イスラーム映画祭7 『ヌーラは光を追う』(チュニジア)

『ヌーラは光を追う』
原題:Noura Rêve英題:Noura's Dream
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監督:ヒンド・ブージャマア / Hinde Boujemaa
2019年/チュニジア=ベルギー=フランス=カタール=オランダ/アラビア語/93分
★日本初公開
予告篇
https://youtu.be/vJcsiBuwKlE

『ある歌い女の思い出』(1994年)でデビューしたアラブ映画を代表する俳優ヒンド・サブリー主演作。ヒンド・サブリーは、『ある歌い女の思い出』と『ヌーラは光を追う』の両方で、北アフリカの伝統ある映画祭カルタゴ映画祭の主演女優賞を受賞。また両作はともに同映画祭のグランプリ受賞作。

ヒンド・ブージャマア監督は、2013年の山形国際ドキュメンタリー映画祭でデビュー作『良いはずだった明日』が紹介されており、本作は初の劇映画。

*物語*
ヌーラは夫ジャメルが刑務所に収監中で、病院(?)の洗濯室で働いている。職場で知り合ったラサドと恋仲になり、離婚の手続きを進めていたが、離婚成立直前に、夫が大統領恩赦で突然釈放される。ジャメルは、収監中に妻が家を引っ越し、自分のベッドを処分したことを不服に思いながら、「心を入れ替えて仕事も見つける、お祈りもする」とヌーラをなだめる。「また汚いお金で養うつもり?」とヌーラはジャメルをなじる。ラザドとの将来を夢見ていたヌーラは途方に暮れる。しかもジャメルがラザドの存在を知り・・・


ヌーラとジャメルの間には、3人の子どもがいるのですが、ヌーラは仕事が忙しいと言って、なかなか刑務所に面会にもいきません。面会に行くと、一番下の女の子は、お父さんに会えて、すごく嬉しそうにします。長女と長男は、少し大人なので、ちょっと父に対して冷めているようにもみえます。
ラザドはラザドで、ヌーラと一緒になりたい気持ちは本物だったと思うのですが、離婚成立寸前の夫の釈放に、さてどう対処するのか・・・ そうくるか・・・という結末は、名古屋や神戸の方、ぜひ映画をご覧ください。

なお、チュニジアでは、独立前、夫から一方的に離婚ができる社会でしたが、独立後に一夫多妻を国家法で禁じています。一方、男女の不義の関係が発覚した場合には、厳しく5年の懲役刑が課せられます。 もともとフランスの法律だそうです。 

★「原題“Noura Rêve”の意味は“ヌーラは夢見る”ですが、夢という字を使うにはハードな内容のため、ヌーラが“光”を意味する事もあり少しひねってこういう邦題を付けてみました」と藤本さん。 

(景山咲子)

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