イスラーム映画祭9 『ファルハ』 (1948年 パレスチナの惨劇を目撃した少女)

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『ファルハ』
原題・英題:Farha
監督:ダリン・J・サラム / Darin J. Sallam
2021年/ヨルダン=スウェーデン=サウジアラビア/92分/アラビア語・ヘブライ語・英語
予告篇https://youtu.be/2UT6Zw4-Yg0

パレスチナにルーツを持つヨルダン出身のダリン・J・サラム監督作。
1948年、イスラエルによるパレスチナの民族浄化、“ナクバ(アラビア語で“大災厄”)”を目撃する少女の物語です。
映画は、ナクバでシリアに逃れ、サラム監督の母親に自身の経験を語ったというパレスチナ女性の物語に基づいており、主人公ファルハの体験は、イスラエル建国の1ヵ月前に起きた
“デイル・ヤーシーン村の虐殺”を彷彿とさせます。
本作はNetflixで配信された際、イスラエル政府の大きな反発を招きました。
(つまり、イスラエルによるパレスチナの民族浄化はホロコーストと同じく歴史的な事実だからです)

10/7から4ヵ月…いや、
76年もこんな事が彼の地で続いているのかと思うと、
あらためて気が遠くなります。
イスラーム映画祭9渋谷で3/17(日)に上映する
パレスチナ映画『ファルハ』は、
イスラエルによるジェノサイドの原点である
1948年の民族浄化、
アラビア語で“ナクバ(大災厄)”を
一人の少女の目を通して描いた作品です。
まかり間違っても「戦争映画」ではありません。
自身もパレスチナにルーツを持つ
ヨルダン人のダリン・J・サラム監督は、
母から聞いたナクバ後にシリアへ逃れた女性の話や、
難民を受け入れた女性たちから集めた
オーラルヒストリーを基に本作を制作しました。
ヨルダンはレバノンと並ぶ、
パレスチナ難民の最大受け入れ国です。
岡真理さんの解説とともにぜひご覧ください。
(藤本高之)

☆東京・渋谷ユーロライブ上映日
3/17日 14:45
上映後トーク
【テーマ】《ホロコーストとナクバ―起源の暴力と暴力の起源》
【ゲスト】岡真理さん(京都大学名誉教授、早稲田大学大学院文学研究科教授/アラブ文学者)


SKIPシティ国際Dシネマ映画祭『ファルハ』 1948年のパレスチナ 少女が隙間から覗いた惨劇 (咲)  
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ダリン・J・サラム監督 Q&Aも掲載しています。
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/489961622.html



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