山形国際ドキュメンタリー映画祭2021が始まりました (1)

2021年10月7日〈木〉~10月14日〈木〉まで、オンラインでの山形国際ドキュメンタリー映画祭2021が開催されます。
オープニング作品として、30 年間に渡り山形映画祭を支えてくれながら2020 年に惜しまれつつ幕を閉じた老舗漬物店「丸八やたら漬」の最後の1 年を記録した『丸八やたら漬 Komian』がワールド・プレミアされました(オンライン上映)。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2021
会 期:10 月7 日(木)- 14(木) 8 日間
開催方法:オンライン
公式 HP: https://www.yidff.jp/home.html

開会式
10 月7 日(木)17:00~18:00
山形市中央公民館ホール6F
※ オンラインでのライブ配信も行います。
ライブ配信サイト:https://online.yidff.jp

オープニング作品 18:30 よりオンライン上映
丸八やたら漬 Komian(監督:佐藤広一/日本/2021/105 分)

<お問い合わせ>
認定NPO 法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
(担当:井上、中西、遠藤)
Tel: 023-666-4480 Fax: 023-625-4550
〒990-0044 山形市木の実町9-52 木の実マンション201

作成 宮崎暁美

第10回 シニア女性映画祭・大阪2021

10周年記念 このつながりを力に
https://sisterwave.exblog.jp/

2021 シニア映画祭大阪チラシ_R.jpg

2021年10月29日(金)、30日(土)
大阪・豊中すてっぷホールにて上映
〒560-0026 大阪府豊中市玉井町1-1-1-501号
電話 06-6844-9773
アクセス

10月29日(金)10時開演        
『原発の町を追われて10年』
監督 堀切さとみ ドキュメンタリー/ 50分/2021年/

原発の町を追われて.jpg

福島第1原発事故で7000人の住民が全国散り散りになった双葉町。10年経った今、中間貯蔵施設だけが聳え立ち、家屋も緑豊かな風景も破壊された町に帰還する人はいない。五輪を理由に復興を進め、来年には帰れると言われても町民の思いは複雑だ。原発の間近で暮らしていた家族の10年の軌跡を辿り、復興の在り方を問うドキュメンタリー。

10月29日(金) 午後1時半開演 
 生誕120年記念
『大老女-関久子さん』
監督 伊藤えり子 ビデオ/28分/1996/日本
監督トーク 伊藤えり子さん

大老女ー関久子さん.jpg

1901年生まれの平和運動家関久子は、敗戦後大阪で婦人民主クラブの結成に尽力し、1970年に能勢ナイキ基地反対闘争加わる傍ら、その地の休耕田を借り薬草と野菜を育て始める。後継者である製作者は、「関さんが元気なうちに形にして感謝をつたえたい」との想いで、95歳で亡くなる晩年10年間を記録した。

10月30日(日)午前10時開演
『響き合う女たちの声』
監督 簡偉斯(チェン ウエイスー)
ドキュメンタリー/60分/1997/台湾(日本語字幕)

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1971年、台湾に帰国した呂秀蓮は、「女子学生が増えたことを資源の浪費といい、浮気を理由に妻を殺した夫に同情が集まる社会風潮」に対して、批判の意見を発表。ここから台湾の新しい女性解放運動が始まった。戒厳令の弾圧の中、民主化運動と共に歩んだ女たちの感動の記録。

10月30日(日) 午後1時半開演
シニア女性映画祭10周年記念特別上映(協賛・ルクセンブルク大使館)
『女たちの物語(A History of Women)』
監督 アン・シュローダー 
ドキュメンタリー/70分/2018/ルクセンブルク(日本語・英語字幕)

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ルクセンブルクは人口63万人の多言語国家だ。2019年に女性参政権100年を迎えた。2018年制作のこの映画は、20~21世紀の異なった世代の女性それぞれ5人が語る個人史と女性解放運動の歴史のドキュメンタリー。2021EU映画祭で日本初上映。(今回の上映にあたりルクセンブルク大使館のご協力をえました。)

「交流会~映画祭10周年を祝う」
  10月30日(土)17時~19時
  場所 ホテルアイボリー3F(徒歩5分)
  会費 3500円(食事付)
  要予約 20名(23日締切)

チラシ・ポスター

これまでの映画祭上映作品 

作成 宮崎暁美

第22回東京フィルメックス ラインアップが発表されました

10月6日(水)3時より、第22回東京フィルメックスのラインアップ発表記者会見がオンラインで開催されました。

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会期:10月30日(土)-11月7日(日) (全9日間)
会場:有楽町朝日ホール(10/30-11/7)、ヒューマントラストシネマ有楽町SCR2(10/30-11/6 レイトショー会場)、オンライン
チケット販売: 10月17日(日)10am開始予定
上映日程 https://filmex.jp/2021/schedule
公式HP: https://filmex.jp/


◆新プログラム・ディレクター神谷直希氏より発表
これまでのプログラム・ディレクター市山尚三氏が、2021年4月に東京国際映画祭のプログラミング・ディレクターに就任され、新たなプログラム・ディレクターとして5月に着任した神谷直希氏よりラインアップ発表が行われました。

ラインアップ発表の前に、神谷直希氏が就任の経緯を含めて自己紹介されました。
「2000年の第1回東京フィルメックスに関わり、第2回目以降は作品・プログラム担当スタッフとして、林加奈子さんや市山尚三さんをサポートして、上映作品の選定やゲストの招聘業務に携わり、フィルメックスの過程を見てきた一人です。2年ほど、フィルメックスから離れていたのですが、昨年末から市山さんの後任を探している中で候補にあがり、出戻ってきました。外部から新しい人を招くという選択肢もあったと思うのですが、フィルメックスが培ってきたものを継承していく意向です。市山さんからも継続性についてお話がありました。良い部分は継承していくべきで、またアジアの映画祭として、アジアの作品を紹介していくという意義も担っていきたいと思っています」

「今回も東京国際映画祭と同時期開催となりますが、充分棲み分けが出来たと思います。作品ありきですので、結果に反映させたい。東京国際映画祭で市山さんがプログラミングに携わっていることに対する影響はあると思います。ディレクターが代わったことに対して、不安に思っている方もいらっしゃると思いますが、あらためて信頼を勝ち取っていくしかない。引き続き、フィルメックスをどうぞよろしくお願いします。」


東京フィルメックス・コンペティション 10作品

『見上げた空に何が見える?』 What Do We See When We Look at the Sky?
ドイツ、ジョージア / 2021 / 150分
監督:アレクサンドレ・コベリゼ(Alexandre KOBERIDZE)

『朝が来ますように』 Let it be Morning
イスラエル、フランス / 2021 / 101分
監督:エラン・コリリン(Eran KOLIRIN)

『砂利道』 Hit the Road  ★長編監督デビュー作
イラン / 2021 / 93分
監督:パナー・パナヒ( Panah PANAHI )

『小石』 Pebbles  ★長編監督デビュー作
インド / 2021 / 74分
監督:P.S.ヴィノートラージ(P.S. VINOTHRAJ)

『時の解剖学』 Anatomy of Time
タイ、フランス、オランダ、シンガポール / 2021 / 118分
監督:ジャッカワーン・ニンタムロン(Jakrawal NILTHAMRONG)

『ホワイト・ビルディング』White Building
カンボジア、フランス、中国、カタール / 2021 / 90分
監督:ニアン・カヴィッチ(NEANG Kavich)

『ユニ』Yuni
インドネシア、シンガポール、フランス、オーストラリア / 2021 / 95分
監督:カミラ・アンディニ(Kamila ANDINI)

『永安鎮の物語集』Ripples of Life
中国 / 2021 / 123分
監督:ウェイ・シュージュン(WEI Shujun)

『ただの偶然の旅』 Bipolar  ★長編監督デビュー作
中国 / 2021 / 110分
監督:クィーナ・リー( Queena LI )

『青春墓場』 Graveyard of Youth
日本 / 2021 / 96分
監督:奥田庸介(OKUDA Yosuke)



特別招待作品 9作品

【オープニング作品】
『偶然と想像』 Wheel of Fortune and Fantasy
日本 / 2021 / 121分
監督:濱口竜介(HAMAGUCHI Ryusuke)

【クロージング作品】
『メモリー・ボックス』 Memory Box
フランス、レバノン、カナダ、カタール / 2021 / 100分
監督:ジョアナ・ハジトゥーマ&カリル・ジョレイジュ(Joana HADJITHOMAS & Khalil JOREIGE)

『アヘドの膝』 Ahed's Knee
フランス、ドイツ、イスラエル / 2021 / 109分
監督:ナダヴ・ラピド(Nadav LAPID)

『永遠に続く嵐の年』 The Year of the Everlasting Storm
アメリカ、イラン、チリ、タイ、イギリス、シンガポール / 2021 / 121分
監督:ジャファール・パナヒ(Jafar PANAHI)、アンソニー・チェン(Anthony CHEN)、マリク・ヴィタール(Malik VITTHAL)、ローラ・ポイトラス(Laura POITRAS)、ドミンガ・ソトマヨール(Dominga SOTOMAYOR)、デヴィッド・ロウリー(David LOWERY)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong WEERASETHAKUL)

『狼と羊』 Wolf and Sheep
デンマーク、フランス、スウェーデン、アフガニスタン / 2016 / 86分
監督:シャフルバヌ・サダト( Shahrbanoo Sadat )

『魔法使いのおじいさん』The Bogeyman
インド / 1979 / 90分
監督:G.アラヴィンダン( G.ARAVINDAN )

『瀑布』The Falls
台湾 / 2021 / 129分
監督:チョン・モンホン( CHUNG Mong-Hong )

『行くあてもなく』 I'm So Sorry
香港、フランス、オランダ / 2021 / 96分
監督:チャオ・リャン( ZHAO Liang )

『麻希のいる世界』 The World of You
日本 / 2021 / 89分
監督:塩田明彦( SHIOTA Akihiko )
配給:シマフィルム


メイド・イン・ジャパン部門 4作品

『春原さんのうた』 Haruhara-san's Recorder
日本 / 2021 / 120分
監督:杉田協士( SUGITA Kyoshi )
配給:イハフィルムズ

『夜明けの夫婦』Dawning on Us
日本 / 2021 / 135分
監督:山内ケンジ( YAMAUCHI Kenji )
配給:スターサンズ

『MADE IN YAMATO』
日本 / 2021 / 120分
監督:冨永昌敬( TOMINAGA Masanori )、清原惟( KIYOHARA Yui )、山本英( YAMAMOTO Akira )、竹内里紗( TAKEUCHI Risa )、宮崎大祐( MIYAZAKI Daisuke )
配給:boid/VOICE OF GHOST

『リング・ワンダリング』Ring Wandering
日本 / 2021 / 103分
監督:金子雅和( KANEKO Masakazu )
配給:ムービー・アクト・プロジェクト


プレ・オンライン配信 3本
今年のフィルメックス・コンペティションで上映する3監督の過去フィメックスで紹介した作品を映画祭開催に先立ってオンラインでプレ配信

『消失点』Vanishing Point
タイ / 2015 / 100分
監督:ジャッカワーン・ニンタムロン(Jakrawal NILTHAMRONG)

『昨夜、あなたが微笑んでいた』 Last Night I Saw You Smiling
カンボジア、フランス / 2019 / 77分
監督:ニアン・カヴィッチ(NEANG Kavich)

『見えるもの、見えざるもの』The Seen and Unseen
インドネシア、オランダ、オーストラリア、カタール / 2017 / 86分
監督:カミラ・アンディニ(Kamila ANDINI)


オンライン配信

配信期間:11月7日(日)-11月23日(火・祝) (予定)
料金:1作品1,700円
配信方法:公式サイトにて告知
https://filmex.jp/2021/news/information/online2021


SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021 『宴の日』

国際コンペティション
宴の日 英題:Festival 原題:잔칫날

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©2020 Storyteller Pictures & Kyeom Film All rights reserved

監督:キム・ロッキョン
出演:ハジュン、ソ・ジュヨン
2020年 / 韓国 / 108分
https://www.skipcity-dcf.jp/films/intl03.html

*物語*
イベント司会などで日銭を稼いでいるギョンマン。入院中の父を妹ギョンミと交代で看ていたが、亡くなってしまう。悲しむ暇もなく、通夜の食事から祭壇や棺など、葬儀社に選択を迫られる。蓄えはないから節約するしかない。そんな折、売れっ子の先輩から、自分の代わりに翌日港町で開かれる老婦人の傘寿の誕生日会の司会に行ってほしいと頼まれる。ギャラは200万ウォン。父が亡くなったとは言えず、葬儀を抜け出して港町に行く。依頼主から、両親は陽気な夫婦だったけど、父が亡くなってから母が落ち込んでいるので、笑わせてほしいと頼まれる。踊りの時に着てほしいと、父親が愛用していた韓服を渡される。亡き夫の服を着たギョンマンを見て、「ヨボ~(あなた)」とにっこり笑って倒れる老婦人。救急車で運ばれるが、亡くなってしまう。ギョンマンが手を取ったことから倒れたと疑われ、警察に取り調べられ、なかなか帰してくれない。葬儀社からは、まだ決めてなかった棺のことで電話がかかってくる。妹ギョンミも、喪主がいないことを親戚に責められ、途方に暮れてしまう・・・

傘寿のお祝いで亡くなった老婦人の葬儀は、息子が有力者らしく盛大。ギョンマンならずとも、格差に溜息が出ます。肉親が亡くなり、呆然としている時に、葬儀の段取りをしなくてはいけないのは、ほんとにつらいものです。葬儀社に言われるままになってしまいがちですし、せっかくならお金をかけてあげたいとも思うものです。そんな悲喜こもごもを、ユーモアも交えて描いた作品でした。韓国の葬儀や誕生祝の様子を垣間見れたのも興味深かったです。


◆キム・ロッキョン監督インタビューより
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公式サイト動画はこちら

撮影は、父の葬儀をした場所で
9年前に父を亡くしてから、いろいろ考えるようになりました。
葬儀場は大切な人を見送る場所。3日間の間に、お金を重要視する人がいたり、内輪で喧嘩が起こったりするのを子どもの頃にも見たことがありました。愛する人を思い、悲しみに浸る3日間でありたいと思いました。
「後悔しないで生きていきたい」という自身の思いからお葬式をテーマにしました。

父の葬儀で出せなかった感情を主演二人に託した
兄ギョンマンは、痛みを抱えているのに表に出せないという人物です、
ハジュンは「バッドパパ」(18)などテレビドラマで活躍していますが、オーディションの時に明るい姿しか見せないのに、あとから映像を見てみたら、それだけでないのを感じました。もう一度会ってみたら、私と似ていて、ギョンマンにも似ていて、お願いしました。二人でギョンマンを作っていきました。いい目をしていて、それも決め手でした。
妹ギョンミは、兄妹二人が一人の人物に見えるようにしたいと、ハジュンさんに決めた後に、ソ・ジュヨンさんにお願いしました。二人一緒のシーンは多くないのですが、撮影が終わってから、むしろ親しくなってました。
私は父の納棺の時に、我慢して感情を出せませんでした。私が当時出来なかったことを主演の二人に託しました。
映画を観て、人生で大切なことは何か、そして、大切な人のことを思っていただければと思います。

監督と俳優の両方を続けていきたい
本作は、初監督作品ですが、自分の俳優経験が役に立ったと思います。でも、俳優経験に基づいて、出演する俳優たちにお話しするので、しつこいと思われたかもしれません。心を使って演じないといけないので、心が傷つかないように心がけました。
これからも監督と俳優の両方をやっていきたいです。
監督としては、2本目の長編を撮り終えました。このインタビューの背景は、その映画のセットです。

(景山咲子)




SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021 『ケンザの瞳』

国際コンペティション
ケンザの瞳 Buladó
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©Gregg Telussa

監督:エチェ・ジャンガ
出演:ティアラ・リチャーズ、エベロン・ジャクソン・ホーイ、フェリックス・デ・ローイ
2020年 / オランダ、キュラソー / 86分
https://www.skipcity-dcf.jp/films/intl01.html

イグアナを射止め、バイクの青年たちをかわし、颯爽と自転車で家路に着く11歳の少女ケンザ。パトカーにはばまれる。警官の父が降りてきて、「おじいちゃんの迎えを待てと言っただろう」と叱る。
夕食。パピアメント語で話す祖父に、「この子の為にオランダ語で話してくれ」と父。
向こうっ気の強いケンザだが、学校では「警官の娘だからと生意気。変なじいちゃんもいる」といじめられている。祖父は木にいろいろぶらさげて精霊の木として崇めている。
ある日、校門から中に入らず墓地に行き、母の墓の上で寝るケンザ。
家では、母のものには触らないように言われているが、死んだ犬に母のドレスを羽織らせてみる。「汚すな」と怒る父。ケンザの記憶にない母。とても勇敢だったと聞かされる。「どんどんママに似てきた」と言われる。
3人で出かけた日、精霊の恰好をして馬に乗った祖父はそのままいってしまう・・・

死はいつもそこにある
共に生きることを学べば自由になれる

カリブ海にあるキュラソー島を舞台に描いたスピリチャルな物語。
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エチェ・ジャンガ監督は、キュラソー出身の父とオランダ生まれの母の間に生まれた方。何世代にもわたり自身の一族に伝わる古い奴隷たちの話を基に、物語を綴られました。
ケンザを演じたティアラ・リチャーズは演技未経験。祖父役のフェリックス・デ・ローイは詩人、作家、劇作家、映画監督、芸術家、キュレーターとマルチに活躍する、キュラソーを代表する文化人。

初めて聞くキュラソーという地名。
ベネズエラの北約60kmのカリブ海にある島。
17世紀からオランダ植民地だったキュラソー。2010年10月10日、オランダ領アンティルが解体され、キュラソーは単独のオランダ王国構成国の一つとなる。
アフリカ系黒人とオランダ系白人を始めとして、さまざまな民族で構成される。
宗教はカトリックとプロテスタントが中心。
と、ウィキペディアに書かれています。

ここで気になったのが、映画の中に出てきたダビデの星と、ケンザが母のお墓の上に石を置いたこと。もしかしてユダヤ?
「1651年、12人のユダヤ人が島に住み、1732年に西半球で最も古いシナゴーグを建てた」とありました。映画の中に出てきたのはキリスト教会でシナゴーグではなかったような気がします。要確認!

さらに、「キュラソー・ビザ」なるものが・・・
第二次世界大戦前、ナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人たちが出国するために用いられたのが、オランダ亡命政府の非常勤領事ヤン・ズヴァルテンディクによって発行されたキュラソー島へのビザであった。当時のオランダは、ユダヤ人への偏見が比較的少なかったため、他の欧米諸国が発行していなかったユダヤ人向けビザを発行していた(もっとも、本国はナチス・ドイツに占領されたため、植民地であるキュラソー島向けビザを変則的に発行した)。

『ケンザの瞳』を通じて知ったキュラソー。もっと知りたくなりました。


(景山咲子)