イスラーム映画祭9 『憎しみ』(パリ郊外)
『憎しみ』
原題:La Haine 英題:Hate
監督:マチュー・カソヴィッツ / Mathieu Kassovitz
1995年/フランス/98分/フランス語
予告篇https://youtu.be/MjEVNWNhA1o?si=PaaZzGX5cvZseuYl
<郊外(バンリュー)映画>の隆盛はここから始まった!
フランス映画のエポックメイキング、マチュー・カソヴィッツ監督作『憎しみ』を28年ぶりに劇場リバイバルします。
かったるい日々を生きるユダヤ系のヴィンス、アラブ系のサイード、サブサハラ・アフリカ系のユベール。 暴動が起きたカオスな街で、警官が紛失した拳銃を拾った3人の24時間…。
都市郊外(バンリュー)に住む移民ルーツの若者たちの実態を描いた本作は、公開当時本国で賛否両論の一大センセーションを巻き起こしました。
昨年6月にパリ郊外のナンテールで、
アルジェリアルーツの少年が
警察官に射殺された事をきっかけに若者たちによる
暴動が起きたのは記憶に新しいところですが、
こうした「暴動」は実は80年代から起きています。
そして1993年に
17歳の少年が警察署内で射殺された事件を機に、
マチュー・カソヴィッツ監督が脚本を書いたのが、3/23(土)に上映するフランス映画『憎しみ』です。
フランスで移民やその子ども世代が
多く住む郊外の事を「バンリュー」と呼び、
『憎しみ』は郊外を描いた
“バンリュー映画”の先駆的傑作と言われています。
そして移民ルーツの若者たちの、
社会の不公正や差別の顕在化に対する
抵抗ツールとなった「ラップ」と連動して、
本作は
フランス映画のエポックメイキングとなりました。
イスラーム映画祭を9年続けてきて、
こんなにリアクションの大きい作品は初めてです。
1日限りの上映。ぜひ。
(藤本高之)
★東京・渋谷ユーロライブ上映日
3/23土 12:00
上映後トーク
【テーマ】《「郊外(バンリュー)」から声をあげる ―フランスの移民事情とラップ・フランセ》
【ゲスト】陣野俊史さん(ライター/『魂の声をあげる 現代史としてのラップ・フランセ』『ジダン研究』著者)
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