「コンペティション部門」、「特別注視部門」、「インディ・フォーラム部門」、カザフスタン映画の現在、特集企画<タイ・シネマ・カレイドスコープ2025>、<台湾:電影ルネッサンス2025>、<Special Focus on Hong Kong 2025>、「特別招待作品部門」、短編映画作品などが23日(日)まで上映されました。
第20回大阪アジアン映画祭 授賞結果
(受賞理由 公式HPより)
★グランプリ(最優秀作品賞)
『バウンド・イン・ヘブン』(捆綁上天堂/Bound in Heaven)中国
監督:霍昕(フオ・シン HUO Xin)
授賞理由
映画が描く(映す)テーマが多様化する中で、特に「映画祭」では選ばれにくい、最も古典的な”恋愛映画”の本作に迸る熱度と強度に衝撃をうけました。主演二人がたどる「運命」は映画を目にする私たちを疑いもなくその物語に没入させ、映画的歓びを共有させてくれるその世界に魅了されました。
★来るべき才能賞
パク・イウン PARK Ri-woong
『朝の海、カモメは』監督/韓国
授賞理由
パク・イウン監督の人間の善良さを見抜く能力と、社会が抱える問題を詳らかにする鋭い注意力は来るべき才能賞に値する。
★スペシャル・メンション
『私たちの話し方』(看我今天怎麼說/The Way We Talk)香港
監督:黄修平(アダム・ウォン)
授賞理由
『私たちの話し方』のアダム・ウォン監督と彼のクルーの深い優しさと、先入観のない公平な視点が本作を珠玉の作品にした。聴覚障害者の内なる世界に観客を心深く没入させる作品である。
★最優秀俳優賞
トゥブシンバヤル・アマルトゥブシン
(Tuvshinbayar AMARTUVSHIN)
『サイレント・シティ・ドライバー』主演 モンゴル

代理で受け取ったジャンチブドルジ・センゲドルジ監督
授賞理由
アマルトゥブシンは静謐で、決して不快でない男らしさを体現し、それは映画の領域に深く共鳴した。彼の内なる感情を伝える卓越した演技力は、静穏だが暗晦な世界に生きる主人公の複雑な孤独を的確に捉えた。
★JAIHO賞
『君と僕の5分』(너와 나의 5분/404 Still Remain)韓国
監督:オム・ハヌル
授賞理由
テンポよく展開するストーリー、主人公2人の瑞々しい演技。彼らがバスの車窓から眺める四季折々の風景が、音楽と絡み合い美しい余韻を残す。そして少年は大人になる。“ボーイ・ミーツ・ボーイ”映画の傑作。
★薬師真珠賞
高伊玲(カオ・イーリン)
藍葦華(ラン・ウェイホア)
曾敬驊(ツェン・ジンホア)
黃珮琪(ホアン・ペイチー)
『我が家の事』(我家的事/Family Matters)台湾
授賞理由
『我が家の事』の主人公家族を演じた4人の俳優たち、カオ・イーリン、ラン・ウェイホア、ツェン・ジンホア、ホアン・ペイチーに授与する。家族それぞれがかかえる複雑な心情を見事なアンサンブルで演じ、新人監督による偉大な傑作の誕生に貢献した。
★JAPAN CUTS Award
『素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる』日本
(So Beautiful, Wonderful and Lovely)
監督:大河原恵
授賞理由
多彩な編集と撮影手法、不条理なユーモアとハートフルなストーリーテリングが矢継ぎ早に繰り広げられる、大河原恵監督の『素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる』にJAPAN CUTS AWARDに授与する。脚本・監督・編集・主演を務めた大河原は、真の若いエネルギーに溢れ、短い上映時間の中に創造的なアイデアと野心を詰め込み、かつ筋の通った作品を完成させた。
★芳泉短編賞
『洗浄』(洗浄/WAShhh)マレーシア
監督:黎樂怡(ミッキー・ライ)
授賞理由
まるでリアルタイムで起きている出来事のように、限られた空間と時間の中で観客を巧みに没入させ、少女たちの状況の追体験を可能にする。モノクロームの画がセンセーショナリズムに陥らない緊迫感を作品にもたらす。リアリズムとシンボリズムの両方を兼ね備え、制度の不条理を痛烈に批判し、タブーに挑んでいる。
★芳泉短編賞 スペシャル・メンション
『金管五重奏の為の喇叭吹きの憂鬱』
(The Melancholy of a Brass Player for Brass Quintet)日本
監督:古谷大地
授賞理由
元気が湧いてくる作品(アダム・ウォン)
編集、音響デザイン、テンポ ー すべてにおいて類のない作品。何が何だか分からないのに、完全に筋が通っている。(ジョン・スー)
まるでサイレント映画のようなアナーキーさを湛えている(木下千花)
★観客賞
『蔵のある街』(The Tales of Kurashiki)日本
監督:平松恵美子
クロージング作品 『桐島です』
宮崎 暁美
スタッフ日記
「第20回大阪アジアン映画祭」(OSAKA ASIAN FILM FESTIVAL 2025)に来ています(暁)はこちら
公式HPはこちら
なお、万博イヤーの今年(2025)は、夏にも映画祭が開催されます。第21回大阪アジアン映画祭は2025年8月29日(金)〜9月7日(日)です。
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