第38回東京国際映画祭 ウィメンズ・エンパワーメント・ラウンドテーブル「女性映画祭の力」(暁)

2025年11月3日 東京ミッドタウン日比谷 BACE Q

昨年、 東京国際映画祭の中にウィメンズ・エンパワーメント部門ができ、女性監督の作品が7作品上映され、シンポジウム「女性監督は歩き続ける」が開催されたが、今年(第38回東京国際映画祭2025)も7作品が上映され、シンポジウム「トーク “ハー・ゲイズ”」と「女性映画祭の力」が行われた。
そのうち参加した「女性映画祭の力」についてレポートします。

まず、今年のウィメンズ・エンパワーメント部門の上映作品から。
移住、初恋、障害、児童労働、戦争と亡命、創造と母性の間で繰り広げられる内なる葛藤などを描いた女性監督作品がスペイン、香港、トルコ、エジプト、チベット系カナダ人コミュニティ、そして日本から集結しました。

★ウィメンズ・エンパワーメント 上映作品およびプログラム★

◆100 サンセット  
監督:クンサン・キロン
トロントのパークデール地区に住むチベット系カナダ人の若い女性が、共同住宅での生活のなかで新たな生き方を模索する過程を描く。トロント映画祭で上映。

◆藍反射
監督:野本 梢
排卵障害という突然の診断に、当たり前だったはずの未来が揺らぐ。そして自分でもよくわからないまま、友人や恋人との間に少しずつ溝ができていく。

◆シネマ・ジャジレー  原題:Cinema Jazireh
監督:ギョズデ・クラル
タリバン政権下のアフガニスタン。家族を殺された母親が、行方不明の息子を捜すために男装して旅する姿を通し、抑圧的な社会で力強く生きる人々を描く作品。

◆ハッピー・バースデイ 原題:Happy Birthday
監督:サラ・ゴーヘル
カイロに暮らす少女が母親の雇い主の娘の誕生会のために奮闘する姿を通し、社会階級の問題を投げかける作品。トライベッカ映画祭で最優秀作品賞を受賞。

◆私はネヴェンカ 原題:Soy Nevenka
監督:イシアル・ボジャイン
スペインのポンフェラーダで起きた、市長による性的ハラスメント事件を正面から描いた作品。『エル・スール』(83)等に出演したイシアル・ボジャインの監督作。

◆佐藤さんと佐藤さん
監督:天野千尋
恋人のとき惹かれていた魅力が、夫婦となり、すれ違いの原因になる瞬間。些細な違和感が積もっていき、日常ににじみ出す。別れまでの15年間を描く。

◆私の愛のかたち 原題:像我這樣的愛情
監督:タム・ワイチン[譚惠貞]
障がい者のための性的サービスを提供する団体を訪れた脳性麻痺の女性が経験する精神的、身体的解放を描いた作品。フィッシュ・リウがヒロインを熱演。

★エンパワーメント・ラウンドテーブル「女性映画祭の力」
女性映画祭の歴史や、東アジアが連帯する上での歴史との向き合い方についても議論された。第一部では同志社大学教授でクィア・スタディーズや映画・視覚文化研究を専門とする菅野優香さんが、女性映画祭の歴史について解説。第2部では台湾と韓国の女性映画祭のスタッフと、日本からはあいち国際女性映画祭のスタッフが参加して各映画祭の成り立ちと映画祭の運営、そして女性映画祭の意義について語られた。

●女性映画祭の歴史について
同志社大学教授でクィア・スタディーズや映画・視覚文化研究を専門とする菅野優香さんが、女性映画祭の歴史について解説した。




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