イスラーム映画祭9 『メークアップ・アーティスト』(イラン)
『メークアップ・アーティスト』
原題・英題:Makeup Artist
監督:ジャファール・ナジャフィ / Jafar Najafi
2021年/イラン/76分/ペルシャ語
予告篇https://youtu.be/tfJB_Uis16M?si=MPwH5HYbommpFXHH
メークアップを勉強する大学に通うため、強固な家父長制的価値観を持つ夫や義母と丁々発止の日々を繰り広げる女性を追った、ドキュメンタリー映画です。
本作のポイントの一つは、主人公のミーナたちが少数民族のバフティヤーリー族である事で、イランにおける女性の置かれた状況がわかるとともに彼の国の多民族国家ぶりもうかがえます。 『私が女になった日』から状況は何も変わらずとも、イランの女性たちが確実に前進している事を実感できる作品です。
イランといえば
“ペルシャ人の国”と思われがちですが、
実際のイランは多民族国家です。
国民の大多数を占めるペルシャ人の他にも、
アゼリー人、クルド人、アラブ人、
そして多くの少数民族が国内に暮らしています。
3/24(日)に上映する
イランのドキュメンタリー映画
『メークアップ・アーティスト』は、
その少数民族の一つ、
ザーグロス山脈の麓に住む
バフティヤーリー族の女性を追った作品です。
主人公は、
メークアップ・アーティストの勉強をするために
大学へ進学する事を認めるという条件で
結婚したにもかかわらず、
約束を守らない夫や伝統的価値観の義母と
丁々発止の日々を繰り広げる女性ミーナ。
多民族国家とはいえ、
イラン女性の境遇に民族の違いはないようです。
『私が女になった日』と
テーマを一にするだけでなく、
イランの多様さもわかる
貴重な作品ですのでぜひ2本続けてご鑑賞ください。
(藤本高之)
☆東京・渋谷ユーロライブ上映日
3/24日 12:35
上映後トーク
【テーマ】《多民族国家イランの魅力と、イランを知るための映画・文学》
【ゲスト】村山木乃実さん(日本学術振興会特別研究員PD(東京大学))
★山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 上映時の感想とジャファール・ナジャフィ監督Q&A
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/483935250.html
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