第2回Cinema at Sea - 沖縄環太平洋国際映画祭受賞作

_20A4420_R補正2_R.JPG
「受賞者と審査員の皆さん」©Cinema at Sea 2025


2025年2月22日(土)〜3月2日(日)に開催された「第2回Cinema at Sea - 沖縄環太平洋国際映画祭」、受賞作を紹介します。

最優秀長編作品賞
『ルーツ 岩と雲の先へ』(Through Rocks and Clouds)
監督:フランコ・ガルシア・ビセラ 2024/83分/ペルー、チリ

審査員コメント:
見事に作り上げられた作品。巧妙で引き込まれる物語や映画の技術、自然な演技が、この部門の他の候補作品を僅かに上回りました。
12ルーツ 岩と雲の先へ_R_R.jpg
© luxbox

最優秀短編作品賞
『デイリー・シティ』(Daly City)
監督:ニック・ハルタント 2024/16分/アメリカ

審査員コメント:
移民の家族が「アメリカン・ドリーム」に適応しようとする様子を巧みに描いた短編映画。異文化に溶け込もうとする過程を、ユーモアを交えた視点で表現しており、思わず笑いに包まれました。
22デイリー・シティ_R_R補正.jpg

審査員賞
『島から島へ
』(From Island to Island)
監督:ラウ・ケクフアット 2024/290分/台湾

審査員コメント:
多層的な物語を織り交ぜた感情に訴える歴史ドキュメンタリー。私たちが人間性を忘れず、過去から学ぶことの大切さを改めて思い出させてくれる作品でした。
5島から島へ_R_R補正.jpg
hummingbird production

最優秀主演賞
Cast of the girls / 少女たち 『私たちはデンジャラス』
監督:ジョセフィン・スチュワート・テ・フィウ

審査員コメント:彼女達の一体となった演技には、丁寧に作り込まれて、観る者の心をひきつけ、強く印象に残るものです。そして、アンサンブルはこの物語を見事に支えています。最優秀主演女優賞は『私たちはデンジャラス』の少女の皆様に贈ります。
10私たちはデンジャラス_R.jpg

太平洋島嶼特別賞(笹川平和財団提供)

長編作品:『モロカイ・バウンド』(Moloka’i Bound)
監督:アリカ・テンガン Director:Alika Tengan

審査員コメント:刑務所を出所した若きハワイアンの男性が、家族との絆を取り戻そうと奮闘する物語。この作品は、将来有望な監督とその制作チームの才能を際立たせました。
9モロカイ・バウンド_R_R補正.jpg

短編作品:『女王に花を』(The Queenʻs Flowers)
監督:キアラ・レイナアラ・レイシー Director:Ciara Leinaʻala Lacy

審査員コメント:
この魅力的なアニメーションは、若きハワイアンの少女と、退位させられたハワイの女王との偶然の出会いを通じて、歴史的事実を巧みに織り交ぜています。観る者を笑顔にし、希望の余韻を残してくれる作品でした。
女王に花を_R.jpg

観客賞
『島から島へ』(From Island to Island)
監督:ラウ・ケクフアット Director:LAU Kek-Huat

ラウ・ケクフアット(本作監督)コメント:
沖縄の観客の皆さんがこの作品を評価し、観客賞を授けてくださったことに、心から感謝いたします。最近、撮影の関係で沖縄線についての研究を始めました。その中で、沖縄が戦争の記憶を積み重ねるために、どれほど努力をしてきたのかを理解するようになりました。以前、私はある老人を撮影したことがあります。彼は戦争を経験し、生き延びたことで、自分の戦争体験を語り続けることが必要だと感じていました。彼が言った言葉を今でもはっきりと覚えています。「私は自分が目にした悲惨で悲しい出来事の証人だ」そう言った彼は、私は目をじっと見つめ、こう続けました。「私は君にこの話を語った。だからこれからは君も証人だ」「君は生き延びた。この話を伝えていく義務がある」。私はこの言葉を胸に刻み、証人としての責任を持って映画を撮り続けています。

スペシャルメンション賞
『湖に浮かぶ家』(Tale of the Land)
監督:ロロ・ヘンドラ Director:Loeloe Hendra

審査員コメント:
この作品では、自身の内面的なトラウマと向き合うために孤独を選んだ女性の姿にとても心を動かされました。その素晴らしい描写を審査員一同が評価しました。
6湖に浮かぶ家_R_R補正.jpg

最優秀企画賞
『煙突清掃人』(The Chimney Sweeper)
監督:太田信吾 Director:Shingo Ota

太田信吾(本作企画者)コメント:昨年も受賞出来ましたので、今回も受賞することが出来て、とても驚いています。ドキュメンタリーを監督することはとてもエネルギーが必要な、長い長い旅路です。こうしてディシジョンメイカーのみなさまとともに、プロセスをシェア出来たり、アドバイスをいただけることはとても光栄だと思います。ピッチングの時にもお伝えしましたが、この映画祭は私たちの一番大好きな映画祭です。この映画祭で温かいアドバイスや言葉をいただけたことに感謝したいと思います。ありがとうございました。
煙突清掃人_R.jpg

詳細は公式HPへ
https://www.cinema-at-sea.com/news/r_3AwSxx