あいち国際女性映画祭2019に行ってきました1(暁)

『紅花緑葉(原題)』
英題:Red Flowers and Green Leaves
中国/2018年/97分
監督:劉苗苗(リウ・ミアオミアオ)
出演:ロー・クーワン、マー・スーチ
日本初公開
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舞台は中国西北部の寧夏回族自治区の黄河上流域の村。この回族自治区では漢族系のイスラム教徒が多く住んでいる。撮影場所は劉苗苗(リウ・ミアオミアオ)監督が幼い頃から中学生頃まで10年余り住んでいた地域。
この地域に住むイスラム教徒の青年、古柏(グー・ボ)は、幼いころからてんかんの発作があるため結婚をあきらめていた。そんな彼に突然見合い話が舞い込んだ。彼は拒否したのだが、家族は強引に結婚話を進めてしまう。そして彼にとっては高嶺の花と思われた聡明で美しい阿西燕(アー・シーイェン)と結婚した。ゆっくりと距離を縮める二人だが、二人とも自分の状況については隠していた。やがて互いの隠し事が明らかになった。阿西燕には結婚寸前だった婚約者がいたが、交通事故で死んでしまい、なかなか立ち直れないでいた。そして家族は村の仲人業?をしている女性に依頼し、二人は見合いをし、結婚したのだが、それぞれの状況を乗り越え、二人は互いを受け入れることができるのか。中国のムスリム社会の農村を舞台に紡ぐ若者の愛の物語。
緑の少ない黄土高原が続く地の農村。農耕器具も簡単なものしかなく、ほとんど自分たちの体力が勝負の畑仕事の暮らし。そんな土地を出ていく若者も多く、この主人公の青年も仕事を求めて、他の土地へ働きに行くことも考えたが、病気もちのため、思うようにはいかない。
そんな彼の葛藤。狭い世界の中で、誰もが自分のことを知っているような土地で、なかなか自分の思うようにいかずもがいていた。家族の思いやりと束縛から逃れられずにいる、典型的な農村の光景。彼はそこから飛び出せずに、親の言いなりに結婚することになる。そんな生活と、中国のムスリムたちの風俗、風習など、これまでの中国映画とは一味違う生活が描かれる。
監督の劉苗苗は、1978年、北京電影学院に16歳という若さで入学。文化革命後、10年ぶりに募集があった北京電影学院に応募し、見事合格した。この年、回族からは3人の入学者がいたとのことだったが、その年の入学者には、のちに世界的に有名になった陳凱歌(チェン・カイコー)、田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)、張藝謀(チャン・イーモウ)などがいて、他にも李小紅(リー・シャオホン)、彭小連(ポン・シャオレン)、寧瀛(ニン・イン)の3人の女性監督も同学年である。10年もの年の差の人たちもいる中での学生生活で、最初は気後れもしたけど、3年生になる頃には、製作実習などで同等に渡り合っていたらしい。、これらの監督の作品は、日本で数々紹介されてきたが、劉苗苗監督の作品も、これまでに『吉祥村の日々』(1992)、『朱家の悲劇』(1994)が公開されている。


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