大林宣彦監督・第32回東京国際映画祭、特別功労賞受賞&『海辺の映画館-キネマの玉手箱』ワールドプレミア上映

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11月1日、大林宣彦監督が第32回東京国際映画祭の特別功労賞を受賞し、チェアマンの安藤裕康氏からトロフィーが授与された。

最新作「Labyrinth of Cinema=海辺の映画館 キネマの玉手箱」上映後の舞台挨拶に車椅子で登壇した大林監督。作品に欠かせない女優の常盤貴子も花束贈呈役として登場。「貴子ちゃ〜ん、貴子ちゃ〜ん、どこだ~い?」急に呼び出す自由な大林監督の声に、慌てて舞台袖から飛び出すと、「ねっ!女優さんが来ると盛り上がるでしょ?」。場内は明るい歓声に満ちた。

日時:2019年11月1日 (金) 19時55分〜
場所:東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズ


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安藤チェアマンから、「30年は撮ってほしい 、映像純文学!」と水を向けられると、「1000年でも約束しますよ!」と高らかに宣言する大林監督。

トロフィーを手にした大林監督は「貴重な功労賞を頂きました。すごいね、重いね。まだまだ、やっていないことの方がいっぱいある。やらないことをやれば星の数ほど面白いことができる。これから3000年は生きますよ!」”3000年宣言”に場内は爆笑、大きな拍手に包まれた。

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この日がワールドプレミアとなった最新作『Labyrinth of Cinema=海辺の映画館 キネマの玉手箱』は、久々に監督の故郷・尾道の映画館を舞台にし、若者たちが“戦争映画”の世界にタイムスリップするファンタジー。「前作の『花筐 HANAGATAMI』はサヨナラホームランで、今回は場外ホームランだって言ってくれた人がいましたよ。とにかく仰天してください。仰天することが何よりも映画の魅力です」と観客へ呼びかけた。

同作に出演する厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲(新人)、山崎紘菜、常盤貴子が登壇。まず、MC役の安藤紘平氏が、「酷暑の中でブルーバック撮影をこなしていた大林監督。見学に訪れた山田洋次監督が、『これはどういう映画?』と驚いて予想もつかない様子だった」と現場の雰囲気を語った。

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厚木拓郎、「20年ぶり尾道で撮ると感動の声が違う」
ヒロインの吉田玲、「大林組は初参加。方言やアクションなどあって緊張。 教科書よりも良い教材でした」

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大林作品3作目の常盤は、「お話ししていると、全てのネタが映画になる。サービス精神旺盛な大林監督が、私たちに走馬灯を見せてくれた奇天烈な験(笑)。こんな映画を撮れる人はいないと思います」
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山崎紘菜(後列右から2人目)「私は大林校長の生徒!ミュージカル、アクションを演じたいという夢を叶えてくれた」
細山田隆人(左から2人目)、「今日が世界初公開!監督の仰ったことが咀嚼しきれないほど沢山あり過ぎて…。災害時に監督は『あの戦争の匂いがする』と呟いたのが印象的」
細田善彦(左端)、「男優2人が長々と喋ったので僕は短めに(笑)。初の大林組参加で最も成長できたのは僕!」

と、それぞれが撮影と映画の完成について振り返った。

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肺がんのステージ4で、3年前に余命3カ月と宣告された大林監督。そのお茶目で楽しげな様子から、映画を本当に愛している精神、次世代に伝えたいことがひしひしと伝わってきた。3000年後も大林監督が映画の創り手であるのが不思議ではないと思えた夕べだった。
撮影・文:大瀧幸恵


2019年製作/179分/PG12/日本
配給:アスミック・エース
(C) 2020「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」製作委員会/PSC
★2020年4月公開★