SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018『招かれざる者』エドン・リズヴァノリ監督Q&A(7/19) 

DSCF4706 manekarezaru_320.jpg

招かれざる者  英題:Unwanted
2017年/コソボ、オランダ/85分
監督:エドン・リズヴァノリ
出演:アドリアナ・マトシェ、ジェイソン・デ・リダー、ニキ・フェルカール、エドン・リズヴァノリ

*ストーリー*
アムステルダムで暮らすコソボ難民の母と息子。
花屋に勤めるザナは、校長から、息子のアルバンがまた喧嘩をしたと呼び出される。もう転校させられないと息子に言い渡すザナ。一方、アルバンはバイト先の自転車屋で、アナという少女と知り合い付き合い始める。家にも遊びに行くが、アナは父から「アルバニア人のアルバンとは付き合うな」と言われる。アナの父はセルビア人。実はザナと同じコソボ出身だ。コソボを訪れたことがないというアルバンに、「バルカンの人間は家族の絆が強いのに、一度も行ったことがないのか」とアナの父は言う。
祖母が亡くなり、アルバンは母ザナに連れられて初めてコソボを訪れる。だが、母の家族も友人も、「なぜ来た?」と二人につれない。徐々に明かされる紛争の記憶・・・

<コソボ紛争>
1998年から1999年にかけて激化したコソボ紛争。もともと、1990年にセルビアのコソボ・メトヒヤ自治州で9割以上の人口を占めていたアルバニア人が独立を宣言し、コソボ共和国という新しい国を建てたことが発端で、セルビアが、セルビア人優先の政策を行使したことに対し、アルバニア人が反発。1997年頃、一部のアルバニア人によるコソボ解放軍が、武力攻撃を開始する。しかし、セルビアが徹底的に弾圧したことで、多くのアルバニア人難民が生まれる結果となった。(公式サイトより引用)

◆7月19日(木)2時半~多目的ホールでの上映後 
 エドン・リズヴァノリ監督Q&A

司会:木村さん 通訳:松下さん

監督:ご覧いただきありがとうございます。前回の上映のときに、コソボについて知らないのでわかりにくかったという声がありましたので、少し説明します。
なぜ、コソボ生まれのアルバニア人の私が、10代のときに外国に出たのか。それは、クロアチアと戦うために、セルビアに徴兵されることに反抗してのことだったのです。アメリカにも住んだことがあります。この私の移民として外国に出ざるをえなかったことが、ヒロインのザナに反映されています。

司会:監督ご自身はザナに近い立場ですが、映画の中ではセルビア人の父親役で出ていますね。ご自信をキャスティングするにあたって、どんな思いでしたか?

監督:オランダ人の俳優で考えていた人がスケジュールが合いませんでした。時間もなかったので自分で出ることにしました。苦労したのは、監督しながら演技もしなくてはならなかったことです。スタッフが40人もいて、自分自身の役柄にあまり裂く時間がありませんでした。

司会:デビュー作で、監督と俳優の二役は大変でしたね。

監督:デビュー作で、予算も5万ユーロという少ない製作費で、2カ国で撮影しました。短い時間で仕事をしなくてはならなくて、多くのことを学びました。

DSCF4674 manekarezaru_320.jpg


★会場とのQ&A
― 最後がよくわかりませんでした。サッカーで喧嘩した相手に、最後にまた挑んだのは?

監督:脚本段階で、アナの父に向かっていくことを考えましたが、ボコボコに打ちのめされるのも覚悟でサッカーに向かう最後にしました。

― 重たい内容でした。ラストでアナとアルバンを新しいカップルとして希望を見せようとしたのですか? それとも?

監督:白黒はっきりせず、グレイゾーンにしています。ザナが戦争でどんな経験をしたのか、アルバンがレイプの結果として存在している子。それをわかって、前進するのは簡単なことではありません。第二次世界大戦やその他の戦争でも起きていること。コソボだけで2万人がレイプの被害者です。家族を目の前で殺された人もいます。簡単に前を向いて行こうよとはいえない。希望だけでなく、勇気を持って前に進もうと。

― ザナやアルバンを演じたのは、どういう人たちですか?

監督:アルバンはオランダ人。ザナはコソボ出身。親子として違和感のない二人を選びました。アルバンは歴史も知らなくて、何も背負ってない人物です。彼は短編でも起用したことがあります。ザナはサンダンス映画祭に出品された映画にも出演している女優です。

― 一作目にこの内容を選んだのは?
戦争は終わっても、後を引きずっていることを伝えてくれて、素晴らしい作品でした。


監督:人に押し付けることはしたくないので、個々人で感じてほしい。反戦映画か?とも言われますが、どれほど映画で説明できるのかと思います。

司会:次の企画は?

監督:脚本の助成金を受けました。コソボで撮影します。4つのエピソードが繋がる内容です。『腐敗』をテーマにしたブラックコメディです。

*****
会場の外で、観客の皆さんが監督を待ち構えていました。
中には、アルバニア語で話しかけた方も!
最後に私も立ち話。映画に出てきたコソボの町は、監督の故郷の町。風情のある町にいつか行ってみたいと申しあげたら、これから観光誘致に力を入れるので、行くなら早いほうがいいとのことでした。(景山咲子)


SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 デイリーニュース 7月15日のQ&A

http://skipcity-dcf.jp/news/dailynews/20180715_dairy11.html





この記事へのコメント