東京国際映画祭 ウィメンズ・エンパワーメント シンポジウム:女性監督は歩き続ける & 『映画をつくる女性たち』上映

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🄫岩波ホール

女性映画人の躍進を支え続けた故・髙野悦子氏が、ジェネラル・プロデューサーをつとめた東京国際女性映画祭の功績を振り返り、切り拓かれた道を歩き続ける若手からベテランの女性監督たちが、これまでとこれからを語り合うシンポジウムと、『映画をつくる女性たち』の上映し、劇中に登場した監督たちも登壇します。

11月4日(月)
上映:10:00~(予定)
シンポジウム:13:00~(予定)
会場:東京ミッドタウン日比谷 BASE Q

入場料:無料(事前申込制)
10月19日(土)10:00〜より申込開始

応募フォーム:https://tiffwe-jyoseikantoku.peatix.com/

予定数に達し次第、申込終了となります。
当日も座席に余裕のある限りご入場いただけます。午後は入退場自由です。

※場内お子様連れ可、託児・見守りサービスあり。
 日英同時通訳あり

上映作品:『映画をつくる女性たち』
監督:熊谷博子
2004年/日本/103分/Japanese, English
東京国際女性映画祭の第15回目を記念して製作されたドキュメンタリー。日本の女性監督の歴史を追い、女性映画祭に参加した女性監督・プロデューサーたちの貴重な肉声と足跡が記録されている。
出演:髙野悦子、坂根田鶴子、羽田澄子

主催:東京都
共催:公益財団法人ユニジャパン
企画:近藤香南子


詳細:https://2024.tiff-jp.net/ja/lineup/film/37011WEP09



国際交流基金×東京国際映画祭 co-present 交流ラウンジ

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東京国際映画祭会期中に開かれる交流ラウンジも5年目となりました。
今年は、東京ミッドタウン日比谷1階の「LEXUS MEETS…」で開催されます。
映画の最前線を語り合う充実のトークイベントです。
配信もされますが、会場で参加したい方は、事前にお申込みください。

会期:10/29(火)~11/6(水)
会場:東京ミッドタウン日比谷1F LEXUS MEETS…
共催:国際交流基金
※トークは全て配信(録画)でご覧いただけます。

10/29(火) 18:00開演 パヤル・カパーリヤー×是枝裕和 対談
https://2024.tiff-jp.net/news/ja/?p=64428#s1

10/30(水) 15:00開演 エリック・クー×マイク・ウィルアン 対談
https://2024.tiff-jp.net/news/ja/?p=64428#s2

10/31(木) 17:00開演 ジョニー・トー×入江 悠 対談
https://2024.tiff-jp.net/news/ja/?p=64428#s3

11/1(金) 15:00開演 Nippon Cinema Nowトークセッション「私たちの映画の作り方」
登壇者:滝野弘仁(映画監督)、ヤン・リーピン(杨礼平)(映画監督)、マーク・ギル(映画監督)、金允洙(キム・ユンス)(映画監督)、クリスチャン・ジュンヌ(カンヌ映画祭代表補佐兼映画部門ディレクター)
モデレーター:市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)
https://2024.tiff-jp.net/news/ja/?p=64428#s4

11/3(日) 16:00開演 ニア・ディナタ×三島有紀子 対談
https://2024.tiff-jp.net/news/ja/?p=64428#s5


★交流ラウンジ 観覧希望申込みはコチラから!
https://ws.formzu.net/dist/S29817267/
(5つの交流ラウンジ、すべて同じフォームから一括申し込みできます)

香港映画祭2024 Making Waves - Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力

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香港映画祭2024 メイキングウェーブ

【開催日程・会場】
東京 2024年11月1日(金)~11月4日(月・祝)
   YEBISU GARDEN CINEMA
大阪 2024年11月9日(土)~11月11日(月) テアトル梅田
福岡 2024年11月15日(金)~11月17日(日) 
   ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13

オープニング作品
ラスト・ダンス
破・地獄/THE LAST DANCE/2024年/広東語/127分
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©️2024 Emperor Film Production Company Limited. All Rights Reserved.

▶ 監督:アンセルム・チャン(陳茂賢)
▶ 出演:ダヨ・ウォン(黄子華)、マイケル・ホイ(許冠文)、ミシェル・ワイ(衛詩雅)、チュー・パクホン(朱栢康)

疫病が猛威をふるい経済が低迷するなか、葬儀社に転職したダオシェン(ダヨ・ウォン)。当初は先輩のマン(マイケル・ホイ)と衝突するダオシェンだったが、彼と仕事をするうちに人生観に変化が生まれていく。ダヨ・ウォンとマイケル・ホイ、香港映画界の二大コメディアンが『マジック・タッチ』(1992)以来32年ぶりに共演とあって、撮影時から大きな話題となっている注目作。「破地獄」とは、故人の霊を地獄から救い出すための道教の儀式を意味している。

東京 11月 1日(金)18:30〜
大阪 11月11日(月)15:40~
予告編

日本初上陸 臨時強盗
臨時劫案/ROB N ROLL/2024年/広東語/98分
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©Entertaining Power Co. Limited. All Rights Reserved

▶ 監督:アルバート・マック(麥啟光)
▶ 出演:アーロン・クォック(郭富城)、ラム・カートン(林家棟)、リッチー・レン(任賢齊)、マギー・チョン(張可頤)

身重の妻と母親の嫁姑問題や住宅事情に悩まされるタクシー運転手(ラム・カートン)と、老人ホームを営むシングルファーザーのファイ(リッチー・レン)の兄弟は、人生を変えるべく強盗を企む。だが、強盗用の拳銃の入手に失敗し、さらに元レスリング選手のプロの強盗(アーロン・クォック)が奪った大金を兄弟が手違いで手に入れてしまったことから、3人は思いがけずチームを組む羽目に……。今年2024年の旧正月に公開された軽妙な犯罪アクション。

東京 11月 4日(月・祝)13:30〜
大阪 11月10日(日)18:30〜
福岡 11月15日(金)20:30〜
予告編はこちら

ラブ・ライズ
我談的那場戀愛/LOVE LIES/2024年/広東語/116分
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©2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved
▶ 監督:ホー・ミウケイ(何妙祺)
▶ 出演:サンドラ・ン(呉君如)、マイケル・チャン(張天賦)、チャン・ファイフォン(陳輝虹)、ステフィー・タン(鄧麗欣)

夫と死別した婦人科医ベロニカ(サンドラ・ン)は、25歳と偽ってマッチング・アプリに登録し、55歳のフランス人・アランと出会いSNSで愛を育むが、彼の正体はロマンス詐欺集団の一員だった! サンドラ・ンが恋の高揚感、愛の喪失と孤独を熟練の演技で魅せる、コミカルで後味爽やかな再生の物語。人気アーティスト、「MC」ことマイケル・チャンが詐欺師を好演。チャウ・シンチーの『人魚姫』(2016)の脚本を務めたホー・ミウケイの初監督作。

東京 11月 3日(日)13:50〜
大阪 11月 9日(土)18:15〜
福岡 11月17日(日)17:30〜
予告編はこちら

贖罪の悪夢
贖夢/PEG O’ MY HEART/2024年/広東語/97分
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©United Filmmakers Organization Limited / The Government of the Hong Kong Special Administrative Region 2024 All Rights Reserved

▶ 監督:ニック・チョン(張家輝)
▶ 出演:ニック・チョン(張家輝)、テレンス・ラウ(劉俊謙)、ファラ・チャン(陳法拉)、ベン・ユエン(袁富華)

精神科医のマン(テレンス・ラウ)のもとにやってくる患者は、自身の不安やトラウマからくる悪夢に苛まれていた。患者の一人、不眠症で事故を起こしたタクシー運転手のチョイ(ニック・チョン)をカウンセリングしたマンは、チョイの悪夢は、金融危機時代、友を裏切った罪悪感によるものだと分析する。“怖い夢”を視覚化したショッキングな映像の数々が強烈な印象を残すスリラー。俳優として数多くの香港映画に出演するニック・チョン監督・主演作。

東京 11月 2日(土)16:40〜
大阪 11月 9日(土)15:40〜
福岡 11月16日(土)20:30〜
予告編はこちら

スタントマン
武替道/STUNTMAN/2024年/広東語/113分
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©2024 Entertaining Power Co. Limited. All Rights Reserved

▶ 監督:アルバート・レオン(梁冠堯)、ハーバート・レオン(梁冠舜)
▶ 出演:テレンス・ラウ(劉俊謙)、トン・ワイ(董瑋)、フィリップ・ン(伍允龍)、セシリア・チョイ(蔡思韵)

香港アクション映画に不可欠なスタントマンたちの血と汗と涙の物語を、共にアクション俳優であるアルバート・レオン&ハーバート・レオンの二人が初監督。『トワイライト・ウォリアーズ』で人気が爆発したテレンス・ラウ、フィリップ・ンが競演するほか、『燃えよドラゴン』(1973)にも出演した俳優で、現在はベテランアクション監督として知られるアクション界のレジェンド、トン・ワイの久々の映画出演も大きな話題となっている。

東京 11月 2日(土)13:50〜
大阪 11月10日(日)15:40〜
福岡 11月16日(土)17:30〜
予告編はこちら

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦
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©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co.Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.
九龍城寨之圍城/TWILIGHT OF THE WARRIORS: WALLED IN/2024年/広東語/125分
配給:クロックワークス

▶ 監督:ソイ・チェン(鄭保瑞)
▶ 出演:ルイス・クー(古天樂)、サモ・ハン(洪金寶)、リッチー・レン(任賢齊)、レイモンド・ラム(林峯)

2025年1月17日(金)、新宿バルト9ほか全国ロードショー
80年代の香港。“悪の巣窟”と呼ばれる無法地帯、九龍城砦を取り仕切るロンギュンフォン(ルイス・クー)は、黒社会とトラブルを起こした不法移民のチャン(レイモンド・ラム)を匿い、その結果九龍城砦は激戦の場となる。ベテランから若手まで多彩なキャストと彼らが織りなす情と義理のドラマ、アクション監督・谷垣健治によるダイナミックで流麗なアクション、壮大なセット美術など見どころ満載。香港映画歴代動員数第1位(※2024年9月現在)に輝いた大ヒット作。

東京 11月 2日(土)10:40〜
予告編はこちら

離れていても
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©The Flow Of Words Limited.
但願人長久/FLY ME TO THE MOON/2023年/北京語、広東語、湘語/113分
協力:東京国際映画祭

▶ 監督:サーシャ・チョク(祝紫嫣)
▶ 出演:ウー・カンレン(呉慷仁)、サーシャ・チョク(祝紫嫣)、  アンジェラ・ユン(袁澧林)、ヨーヨー・ツェー(謝咏欣)

湖南省から香港に渡ってきたユェンとチュエの姉妹とその家族の物語を、香港が中国に返還された1997年、2007年、2017年の3部に分けて描く。移民家族の20年に香港社会の変遷を映した感動作。監督・脚本のサーシャ・チョクは、2017年のユェン役として出演もしている。2007年のユェンを演じたヨーヨー・ツェーは本作の演技により第42回香港電影金像奨など数々の映画賞で最優秀新人賞に輝いた。

東京 11月3日(日)11:00〜
予告編はこちら

バイタル・サイン
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©Leading PR and Promotion Limited
送院途中/VITAL SIGN/2023年/広東語/98分
字幕協力:アジア・フィルム・アワード・アカデミー、東京国際映画祭

▶ 監督:ヴィンシー・チェク(卓韻芝)
▶ 出演:ルイス・クー(古天樂)、ネオ・ヤウ(游學修)、アンジェラ・ユン(袁澧林)

出世を望まない現場主義の救命士のマー(ルイス・クー)は、幼い娘をもつシングルファーザー。義父母の勧めもありカナダへの移住を考えているが、持病がある彼には申請がおりていない。それでも粛々と仕事に向き合い、マニュアルを無視してでも人命を救おうするマーの姿は、出世至上主義の後輩(ネオ・ヤウ)の心を動かしていく――。香港の救命士たちへのリスペクトをこめつつ、主人公マーと彼をとりまく人たちの人間模様を綴ったドラマ。

東京 11月 3日(日)16:40〜
予告編はこちら

流水落花
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©2022 Flowing Water Production Limited. All Rights Reserved.
流水落花/LOST LOVE/2022年/広東語/92分
協力:大阪アジアン映画祭

▶ 監督:カー・シンフォン(賈勝楓)
▶ 出演:サミー・チェン(鄭秀文)、アラン・ロク(陸駿光)、ヘドウィグ・タム(談善言)

ティンメイ(サミー・チェン)とバン(アラン・ロク)夫妻は、引き取り先が決まるまでの一時的な里親としてさまざまな子どもを受け入れ養育している。実の我が子を幼くして失い、夫婦の関係性は壊れかけていたが、里子たちとの触れ合いのなかで2人が再生していくさまを描く。新人発掘プロジェクト「オリジナル処女作支援プログラム」入選の脚本に惚れ込んだサミー・チェンは本作にノーギャラで出演、香港電影金像奨最優秀主演女優賞を受賞した。

東京 11月 4日(月・祝)11:00〜
予告編はこちら

ブルー・ムーン
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©Emperor Film Production Company Limited. All Rights Reserved.
望月/ONCE IN A BLUE MOON/2023年/広東語/103分

▶ 監督:アンディ・ロー(羅耀輝)
▶ 出演:グラディス・リー(李靖筠)、ピーター・チャン(陳湛文)、ロレッタ・リー(李麗珍)

コンビニで働く娘、妻との別居を隠している息子と彼らの母。それぞれに秘密を抱える家族の再生を描く。アーティストとしても活躍するグラディス・リーと、記録的な大ヒットとなった『6人の食卓』(2022)で一躍人気俳優となったピーター・チャン演じる兄妹を女手一つで育ててきた母親役に、『最後勝利』(1987)など80〜90年代の香港映画で活躍したアイドル出身の俳優ロレッタ・リーが扮し、中年の諦念をにじませて好演。

福岡 11月17日(日)20:00〜
予告編はこちら

フルムーン・イン・ニューヨーク
デジタルリマスター版 日本初上映
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人在紐約/FULL MOON IN NEW YORK/1989年/広東語・北京語・英語/89分

▶ 監督:スタンリー・クワン(關錦鵬)
▶ 出演:マギー・チャン(張曼玉)、シルヴィア・チャン(張艾嘉)、スーチン・ガオワー(斯琴高娃)

舞台はニューヨーク。この街に長く暮らす台湾出身の女優(シルヴィア・チャン)、レストラン経営や投資など仕事では成功するも恋愛には縁が無い香港出身のビジネスウーマン(マギー・チャン)、結婚のため中国からやってきた花嫁(スーチン・ガオワー)。それぞれ立場の異なる3人が偶然出会い、異国での疎外感や孤独を共有する。女性の心理を繊細に、巧みに描写することに定評のあるスタンリー・クワン監督によるシスターフッド映画の名作。
東京 11月 4日(月・祝)16:10〜

【ゲスト一覧(予定)】
◎東京会場
11月1日(金) 『ラスト・ダンス』 マイケル・ホイ(出演)、ダヨ・ウォン(出演)、ミシェル・ワイ(出演)、チュー・パクホン(出演)、アンセルム・チャン監督
11月2日(土) 『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』 フィリップ・ン(出演)、谷垣健治(アクション監督)
11月2日(土) 『スタントマン』 フィリップ・ン(出演)、アルバート・レオン&ハーバート・レオン監督
11月2日(土) 『贖罪の悪夢』 テレンス・ラウ(出演)
11月3日(日) 『離れていても』 サーシャ・チョク監督(兼出演)
11月3日(日) 『ラブ・ライズ』 ホー・ミウケイ監督、チャン・ヒンカ(プロデューサー)
11月3日(日) 『バイタル・サイン』 ネオ・ヤウ(出演)、ヴィンシー・チェク監督
11月4日(月) 『流水落花』 カー・シンフォン監督
11月4日(月) 『臨時強盗』 ラム・カートン(出演)

◎大阪会場
11月9日(土) 『贖罪の悪夢』 ジュリアス・ブライアン・シスウォジョ(出演)
11月9日(土) 『ラブ・ライズ』 ホー・ミウケイ監督
11月10日(日) 『スタントマン』 アルバート・レオン&ハーバート・レオン監督

◎福岡会場
11月16日(土) 『スタントマン』 アルバート・レオン&ハーバート・レオン監督
11月16日(土) 『贖罪の悪夢』 ジュリアス・ブライアン・シスウォジョ(出演)

★チケット情報はこちらから 
https://makingwaves.oaff.jp/ticket.html#price
東京会場はすべての作品が売り切れ

主催:香港国際映画祭協会
協力:大阪アジアン映画祭
後援:香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部
助成:香港特別行政区政府 文創產業發展處

【問い合わせ先】
大阪アジアン映画祭事務局 
makingwaves[at]oaff.jp(※お手数ですが[at]を@に書き換えて使用)
06-4301-3092
まとめ (暁)

2024東京・中国映画週間

開催:10月22日(火)~10月29日(火)
会場:TOHOシネマズ日本橋

第37回東京国際映画祭の提携企画「2024東京・中国映画週間」は、10月22日(火)~10月28日(月)、TOHOシネマズ日本橋にて開催されます。
今年19回目をむかえ、中国映画の最新作13本が上映されます。

スケッチ~彼女と描いた光~
10月22日(火)13:30~ 10月27日(日)18:30~
監督: 徐偉(シュー・ウェイ)
脚本: 張莉(チャン・リー)
主演: 惠英紅(ワイ・インホン)/劉浩存(リウ・ハオツン)、張子賢(チャン・ズーシェン)/劉歓(リュウ・ホァン)、葦青(ウェイ・チン)
ジャンル: ドラマ 上映時間: 116分
 本作は祖母であるジャン・シュージー(江秀枝)が、12年前に不慮の事故で行方不明になった孫娘との再会を描いた物語。再会を果たすがどこかぎこちない二人。生活を共にするうちに、それぞれの秘密が明らかになる。  
 孫娘のシュー・ジアイー(徐嘉怡)は誘拐された後、盗みを強要され、食うや食わずの生活を送っていた。数々の残酷な出来事に遭遇し、心に深い傷を負った彼女は、人生に希望を抱くこともできず、長い間暗闇の中で光を見いだせずにいた。そんな中、自分を限りない愛と優しさで包みこんでくれた祖母。再び家族の温もりを感じたジアイーは次第に心を解きほぐし、新たな人生を切り開いていく。

監督:徐偉(シュー・ウェイ)
 映画監督、カメラマン、脚本家。1975年生まれ。
 1999年 北京電影学院撮影科卒業。
2016年 張一白(チャン・イーバイ)監修、梁家輝(レオン・カーフェイ)、佟大為 ( トン・ダーウェイ)、周冬雨(チョウ・ドンユィ)、鄧家佳(ドン・ジアジア)など実力派俳優が主演を務めたクライム・サスペンスアクション映画『Lost In White/氷河追凶』の監督を務め、17回上海国際映画祭ベンチャーキャピタル部門で『最も市場の投資価値を有する潜在力賞』を受賞、更に第三回北京青少年映画祭最優秀作品賞、第一回イタリア中国映画祭審査員特別賞を受賞した。
 2024年 二作品を監督。一作目、恵 英紅(ワイ・インホン)、劉 浩存(リウ・ハオツン)、張子賢(チャン・ズージエン)、劉歓(リュウ・ホァン)、余皚磊(ユー・アイレイ)、栄梓杉(ロン・ズーシャン)等の俳優が主演を務めた『スケッチ~彼女と描いた光/燦爛的她』が3月に、二作目陶虹(タオ・ホン)、馮紹峰(ウィリアム・フォン)、黄覚(ホアン・ジュエ)等が主演を務めたクライム・サスペンス映画『You Are My Everything /黄雀在后!』が4月にそれぞれ公開され、いずれも高い興行収入を記録し、人気を集めている。

雲の上の売店
10月27日(日)10:20~
監督: 張嘉佳(チャン・ジアジア)
脚本: 張嘉佳(チャン・ジアジア)
主演: 彭昱暢(ポン・ユーチャン)/周也(チョウ・イェー)、艾麗婭(アイ・リーヤー)/陳賢恩(チェン・シェンエン)、孔連順(コン・リェンシュン)
ジャンル: ドラマ 上映時間: 131分
 都会の暮らしで自分を見失ってしまった平凡な青年リウ・シーサン(劉十三)は、迎えに来た祖母と共に山奥にある故郷の町に戻る。幼馴染のチョン・シュワン(程霜)と祖母の支えにより、リウは穏やかな日々を過ごす。
 先祖が残してくれた軌跡を辿り、手を伸ばせば雲に触れられそうなほど高地にある小さな売店で町の息遣いに耳を澄ます。高い山と大海原の狭間、庭に植えられたキンモクセイの樹の下で時間を過ごし、リウは次第に憂鬱な日々から抜け出す。
 心に刻みつけたはずが、数年で忘れ去られる人もいれば、何があっても傍にいてくれる人もいる。

監督:張嘉佳(チャン・ジアジア)
 中国江蘇省出身、南京大学卒業。作家、脚本家、映画監督。
 1000万部越えのベストセラー作家として知られ、『君のいる世界から僕は歩き出す/從[イ尓]的全世界路過』、『雲の上の売店/雲辺有個小売部』、『Always have Always will/天堂旅行団』、『譲我留在[イ尓]身辺』など多くのベストセラー作品を発表。そのうち『君のいる世界から僕は歩き出す/從你的全世界路過』、『雲の上の売店/雲辺有個小売部』の単行本売上は1000万部を突破した。
 2011年、脚本家として初めて映画『ソード・ロワイヤル/刀見笑』の脚本を手がけ、第48回金馬賞で最優秀脚色賞にノミネート。
 2015年、映画『君のいる世界から僕は歩き出す/從[イ尓]的全世界路過』の脚本を手がける。映画『See You Tomorrow/擺渡人』の脚本・監督を務め、第54回金馬奨で最優秀脚本賞にノミネート。
 2024年、監督・脚本家として、同名小説『雲の上の売店/雲辺有個小売部』を映画化。同作は累計興行収入4億9900万元を記録。

新紅楼夢 ~天運良縁~
10月25日(金)13:30~ 10月28日(月)19:00~
監督: 胡玫(フー・メイ)
脚本: 何燕江(ホー・イェンジャン)
主演: 辺程(ベン・チェン)/張淼怡(チャン・ミャオイー)
黄佳容(ホアン・ジアルン)/林鵬(リン・ポン)
盧燕(ルー・イェン)/楊童舒(ヤン・トンシュー)
ジャンル: ラブストーリー
上映時間: 116分
 曹雪芹(そう せっきん)の名著『紅楼夢』原作。  
 江南の塩政大臣であったリン・ルーハイ(林如海)は、莫大な遺産と一人娘のリン・ダイユィ(林黛玉)残してこの世を去る。一人残されたリンは、母方の祖母(賈母・史太君)を頼り、栄国府にやってくる。折しも、バオユィ(宝玉)の叔母であるシュエ(薛)夫人一家も栄国府を訪れていた。夫人の一人娘のシュエ・バオチャイ(薛宝釵)は、は聡明で、美しく、賈母や王夫人、姉のホウ(鳳)に気に入られる。本作は、原作の太虚幻境、元妃省親、黛玉葬花、宝玉被逼婚本作等の古典的名シーンを描き、3人の主人公の悲しみ・喜び・別れ・めぐり合いの感動的な物語を芸術的に再現する。

監督:胡玫(フー・メイ)
 中国映画監督
 第十一回、十二回の全国人民代表大会代表を務める。
 中国テレビ芸術家協会第四回、五回、六回の副主席を務める。
 中国電影集団国家一級監督。
 代表作:
 映画
 『Army Nurse/女児楼』、『Far from War/遠離戦争年代』、『Confucius/孔子』、 『 Enter the Forbidden City/進京城』、『新紅楼夢~天運良縁~/紅楼夢之金玉良縁』
 テレビドラマ
 『雍正王朝』、『漢武大帝』、『喬家大院』、『香樟樹』、『忠誠』、『望族』、『大江東去』

アップストリーム ~逆転人生~
10月26日(土)13:30~ 10月27日(日)15:50~
監督: 徐崢(シュー・ジェン)
脚本: 何可可(ホー・コーコー)/徐崢(シュー・ジェン)
主演: 徐崢(シュー・ジェン)/辛芷蕾(シン・ジーレイ)、王驍(ローレンス・ワン)/賈冰(ジャ・ビン)、馮兵(フォン・ビン)
ジャンル: ドラマ 上映時間:121分
 かつては生き生きとしていたガオ・ズーレイ(高志塁)は、生活の重圧がのしかかり、中年を迎えると“失速”し始め、終に描いた人生のレールから大きく外れてしまう。勢いで下した決断により、家族のガオに向ける視線は「自慢の大黒柱」から「社会の落後者」に。ところが思いがけず、このとっさの決断がガオの「逆転人生」の始まりだった。嵐のように襲い来る变化により、否応なしに再び自分と向き合うことを余儀なくされる。生活という重荷がずっしりと肩にのしかかった時、ガオはデリバリーの配達員になることを選び、新しい生活をスタートさせることに。狭い路地や小道を必死に疾走するうちに、志を同じくする「ライダー仲間」と出会い、彼らと一緒に過ごす時間の中で、人間の温かさについて多くを学ぶ。努力を重ね、大変な日々に立ち向かう「逆行道」を“疾走”することで、ガオは失った勇気と信念を徐々に取り戻し、新たな人生の方向について考える。

監督:徐崢(シュー・ジェン)
 中国出身、映画監督、俳優、監修、脚本家。
 中国映画業界初の 「二十億 (元)」監督として知られる。
 興行収入100億元を記録した中国映画作品の監督兼主演を務め、手掛けた作品の累計興行収入は230億元を超える。
 監督代表作:
 2012年『ロスト・イン・タイランド/人再囧途之泰囧』
 2015年『ロスト・イン・香港/港囧』
 2020年『私と私の故郷/我和我的家郷』
 監修代表作:
 2021年『白さんは取り込み中/愛情神話』
 2019年『モフれる愛/寵愛』
 2018年『 薬の神じゃない!/我不是薬神』

A LEGEND/伝説
10月23日(水)18:50~ 10月25日(金)18:50~
監督: 唐季礼(スタンリー・トン)
脚本: 唐季礼(スタンリー・トン)
主演: ジャッキー・チェン/張芸興(チャン・イーシン)、古力娜扎(グーリーナーザー)/李治廷(アーリフ・リー)、李晨(リー・チェン)
ジャンル: ドラマ 上映時間: 129分
 結ばれなかった前世の愛は夢の中。国家と一族の平和は英雄の手に!『THE MYTH/神話』シリーズ続編。  
 考古学博士のファン(房)教授は遺跡発掘中に古代シャーマンの古玉(こぎょく)を発見する。不思議な古玉の力により、ファン教授と助手のワン・ジン(王靖)は夢の中で前漢にタイムスリップする。夢の中でファン教授は、漢族の勇敢で凄腕の将軍となり、果てしない河西草原で戦いを繰り広げ、騎馬隊を率いて一族と国を守るため匈奴に立ち向かう。戦いに終止符が打たれたとき、匈奴の王女夢雲(モン・ユン)とは千年の時を超えた縁で結ばれる。 数千年にわたるこの知られざる伝説を解明しようと、ファン教授と助手は友人のレイ(雷)を伴い、1万年前の氷河の奥深くに眠る天空の聖地を探しに出かけるが、シャーマンの専門家ヘボーアルが妨害を仕掛ける…

監督:唐季礼(スタンリー・トン)
 脚本家、監督、監修、中国電影集団国際董事長兼CEO。
 1991年:ゴールデン・ハーベスト(嘉禾電影有限公司社)に入社。 『ポリス・ストーリー3』、『レッド・ブロンクス』、『ファイナルプロジェクト』等を監督。これらの作品を携え、アメリカ映画市場に参入すると華語アクション映画を主流へと押し上げた。
 1996年:ハリウッド・ディズニー映画『Mr.マグー』監督。 20世紀フォックステレビジョン及びCBSプロダクションズ出品の海外ドラマ『L.A.大捜査線 マーシャル・ロー』の製作総指揮を務め、同作は全米ゴールデン・タイムトップ視聴率を2年連続で記録した。
 1999年:アジア系アメリカ人メディア・リーダーシップ賞を受賞。
 中国に帰国後、映画『SPY N』、THE MYTH/神話』、『ライジング・ドラゴン』、『カンフーヨガ』、『プロジェクトV』および『A LEGEND/伝説』の製作総指揮と監督を務める。さらに、インターネット・ムービー『少林寺之得宝伝奇』、『牧野詭事之搬山道人』、テレビドラマ『壮志雄心』、『男才女貌』、『出水芙蓉』、『偏偏愛上[イ尓]』、『精忠岳飛』、『鳳凰無双』等を手掛けた。

デクリプト
10月22日(火)18:10~ 10月26日(土)18:10~
監督: 陳思誠(チェン・スーチェン)
脚本: 陳思誠(チェン・スーチェン)/クリストファー・マクブライド
主演: 劉昊然(リウ・ハオラン)/ジョン・キューザック、陳道明(チェン・ダオミン)/呉彦祖(ダニエル・ウー)、兪飛鴻(ユー・フェイホン)
ジャンル: ドラマ 上映時間: 156分
 本作『デクリプト/解密』はチェン・スーチェン(陳思誠)監督作、リウ・ハオラン(劉昊然)、ジョン・キューザックが主演を務めた。原作は中国の茅盾文学賞(ぼうじゅんぶんがくしょう)受賞者であるマイ・ジア(麦家)の同名長編小説。
 物語は、中国とアメリカの情勢が混乱を極め、敵の通信暗号解読が極めて重要視された時代に始まる。 数学教師キースの出題した難問をいとも簡単に解いたことで注目を集めたルン・ジンジェン(容金珍)は、701局のチェン(鄭)局長によって秘密組織に引き入れられたことをきっかけに、新たな局面を迎えることに……。

監督:陳思誠(チェン・スーチェン)
 中国出身の映画監督、俳優、監修、脚本家。
監督作:『デクリプト/解密』、『僕はチャイナタウンの名探偵』シリーズ、『Beijing Love Story/北京愛情故事』等。
監修作:ウェブドラマ『僕はチャイナタウンの名探偵)、映画『共謀家族/誤殺』シリーズ、『Lost In The Stars/消失的她』、『 Endless Journey/三大隊』等。
俳優作:『A Young Prisoner's Revenge/法官媽媽』、『Soldiers Sortie/士兵突撃』、『Spring Fever/春風沈醉的夜晩』等。
受賞歴:
 第12回中国長春映画祭 最優秀青年監督処女作賞
 第3回イギリス・チャイナ イメージ フィルム フェスティバル最優秀監督賞
 第21回北京大学学生映画祭最優秀処女作賞
 第23回北京大学学生映画祭最優秀脚本家賞
 第34回大衆映画百花賞最優秀監督賞ノミネート、最優秀脚本家賞ノミネート
 第2回カンボジア・アジア映画祭最優秀監督賞ノミネート

FPU~若き勇者たち~
10月26日(土)11:30~
監督: 李達超(リー・タッチウ)
脚本: 呉孟璋(ウー・モンチャン)/嘉莉安(ジャー・リアン)
主演: 黄景瑜(ホアン・ジンユー)/王一博(ワン・イーボー)、鐘楚曦(チョン・チューシー)/欧豪(オウ・ハオ)、朱亜文(チュウ・ヤーウェン)
ジャンル: ドラマ 上映時間: 101分
 政府軍と反政府組織との武力紛争が激化するアフリカへ、平和維持活動のため結成された中国の組織警察隊「FPU」が国連の要請により派遣された。チームワークを重んじる分隊長ユー(ホアン・ジンユー)や人一倍正義感が強い狙撃手ヤン(ワン・イーボー)ら精鋭メンバーたちは最も危険なエリアに向かい、逃げ場を失った人々の安全確保に全力で邁進する。大量虐殺、テロ攻撃、暗殺、大暴動、人質事件… 困難な出来事に立ち向かう彼らも命の危機に幾度となく直面するが、人々に平和な日常を取り戻すため、そして隊員全員が無事に祖国へ帰るため、命がけの激戦に挑む彼らの前に予期せぬ運命が待ち構えていた─

監督:李達超(リー・タッチウ)
 香港出身、『インファナル・アフェアII 無間序曲』『ラスト・シャンハイ』のアクション担当、ハリウッド映画『マトリックス』ではキアヌ・リーブスのアクションコーチを担当。武術監督出身の映画監督として知られる。その他、アクション監督として携わった作品としては『フライング・ギロチン』『ラスト・シャンハイ』、TVドラマ「雪華の炎~揺るぎない誓い~」の演出も手掛けた。

校内探偵~隠された発明品~
10月22日(火)16:00~ 10月25日(金)11:20~
監督: 于飛(ユイ・フェイ)
脚本: 于飛(ユイ・フェイ)
主演: 林子燁(リン・ズーイェ)/郭赫軒(グオ・ホシュアン)、于書瑶(ユイ・スーヤオ)/庄則熙(ズアン・ジェシー)、裴佳欣(ペイ・ジアシン)/洪悦熙(ホン・ユエシー)
ジャンル: コメディ 上映時間: 92分
 実験第二小学校のシャンリー(相里)は、推理小説好きで「名探偵シャーロック・ホームズ」を崇拝している。 鋭い観察力と、優れた思考力を基に推理力を働かせ、困った人を手助けしていることから「校内探偵」と呼ばれている。校内でサイエンス・フェスタ&全国小中学生科学技術コンクールの選考がまもなく開催を迎えようとしていたある日、入賞の可能性が最も高い六年生の班長チェン・ジァイー(陳伽伊)の作品が忽然と消えてしまう。シャンリーは消えた作品探しに乗り出す。観察と思考で推理を導き出した時、ふと自らの推理に大きな穴があることに気づく。物語に隠された事情とは…

監督:于飛(ユイ・フェイ)
 監督・脚本家。 北京電影学院卒業。
 中国電影家協会(中国映画専門家協会)
代表作
 映画『Little Canned Men/皮皮魯与魯西西之罐頭小人』。
 第15回浙江省精神文明建設「五個一工程」賞受賞。
 第34回中国映画金鶏賞最優秀監督デビュー作品賞ノミネート
 第34回中国映画金鶏賞最優秀児童作品賞ノミネート
 第19回華表賞最優秀児童作品賞ノミネート
 同作は2021年公開、累計興行収入5780万元を記録

志願軍 ~雄兵出撃~
10月24日(木)13:30~ 10月28日(月)16:00~
監督: 陳凱歌(チェン・カイコー)
脚本: 張珂(チャン・コー)
主演: 唐国強(タン・グオチャン)/王硯輝(ワン・イエンフイ)、 劉勁(リュウ・ジン)/辛柏青(シン・バイチン)、張頌文(チャン・ソンウェン)
ジャンル: ドラマ / 歴史 / 戦争 上映時間: 140分
 本作は、なぜアメリカ支援の朝鮮戦争は起こったのか。避けられなかった衝突を起点として、志願軍派遣から第二次世界大戦終結までの全工程を描く。

監督:陳凱歌(チェン・カイコー)
 中国映画監督、北京電影学院監督科卒業
 中国(映画監督)第5世代牽引する存在。
 代表作『黄色い大地/Yellow Earth』は中国映画の新時代を切り開いた。 『さらば、わが愛/覇王別姫』でカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞し、中国映画が国際的脚光を浴びるきっかけとなった。パルムドールを受賞した唯一の中国人監督として知られる。これまで国連教育科学文化機関(UNESCO)の中国文化大使を務め、中国文化の普及に努めるなど多岐にわたり活動。
代表作
 『黄色い大地』、『始皇帝暗殺 』、『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎 』、『私と私の祖国/我和我的祖国』、『1950 鋼の第7中隊/長津湖』などの作品を監督し、国内外で高い評価を得ている。

黙殺~沈黙が始まったあの日~
10月24日(木)16:30~ 10月27日(日)13:10~
監督: 柯汶利(サム・クワー)
脚本: 柯汶利(サム・クワー)/王吱吱(ワン・ズーズー)/王禕夢(ワン・イーモン)
主演: 王伝君(エリック・ワン)/張鈞甯(チャン・チュンニン)、呉鎮宇(フランシス・ン)/王聖迪(ワン・シェンディー)、蔡明(チャイ・ミン)/沈浩(シェン・ハオ)
ジャンル: サスペンス 上映時間: 119分
 太平洋に浮かぶ小さな島国ドーマ市の静華女子高等学校で発生した連続失踪事件。降り降ろされた鉄槌が復讐の扉を開く。警察の捜査が深まるにつれ、関係者の誰もが言い知れぬ秘密を抱えていることが明らかになる......

監督:柯汶利(サム・クワー)
 マレーシア出身映画監督、編集。1985年8月生まれ。
 台北芸術大学映画監督専攻卒業。
 代表作:『自由人/The Free Man』、『共謀家族』、『黙殺~沈黙が始まったあの日~』等。
 受賞歴: 2016年:初監督作品であるショートフィルム『自由人/The Free Man』は第88回アカデミー賞短編実写映画賞受賞。
 2020年:『共謀家族(原題:誤殺)』は第33回中国金鶏賞ベストフィルム賞、最優秀脚本賞など8賞にノミネートし、13.33億人民元の興行収入を獲得した。
 2022年:『黙殺~沈黙が始まったあの日』は第27回釜山国際映画祭にて新浪潮賞最優秀作品賞を受賞。2022年に手掛けた同名作『黙殺』と比較し、2024年の『黙殺』は持ち味である深遠的な核心表現はそのままに、製作水準、プロットデザイン、サスペンスとしての枠組み、キャスティング等あらゆる面で改善を図った。現在興行収入は12.7億元に達し、現在も記録を更新し続けている。

最高でも、最低でもない俺のグッドライフ
10月24日(木)19:10~ 10月26日(土)16:00~
監督: 龍飛(ロン・フェイ)
脚本: 黄佳(ホアン・ジア)
主演: 胡歌(フー・ゴー)/高圓圓(カオ・ユアンユアン)、岳紅(ユエ・ホン)/周野芒(チョウ・イエマン)、金靖(ジン・ジン)
ジャンル: ドラマ 上映時間: 103分
 仕事も人間関係も失い、挫折して故郷に戻った冴えないウー・ディー(呉迪)。ウーの「突然の出戻り」により家族の平穏な生活が壊れ始める。家族と関係の再構築を迫られるだけでなく、自分の人生について向き合うことを迫られるウー。 厳しい現実と直面したウーの前に、偶然にも高校時代の同級生フォン・リュウリュウ(馮柳柳)が現われる。彼女との出会いによってウーの人生は思いもよらない方向に転がり始める…。

監督:龍飛(ロン・フェイ)
 中国映画監督。
 重慶大学英語学科を卒業後、香港浸会大学大学院映画・テレビ・デジタルメディア学科で修士号を取得。 自主制作映画『Couch Boy/睡沙発的人』は第11回西寧First国際映画展最優秀男優賞にノミネート。監督を務めたヒューマン・ドラマ映画『最高でも、最低でもない俺のグッドライプ/走走停停』は第14回北京国際

抓娃娃(じゅあわわ)ー後継者養成計画ー
10月23日(水)16:00~ 10月25日(金)16:00~
監督: 閻非(イェン・フェイ)/彭大魔(ポン・ダーモー)
脚本: 彭大魔(ポン・ダーモー)/閻非(イェン・フェイ)/林炳宝(リン・ビンバオ)
主演: 沈騰(シェン・トン)/馬麗(マー・リー)、史彭元(シー・ポンユェン)/薩日娜(サリナ)、肖帛辰(シャオ・ボーチェン)
ジャンル: コメディ 上映時間: 133分
 貧乏に苦しむ父、疲れ切った母、荒れ果てた庭、ボロボロの服を身に纏った僕。西虹市の発展がこれほどまでに進んでいるのに、馬(マー)一家だけなぜ!?「具の無いスープ、ポケットにはわずかな小銭すら無い」。  
 マー・チョンガン(馬成鋼)とチュンラン(春蘭)夫婦はよろめきながら仕事に向かう。家財もゼロ。唯一の希望は息子のマー・ジーイエ(馬継業)。彼こそはこの運命を変えられるはず。努力家のジーイエは、成績も良く、謙虚で、意志も固い。しかし、成長するにつれ、ジーイエは次第に周囲の人々の様子が少しおかしいことに気づき始める…。

監督:閆非(イェン・フェイ)
中国人民解放軍国防大学軍事文化学院戯劇科卒業。
西虹市影視文化(天津)有限公司にて、監督、脚本、監修などを担当。
代表作品:
『Goodbye Mr. Loser/夏洛特煩悩』
『 Hello Mr. Billionaire /西虹市首富』
『My People, My Homeland/我和我的家郷—神筆馬亮』
『抓娃娃(じゅあわわ) ー後継者養成計画ー』、更には『トゥ・クール・トゥ・キル 殺せない殺し屋/這箇殺手不太冷静』で製作総指揮を務め、累計興行収入は127億元(約2600億)を突破。
受賞歴:
第33回大衆映画百花賞最優秀脚本賞ノミネート
第六回「文栄賞」最優秀監督賞
映画『抓娃娃(じゅあわわ) ー後継者養成計画ー』第十九回中国長春映画祭 審査員特別賞受賞

監督:彭大魔(ポン・ダーモー)

 北京電影学院演技専攻卒業。
 西虹市影視文化(天津)有限公司で監督、脚本、監修等を務める。
代表作:
『Goodbye Mr. Loser/夏洛特煩悩』
『 Hello Mr. Billionaire /西虹市首富』
『My People, My Homeland/我和我的家郷—神筆馬亮』
『抓娃娃(じゅあわわ) ー後継者養成計画ー』、更には『トゥ・クール・トゥ・キル 殺せない殺し屋/這箇殺手不太冷静』で製作総指揮を務め、累計興行収入は127億元(約2600億)を突破。
受賞歴
第一回マカオ国際映画祭 最優秀新人監督賞受賞
第六回「文栄賞」最優秀監督賞受賞
『抓娃娃(じゅあわわ) ー後継者養成計画ー』第19回中国長春映画祭 審査員特別賞を受賞。

京劇映画 捉放曹
10月23日(水)13:30~ 10月28日(月)13:30~
監督:滕俊傑(テン・ジュンジエ)
主演:王珮瑜(ワン・ペイユィ)/王越(ワン・ユエ)
ジャンル:京劇 上映時間:108分
 東漢末期、大師董卓(とうたく)が政権を掌握していた。董卓は身勝手な思考のままに大臣の首をはね、民衆を殺害し、宮廷と民衆の間では不満の声が絶えなかった。騎兵隊隊長の曹操(そうそう)は、董卓に接近し、彼を暗殺しようとするが、その姿が鏡に映ってしまい、董卓に見つかってしまう。曹操は剣を差し出し、董卓に捧げることでなんとかその場をやり過ごし、急ぎ都を離れる機会を狙う。

監督:滕俊傑 (テン・ジュンジエ)
 中国国家一級監督、専門二級教授。上海市文聯副主席、上海市電視芸術家協会主席、上海大学上海電影学院教授等を務める。また、北京大学電視研究中心研究員、中国伝媒大学、上海交通大学はじめ数々の大学や研究機関の教授を兼任。2000年のAPEC世界首脳会議晩餐会、2006「上海合作組織」十国首脳サミット晩餐会、中国2010上海世界博覧会、閉幕式および記念晩餐会などの大規模式典の総合演出を務める。中国映像芸術を牽引する人物。2019年にはウィーンの国連本部で開催される「国連中国語デー」にて初代「文化大使」の称号を授与された。
代表作:『覇王別姫』、『老嬢舅』、『曹操与楊修』など。

公式HP https://cjiff.net/

一般上映チケット
発売日:10月8日(火)0時~
チケット購入こちら⇒ 『TOHOシネマズ日本橋

第25回東京フィルメックスラインナップ

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アジアを中心に世界から独創的・刺激的な作品が集結!
<どこよりも早く世界の”次“に出会える>国際映画祭!

会期:2024年11月23日(土)~12月1日(日)
会場:丸の内TOEI、ヒューマントラストシネマ有楽町
上映プログラム:東京フィルメックス・コンペティション、特別招待作品、メイド・イン・ジャパン、プレイベント

東京フィルメックス・コンペティション:10作品
特別招待作品 :11作品
メイド・イン・ジャパン:4作品
プレイベント:今だけ、スクリーンで!東京フィルメックス25年の軌跡 : 6作品
関連企画:5作品
全36作品 ※予定(10/9現在)

★上映スケジュール(10/25発表されました)

●オープニングはジャ・ジャンクー監督の『Caught by the Tides(英題)』。国際審査員を務めるロウ・イエ監督の最新作『未完成の映画』も上映されます!
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『Caught by the Tides(英題)』 © 2024 X Stream Pictures

クロージング作品のホン・サンス監督『スユチョン』や審査員の一人、婁 燁(ロウ・イエ)監督の『未完成の映画』、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督の「行者」シリーズより『無所住』『何処』などの最新作が特別招待作品部門で上映される。日本からは宇賀那健一監督『ザ・ゲスイドウズ』。ここ数年フィルメックス特別招待作品部門ではアジア映画の上映が主だったが、今年は『スホ』や『地獄に落ちた者たち』など、非アジア圏の注目作、『ブルー・サン・パレス』『愛の名の下に』のようなアメリカで制作されたアジア系の若手による関連作も上映される。

HPより

🏆コンペティション
アジアの新進作家が2023年から2024年にかけて監督した作品の中から10作品が上映されます。また国際審査員3名が、最優秀作品賞と審査員特別賞を選び、11/30(土)に行われる授賞式で発表されます。
(日本語タイトル横の★=長編監督デビュー作)

『四月』April(აპრილი)
フランス、イタリア、ジョージア / 2024 / 134分
監督:デア・クルムベガスヴィリ( Dea KULUMBEGASHVILI )
ジョージアでは、妊娠12週までの処置であれば堕胎手術は本来合法ではあるものの、社会的、あるいは政治的な圧力によって、それが実質的に違法状態になっているという。そんな保守的な社会において、多大なリスクを冒しつつ、他に選択肢を持たない女性たちを戸別訪問し、使命感のみに突き動かされながら、処置や手術を続ける1人の産婦人科医の姿をこの作品は描いている。社会的にも精神的にも孤立し、内面を蝕まれ、次第に心身のバランスを失っていく彼女の姿が、超現実的な描写を交えつつ捉えられていくのだが、その描写の強度や厳密さには誰もが圧倒させられるはずだ。パンデミックのために未開催に終わった2020年のカンヌ映画祭において入選の証である「カンヌ・レーベル」を与えられ、同年にサン・セバスチャン映画祭で最優秀作品賞を受賞した『BEGINING ビギニング』に続くデア・クルムベガスヴィリの長編第2作。本作はベネチア映画祭のコンペティション部門で初上映され、特別審査員賞を受賞した。

『ハッピー・ホリデーズ』Happy Holidays
パレスチナ、ドイツ、フランス、イタリア、カタール / 2024 / 123分
監督:スカンダル・コプティ( Scandar COPTI )
イスラエルのハイファに住む、あるパレスチナ人家族の物語。作品は4つの章に分かれており、それぞれの章が家族内の別の人物を中心に展開し、それぞれが相互に絡み合う構成になっている。国家や社会や文化がどのように強制的な支配を及ぼし、その圧力がどのように個人の人生を変え、破壊するのかについての一連のヴァリエーションにもなっており、一つの家族(あるいは拡大家族)の置かれている状況や人間関係の考察を通じて、イスラエルにおけるパレスチナ人とイスラエル人の分断状況や、軍国主義、あるいは女性に対する家父長主義的な制約といった民族や国家やジェンダーをめぐる深い文化的・政治的な背景が露わにされていく。2009年にイスラエル人監督ヤロン・シャニとの共同監督作品『Ajami』でカンヌ映画祭のカメラドールのスペシャル・メンションを獲得したパレスチナ人監督スカンダル・コプティの2作目の長編作品(単独監督作としては1作目)。本作はベネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、同部門で最優秀脚本賞を受賞した。

『サントーシュ』Santosh ★
インド、イギリス、ドイツ、フランス / 2024 / 120分
監督:サンディヤ・スリ( Sandhya SURI )
サントーシュが警察官として働き始めたのは、殉職した警察官の未亡人が職を継承できるという政府の制度のためだった。慣れない仕事に順応していく中で、彼女はすぐに、昔ながらの警察のやり方を体験し、そこに否応もなく参加することになる。性差別、汚職、権力闘争、そしてカースト制度や宗教による社会の分断。レイプされ、殺害され、地元の井戸に捨てられた、いわゆる「不可触民」である少女の死の捜査を、ベテランでカリスマ性のある女性警察官、シャルマ警部の指揮の下で担当することになったサントーシュは、彼女を刺激的な指導者であり、フェミニスト的な連帯の拠り所と見なすようになるが……。映画はあくまでもサントーシュ個人の視点を保ちつつ、彼女が何を受け入れ、内面化し、実践できるか、という感情の旅を描いていく。その過程で社会の腐敗を構造的で世代的なものとして描き出し、その複雑なニュアンスを見事な忍耐と厳格さで探求している。カンヌ映画祭のある視点部門で上映。第97回アカデミー賞国際長編映画

『女の子は女の子』Girls Will Be Girls ★
インド、フランス、アメリカ、ノルウェー / 2024 / 118分
監督:シュチ・タラティ( Shuchi TALATI )
模範的な生徒である16歳のミラは、ヒマラヤにあるエリート寄宿学校において、学校全体の行動と学習の基準を設定する責任者である監督生に女子生徒として初めて就任する。野心的で潔癖な性格にも関わらず、彼女は新入生のスリに対して初恋の痛みを覚え、最初の欲望に早々に屈してしまう。彼女の初恋と性欲に対する探求は、しかしながら、母親の介入によって思わぬ方向へと向かう。母親とスリの奇妙な親密さはミラの嫉妬と不安を引き起こし、母と娘の間にぎこちなく、重い溝を作っていく……。映画はインド社会の伝統的な価値観、とりわけ家父長制の陰が彼女たちの人生にいかにまだ影響しているかを検証しつつ、母と娘の間の絶え間ない駆け引きや緊張関係に迫っていく。美化や中傷をすることなく、親密さ、自己承認、裏切りや許しのほんの僅かな瞬間をカメラは捉えている。サンダンス映画祭のワールド・シネマ・ドラマティック部門にて初上映され、主演のPreeti Panigrahiの演技に対して特別審査員賞が授与され、同時に観客賞も受賞した。

『ベトとナム』Viet and Nam
ベトナム、フィルピン、シンガポール、フランス、オランダ、イタリア、ドイツ、アメリカ / 2024 / 129分
監督:チューン・ミン・クイ( TRUONG Minh Quý )
ベトとナムは20代の炭鉱労働者の青年。彼らは粉塵まみれの画一的な職業生活を送りながら、地下何百メートルの暗闇の中で密かな愛を育んでいる。彼らは共に戦争で父を亡くしており、ナムと彼の母は父のベトコン時代の古い同志バと共に、まだ半分埋まった兵器が点在する森に覆われた中央高原へ父の遺骨を探す旅に出る。ベトは彼らに同行しつつ、ベトナムから密航し国外へ脱出することを計画しているナムの身を案じている....。20年に及ぶ戦争による深い傷がまだ色濃く残る2001年のベトナムを舞台に、恋人同士である2人の炭鉱労働者の姿を通して、戦後のベトナムにおいて、若くそしてクィアであること、そして更にはベトナムという国そのものが抱える困難と苦悩を描く。催眠術のように優しく官能的に撮影された美しい作品でありつつも、その表層の下に眠る深く暗い影の部分を炙り出そうとする象徴性に満ちた作品。デビュー作『樹上の家』(2019)で注目を集めた新鋭チューン・ミン・クイの2作目の長編である本作は、カンヌ映画祭のある視点部門で初上映された。

『黙視録』Stranger Eyes(默視錄)
シンガポール、台湾、フランス、アメリカ / 2024 / 126分
監督:ヨー・シュウホァ( YEO Siew Hua )
家族でのピクニックのビデオ映像をじっくりと見ている若い父親。すぐに彼の幼い娘が行方不明になっているということが分かる。このビデオは、若い両親が持っている娘の最新の映像のようだ。程なくして、行方不明の娘の映像が入ったDVDが家族の玄関先に届き始める。誰かがこの家族を長い間監視しており、おそらく娘を取り戻す鍵を握っていることが明らかになる……。ヨー・シュウホァの『幻土』に続く新作長編『黙視録』は、こうして犯罪スリラーとして幕を開ける。シンガポール警察が所有する膨大な数のCCTV映像が駆使され、比較的あっけなく事件は解決するのだが、すでにその頃にはこの作品はスリラーの枠組みをあっさりと超え、現代の孤立と監視文化についての、巧妙で、陰鬱で、瞑想的で、最終的には不可解さを含んだより多層的な物語へと変質を遂げ始めている。大量監視の時代に見る、見られるということはどういうことなのか。私たちの身近にあるこの大きな問いを考察することで、この作品は人間の孤独や脆さを見つめている。ベネチア映画祭コンペティション部門で上映。

『白衣蒼狗』Mongrel(白衣蒼狗) ★
台湾、シンガポール、フランス / 2024 / 128分
監督:チャン・ウェイリャン
Director: CHIANG Wei Liang
共同監督:イン・ヨウチャオ
Co-Director:YIN You Qiao
タイからの不法移民の青年オームは台湾の山岳地帯の田舎町で老人や障害者たちの介護の仕事をしている。東南アジア各地からの不法移民たちを闇で働かせているボスの下、移民労働者たちの仲介役でもある彼は、ボスと移民たちとの間で板挟みになることも多い。そしてある日、彼が介護をしている老女から、重度の障害を持つ彼女の息子について、ある相談を持ち掛けられる……。現代の奴隷制度ともいえる環境の中で暮らす移民労働者たちの絶望的に悲惨な状況や、彼らの直接のボスよりもさらに上の階層の闇社会の権力によって構築された搾取のシステムの在り方が、説明を極力排した厳密な筆致で描かれていく。フレーム内外で見事に制御された絵画的な構図や、長い沈黙を恐れない編集のリズムの調整も秀逸で、長編監督1作目にして見事な完成度に達している。ホウ・シャオシェンとリャオ・チンソン(ホウ作品の長年の編集者)が製作者として参加。カンヌ映画祭の監督週間で初上映され、初長編作品を対象とした賞、カメラドールのスペシャル・メンションを授与された。

『空室の女』Some Rain Must Fall(空房間裡的女人) ★
中国、アメリカ、フランス、シンガポール / 2024 / 98分
監督:チウ・ヤン( QIU Yang )
40代の主婦、ツァイは人生の目的を失い、大きな精神的崩壊の瀬戸際にいる。映画の冒頭で、彼女は不運な形で年配の女性に怪我を負わせてしまい、入院したその女性の家族から賠償を求められる。この出来事を導入として、私たちは彼女の置かれている状況を目にしていく。夫とは離婚手続き中で、反抗期の娘との間にも深い溝がある。同居中の義母はどうやら認知症を患っており、疎遠になって久しい実父は死期が近いようだ。彼女は、自分の上にのしかかる重荷や憂鬱から逃れようともがいている。この作品は、こうしたツァイの「中年の危機」的状況、ひいては中国の中程度に裕福な家庭の機能不全を、4:3の息苦しいフレーミングと撮影監督のコンスタンツェ・シュミットによる美しく憂鬱なイメージによって極めて効果的に語る。映画初出演だという主演のYu Aierの抑えた演技も素晴らしい。カンヌ映画祭の短編部門でパルムドールを受賞した『A Gentle Night』(2017)等、一連の短編作品で高い評価を得てきた新鋭チウ・ヤンの長編デビュー作。ベルリン映画祭エンカウンターズ部門で初上映された。

『家族の略歴』Brief History of a Family(家庭簡史) ★
中国、フランス、デンマーク、カタール / 2024 / 99分
監督:リン・ジェンジエ( LIN Jianjie )
高校の校庭での懸垂中に、内向的なシュオは、同級生のウェイが投げたバスケットボールが当たって落下し、足を負傷する。罪悪感を感じたウェイは、シュオを自宅でテレビゲームをしようと誘う。ウェイの両親と夕食を共にする中、シュオは母親が亡くなったことを明かし、アルコール中毒の父親から受けた虐待をほのめかす。しかしこれはウェイの両親の共感を得るための、シュオにとって最初の巧妙なステップだった。徐々にシュオはウェイの裕福なアパートで過ごす時間を増やし、確実に彼の両親の信頼を勝ち取っていく……。本作が長編デビュー作となるリン・ジャンジェは、見事な語り口の正確さで、目立たない侵入者が潜り込んだ中流階級家庭内における、変化する力学を分析している。完璧な彫刻作品のように、あらゆるフレームのあらゆる要素を徹底的なコントロール下に置きつつ、巧妙で不可解な曖昧さを保ち、スリラー作品のような緊張感を持続させる手腕は見事としか言いようがない。サンダンス映画祭で初上映され、その後にベルリン映画祭でも上映された。

『ソクチョの冬』Winter in Sokcho(Hiver à Sokcho) ★
フランス、韓国 / 2024 / 104分
監督:コウヤ・カムラ( Koya KAMURA )
スアは韓国北東部の海辺の町、ソクチョにある小さなホテルで働いている。ソウルから数か月前に故郷に戻った彼女は、ソウルでモデルになりたいと思っているボーイフレンドのジュノと半同棲中。しかし、彼女の慎重に構築された日常は、ロシュディ・ゼムが演じる、ある程度名の知れたフランス人アーティスト、ヤン・ケランドの到着によって乱されてしまう。生前にフランス人の父親に捨てられた経験を持つスアは、ケランドと出会い、長い間彼女の中に埋もれていた感情と疑問を再び芽生えさせる……。エリザ・スア・デュサパンによる同名小説の映画化作品である本作は、若い女性のアイデンティティの探求と受容の過程を繊細かつ親密に捉えた作品。冬のソクチョというロケーションの持つ魅力に加え、アニエス・パトロンによる抽象的なアニメーション・シークエンスの導入も大きな効果をあげている。日系フランス人監督、嘉村荒野の初長編作品で、トロント映画祭のプラットフォーム部門での初上映後、サン・セバスチャン映画祭の新人監督部門でも上映された。

🏆特別招待作品
オープニング作品
『Caught by the Tides(英題)』
Caught by the Tides(風流一代)
中国 / 2024 / 111分
監督:ジャ・ジャンクー( JIA Zhang-Ke )
配給:ビターズ・エンド
ジャ・ジャンクー監督の長年のミューズであるチャオ・タオ演じる一人の女性の人生の約20年間を、彼女の元を去った一人の男性との関係を軸に描いた作品。物語は2001年に始まり、1度目は5年後、次には16年後に時代が移行し、2022年を舞台とする第3幕までを通して、主人公女性の感傷的な苦難と、時の経過と共に彼女の自立が深まっていく姿が捉えられている。冒頭の場面は2001年頃に撮影され、映画の終盤に主人公たちが再び大同市に戻る頃には、この古い炭鉱都市が未来への可能性に開かれた完全に別の世界になっているのが印象的だ。最初の2章は過去に様々なフォーマットで撮影された未使用の映像素材が多くの場面で使われており、サウンド版サイレント映画の形式が部分的に援用され、ポップ、ディスコ、伝統音楽等のサウンドトラックに支えられた流動的な編集がなされている。そうしたユニークなハイブリッド映像/音響が各時代の集合的記憶のようなものを想起していく様は実に感動的だ。カンヌ映画祭のコンペティション部門でワールドプレミア上映された。

クロージング作品
『スユチョン』By the Stream
韓国 / 2024 / 111分
監督:ホン・サンス( HONG Sangsoo )
ソウルの女子美術大学を舞台にしたこの映画は、もうそれほど若くはない大学講師のジョンイムが、かつてはその分野で有名だった叔父のチュ・シオンに大学の演劇祭で学部の学生たちの寸劇を演出させようと大学に招へいするところから始まる。演劇祭への準備が始まり、その過程でシオンはジョンイムの上司で彼の大ファンである女性教授チョンと親しくなっていく……。本作は『A Traveler’s Needs(英題)』に続く今年2作目のホン・サンス監督作品。登場人物たちが食事をし、酒を酌み交わす場面で重要なことが示唆されることが多いホン作品だが、この作品もその例に漏れず、川沿いにある鰻料理店で多くの進展や転回が起こる(また、川沿いの店ではないが、演劇祭の打ち上げの席で学生たちが独白する場面は不意に訪れる感動的なシーンだ)。ジョンイムは織機で繊細なパターンの織物を作る新進の芸術家であり、そのことがこの作品の主題の一つである演劇の考察と共に、作品にもう一つのレイヤーを与えている。ロカルノ映画祭のコンペティション部門で上映され、主演のキム・ミニが最優秀演技賞を受賞した。

『ブルー・サン・パレス』Blue Sun Palace(藍色太陽宮) ★
アメリカ / 2024 / 116分
監督:コンスタンス・ツァン( Constance TSANG )
ニューヨークのクイーンズの中国式マッサージ店に住み込みで働くエイミーとディディ。彼女たちはディディの幼い娘が叔母と暮らしているボルチモアで一緒にレストランを開くことを夢見ながら、強固な姉妹的関係を築いている。一方、ディディは建設作業員として働きながら台湾の家族に送金している中年男性のチュンと付き合い始めており、彼と一緒に暮らすことも望むようになる。しかし、予期せぬ暴力行為が旧正月に彼らの生活に侵入すると、彼らの夢は脆くも崩れ去り、痛ましい不在が残される……。本作が初長編監督作となるコンスタンス・ツァン監督は、撮影監督ノーム・リーの力を借りて、この長引く悲しみをざらついた質感と陰鬱な映像で美しく表現する。沈黙が何よりも雄弁に物語を語り、移民であることの孤独、そしてかつて故郷と呼んでいた場所から遠く離れた時に家族やコミュニティのような存在がどれだけの意味を持つかを静かに訴えかけている。カンヌ映画祭の批評家週間で上映され、フレンチ・タッチ賞を受賞した。

『愛の名の下に』Mistress Dispeller(以愛之名)
中国、アメリカ / 2024 / 94分
監督:エリザベス・ロー( Elizabeth LO )
このドキュメンタリー作品では、プロの別れさせ屋の介在を通して、ある中年夫婦と若い女性の三角関係があらゆる角度から精査される。この「愛人払い」ビジネスは、夫婦カウンセリングの一種のバリエーションであり、妻が夫を不倫関係から引き離すために密かに恋愛の第一人者を雇って潜入させるというものだ。本作が三角関係の 3 つの角のすべてに驚くほど接近できているのは、この作品の主要登場人物である愛人払いのWang Zhenxi、通称ワン先生の手腕によるところだという。自分の顧客をカメラの前に立たせることができた愛人払いは彼女だけで、プレス資料によれば、残りの角の2つ、つまり夫とその不倫相手の若い女性に関しては、制作チームは当初は現代中国の愛についてのドキュメンタリーを作るという名目で彼らにアプローチしたとのことだ(撮影後に、改めて全員がこの作品への出演に同意した模様)。『ストレイ 犬が見た世界』で知られる香港系アメリカ人監督エリザベス・ローの長編2作目。ベネチア映画祭のオリゾンティ部門で上映され、アジア映画を対象としたNETPAC賞を受賞した。

『ポル・ポトとの会合』
Meeting with Pol Pot(Rendez-vous avec Pol Pot)
フランス、カンボジア、台湾、カタール、トルコ / 2024 / 112分
監督:リティ・パン( Rithy PANH )
ジャーナリストのエリザベス・ベッカーが学者のマルコム・コールドウェルとジャーナリストのリチャード・ダッドマンと共に1978年にプノンペンを訪れた時の記録『When the War Was Over』を大まかに脚色したこの物語は、ポル・ポトとの独占インタビューを前に、3人のジャーナリストたちが役人たちによる厳密な統制下で、政策の施行現場を巡る様子を追う。役人たちが信奉している現実の断片は、時折、表面に亀裂が生じ、彼ら3人は、革命の教義の下で彼らが犯している恐ろしい行為を垣間見ることができるが、肝心のポル・ポトとの会合の実施はずるずると先延ばしにされていく……。色褪せたアーカイブ映像や写真、そして部分的に土人形劇を劇映画に組み合わせることで、リティ・パンは事実に基づくこの架空の物語を長く記憶に残る誠実な作品に仕立て上げている。彼はそのキャリアの大部分を、故郷カンボジアのクメール・ルージュによる大量虐殺の時代を探求することに捧げてきたが、この作品はそうした作品群に重要な新たな側面を加えるものになるはずだ。カンヌ映画祭のカンヌ・プレミア部門で初上映された。

『無所住』Abiding Nowhere(無所住)
台湾、アメリカ / 2024 / 79分
監督:ツァイ・ミンリャン( TSAI Ming-Liang )
マレーシア出身の台湾の巨匠ツァイ・ミンリャンの演出、リー・カンションの主演による「行者(Walker)」シリーズの第10作目。9作目の『何処』に続き、Anong Houngheangsyも出演している。スミソニアン国立アジア美術館の委託を受けて制作された作品で、同美術館のあるワシントンDCの街やフリーア美術館を舞台に、有名な文学作品『西遊記』の着想源となった7世紀の仏僧玄奘(Xuanzang)の中国からインドへと至る巡礼の旅からインスパイアされた、非常にゆっくりとした修行僧の歩みが捉えられている。ベルリン映画祭のベルリナーレ・スペシャル部門で世界初上映された。

『何処』Where(何處)
台湾 / 2022 / 91分
監督:ツァイ・ミンリャン( TSAI Ming-Liang )
2022年11月から2023年1月にかけてパリのポンピドゥー・センターにて開催されたツァイ・ミンリャン監督の全面的なレトロスペクティブと展覧会「Une Quête」に合わせて制作された「行者(Walker)」シリーズの第9作。『日子』(2020)に出演していたAnong Houngheuangsyが行者役のリー・カンションと共に主演しており、パリの賑やかな街で行者と出会う自分自身を演じている。本作のプロデューサーによれば、ツァイ監督は「行者」10作目の『無居住(Abiding Nowhere)』と本作を姉妹作のように考えており、どちらかというと本作の方が順番的には後に来るのだという。ポンピドゥー・センターの大きな空間の床に置かれた非常に大きな白いキャンバスのような布にAnong Houngheuangsyが木炭のようなもので何本もの線を描き、その脇を行者が非常にゆっくりと歩いていく。その動きの極度なスローさにも関わらず、両者の邂逅はとてもスリリングだ。

『未完成の映画』An Unfinished Film(一部未完成的電影)
シンガポール、ドイツ / 2024 / 107分
監督:ロウ・イエ( LOU Ye )
2019年、物語は10年間電源が入っていなかったコンピューターが起動される場面から始まる。そこには放置された未完の映画が入っており、その映画の監督は主演俳優を呼び出し、制作の再始動を提案する。様々な理由で躊躇していたものの、2020年1月の春節を目前に撮影準備が始まると、主演俳優はクルーに合流している。彼らはすぐに制作に取りかかるが、程なくしてコロナ禍対策のためのロックダウンのニュースが広まり始め、何人かのキャストは荷物をまとめて去っていく。そしてすぐにホテル全体が強制的に封鎖され、主演俳優とクルーは各部屋に閉じ込められてしまう……。本作は、未完に終わったクィア映画を完成させるために再集結した映画制作チームを描いたドキュフィクション作品。映画制作の過程とパンデミックを生き抜く過程が、感染拡大で制作が中断し、全員がホテルで隔離されるという場面で結び付けられる。そこからフィクションと現実の境界が更に曖昧になっていくが、それでも溢れ出る真摯さや真実味こそがこの作品の真骨頂だろう。カンヌ映画祭にて特別上映作品として上映された。

『スホ』Sujo
メキシコ、アメリカ、フランス / 2024 / 125分
監督:アストリッド・ロンデロ&フェルナンダ・バラデス( Astrid RONDERO / Fernanda VALADEZ )
麻薬取引の温床であるミチョアカン州の田舎で、シカリオ(殺し屋)の父のもとに生まれたスホは4歳で孤児になる。人里離れた丘の上に住む叔母ネメシアは、カルテルの掟によって命を狙われることになった幼いスホを匿い、彼女と姉妹的な関係にある友人ロザリアと、その2人の息子だけを伴って彼は育てられる。成長するにつれ、彼は親から引き継いだ血まみれの遺産について知るようになるが……。本作は暴力の連鎖の中で、一人の少年が忍耐強く自分の道を見つけようとするまでを描く成長物語。直接的な暴力は画面には殆ど映らないものの、私たち観客はそれが差し迫った避けられない前兆のように常に潜んでいるのを強く感じるだろう。リアリズムと抒情性を効果的に融合させながら、カルテルの暗躍を背景にした暴力と世代間のトラウマが巧みな脚本によって描かれている。アストリッド・ロンデロとフェルナンダ・ヴァラデスの映画作家デュオによる『息子の面影』(2020)に続く長編作品。前作に続き、本作もサンダンス映画祭で上映され、見事審査員特別賞を受賞した。

『地獄に落ちた者たち』The Damned
イタリア、ベルギー、アメリカ、カナダ / 2024 / 89分
監督:ロベルト・ミネルヴィーニ( Roberto MINERVINI )
1862年、北軍の志願兵部隊が北西部の辺境を偵察する任務を与えられる。彼らは、若者、年配者、神を恐れる者、神を恐れない者など、あらゆる階層の多様な集団だった。彼らの多くに共通しているのは、銃を撃った経験が殆どなく、ましてや人を殺したことなどないということだ。ただ、彼らが長い間本当に戦わなければならない敵は、退屈であり、北西部の厳しい気候だった。彼らは神の存在に疑問を抱き、善と悪の概念について議論し、高まる幻滅感を理解しようとするが……。これまで20年以上に渡ってアメリカの見過ごされてきた辺境を描き続けてきたイタリア出身の映画監督ロベルト・ミネルヴィーニが、同国の南北戦争に目を向けた最新作。アメリカという国のアイデンティティを形作ってきた信仰、夢や希望、階級、そしてコミュニティといった要素が、これまでのミネルヴィーニの作品と同様に、この時代劇でも少し形を変えて探求されている。カンヌ映画祭のある視点部門で初上映され、同部門で監督賞を受賞した。

『ザ・ゲスイドウズ』The GESUIDOUZ
日本 / 2024 / 93分
監督:宇賀那健一( UGANA Kenichi )
配給:ライツキューブ
鳴かず飛ばずのバンド「ザ・ゲスイドウズ」でボーカルを務める26歳になったばかりのハナコ。一向に売れる気配のない彼らの体たらくを見かねた彼らのマネージャーは、厄介払いを兼ねて、移住支援制度を活用して彼らを田舎へと送り込もうとする。27歳で早逝したロック・レジェンド達に自らを重ねつつ、ハナコは27歳で死ぬこととグラストンベリー・フェスティバルへの出演を自らに誓い、新しい環境で新しい曲を書こうとするが....。パンク音楽とホラー映画にオマージュを捧げる本作は、アキ・カウリスマキ監督の「レニングラード・カウボーイズ」シリーズを彷彿とさせる、とぼけた物語展開が魅力のファンタスティック・ロック・ムービー。だが、この作品が私たち観客の心を最終的に震わせるのだとすれば、それはジャンルを問わず、あらゆるポップ・カルチャーの持つある種の本質をこの作品が正確に突いているからだろう。大衆文化における「しょうもないもの」に人生を変えられた経験を持つすべての人に観てもらいたい作品だ。トロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門でワールドプレミア上映された。

🏆メイドインジャパン 4作品
『ユリシーズ』Ulysses ★
日本、スペイン / 2024 / 73分
監督:宇和川輝( UWAGAWA Hikaru )
この映画は3部に分かれている。第1部では、マドリードで8歳の息子と2人きりで暮らすロシア人の母親に私たちは出会う。続く第2部では、一人の日本人男性がバスク人の若い女性と知り合う。2人は共に時間を過ごし、彼女は彼を友人たちに紹介する。そして第3部では、舞台は日本に移され、若い男性がお盆の時期に実家に帰省し、亡くなった祖父の霊を迎えるための準備を祖母と共に進めていく…。本作は、そのタイトルが示す通り、ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』の形式的なアイデアを取り入れた作品で、更には『ユリシーズ』が大きく依拠しているホメロスの『オデュッセイア』を大まかに翻案したものだという。ただ、無論ここではギリシャの英雄の困難な帰郷の旅がそのまま語られているわけではない。むしろここでは「家」や「帰属」といった概念を巡って各々の物語が展開されており、世界の様々な場所での日常生活の断片が曖昧さを残したまま控えめな筆致で描かれている。本作はマルセイユ国際映画祭で初上映され、続いてサン・セバスチャン映画祭でも上映された。

『雪解けのあと(仮)』After the Snowmelt(雪水消融的季節) ★
台湾、日本 / 2024 / 110分
監督:ルオ・イーシャン( LO Yi-Shan )
配給:ドキュメンタリー・ドリームセンター
本作は、ルオ・イーシャン監督の親友チュンが、2017年に恋人のユエとネパールでのトレッキング中に亡くなったことに端を発している。チュンとユエは降雪のために47日間山中の洞窟に閉じ込められたが、チュンは救出の3日前に亡くなり、ユエだけが生き残る。台湾に戻ったユエはチュンと交わした約束を、元々このネパール旅行に加わる予定だったルオに打ち明ける。生き残った者は自分の体験を語らなければならないという約束だ。その言葉に応えるため、ルオはカメラを手に取りネパールへ向かい、チュンの足跡を辿る旅に出る…。この作品は一人の若者が初めて経験する深い喪失と格闘し、その意味を探求する過程を辿るドキュメンタリーであり、同時に成長物語でもある。あくまでも主観に徹した一人称の作品だが、映像のフレーミングやその選択、そして編集のリズムにも非凡なセンスを感じさせる。親友が亡くなる前に残した手紙の使い方も効果的で、死者と生存者の間の複雑な関係を親密に浮かび上がらせていく。ニヨンの国際映画祭「ヴィジョン・デュ・レール」でワールドプレミア上映された。山形県の豪雪地で作品の構成・編集を再考するレジデンシーに参加した「メイド・イン・ジャパン」である。

『椰子の高さ』The Height of the Coconut Trees ★
日本 / 2024 / 100分
監督:ドゥ・ジエ(DU Jie)
物語は2組のカップルを中心に展開する。一人の青年は写真家の恋人を自殺で亡くしてしまうが、彼女との生前と死後のエピソードが、時間軸をずらす形で物語に織り込まれていく。もう一つの中心になるのがペット関係の店で働く女性と日本料理店で働く男性の関係を描いた物語で、料理中の魚の内臓の中に指輪を偶然見つけたことをきっかけに二人は結婚を計画するが、ハネムーンの直前に彼らの関係は破局を迎える……。本作はチェン・スーチェン、グァン・フー、ニン・ハオといった名だたる監督たちの下で20本以上の映画を撮影してきたベテラン撮影監督のドゥ・ジエの長編監督デビュー作で、脚本、撮影、編集、美術もドゥ自身が担っている。20年初頭にコロナ禍が始まった際に日本で家族と休暇を過ごしていたドゥはそのまま短編小説を日本で書き始め、そのうちの一つを映画化したのが本作だという。東京で大部分が撮影されたチェン・スーチェン監督作『唐人街探偵 東京MISSION』(2021)の主要な制作スタッフの多くが今作にも関わっている。釜山国際映画祭のニューカレンツ部門で初上映された。

『DIAMONDS IN THE SAND』DIAMONDS IN THE SAND ★
日本、マレーシア、フィリピン / 2024 / 102分
監督:ジャヌス・ビクトリア( Janus VICTORIA )
離婚して東京で一人暮らしをしているサラリーマンのヨージ。彼のことを心配してくれる母親もついに他界してしまう。意味のある人間関係は殆ど残っていないため、生きる意味がないという現実に彼は直面する。娘を養うために日本で介護士として働くミネルバとの偶然の出会いは、ヨージに自分の状況を新たな視点で見るように促す。そんな中、名前も知らない隣人の老人の腐乱死体が発見され、その死は孤独死と判定される。同じ運命を辿りたくないヨージは、用心深さを捨て、ミネルバを追ってフィリピンの首都マニラに向かうが……。孤独死という日本の現象を探求することから始まった本作は、2013年のタレンツ・トーキョー(当時はタレント・キャンパス・トーキョー)の受賞企画であり、監督兼脚本家のジャヌス・ヴィクトリアにとっては初の長編作品となる。どんな作品でも必ず光る演技を見せるリリー・フランキーがここでも抜群の存在感を発揮しており、ベテラン撮影監督の芦澤明子による、日本とフィリピンの空気感をそれぞれに映し出す映像も魅力的だ。
公式HPはこちら

🎊プレイベント
「第25回東京フィルメックスプレイベント」
今だけ、スクリーンで!東京フィルメックス25年の軌跡
会期:2024年11月15日(金)~ 11月21日(木)
会場:ヒューマントラストシネマ有楽町
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/505154371.html

■チケット購入
●プレイベント  今だけ、スクリーンで!東京フィルメックス25周年の軌跡
(11月15日(金)- 21日(木))
会場:ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1or2(有楽町イトシア・イトシアプラザ4階)
11月7日(木) 16:00 pmより発売!
料金 一般:2,000円 TCGメンバーズカード:1,400円
大学生1,500円 / 高校・中学・小学生1,000円 / シニア1,300円

●第25回東京フィルメックス/TOKYO FILMeX
(11月23日(土)- 12月1日(日))
会場:丸の内TOEI SCR1
11月2日(土) 12:00 pmより発売! 
今年もお得なU-25割あり
前売券 一般:1,500円 U-25割:1,100円
11/2(土) PM 12:00~11/22(金) 19:00まで
会期中券:一般:2,000円 U-25割:1,500円
11/23(土)AM 10:00~
詳細はこちら

主催:特定非営利活動法人東京フィルメックス
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画祭支援事業)、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
特別協賛:シネマイニュテイル
協賛:デジタメ、シマフィルム、コネクション、KODAK
協力:アテネ・フランセ文化センター、東映、東京テアトル、東京学生映画祭、Festival Scope

【提携企画 Talents Tokyo 2024】
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、タレンツ・トーキョー実行委員会
提携:ベルリナーレ・タレンツ(ベルリン国際映画祭)
協力:ゲーテ・インスティトゥート
まとめ 宮崎 暁美