SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021 『ケンザの瞳』

国際コンペティション
ケンザの瞳 Buladó
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©Gregg Telussa

監督:エチェ・ジャンガ
出演:ティアラ・リチャーズ、エベロン・ジャクソン・ホーイ、フェリックス・デ・ローイ
2020年 / オランダ、キュラソー / 86分
https://www.skipcity-dcf.jp/films/intl01.html

イグアナを射止め、バイクの青年たちをかわし、颯爽と自転車で家路に着く11歳の少女ケンザ。パトカーにはばまれる。警官の父が降りてきて、「おじいちゃんの迎えを待てと言っただろう」と叱る。
夕食。パピアメント語で話す祖父に、「この子の為にオランダ語で話してくれ」と父。
向こうっ気の強いケンザだが、学校では「警官の娘だからと生意気。変なじいちゃんもいる」といじめられている。祖父は木にいろいろぶらさげて精霊の木として崇めている。
ある日、校門から中に入らず墓地に行き、母の墓の上で寝るケンザ。
家では、母のものには触らないように言われているが、死んだ犬に母のドレスを羽織らせてみる。「汚すな」と怒る父。ケンザの記憶にない母。とても勇敢だったと聞かされる。「どんどんママに似てきた」と言われる。
3人で出かけた日、精霊の恰好をして馬に乗った祖父はそのままいってしまう・・・

死はいつもそこにある
共に生きることを学べば自由になれる

カリブ海にあるキュラソー島を舞台に描いたスピリチャルな物語。
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エチェ・ジャンガ監督は、キュラソー出身の父とオランダ生まれの母の間に生まれた方。何世代にもわたり自身の一族に伝わる古い奴隷たちの話を基に、物語を綴られました。
ケンザを演じたティアラ・リチャーズは演技未経験。祖父役のフェリックス・デ・ローイは詩人、作家、劇作家、映画監督、芸術家、キュレーターとマルチに活躍する、キュラソーを代表する文化人。

初めて聞くキュラソーという地名。
ベネズエラの北約60kmのカリブ海にある島。
17世紀からオランダ植民地だったキュラソー。2010年10月10日、オランダ領アンティルが解体され、キュラソーは単独のオランダ王国構成国の一つとなる。
アフリカ系黒人とオランダ系白人を始めとして、さまざまな民族で構成される。
宗教はカトリックとプロテスタントが中心。
と、ウィキペディアに書かれています。

ここで気になったのが、映画の中に出てきたダビデの星と、ケンザが母のお墓の上に石を置いたこと。もしかしてユダヤ?
「1651年、12人のユダヤ人が島に住み、1732年に西半球で最も古いシナゴーグを建てた」とありました。映画の中に出てきたのはキリスト教会でシナゴーグではなかったような気がします。要確認!

さらに、「キュラソー・ビザ」なるものが・・・
第二次世界大戦前、ナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人たちが出国するために用いられたのが、オランダ亡命政府の非常勤領事ヤン・ズヴァルテンディクによって発行されたキュラソー島へのビザであった。当時のオランダは、ユダヤ人への偏見が比較的少なかったため、他の欧米諸国が発行していなかったユダヤ人向けビザを発行していた(もっとも、本国はナチス・ドイツに占領されたため、植民地であるキュラソー島向けビザを変則的に発行した)。

『ケンザの瞳』を通じて知ったキュラソー。もっと知りたくなりました。


(景山咲子)


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