イスラーム映画祭8東京篇ゲスト情報
【イスラーム映画祭8東京篇ゲスト情報】
①2/18(土)11:00
『マリアムと犬ども』上映後
《女性監督はかく抗議する ―性加害を描くアラブ映画の系譜》
【ゲスト】佐野光子さん(アラブ映画研究者)
※この回の解説には性加害に関する内容が含まれます。あらかじめご了承ください。
映画のモチーフであるチュニジア革命後の'12年に起きた性暴行事件の背景について解説しつつ、古くは『告発の行方』(1988)から最近の『17歳の瞳に映る世界』や『プロミシング・ヤング・ウーマン』、そして来年公開の『シー・セッド その名を暴け』や『ウーマン・トーキング 私たちの選択』に至るまで、性加害をめぐる欧米の映画が紹介されてきたように
アラブ映画にもその系譜がある事を、佐野さんにじっくりお話していただきます。
②2/18(土)15:45
『エグザイル 愛より強い旅』上映後
《ヨーロッパを知るための“移民映画”大講義(レクチャー)》
【ゲスト】渋谷哲也さん(ドイツ映画研究者/日本大学文理学部教授)
これまで、『私の舌は回らない』や『痕跡 NSUナチ・アンダーグラウンドの犠牲者』の上映に合わせドイツの移民事情についてお話をうかがってきた渋谷さんに、今回はヨーロッパ全体の“移民映画”についてたっぷりと語っていただきます。
移民の存在を抜きに現代ヨーロッパは語れません。
この回を聴けば今後ヨーロッパ映画を観るのが何倍も面白くなります。
③2/19(日)13:15
『そこにとどまる人々』上映後
《エリアーン・ラヘブとナディーン・ラバキー ―“アラブ”にこだわる監督たち》
【ゲスト】佐野光子さん(アラブ映画研究者)
※この回は前後の『キャラメル』と『私たちはどこに行くの?』も合わせた解説となります。
『そこにとどまる人々』のエリアーン・ラヘブ監督は実は佐野さんの20年来のご友人らしく、山形国際ドキュメンタリー映画祭のあと一緒に東京観光された事もあるそうです。
複雑なレバノンの歴史からラヘブ監督の製作意図、そしてラバキー監督との共通点まで、佐野さんにしか語れないお話をうかがいます。
④2/20(月)17:30
『午後の五時』上映後
《音楽で知るアフガニスタンVol.2 ―トーク with ミニライブ》
【ゲスト】ちゃるぱーささん(アフガニスタン音楽ユニット)
寺原太郎さん(インド音楽バーンスリー奏者)
前回、満席御礼、CD完売だったライブを再びお送りします。
渋谷が“文明の十字路”と化す一夜をぜひ。
⑤2/21(火)11:00
『太陽の男たち』上映後
《解説―ジャーナリストが見つめ続けたパレスチナ》
【ゲスト】川上泰徳さん(ジャーナリスト/『シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年』『戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む』著者)
長く中東を取材されている川上さんの目にパレスチナがどう映り続けてきたのかをうかがいます。
『シャティーラの記憶』には映画の内容と重なる、1948年の“ナクバ”以降ほぼ20年にわたってテントやバラック生活を強いられた、解放闘争を始める前のパレスチナ難民の悲惨な生活についての人々の記憶が描かれています。
⑥2/23(木)12:50
『ファーティマの詩(うた)』上映後
《郊外(バンリュー)と移民 ―映画から読み解くフランスの移民事情》
【ゲスト】森千香子さん(同志社大学社会学部教授/『排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容』著者)
『ファーティマの詩(うた)』は、暴動や犯罪といったテーマをリンクさせた他のフランス製移民映画とは一線を画す作品です。
なぜフランスにマグリブ諸国からの移民が暮らすようになったのか。そして彼らがどういう境遇に置かれてきて、今どう置かれているのかを、フランスの移民事情に詳しい森さんにお聞きします。
⑦2/23(木)15:30
『太陽の男たち』上映後
《「壁を叩け!」―イスラエルが恐れたペンの力》
【ゲスト】岡真理さん(京都大学大学院人間・環境学研究科教授/アラブ文学者/『アラブ、祈りとしての文学』『ガザに地下鉄が走る日』著者)
非常に大きな反響をいただいている『太陽の男たち』はパレスチナ難民の作家、ガッサーン・カナファーニーの代表作の映画化。
題材が“アラブ文学”となれば、この方のお話を聞かないわけにはいきません。
なお、岡さんは近くカナファーニーのほとんどの小説を新訳されるとの事。そちらも今から楽しみです。
⑧2/24(金)11:00
『わたしはバンドゥビ』上映後
《映画・ドラマに見る韓国の移民社会と共生への課題》
【ゲスト】崔盛旭(チェ・ソンウク)さん(映画研究者/『韓国女性映画 わたしたちの物語』執筆者)
本作はムスリムが描かれる『イカゲーム』や『イスラーム精肉店』といった韓国製ドラマや小説の10年先を行っていた作品です。
サイゾーウーマンの連載「映画で学ぶ、韓国近現代史」も大人気だった崔さんに、韓国とイスラームのつながりや、韓国における現在のムスリム移民の置かれた状況などについてお話をうかがいます。
この記事へのコメント