この和菓子屋さんの話になると夢中になります。今回、3回くらい買いました(笑)。

今回、長く大阪にいるので、費用の関係から4日は安い宿、3日は少しレベルの高い宿を取りましたが、14日は宿を変えるので、朝9時半ころには十三の宿を出て、新今宮の安宿に移りました。ほんとは疲れが出てくる後半に、レベルの高い宿にしたかったのですが、17日がどうしても取れず、後半が安宿になってしまいました。大阪に住んでいた友人からは、新今宮なんて女の人ひとりで夜歩かないほうがいいよとはいわれたのですが、去年、シネジャスタッフのSさんから教えてもらって宿を取ったところ、夜遅く一人で歩いても大丈夫そうなので、今年もこちらに宿を取りました。なんといっても一泊2500円くらいで泊まれるのが助かります。この日は午前中なのに部屋に入れてくれたので、安心して映画祭に出かけることができました。しかし、この街はタバコくさい。歩いていると街がタバコくさいのには閉口します(笑)。

14日は『愛して星に』『ミスターとミセス・クルス』 TAIWAN NIGHT +『私を月に連れてって』。今回、21時からの作品が多くて、映画が終わると22時半過ぎ。映画祭に来た友人たちとの楽しい飲み会と映画談義の時間がなかなか組めずにいたのですが、この日は21時ころ終わらせたので(『傷心わんこ』を諦めました)、やっと飲みに行けました(笑)。このところ、食事や飲み会に付き合ってくれているシネジャ読者のKさんと飲みに行こうと思ったら、映画ライターのUさんから「神戸在住のNさんと飲みに行くけど行かない?と声がかかったので、喜び勇んでご一緒させていただきました。Nさんの文章はシネシティ香港があった頃、よく読んでいたので、いつもどんな方が書いているのかなとずっと気になっていたのでお会いできてよかったです。いろいろと映画の話ができ、気持ちよく宿に帰りました。

15日は14時からだったので、宿のそばにある通天閣を見に行ってみようと昼頃出かけてみました。いつも映画のことしか考えずに大阪に来ていたので、観光情報などはあまり持っていなかったのですが、なんとここが新世界でした(宿から5,6分)。近くにいたのに知らなかった(笑)。これは探検する価値あるぞと思い、新世界をキョロキョロしながら通天閣まで行きました。通天閣に上がろうと思っていたんだけどそれには時間切れで、新世界に心曳かれながら映画祭へ。それにしても平日の昼間というのに、たくさんの人がいました。
この日は、『仕立て屋 サイゴンを生きる』『朴烈 植民地からのアナキスト』『男たちの挽歌2018』『ダイ・トゥモロー』を観ました。
昨日(14日)、シネ・リーブルって福島駅から近いんだということを知ったので、この日からシネ・リーブルも福島駅から行くことにしました。梅田や大阪はあちこち出口を探しながら行くので、駅を出るのに5分以上かかってしまうけど、福島なら駅をすぐ出られるし、道もABCホールと反対方向に空中庭園を目指して行けばいいので行きよさそう。とはいえ、実は今回、私は歩く距離が長いとしんどいので、だいぶタクシーを使っています。

16日は迷ったけど、『恋の紫煙3』『パキ』 HK NIGHT +『青春の名のもとに』『どこか霧の向こう』。『恋の紫煙3』の時には、ほとんど知った顔がなかったけど、大阪以外から来た人たちは『中英街一号』のほうに行った人が多かったみたい。私は『中英街一号』は最終日に観ることにしたので、このチョイスでした。『恋の紫煙3』はシネ・リーブルでの上映で、その後はABCだったので、シネ・リーブルからABCまでタクシーで行ったけど680円でした。そんなに近かったんだと驚き、そのあと『どこか霧の向こう』を観に、またシネ・リーブルへ戻る時もタクシーで移動。
Hong Kong NIGHT+『青春の名のもとに』をチョイスした人は、けっこうたくさんいたと思うので、皆さん、トークを聞かずに大慌てでABCからシネ・リーブルへ移動でした(笑)。

17日以降の話と、作品の紹介、感想、イベントレポートはまた次回以降に。なんせ、0時すぎに宿に帰って、風呂に入って、落ち着くのは午前3時近くという生活を送っているので、原稿書きや写真整理が間に合わずです。すみません。