第19回 東京フィルメックス(2018)が始まりました(暁)

アジアを中心として、世界から集めた独創的な作品を上映してきた東京フィルメックス。今年は19回目を迎え、11月17日のオープニングはホン・サンス監督の『川沿いのホテル』で始まりました。クロージングはジャ・ジャンクー監督の『アッシュ・イズ・ピュアレスト・ ホワイト(原題)』。特集上映はアミール・ナデリ、日本人新鋭監督は広瀬奈々子監督、奥山大史監督、近浦啓監督などの作品が上映されます。

一時期開催が心配されたフィルメックスですが、オフィス北野から木下グループへ運営支援が変わり、無事開催されます。開会式は新しくできたTOHOシネマズ日比谷で、市山尚三プログラム・ディレクターの開会挨拶があり、「ウェイン・ワン監督から何でもやるよ」という励ましがあり、今回審査委員長をお願いしたとのことで、審査委員長のウェイン・ワン監督(映画監督 アメリカ)の熱弁からフィルメックスが始まりました。
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熱弁するウェイン・ワン監督

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審査員の皆さん 左から
西澤彰弘氏 (日本/東京テアトル株式会社・映画興行部長)
ウェイン・ワン ( 審査委員長:米/映画監督)
モーリー・スリヤ (Mouly SURYA/インドネシア/映画監督)
エドツワキ氏 (日本/イラストレーター、アートディレクター)
市山尚三プログラム・ディレクター

オープニング作品
『川沿いのホテル』 Hotel By The River
韓国 / 2018 / 96分
監督:ホン・サンス(HONG Sang Soo)

雪が積もっている漢江沿いを望む閑静なホテルに泊まっている老詩人と彼を訪ねてくる二人の息子、そして傷心を癒すために宿泊した女性たちが繰り広げるかみ合わないすれ違い。時間の流れのと何気ない会話の中に、人生の機微、家族、老いといったテーマが投げかけられ、偶然の出会いや、人の生き様を漂わすホン・サンス監督ならではの会話劇が展開される。物語が進む中、時々笑えるところもあったけれど、冬の川沿いのホテルに集う人たちを淡々と描く。
老詩人役キ・ジュボン。本作でロカルノ国際映画祭主演男優賞を受賞した。傷心の女性役は、ホン・サンスのミューズでもあるキム・ミニとソン・ソンミ。息子役はクォン・ヘヒョ、ユ・ジュンサン。息子の一人は映画監督という設定で、これは監督自身のことを反映させているのかも。
本年度ロカルノ映画祭で、主演のキ・ジュポンさんが最優秀男優賞を受賞した。 舞台挨拶には主演のキ・ジュポンさんが登場し「個人的に悲しい出来事があって、そんな時にホン・サンス監督が一緒に映画を撮らないかと、声をかけてくれた」と語っていた。
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キ・ジュポンさん

それにしても老詩人と息子たちは、同じカフェにいるのになぜ会えないのか。カフェの中を見回してなぜ探さないのか。そのすれ違いがいまひとつ理解できずもどかしかった。女性たちは息子たちに会っているわけだし。女性たちの一人がその映画監督に対して「大衆受けする映画を作っているわけでもない。かといって映像作家というわけでもない。中途半端なのよ。ただ一生懸命頑張ってるという感じ」みたいなことを言うんだけど、これって監督の自分自身への自虐的な表現なのかも(笑)。 
宮崎暁美 
     

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