東京フィルメックス 授賞式、舞台挨拶、Q&Aの動画が視聴できます

東京フィルメックスの舞台挨拶や上映後のQ&Aについて、デイリーニュースで一部が文字で読めますが、11月12日に「ブロードキャスト」のコーナーに動画の案内が発表されました。

ブロードキャスト:
https://filmex.jp/2021/broad-cast

下記サイトで、「ONLINE FILMeX」に登録すると、動画のフルバージョンが視聴可能です。(視聴料:無料 ただし、視聴期限があるようです)
https://www.online-filmex.jp/

オンライン上映ですでに「ONLINE FILMeX」ご登録されている方は、そのIDでログインいただければ無料で見ることができます。

なお、Q&Aの短いバージョンは、登録しなくても視聴できます。

また、昨年の登記用フィルメックスのQ&Aは、公式サイトで視聴できます。

第34回東京国際映画祭(2021) ★オンライン Q&A 台湾映画 『最初の花の香り』エンジェル・テン監督

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映画ファンと国内外のキャストや映画製作者をオンラインで繋ぐ「TIFFトークサロン」。今年はTIFF YouTube 公式チャンネルから、どなたでも視聴出来ました。

TIFF シリーズ 部門は、TV放映やインターネット配信などを目的に製作されたシリーズ作品の秀作を日本国内での公開に先駆け、スクリーンで上映する試み。
最終日の11月8日、アジアン・プレミアとして『最初の花の香り』(英題:Fragrance of the First Flower 原題:第一次遇見花香的那刻])が上映されました。同作は、女性の同性愛を扱った台湾のシリーズ。LGBTQ作品に特化した台湾の動画配信サイト GagaOOLala 製作のミニ・シリーズ。平凡な家庭の主婦が、高校の後輩との再会を通し、新しい自分を発見するまでを描いた作品です。


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上映後、東京ミッドタウン日比谷と、台湾のエンジェル・テン監督を繋ぎ、リモート Q&A が始まりました。
プログラミング・ディレクターの市山尚三氏から、「今日は満席でしたよ」と聞いた途端、嬉しそうな笑顔を見せるテン監督。「有難うございます。日本語は少し学んでますが、今回は英語でお願いします」
市山 :監督の作品は映画的なのでTIFFシリーズに選びました。そもそもの企画は?
監督 :非常にラッキーでした。当時は米国にいて、コロナ禍になったため台湾に帰国しました。ちょうど台湾で 同性婚が認められた時だったので、社会的タイミングに合ったんです。
市山 :当初は映画?それともシリーズ?
監督 :キャラクターは映画でしょうか?特に決めていませんでした。短編でしたね。
市山 :場内の観客からの質問に移りましょう。最後に2人の答えを明確に出さなかった意図は?
監督 :2人が再会した時に話したい気持ちあったと思う。この点は女優とも話し合いました。 アジアでは未だ明確に出せないような気がします。
Q :魅力的なキャスティングでしたが、監督の意図は?
監督 :難しいプロセスを踏みました。 伝統的な母にするか?役割をこなせるか? もう1人は愛くるしい顔立ちが必要だったので、台詞を言ってもらい、すぐ決めました。
Q :監督は心理学を学んだと聞いています。同性婚について心理学的観点は?
監督 :心理学は映画作りに影響をもたらしました。人間を観ることが好きです。2人をラベリングしがちですが、 個々の違いはあります。 同性同士 ゲイとレズビアンカップルが家族を作るロマンチックな関係を想定しました。
Q :食事をする場面が面白いですね?
監督 :カメラマンと話し合い、日常的なシーンを作りたくて取り入れました。
Q :台湾の価値観に変化はありましたか?
監督: 変化があったことをドラマに反映させ、出ていると思います。社会の変化にフィードバックするべきだということ。挑戦でもあります
Q: 影響を受けた映画は?
監督: 『藍色夏恋』には影響を受けました。想いを人に知られたくない点など……ですね。
Q :シリーズ作品に於ける工夫は?
監督 :直感的だったが観客の側で考えてみました。2人の圧迫感を解放する運びについてです。
Q :次の企画は?
監督 :同性愛専門の監督と思われたくない(笑) 色々な作品に挑戦したいです。
Q :同じテーマで映画化は考えていますか?
監督 :物語の順番を変えたりすることは考えたが、最終的にはこの繋ぎ方になりました。映画化は考えてないです。 質的にはもう少し高めないと……。この 映画祭で上映できただけで光栄です。
Q :今後は米国に戻りますか?それとも台湾?
監督: 両方出来たらいいなと思います。 ディズニーでも作れたし、台湾でも色々な所で製作したい。 シーズン2を製作中です。
市山 :最後に皆さんへ向けてメッセージをお願いします。
監督:こういった機会を持てたことが嬉しい。東京へ 行けなくて残念です。ぜひ、この映画について 良い面でなくてもいいので意見を聞きたいです。皆さんからのフィードバックが欲しいですね。

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【視聴を終えて】
少女のように恥じらいを浮かべた笑顔を見せながら、よどみなく質問に答えていったテン監督。『藍色夏恋』が好き、という志向性から、今後も切ない恋愛映画を製作してくれそうな気がします。先ずはシーズン2に期待しましょう!
(大瀧幸恵)

★ TIFFトークサロンは、開催時間にリアルタイムで参加できなかった方でも、アーカイブで視聴できます。