片山慎三監督最新作 『雨の中の慾情』は、東京国際映画祭 コンペティション部門に選ばれ、11月29日(金)からの一般公開を前にジャパンプレミアで、成田凌、中村映里子、李杏の3人が登壇し、舞台挨拶とQ&Aが行われました。
2024年10月30日(水)10時からの上映後
TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12
報告:景山咲子
TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12
報告:景山咲子
『雨の中の慾情』
監督・脚本:片山慎三(『さがす』)
原作:つげ義春「雨の中の慾情」
出演:成田凌、中村映里子、森田剛、竹中直人、李杏(りーしん)
★2024年11月29日(金) TOHOシネマズ日比谷ほかにて公開
シネジャ作品紹介
◎舞台挨拶・Q&A
MC: 一言ずつご挨拶を!
成田:こんにちは。成田凌です。本日は、『雨の中の慾情』日和の日に観ていただきまして、ありがとうございます。今日は関係者以外の方に初めて観ていただける機会でしたので、あとで質疑応答の時間もありますので、いい時間にできたらと思います。
中村:こんにちは。福子役を演じています中村映里子と申します。私にとって特別で、かけがえのない作品となっていますので、今日初めて観ていただいたお客様にとってもいい時間になればいいと思っています。
李杏:台湾から参りました李杏と申します。映画の中でシュンメイという役を演じています。今回、ワールドプレミアに出席することができて光栄です。気に入っていただければ、もっともっと嬉しいです。
MC:シュンメイというのは、成田亮演じた義男の奥様です。
ワールドプレミア、しかも朝の9時半(開場時間)から皆さんにご覧いただきました。
成田:絶対寝坊した人いるでしょうという景色でした。
MC:でも、最初見逃したらいけないですよね。衝撃的で!
成田:朝早くから観る映画じゃないと思いますが・・・。入ってきたとき、お疲れムード感じました。
MC: 1回だけだと、わからなさが心地いいですよ。私は大失恋したんだという感じが一番残りました。
成田:そうですね。大失恋なのか・・・ 最後には愛という形に見えたので、最後の福子の場面がすべてだなと思います。
MC:もともとはつげ義春さんの同名短編を監督が一つに仕上げて面白い作品にされました。
出演の決め手は何だったでしょう?
中村:片山監督から直接オファーを受けたのですが、片山監督とは『岬の兄妹』のオーディションの時からのご縁で、一度短編映画に出させていただいたことがありました。その後の監督の作品は面白いし、パワーアップしている印象の中で、ご連絡いただいて、脚本を読んだら、ベースに原作のつげ義春さんのキャラクターのユニークさや世界観があって面白いなと思いました。成田さんと森田さんは決まっていて、飛び込んでみたいと思いました。
成田:観ていただいた通り、片山さんの作品は生半可な気持ちじゃできないですよね。でも、こういう作品に出たいと思いますよね。
李杏:2017年に『岬の兄妹』が台湾で公開されたときに観て、大好きになりました。片山監督がわざわざ台湾にいらして対談をしたのですが、それに参加して知り合いました。一つの縁かなと思っています。その後、台湾で撮影をすると言われまして、これはもう何の躊躇もなくお引き受けしました。『岬の兄妹』のストーリーテーラーとしての語りの手法や、映像の強烈なイメージを作ることに感銘を覚えていました。
NC:それでは、会場の皆様からの質問をお受けしたいと思います。
― 3人の方に、演じられるにあたって、役作りするのに監督からの指示にどういう風にアプローチされたか教えてください。
成田:いろいろありますが、走り方でしょうかね。生活の中でどういう人間なのかということだと思うのですが、肘を曲げない走り方と監督から言われて、気持ちが一致した覚えがあります。
李杏:目を瞬く時のスピードをゆっくりしてくださいと言われました。え?と、こういうことを言われたことがなかったのですが、やってみて面白かったです。観客の皆さんに役者の顔をどういう風に見せるか、片山監督の頭の中にはっきりあるのですね。私にとって、いい経験でした。
中村:福子さんは、とにかく明るく演じてほしいと最初に言われていました。私のお芝居の質もリアルというより、わりと大げさで、思い切りやってみようという感じでした。福子はとても汗っかきという設定で、オイルをいっぱいつけてやったのですが、それも福子のキャラクターのポイントになっていると思います。
MC:細かいキャラクターのイメージがあったという面白いエピソードをお伺いしました。
― この映画の自分以外の役柄で、演じてみたい役は?
成田:僕はもうやりたくないです。義男も、もういいです。
MC:理由を聞いてもいいですか?
成田:もう大変だったから。もう十分です。
李杏:女性なら中村さんが演じた役はとても難しい役柄。ボールで遊んでいた娘の役をやりたいと思います。楽な役柄ですね。
― いろんな時代を生きている中で、キャラクターどうしの関係も変わっていますが、これだけはぶれないと思って演じたことは?
中村:福子は、義男さんの夢だったり妄想だったりする女性。そういう意識を持って演じることを心掛けていました。
成田:自分は福子が好きという気持ちですね。それが強すぎるが故の地に足がついてないこともあるし、どうしても受け入れないといけないこともあったけど、どうしても福子が好きという・・・、やっぱりラブストーリーなんです。
― 午前中に観てよかったと思います。質問ですが、成田亮の中にいる義男、中村恵理子の中にいる福子がいれば教えてください。
成田:こうしたい、こうなればいいというのが、自分でもわからない時間が長いというのがあるかもしれないですね。あとは、できれば楽をしたいというところですね。
中村:なんだろう。何をしでかすかわからない部分、福子は天真爛漫に映っているかもしれないけれど、衝動的な部分は重なると思います。
― この映画は全編台湾で製作されたとのことで、海外での撮影にあたって役作りに苦労した点があれば教えてください。
成田:1か月くらい台湾にいましたね。なんだろう・・・ 苦労あったかな。海外だからというより、片山監督だから大変だったかなと。楽しいですから、大丈夫ですね。
中村:台湾だから、とっても暖かいと思って行ったのですが、3月で寒暖の差が激しくて、朝晩はほんとにすごく寒くて、昼は暖かくなるのですが、撮影が夜遅くなると、衣装もペラッペラで薄くてとても寒くて、台湾でこんなに寒い思いをすると思いませんでした。
MC:李杏さんは日本の監督とお仕事して、新鮮だったり、びっくりしたことはありますか?
李杏:大きな問題はなかったですが、日本のスタッフはプロフェッショナルな方ばかりで言語の問題もありませんでした。片山監督は事前の準備が非常に万端で、撮影に入ると、とても順調で大きな問題はありませんでした。中村さんが温度差があって大変だったとお話しされましたが、3月は確かに日中は暖かいのですが、夜遅く3時頃まで続いた時には、ほんとに寒くて私も耐えられないと思ったのですが、中村さんは薄い衣装で心配しました。天気以外は、とても順調でした。
MC:成田さん、最後に一言お願いします。
成田:ほんとにありがとうございます。観てくださった皆さんに何も言うことはないのですが、愛情の溢れる現場で自分も楽しく過ごさせていただいて、それがこのようなエネルギッシュな作品になりました。予告編であまり言うことも少ないまま、ラブストーリーですという表現になっているのですが、自分にとっても大切な作品ですので、皆さんの心に残る作品になれば嬉しいです。今日はありがとうございました。
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取材を終えて、ロビーで李杏さんの通訳を務められたサミュエル周先生に「お疲れさまでした」とお声をかけたら、「朝早くからご覧になって、そちらこそお疲れさまでした」と、ねぎらいの言葉をいただいたのですが、取材は、上映後の12:12からでした! TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12の大きな会場がほぼ満席。成田亮さんが会場をみて、「お疲れムードがいっぱい」とおっしゃったのですが、朝早くてお疲れなのか、映画でお疲れなのか・・・と、成田亮さんはどちらの思いだったのでしょう・・・(咲)
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