日程:2024年2月16日(金)~2月29日(木)
会場・チケット:ヒューマントラストシネマ有楽町
特集特設サイト:https://tokyofilmex-pematseden.mystrikingly.com/
★上映スケジュールは、こちらの特設サイトで確認ください。
◎東京フィルメックス プログラミング・ディレクター 神谷直希氏より本特集についてのコメント
ペマ・ツェテンは1969年12月に生まれ、2023年5月に心臓発作で53年間の生涯を終えた。彼は7本の完成した長編映画(亡くなった時、8作目の『雪豹』はポストプロダクション中だったが、その後無事に完成に至り、2023年8月のヴェネツィア映画祭を皮切りに、東京を含め、各地の映画祭で上映された。また、9作目の長編映画も撮影は終わっていたと言われている)と数本の短編映画を監督すると共に、多様な小説やエッセイを出版し、他の作家たちの作品のためにチベット語と中国語の翻訳を行っていた。もちろん彼はそれぞれの分野で一人というわけではなかったが、彼のようにそれらの活動を組み合わせて行った芸術家は他にはいなかった。特に彼の映画における諸作品は現代のチベット映画を「定義」したといっても過言ではなく、「チベッタン・ニューウェイヴ」と称されることもあるここ十数年のチベット映画文化の勃興において、紛うことなき中心的存在だった。また彼は自身の映画製作を通じて現代チベット映画に多大な貢献をしただけではなく、チベット映画界のもう一人の重要人物として浮上した元撮影監督のソンタルジャを始めとする、多くの新しい才能を育てたことでも知られている。今回のペマ・ツェテン監督追悼上映では、そのような作品として、ドゥッカル・ツェラン監督の『君のための歌』(2020年、ジャ・ジャンクーとの共同制作)、そして彼の息子で新進気鋭の映画監督ジグメ・ティンレーの『一人と四人』(2021年)を共に上映する。
神谷直希(東京フィルメックス プログラミング・ディレクター)
◆上映作品◆
東京フィルメックスで上映され多くの賞を受賞した3作品や、ペマ・ツェテンが影響を与えたチベット映画の後進作家の作品を含め、貴重な8作品をラインナップ。
★ペマ・ツェテン監督作品
静かなるマニ石(2005)
ティメー・クンデンを探して(2009)
オールド・ドッグ(2011) *第12回東京フィルメックス最優秀作品賞
タルロ2015) *第16回東京フィルメックス最優秀作品賞・学生審査員賞
羊飼いと風船 (2019) *第20回東京フィルメックス・最優秀作品賞
草原(2004) ※『一人と四人』と併映
★ペマ・ツェテン監督が影響を与えた後進作家の作品
君のための歌(2020)
監督:ドゥカル・ツェラン
エグゼクティブ・プロデューサー:ペマツェテン
一人と四人(2021) ※『草原』と併映
監督:ジグメ・ティンレー
思い出のペマ・ツェテン監督
第12回東京フィルメックス『オールド・ドッグ』最優秀作品賞受賞の喜びを語るペマ・ツェテン監督
第19回東京フィルメックス(2018年11月)の折のペマ・ツェテン監督
撮影:景山咲子