SKIPシティ国際Dシネマ映画祭『聖なる電灯』(ジョージア)

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海外招待作品『聖なる電灯』Holy Electricity
7月20(日)13:00~

電気仕掛けの十字架を売り歩く
従兄弟ふたりの奇妙で温かな物語
<ロカルノ国際映画祭 Cineasti del Presente(新鋭監督コンペティション部門)
金豹賞(グランプリ)作品>

監督:タト・コテティシュヴィリ
出演:ニコロ・グヴィニアシュヴィリ、ニカ・ゴンガゼ
2024年 / ジョージア、オランダ / 95分

ジョージアの首都トビリシ。
部屋の中で棺を囲んでいる人々。青年ゴンガの父が亡くなり、従兄のバルトは亡き叔父に「息子のゴンガのことは俺に任せろ」と誓う。
バルトはゴンガを連れ、スクラップ置き場に行き売れそうなものを探す。ある日、錆びた十字架が詰まったスーツケースを見つける。バルトはこの十字架に電飾を施し、「ネオンクロス」として訪問販売することを思いつく。街で様々な人に出会うが、売り上げはかんばしくない。借金取りに追われていたバルトが売り上げを使い込み、ゴンガはバルトと別れ、親しくなったコーヒー売りのロマの娘と一緒にネオンクロスの訪問販売を続けるが・・・

男たちがソフラ(食布の上に並んだご馳走)を前に披露するトリフォニー。カヘティ産ワインを賛美する歌。
大きなぬいぐるみをたくさん持っている二人のおばあさん。
出会ったロマの娘が語る10代で結婚した弟のことや、駆け落ちした姉の話。
トランスジェンダーも出てきて、実に多彩な登場人物。
エンドロールが終わって、最後にもう一幕。ドラマーの老人に「最後を決めてくれ!」の声がかかる。なかなか終わらない・・・ やっと終わって暗転。会場から静かな拍手が湧きました。

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Q&Aに登壇したタト・コテティシュヴィリ監督。
「どんな風に鑑賞してもらえるか、国によって違います。エンドロールが上がり始めたら拍手が起こる国もありました。今日は、最後の最後まで待って拍手してくださって、パーフェクトな反応でした」と、日本の観客を絶賛。

トビリシの市民や町、建築の雰囲気などを知ってもらいたくて、ネオンクロスを売り歩くなかで出会う人や町の様子を描こうと思ったとのこと。
大きなネオンクロスは、教会や山の上などあちこちで見かけるものですが、この映画に出てきたサイズのものは監督のアイディア。
プロの役者は一人も出ていなくて、監督が出会った人にあわせて物語を作っていったとのこと。ロマの女性をコーヒー売りの設定にしたのは監督ですが、彼女の弟や姉の話は実話。

★Q&Aの詳細は、公式サイトでご覧ください。
【デイリーニュース】Vol.06『聖なる電灯』タト・コテティシュヴィリ監督 Q&A
https://www.skipcity-dcf.jp/2025/news/report/2025072003.html

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質問したいと手を挙げたのですが、当てていただけず、終了後に直接監督に聞いてみました。

冒頭、棺を囲んでいた人たちが、いよいよ出棺の時を迎え、6人くらいで棺を持ち、ぐるぐる回ってから部屋を出ていったのが、ちょっとユーモアも感じたので、その場面について伺ってみました。ジョージア正教の古くからの伝統で、もともとは部屋の真ん中に火を焚いて、その火の上を3度回して、外にでるのだそうです。今回、火は焚かず、回し方もちょっとオーバーに演出したそうです。

同じジョージア出身で翌日の7月21日に短編作品『テモ・レ』の上映が行われるアンカ・グジャビゼ監督とは20年来の友人。 Q&Aも最前列で見守っていましたが、終了後、パネルの前でフォトセッションが行われたあと、観客からの質問に答えるタト・コテティシュヴィリ監督を遠くからご覧になっていました。
「明日の上映を楽しみにしています」とアンカ・グジャビゼ監督にお声をかけて会場をあとにしました。

報告:景山咲子

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