今年の東京国際映画祭の全部門のラインナップと、各部門審査委員や様々なイベントの魅力を発表する記者会見に参加してきました。
(9月25日(火)午後2時~4時 虎ノ門ヒルズ メインホールにて)
<第 31 回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2018 年 10 月 25 日(木)~11 月 3 日(土・祝)
■会場: 六本木ヒルズ、EX シアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)ほか 都内の各劇場及び施設・ホールを使用
■公式サイト:http://www.tiff-jp.net
【ラインナップ発表記者会見】
司会は、お馴染み、映画好きを自認する笠井信輔アナウンサー。
◆久松猛朗フェスティバル・ディレクターより開催の挨拶
昨年掲げた3つのビジョン
「映画を観る喜びの共有」
「映画人たちの交流の促進」
「映画の未来の開拓」
を、さらに充実させて、これまで映画祭に足を運んだことのないような人にも参加してもらえるようなイベントを打ち出したことを強調しました。
*今年は六本木ヒルズだけでなく、日比谷ミッドタウン 日比谷ステップ広場でも、野外上映やイベントが繰り広げられます。
◆映画祭アンバサダー 女優・松岡茉優(まつおかまゆ)さん登壇
司会の笠井さんから、「アンバサダーに選ばれたお気持ちは?」と聞かれ、「まずは、私でいいんですか?と言いました。去年、東京ジェムストーン賞を貰ってすぐに、いいルートで来てるなと思いました」と率直に答える松岡茉優さん。
去年、『勝手にふるえてろ』が観客賞を受賞して、もう一度クライマックスで上映され、たまたま撮影が早く終わって観ることができ、会場の熱気を感じて感激したと語る松岡さん。
『万引き家族』でカンヌに行った感想を聞かれ、「カンヌは、ほんとに凄い。でも、at homeさは、東京国際映画祭も負けてないです」と、称えることも忘れません。さらに、亡くなられた樹木希林さんの思い出を聞かれ、「たくさんたくさんの思い出は宝物です。悲しいという思いはあまりなくて、一度、映画の中でお別れしていて、樹木希林さんと同じ時代に生まれたことを誇りに思って、生で樹木さんを観た世代の人間として次の世代に記憶を渡したい」と語りました。
◆オープニング&GALAスクリーニング&クロージング作品の発表
オープニング作品:『アリー/ スター誕生』
GALAスクリーニング上映: 『人魚の眠る家』
クロージング作品:『GODZILLA 星を喰う者』
(クロージングの11月3日は、ゴジラ生誕の日)
【ラインナップ発表】
◆コンペティション部門
審査委員長:ブリランテ・メンドーサ監督(『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』『ローサは密告された』)
審査員:
ブライアン・バークさん(J・J・エイブラムス作品や『ミッション:インポッシブル』シリーズのプロデューサー)
タラーネ・アリドゥースティさん(『セールスマン』主演女優)
スタンリー・クワン監督(『ルージュ』『フルムーン・イン・ニューヨーク』)
南果歩さん(『海炭市叙景』『家族X』『わが母の記』など)
プログラミング・ディレクター 矢田部吉彦氏より、109の国と地域、1829本の応募の中から選ばれた16作品について、欧州、北欧、東欧、北米、中南米、中東、中央アジア、東アジア、そして日本と、地域順に台本も見ず、一気に解説されました。
最後の最後、日本映画『半世界』のところで、主演女優さんの名前をど忘れ。笠井さんが「池脇千鶴さん!」と助け舟を出しました。
今年は作家性の強い作品を重視したけれど、表現方法はバラエティーに富んでいるとのこと。それにしても矢田部さんのよどみない解説を聞くと、どの作品も観たくなります。
続いて、コンペティション部門の日本作品『愛がなんだ』の今泉力哉(いまいずみりきや)監督と主演女優 岸井ゆきさん、そして『半世界』の阪本順治監督がゲストとして登壇しました。
『半世界』阪本順治監督
2006 年の『魂萌え!』(たまもえ)以来、12 年ぶりのコンぺ出品。
「旅が苦手で、荷造りしないで参加できる東京国際映画祭は大好きです。もうすぐ60 歳、監督になって30年目。コンペに選ばれて、本当に光栄です。華やかな場所は苦手で、レッドカーペットを歩くとなると身構えてしまいますが、意外とはしゃいてしまいます」と、シャイに語りました。
炭焼き職人役に稲垣吾郎さんを起用。「土の匂いのする役が似合うのではと思っていましたが、淡々と炭を焼く土着な人間が実は似合うと確信しました」
『愛がなんだ』
今泉力哉監督:東京国際映画祭には、観客として、そして日本スプラッシュ部門などで携わってきましたが、メインのコンペで他の国の作品と並んで上映されるのが嬉しいです。
やっとたどりついて、どう観ていただけるかが楽しみです。
岸井ゆきさん(ダメ恋愛映画の主人公テルコ役):.演じてる時は全然ダメと思ってなくて、マモルに向かっていく勇気を観てくれという勢いでした。最近スクリーンで観たのですが、やっぱりダメダメで、テルコの肩を持って応援しちゃいたくなりました。
◆「アジアの未来」部門
プログラミング・ディレクター 石坂健治氏より、創設6年目となる本部門について解説。初期のヤングシネマ部門の精神を継ぐ部門で、監督作品3本までの未来を担う監督の作品が対象。
小さな世界、小さな声、少数民族、LGBT、MeToo的なテーマのものが集まりましたが、社会派の深刻なものというだけでなく、コメディー、スポーツなどバラエティー豊かな作品群。
◆「日本映画スプラッシュ」部門
本部門に監督賞が追加され、審査員が発表されました。
矢田部吉彦氏より、今年は特に新人監督の作品が多いとコメントありました。
中でも、特別上映される『21世紀の女の子』は、新進気鋭の15名の女性監督による短編オムニバス。注目したいです。
続いて、下記各部門の内容が紹介されました。
*特別招待作品
*「ワールド・フォーカス」部門
*「Japan Now」部門
*「CROSSCUT ASIA」部門
5年目となる国際交流基金アジアセンター提供の部門。今年は、音楽にちなんだ映画9本を上映。
*「アジア三面鏡 第2弾」
*「ユース」部門
*「日本映画クラシック」部門
◆アニメーション特集 『アニメーション監督 湯浅政明の世界」
湯浅政明(ゆあさまさあき)監督がスーツ姿で登壇。「今日はスーツなので、トレードマークの帽子は被ってこなかった」と第一声。「来年は自分だといいなと思ってましたが、格が違うと。特集に選ばれて、大変光栄です」
上記のほか、ぜひ参加したい魅力的な企画
このあと、今年の東京国際映画祭全体への質疑応答の時間が設けられ、最後にゲストの方たちのフォトセッションでお開きとなりました。
今年も多彩な東京国際映画祭。
あなたの“観たい”を、ぜひ見つけて、存分に楽しんでください。
各部門の詳細や、チケット購入については、公式サイトで!
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