山形国際ドキュメンタリー映画祭2021 アジア千波万波作品 (5)


【YIDFF 2021 アジア千波万波選出作品】

① 午後の景色 Afternoon Landscape
監督:ソン・グヨン Sohn Koo-yong
韓国/2020/73分
ある街の水辺、通り、洗濯店、洋品店、理髪店、遊園地、公園、路地、墓地、カフェなどが映されるなか、カメラを持つひとりの女性が随所に現れて撮影している。

② 蟻の蠢(うごめ)き Ants Dynamics
監督:徐若涛(シュー・ルオタオ)、王楚禹(ワン・チューユー)
Xu Ruotao, Wang Chuyu
中国/2019/114分
チャイナテレコムを突然解雇された労働者たちの抗議の戦いに寄り添って、アーティストたちが写真、演劇など、奇想天外なパフォーマンスを展開する。

③ 言語の向こうにあるもの Beyond the Language
監督:ニシノマドカ Nishino Madoka
フランス、日本/2019/97分
パリ第8大学の「外国語としてのフランス語講座」の授業風景。文学とジェンダーという2つのテーマを通して、国内外から来た学生たちによる自由な討論を描く。

④ 心の破片 Broken
監督:ナンキンサンウィン Nan Khin San Win
ミャンマー/2021/13分
カヤー州、紛争が続く限り、世代は違えど女性が性暴力と隣り合わせであることに変わりはない。監督と一人の年上の女性、それぞれの思いが、森に重く静かに語られる。

⑤ 駆け込み宿 Dorm
監督:蘇育賢(スー・ユーシェン) So Yo-hen
台湾/2021/54分
ベトナム人の女性労働者が暮らす寮。二段ベッドと人とがひしめき合い、物やスーツケースが埋め尽くす異空間で彼女たちは語り合い、やがて大きなうねりを起こす。

⑥ エントロピー Entropy
監督:張猷嵩(チャン・ヨウソン) Chan Yu-sung
ポーランド/2021/10分
死にゆく炭鉱。山を掘削する巨大な重機が物々しく動く。モノクロの画面の中で機械とそれを操作する人間の身体とが融解しやがて乱雑さを極めていく。

⑦ 怖れと愛の狭間で Fear (less) and Dear
監督:麦海珊(アンソン・マク) Anson Mak
香港/2020/106分
親でもある3人のアーティストは、民主化デモに参加した実体感や、それぞれの芸術表現を身体に貫きながら、怖れのありかとともに、2019年夏以降の香港の日常を生きている。

⑧ 炭鉱たそがれ Home In the Mine
監督:陳俊華(チェン・ジュンホア) Chen Junhua
中国/2021/108分
中国経済の過去の主軸とともに発展し衰えゆく炭鉱の街。地下800メートルの暗闇にある資源が与えたもの、奪ったものを自らの家族をとおして映し出す。

⑨ それは竜のお話 It's Just Another Dragon
監督:テイモア・ブールス Taymour Boulos
レバノン、ハンガリー、ベルギー、ポルトガル/2020/16分
違う時代に、ブタペストにたどり着いた、ストーリーテラーと若手映像作家。それぞれが物語を持ち寄り、互いの胸に言葉を預け、交歓しながら、映像を紡ぎだしていく。

⑩ リトル・パレスティナ Little Palestine, Diary of a Siege
監督:アブダッラー・アル=ハティーブ Abdallah Al-Khatib
レバノン、フランス、カタール/2021/89分
シリアのパレスティナ人難民キャンプの生活。シリア情勢の悪化から道路は遮断され、食料も底をつき、爆撃で命を落とす人も絶えない。人々はただ歩くしかない。

⑪ 異国での生活から The Lucky Woman
監督:曾文珍(ツォン・ウェンチェン) Tseng Wen-chen
台湾/2020/87分
過酷な労働や医療保障のない状態などから、雇用先を逃亡し、不法滞在で職業を転々として何とか生活しているヴェトナム人たち。10年以上の滞在の果てに…。

⑫ ルオルオの怖れ Luo Luo's Fear
監督:洛洛(ルオ・ルオ) Luo Luo
中国/2020/84分
コロナ禍、不安でたまらないルオルオは外出せず、同居の父が家族の歴史を読むのを傍らで聞き、ネットで呉文光や章梦奇、仲間たちと語らう。

⑬ メークアップ・アーティスト Makeup Artist
監督:ジャファール・ナジャフィ Jafar Najafi
イラン/2021/76分
夢を叶えるためならば、と夫や義母の猛反対にもめげず、あの手この手で道を切り開き突き進むミーナ。次第に周囲も、世界も少しづつ変わっていくかのように見えたが…。

⑭ 東北おんばのうた - つなみの浜辺で
Songs Still Sung: Voices from the Tsunami Shores
監督:鈴木余位 Suzuki Yoi
日本/2020/80分
三度の津波に襲われた大船渡で生きるおんばたちの言葉を詩人の新井高子が聞いていく。生活感のあるケセン語の詩や短歌が、力強く重層的に響く。

⑮ 沈黙の情景 The Still Side
監督:ミコ・レベレザ、カロリナ・フシリエル
Miko Revereza, Carolina Fusilier
メキシコ、フィリピン、アルゼンチン/2021/70分
メキシコの太平洋岸にある島。かつてのにぎわいは消え今は人影もない。この地に残された音と空間、過去と未来が交差し、見るものを時空を超えた旅へといざなう。

⑯ 夜明けに向かって This Stained Dawn
監督:アナム・アッバス Anam Abbas
パキスタン、カナダ/2021/89分
その日、全国各地で女性が一斉決起した。カラチで世界女性デーの集会を準備する女性グループの知恵と労苦としなやかな連帯が逆風の中に生き生きと描かれる。

⑰ ベナジルに捧げる3つの歌
Three Songs for Benazir
監督:グリスタン・ミルザイ、エリザベス・ミルザイ
Gulistan Mirzaei, Elizabeth Mirzaei
アフガニスタン/2021/22分
カブールの避難民キャンプに暮らす若い夫婦。青年は愛する妻ベナジルのために歌を捧げる。生活のため彼が選んだ苦渋の決断は、4年後深刻な事態となり…。

⑱ 燃え上がる記者たち Writing With Fire
監督:スシュミト・ゴーシュ、リントゥ・トーマス
Sushmit Ghosh, Rintu Thomas
インド/2021/93分
インド北部、ダリットの女性たちが立ち上げたウェブ・メディア。主要メディアが扱わない事件も取り上げ、スマホを駆使して取材に奮闘する女性記者たちの姿を追う。

⑲ベナジルに捧げる3つの歌
Three Songs for Benazir
監督:グリスタン・ミルザイ、エリザベス・ミルザイ
Gulistan Mirzaei, Elizabeth Mirzaei
アフガニスタン/2021/22 分
カブールの避難民キャンプに暮らす若い夫婦。青年は愛する妻ベナジルのために歌を捧げる。生活のため彼が選んだ苦渋の決断は、4 年後深刻な事態となり……。

※タイトルはすべて仮題です。

作成 宮崎暁美

この記事へのコメント