イスラーム映画祭9『炎のアンダルシア』(エジプト)
『炎のアンダルシア』 ★26年ぶりの劇場リバイバル
原題:Al-Massir 英題:Destiny
監督:ユースフ・シャヒーン / Youssef Chahine
1997年/エジプト=フランス/135分/アラビア語・フランス語
知る人ぞ知る巨匠、故ユースフ・シャヒーン監督(1926-2008)作。
イスラム王朝下にあった12世紀のスペイン南部を舞台に、歌ありダンスあり、恋物語に政治陰謀ドラマありとエンタメ要素が詰まった観応え抜群の歴史大作です。
日本では1998年に、今はなきフランス映画社によって配給されました。
主人公は12世紀に実在したムスリム哲学者イブン・ルシュド(ラテン名:アヴェロエス)。
12世紀末、ムワッヒド朝カリフ・マンスール治世下のアンダルス(スペイン南部)。世には権力を背に偏狭なイスラム主義が蔓延し始め、信仰と理性の両立を説くアヴェロエスの哲学書にも焚書の危機が迫ります…。
しかし中世を舞台にしながら本作が描くのは、イスラム主義勢力が武装闘争を繰り広げ、日本人が犠牲となる事件も起きた90年代のエジプト。(「ルクソール事件」でぜひ検索を)
インドのエンタメ映画並みに思想的に深く、かのパキスタン映画の名作『神に誓って』にも影響を与えた作品です。ぜひご覧ください。 (藤本高之)
予告篇 https://www.youtube.com/watch?v=lusJxBk8ha4
☆東京・渋谷ユーロライブ上映日
3/17(日) 12:00
3/24(日) 15:05 ★上映後トーク
【テーマ】《思想には翼がある ―12世紀アンダルスより21世紀への伝言》
【ゲスト】金子冬実さん(東京外国語大学非常勤講師)
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