第15回大阪アジアン映画祭 受賞作品(暁)

グランプリ(最優秀作品賞)
『ハッピー・オールド・イヤー』
(Happy Old Year)タイ
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
(Nawapol THAMRONGRATTANARIT)

来るべき才能賞
パク・ソンジュ監督(PARK Sun-joo)
韓国/『家に帰る道』(Way Back Home)

最優秀男優賞
間瀬英正(MASE Hidemasa)
日本/『コントラ』(Kontora)

ABCテレビ賞
『愛について書く』
(Write about Love) 
フィリピン/監督:クリッサント・アキーノ(Crisanto AQUINO)

薬師真珠賞
レオン・ダイ(Leon DAI) 台湾
『君の心に刻んだ名前』(Your Name Engraved Herein)助演男優

JAPAN CUTS Award
『ある殺人、落葉のころに』 
日本・香港・韓国/監督:三澤拓哉(MISAWA Takuya)

芳泉短編賞
『Hammock』 
日本/監督:岸建太朗(KISHI Kentaro)

観客賞
『少年の君』 (Better Days)
中国・香港/監督:デレク・ツァン(Derek TSANG)

第15回大阪アジアン映画祭 受賞作詳細は下記をごらんください
公式サイト

第15回大阪アジアン映画祭(OAFF2020) 3(暁)

●コンペティション部門 Special Focus on Hong Kong 2020
『私のプリンス・エドワード』
My Prince Edward [金都]
3/8日 21:15 シネ・リーブル梅田
監督:黃綺琳(ノリス・ウォン)Director: WONG Yee-lam
出演:鄧麗欣(ステフィー・タン)、朱栢康(ジュー・パクホン)、鮑起靜(バウ・ヘイジェン)、金楷杰(ジン・カイジエ)、林二汶(イーマン・ラム)
2019年/香港/91分 

私のプリンス・エドワード.jpg

香港の太子(プリンス・エドワード)地区にある「金都商場」はビル全体がウェディング関係の店がしめている。その中のレンタルウェディングドレスショップに勤めるフォン(ステフィー・タン)と同じビルでウェディングビデオカメラマンとして働くエドワード(ジュー・パクホン)は同棲中。そろそろ結婚という話が出てきて、フォンは自分の戸籍を見て驚いた。実は10年前に、友人とシェアハウスに住むお金欲しさから、中国大陸・福州の香港のビザ(ID)がほしい男性と偽装結婚したのだけど、その婚姻がまだ継続中であることがわかった。離婚手続きが済んでいると思っていたのだが、仲介業者が倒産してしまって、その後の離婚手続きがちゃんと終わっていなかったのだ。相手が行方不明でわからず、単独で離婚を申し立てると離婚までに2年かかるというので頭を抱えるフォン。新聞の人探し欄に載せると、運よく先方も彼女を探していて偽装結婚の相手が福州にいることがわかった。10年がたち結婚が正式だと認められれば香港のIDが取れるのと、相手にも恋人ができ、その彼女が妊娠し相手方も結婚するのに離婚する必要があった。お互いの同意があれば2週間で手続きが済み離婚できると言われ、ちょうど良かった。
しかし、その手続きの過程で偽装結婚していたことがエドワードにバレてしまった。エドワードはほんとに偽装結婚だったのか疑い激しく嫉妬するが、友人の取り成しでなんとか収まったけど、なんとなくギクシャク。
離婚手続きと結婚式の準備を進める過程で、エドワードの愛ゆえの強引さだと思っていたことが自分への無理強いではないかと気づいたり、こういう結婚式がしたいと思っていたのに、義母の結婚式に対する思惑を押し切られそうになり、二人の思う結婚式というわけにいかずだったり。エドワードとの諍いや、義母との軋轢の中、これまで当たり前に受け入れていた事に疑問を持ち始め、結婚と幸せについて改めて考え始める。

OAFF2019公式HPより
脚本家兼作詞家として活躍してきた黃綺琳(ノリス・ウォン)、初の単独監督長編作。過去のOAFF上映作品『誰がための日々』(OAFF2017『一念無明』)、『淪落の人』(OAFF2019『みじめな人』)を輩出してきた「オリジナル処女作支援プログラム(首部劇情電影計劃)」入選作であり、作品のクオリティは折り紙つき。きめ細やかなキャラクター設定、登場人物の心の機微を絶妙に描写してみせる手腕、英語タイトル「My Prince Edward」にさらりとダブルミーニングを込めてしまうセンスは熟練した脚本家としての本領を見事に発揮している。

★香港映画界最注目新人監督の作品。第39回(2019)香港電影金像奨で、ステフィー・タンは主演女優賞に、ジュー・パクホンは主演男優賞にそれぞれノミネート。香港電影評論学会大奬で最優秀脚本賞を受賞。

●特集企画《Special Focus on Hong Kong 2020》
『花椒の味』 Fagara [花椒之味]
3/9月 12:00 シネ・リーブル梅田4   
監督:麥曦茵(ヘイワード・マック)Director: Heiward MAK
監制(プロデューサー):許鞍華(アン・ホイ)、朱嘉懿(ジュリア・チュウ)
配樂(音楽):波多野裕介
出演:鄭秀文(サミー・チェン)、赖雅妍(メーガン・ライ)、李曉峰(リー・シャオフェン)、鍾鎮濤(ケニー・ビー)、任賢齊(リッチー・レン)、劉徳華(アンディ・ラウ)
2019年/中国・香港/118分 

花椒の味.jpg

自分と母親を置いて家を出てしまった父(ケニー・ビー)とは距離を置いていた如樹(ユーシュー)=サミー・チェンは、父の急死で自分に異母姉妹が二人いることを知る。一人は母親と共に台北に住む如枝(ユージー)=メーガン・ライ、もう一人は祖母と重慶に住む如果(ユーグォ)=リー・シャオフェン。香港・内陸・台湾の三地に分かれた姉妹が父の死を機に葬儀の席で出会う。初めて顔を合わせた3人は、始めはよそよそしかったけど、それぞれの事情を越えて理解しあう。
父は香港島大抗で火鍋店を経営していたが結構繁盛していた。賃貸契約期間が残っていて、途中で解約すると違約金を払わなくてはならなかったり、雇われていた従業員がすぐには仕事をみつけられないというような事情があって、如樹は、残った賃貸契約期間を全うすることにした。
店を再開したのはいいけど目の回る忙しさに疲れきった如樹は、重慶と台北に帰っていた姉妹に手伝ってくれるようにSOSを。それぞれ居場所をみつけようとしていた二人は戻ってきてくれて、三人は協力しあって店を切り盛りする。
しかし、父の作った火鍋の出し汁の在庫が少なくなり、レシピが従業員には伝わっていなかった。父の残した火鍋スープのレシピを再生する過程で、育った文化も境遇も違う三人に、姉妹としての情と絆が芽生えてくる。それぞれが抱える問題も描きながら、店を立て直す姿が描かれる。家族とのわだかまりや、自分の進んで行く方向の模索など、それぞれの夢と現実をかかえながら歩む女性たちの姿が美しい。そして、それにちょこっとづつ力を貸してくれる母や祖母など家の族存在や、任賢齊や劉徳華など男性人の言葉が嬉しい。これぞ許鞍華ティストという感じ。「花椒」はピリッと渋くて辛いけどおいしい。

●コンペティション部門 Special Focus on Hong Kong 2020
『少年の君』Better Days [少年的你]
観客賞受賞
3/10火 13:20 シネ・リーブル梅田4
監督:曾國祥(デレク・ツァン) Director: Derek TSANG
出演:周冬雨(ジョウ・ドンユー)、易烊千璽(ジャクソン・イー)
2019年/中国・香港/135分 

少年の君.jpg

中国内陸部の都市にある高校。内向的な優等生ニエン(ジョウ・ドンユー)は難関大学に合格して北京に行けば人生を変えることができると信じて、毎日懸命に勉強している。母親と二人暮らしだが、母はニエンの学費をかせぐためインチキ化粧品の違法な販売をしている。借金もあり、借金取りが時折りやってきては玄関のドアを怒鳴りながら激しく叩く。そんな時、ニエンは黙って耐え、嵐が過ぎ去るのを待つしかありません。
全国統一試験(「高考」)まであと数ヶ月となり、生徒たちは学校でも机に山のように教科書や参考書を積みあげ、受験勉強に励んでいます。そんな中、ある女子生徒が学校で投身自殺。彼女は3人組の女子生徒からいじめを受けていた。そして、今度はいじめの対象がニエンに移ってしまい、毎日いじめられるようになってしまった。
ある日の帰り道、喧嘩に巻き込まれた不良少年を救ったことから、シャオベイ(ジャクソン・イー)と知り合う。優等生と不良少年、対極的な立場の二人だけど、寂しい思いを抱えて孤独に生きる者同士、孤独な心を通わせるようになっていた。高考まで一ヶ月、3人の女生徒によるいじめはますますエスカレート。放課後もニエンを待ち伏せするようになり、危険を感じたニエンはシャオベイにボディーガードしてくれるよう頼む。

その後がミステリー調になっていて、驚きの展開になっていく。
中国での過酷な大学受験の競争と、陰湿ないじめ、そして格差社会の実体が描かれ、そこから逃れるために必死な親と子供たち。そして学校や社会の姿があぶりだされる。それにしても、主人公を演じる周冬雨は、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『サンザシの樹の下で』(2010)でデビューして10年。すでに20代後半だと思うけど、高校生を演じても全然不自然でないくらい年齢不詳でびっくり。

●コンペティション部門 
TAIWAN NIGHT/台湾:電影ルネッサンス2020
『大いなる餓え』 
Heavy Craving [大餓]
3/8日 12:00 シネ・リーブル梅田4    
監督:謝沛如(シエ・ペイルー)Director: HSIEH Pei-ju 
出演
姜映娟:蔡嘉茵(ツァイ・ジャーイン)
呉浩仁:柯淑勤(クー・シュウチン)
張耀仁(チャン・ヤオレン)
張恩瑋(チャン・エンウェイ)
2019年/台湾/90分 

大いなる餓え.jpg


台湾のダイエット映画。30歳独身、彼氏なし、体重105キロの姜映娟(チアン・インジュン)は、母親が主任の(経営も?)保育園で給食を担当している。ストレートな性格と美味しい料理は園児にも人気だが、太りすぎと、仕事もパート?の状態なので、心配する母は求職活動することも考え、映娟の誕生日にダイエット教室の入学をプレゼント。最初はダイエット教室に気乗りしない映娟だったけど、宅配便の二枚目の好青年呉浩仁に親切にされたことから淡い恋心をいだき、肥満児だったという浩仁の励ましもありダイエットに励むようになる。
一方、ひょんなことから一人の保育園男児の女装への興味を知り、女装を目の仇にする男児の母親の目を盗み、ありのままでいいと男児を励まし、自分の幼い時のドレスを着せたりしていた。この二つは、当初幸せな展開になりそうな気配を見せるが…。

ダイエット作戦は過熱していくが、無理な減量は徐々に映娟の心を蝕んでいき、ひと波乱。でも、母親も映娟の気持ちを理解し、母と娘は仲直り。映娟はありのままで行きて行くことに。
いろいろな価値観についての映画。それにしても、映娟を演じた蔡嘉茵の存在感がすごい!




「花開くコリア・アニメーション2020+アジア」 変更のお知らせ

日程および一部内容変更のお知らせとお詫び

お知らせが届きました。
「新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受けて、来場者の皆様および関係者の健康・安全面を第一に考慮し、各会場の日程を下記のとおり変更いたします」

[大阪会場]

4月4日(土)・5日(日)
 →上映は予定どおり開催
  ゲストイベントは現地とのスカイプトークにて実施
 →5日(日)韓国おしゃべりランチ交流会は中止
4月6日(月)・7日(火)・8日(水)の19時からの上映
 →5月以降の週末(3回分を1日にして)に延期:日程は追って発表

[東京会場]
4月25日(土)・26日(日)
→延期:日程は追って発表

[名古屋会場]
5月16日(土)・17日(日)
→10月24日(土)・25日(日)に延期

花開くコリア・アニメーション2020+アジア
http://anikr.com/