第17回 大坂アジアン映画祭 ラインナップ

2022年3月10日(木)から20日(日)に開催する第17回大阪アジアン映画祭の上映作品ラインナップです。なおオンラインでの上映が3月3日(木)から21日(月)まであります。
 *上映作品一覧はこちらから
 *公式HPはこちら

●作品本数は過去最多の計76作(うち、世界初上映24作、海外初上映13作、日本初上映29作)、過去最多の31の国と地域の作品が上映予定。
※オンライン上映「大阪アジアン・オンライン座」《Theater ONE》10作品は、過去の大阪アジアン映画祭で上映された作品なので、上記の作品本数、製作国数には含まれません。

●オープニング作品は『柳川』(漫長的告白/Yanagawa)、クロージング作品は『MISS OSAKA(原題)』(Miss Osaka)。

●グランプリ、来るべき才能賞を競う「コンペティション部門」では、
・2021年香港映画興行収入第1位、梅艶芳(アニタ・ムイ)の伝記映画『アニタ』
・OAFF2017観客賞『29歳問題』彭秀慧(キーレン・パン)監督最新作のヒューマンドラマ『ママの出来事』(世界初上映)
・コン・スンヨン初主演、韓国内外の映画祭で受賞ラッシュ『おひとりさま族』
・堀家一希主演、高崎を舞台にフィリピン人の母親や同性の恋人との関係に悩む青年の葛藤を描く、飯塚花笑監督作『世界は僕らに気づかない』(世界初上映)
・メトロマニラ映画祭で作品賞など主要賞独占、『ダイ・ビューティフル』『ゲームボーイズ』制作陣が手掛けるフィリピンのブラックコメディ『ビッグ・ナイト』
・90年代に台湾に渡ったベトナム人移民女性の人生を描く壮大な叙事詩『徘徊世代』
・女子学生とアダルトショップの女性オーナーとの交流を通し、生と性について問う異色のモンゴル映画『セールス・ガール』など全15作が上映される。

●暉峻プログラミング・ディレクター肝煎りの「特別注視部門」では、
・韓国フェミニズムムーヴメントを追ったドキュメンタリー『バウンダリー:火花フェミ・アクション』
・ロカルノ、トロントでも入選、未曽有の自然災害に襲われたフィリピンを舞台にしたドラマ『Whether The Weather Is Fine(英題)』
・ヴァージニア・ウルフに心酔する北京電影学院学生による短編『自分だけの部屋』
・旅先のトルコで偶然出会ったウクライナ人男女の1日をスタイリッシュに描く短編『二度と一緒にさまよわない』
・釜山国際映画祭と全州国際映画祭で、それぞれ短編グランプリを受賞、パートナーの日本赴任を聞いた女性の揺れる心を繊細に描いた『手袋を買いに』、出来のいい弟のためヤンチャな姉が奮闘する『オートバイとハンバーガー』など全11作を上映。

●斬新で挑戦的な作品を紹介する「インディ・フォーラム部門」には日本映画20作がラインナップ。
なかでも今回は新進気鋭の東かほり監督に注目し、『ほとぼりメルトサウンズ』『暮らしの残像』の2作品を上映。
また、忘れられた昭和史の一面を浮き彫りにするサイレント映画『おもちゃ映画で見た日中戦争』をピアノ生演奏付きで特別上映。

●「焦点監督:横浜聡子」では、
『いとみち』がOAFF2021でグランプリ・観客賞のW受賞を果たすなど、その活躍が注目されている横浜聡子監督に焦点を当て、これまでの監督作品を通してそのキャリアを振り返ります。

●特集企画では、台湾、香港、東南アジアの“今”の映画から、
・侯孝賢(ホウ・シャオシェン)製作総指揮、李康生(リー・カンション)主演、張艾嘉(シルヴィア・チャン)出演のドラマシリーズ『縁起良き時』(第1話)を台湾本国での配信に先駆け、世界初上映。(TAIWAN GALA SCREENING)
・香港のベテランスターが共演、現代社会の孤独と温もりを描いた『黄昏をぶっ殺せ』を日本初上映。(HONG KONG GALA SCREENING )など現地でも注目される作品が上映される。
・その他、台湾クラシック作品として、ホウ・シャオシェンと同世代ながら、台湾ニューウェーブには属さない李美彌(ミミ・リー)監督作『女子学校(デジタル・リマスター版)』を日本で初紹介します。

●「特別招待作品部門」では
・カンヌ出品のホン・サンス監督作『あなたの顔の前で(仮題)』
・田中圭主演、城定秀夫監督最新作『女子高生に殺されたい』
・2021年中国で大ヒットのラブストーリー『あなたがここにいてほしい』
と、注目作を一般公開に先駆け日本初上映。

●【協賛企画】《芳泉文化財団の映像研究助成》では、
AIによる脚本を映画化した『少年、なにかが発芽する』など2作品を国立国際美術館で上映(入場無料)。なお助成作品全4作品のうち、2作品はインディ・フォーラム部門で上映されます。

●大阪アジアン・オンライン座《Theater ONE》では、
これまでに大阪アジアン映画祭で上映した作品の中から今こそ世界に知られるべき作品をピックアップ。山崎裕監督作『トルソ』(オンライン座・オープニング作品)など10作品を3月3日(木)から21日(祝・月)の期間限定で全世界オンライン上映します。
なお、今年のラインナップの特徴は、短編が多く、計76作のうち短編(60分未満の作品)が28作(昨年は計63作のうち短編は17作)。
プログラミング・ディレクターの暉峻創三は「今年は短編が大豊作で絞り込むことができなかった」と語っています。

連絡先
大阪映像文化振興事業実行委員会
大阪アジアン映画祭運営事務局 広報担当
〒540-0037 大阪市中央区内平野町2-1-2-6C
公式HP
まとめ 宮崎暁美

イスラーム映画祭7 『ヌーラは光を追う』(チュニジア)

『ヌーラは光を追う』
原題:Noura Rêve英題:Noura's Dream
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監督:ヒンド・ブージャマア / Hinde Boujemaa
2019年/チュニジア=ベルギー=フランス=カタール=オランダ/アラビア語/93分
★日本初公開
予告篇
https://youtu.be/vJcsiBuwKlE

『ある歌い女の思い出』(1994年)でデビューしたアラブ映画を代表する俳優ヒンド・サブリー主演作。ヒンド・サブリーは、『ある歌い女の思い出』と『ヌーラは光を追う』の両方で、北アフリカの伝統ある映画祭カルタゴ映画祭の主演女優賞を受賞。また両作はともに同映画祭のグランプリ受賞作。

ヒンド・ブージャマア監督は、2013年の山形国際ドキュメンタリー映画祭でデビュー作『良いはずだった明日』が紹介されており、本作は初の劇映画。

*物語*
ヌーラは夫ジャメルが刑務所に収監中で、病院(?)の洗濯室で働いている。職場で知り合ったラサドと恋仲になり、離婚の手続きを進めていたが、離婚成立直前に、夫が大統領恩赦で突然釈放される。ジャメルは、収監中に妻が家を引っ越し、自分のベッドを処分したことを不服に思いながら、「心を入れ替えて仕事も見つける、お祈りもする」とヌーラをなだめる。「また汚いお金で養うつもり?」とヌーラはジャメルをなじる。ラザドとの将来を夢見ていたヌーラは途方に暮れる。しかもジャメルがラザドの存在を知り・・・


ヌーラとジャメルの間には、3人の子どもがいるのですが、ヌーラは仕事が忙しいと言って、なかなか刑務所に面会にもいきません。面会に行くと、一番下の女の子は、お父さんに会えて、すごく嬉しそうにします。長女と長男は、少し大人なので、ちょっと父に対して冷めているようにもみえます。
ラザドはラザドで、ヌーラと一緒になりたい気持ちは本物だったと思うのですが、離婚成立寸前の夫の釈放に、さてどう対処するのか・・・ そうくるか・・・という結末は、名古屋や神戸の方、ぜひ映画をご覧ください。

なお、チュニジアでは、独立前、夫から一方的に離婚ができる社会でしたが、独立後に一夫多妻を国家法で禁じています。一方、男女の不義の関係が発覚した場合には、厳しく5年の懲役刑が課せられます。 もともとフランスの法律だそうです。 

★「原題“Noura Rêve”の意味は“ヌーラは夢見る”ですが、夢という字を使うにはハードな内容のため、ヌーラが“光”を意味する事もあり少しひねってこういう邦題を付けてみました」と藤本さん。 

(景山咲子)

イスラーム映画祭7 『ある歌い女(うたいめ)の思い出』(チュニジア)

イスラーム映画祭7 オープニング作品
『ある歌い女(うたいめ)の思い出』
原題:Samt El Qusur  英題:The Silences of the Palace
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監督:ムフィーダ・トゥラートリ / Moufida Tlatli
1994年/チュニジア=フランス/アラビア語、フランス語/129分
配給:エスパース・サロウ
劇場公開当時の35mmフィルムで上映
予告篇(本篇の一部)
https://youtu.be/2Vmtb6B6nTs

1994年に製作され世界各国で賞賛を浴び、日本では2001年に劇場公開されたフェミニズム映画の古典といわれている作品。
ムフィーダ・トゥラートリ監督が2021年2月に新型コロナウイルス感染症により73歳でこの世を去られ、追悼の思いも込め、21年ぶりにリバイバル上映。

*物語*
1956年にフランスから独立し、10年ほど時の経ったチュニジア。
酒場で歌うアリア。お腹に赤ちゃんがいるが、恋人は子どもを望んでいない。
チュニジア最後の皇太子シド・アリーの訃報が届く。
アリアは独立直前、母と過ごした王宮での日々を回想する。
母は王宮で厨房の仕事だけでなく、ベリーダンスを踊らされたり、夜伽もさせられていた。王宮で生まれたアリア。母は最期まで父親の名を明かさなかった・・・


2000年の地中海映画祭で観て、チュニジアがフランスから独立するまで、フランス統治下でありながら王室があったことを知った映画でした。1993年にチュニジアを訪れたことがあるのですが、その時にも認識してなかった次第。

アリアは皇太子の訃報を聞いて、久しぶりに宮殿を訪れ、かつて共に暮らした人たちと再会。いろいろな思いがよぎります。母がどんな気持ちで自分を育ててくれたかにも思いを馳せたのでしょう。恋人が反対しても産むと決意。女の子なら母の名をつけるというアリアの覚悟を決めた姿が素敵でした。
恋人とは王宮にいるときに知り合ったのですが、そのころから独立運動に携わっていた人物。そんな男が子どもを産むのを反対しているとはと、腹の座ってないことに呆れました。

◆2月19日(土)11:00『ある歌い女(うたいめ)の思い出』上映後のトーク
《アラブ映画における女性監督の軌跡 ―ムフィーダ・トゥラートリ監督を偲んで》
【ゲスト】佐野光子さん(アラブ映画研究者)


藤本さんより、本作の初上映は、1997年に吉祥寺で開催されたアフリカ映画祭で、その後、2000年の地中海映画祭での上映を経て、2001年に中野にあった武蔵野ホールで公開されたことが紹介されました。

佐野光子さんよりは、まず、ムフィーダ・トゥラートリ監督のプロフィール紹介。
1947年 チュニジア、シディ・ブ・サイード生まれ
1965年 パリの名門映画学校DHECで映画編集と脚本を学ぶ
1972年 チュニジアに帰国。映画編集者として活躍する
1994年 『ある歌い女(うたいめ)の思い出』カンヌ映画祭カメラドール特別賞、その他受賞多数。
 *アラブ初の女性監督作品と言われたけれども、初ではなく、女性監督作品として名を成した初めての作品。アラブ初の女性監督作品は、サルマー・バッカール監督による『ファーティマ75』(1975年)で、ムフィーダ・トゥラートリが編集を担当している。
その後、監督作品は、『男たちの季節』(2000年)、『ナーディヤとサーラ』(2004年)と計3本のみ。いずれも女性の沈黙、そして沈黙を破ること、母との葛藤を描いたもの。
2011年 革命直後のチュニジア暫定政権で一時期文化大臣を務めた。
存在感のある女性。
2021年2月7日 コロナで亡くなる。享年73歳。欧米でも報道される。

この後、ムフィーダ・トゥラートリ監督が編集を手掛けた多数の映画の中から、いくつか選んで詳細の説明。さらには、アラブの女性監督について、マグレブ3国、アラビア半島、エジプト、パレスチナ、シリアと、限られた時間の中で幅広く語ってくださいました。イスラーム映画祭7のオープニングを飾る充実のトークでした。

(景山咲子)




<東京アニメアワードフェスティバル 2022>

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■日 程:2021年3月11日(金)~14日(月)
■会 場:東京都・豊島区池袋
■主 催:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会、一般社団法人日本動画協会 
■共 催:東京都
■公式HP:https://animefestival.jp/ja/

★チケット オンライン販売のみ
プログラムページの各作品にチケット販売のリンクがあります。
作品によって鑑賞料金が異なります。
前売り券発売中。当日料金は200円増しになりますので、お早目に。
コンペティション部門の15作品を全て鑑賞できる「通し券」(一般4000円、学生3000円)も販売中
プログラムこちら

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コンペティション部門 長編アニメーション
『捨てられたものの街』City of Lost Things
イー・ツーイェン/台湾/ 1:30:36

『マード 私の太陽』My Sunny Maad
ミハエラ・パヴラートヴァー/チェコ・フランス・スロバキア/ 1:21:00

『ケース』The Case
マウリツィオ・フォレスティエリ/イタリア/ 0:40:00

『ボブ・スピット-人間なんてクソくらえ-』Bob Spit - We Do Not Like People
セザール・カブラル/ブラジル/ 1:30:00

コンペティション部門 短編アニメーション
スロット1(11本)、スロット2(11本)、スロット3(10本)
スロットごとの上映です。

招待作品
『ミューン 月の守護者の伝説』日本語吹替え版完成披露上映
アレクサンドル・へボヤン、ブノワ・フィリポン/フランス/85分

『アンネ・フランクと旅する日記』
アリ・フォルマン/ベルギー、フランス、ルクセンブルク、オランダ、イスラエル/99分

◆水島努監督特集
『クレしんパラダイス!メイド・イン・埼玉』&『荒野のコトブキ飛行隊 完全版』―過去・現在・そして未来へ
(チケットはグランドシネマサンシャインで)

◆大塚康生追悼企画
『未来少年コナン』―大塚康生のアニメーションは、何故私たちを魅了し続けるのか―

★★オンライン公開中
コンテンツの視聴には、TAAFオンライン参加登録(無料)が必要です。

・アニメ功労部門
「アニメの礎を担った人々」

・アニメ オブ ザ イヤー部門
「TAAF2021 アニメ オブ ザ イヤー部門 スペシャルインタビュー」

・コンペティション部門
「TAAF2021 コンペティション部門受賞者インタビュー」

イスラーム映画祭7 絶賛開催中! (咲)

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首を長くして楽しみにしていたイスラーム映画祭7が、2月19日(土)に開幕しました。
土日は、どの回も満席か満席に近い大入り♪
明日からの平日の回は、まだお席に余裕があります。
どれも、イスラーム映画祭主宰の藤本高之さんが厳選した見ごたえのある映画です。
ぜひ、お出かけください。

【イスラーム映画祭7】東京篇
渋谷ユーロスペース 2022年2月19日(土)~25日(金)
http://islamicff.com/index.html

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ユーロスペース入口で開場時にお迎えする藤本さん

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上映前には、見どころの解説
上映が終わるごとに、藤本さん自ら、座席の消毒も!

そして、今年も素敵な「イスラーム映画祭アーカイブ」を自費制作されました。
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【イスラーム映画祭アーカイブ2022】
A4サイズ、オールカラー、42ページ。 1200円。
9本のコラムだけで3万字のボリュームです。
アンコール上映5作品の解説も、前のアーカイブから転載するだけではなく、ちゃんと情報を加えてリライトしました。

☆コラムの内容
①ムフィーダ・トゥラートリ監督とアラブ映画における女性監督の軌跡
②『ある歌い女の思い出』の音楽解説
③“ズィナー(かん通)”をめぐるイスラム社会の刑法
④映画から読み解くマグリブのジェンダー秩序
⑤ボスニア紛争(1992-95)の背景と現地の今
⑥パレスチナ映画『天国と大地の間で』徹底解説
⑦イラン社会に生きるアフガン難民
⑧映画でたどるアフガニスタン戦乱の40年
⑨イスラムで同性愛はどのように捉えられているか

映画祭の上映作品だけではなく、他の映画の参考にもなるような1冊を目指しました。
(藤本高之さん記)


写真満載で、デザインもとても綺麗です。 ぜひ会場でお買い求めください。

イスラーム映画祭7 東京篇ゲスト情報
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/485232744.html

イスラーム映画祭7 上映作品
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/484504597.html