2019東京・中国映画週間

『2019東京・中国映画週間』
10月22日~11月1日

(1) 開幕式&オープニング映画上映
日時:10月24日(木) 14:00~
会場:東京都写真美術館ホール

(2) 閉幕式&ゴールドクレイン賞授賞式クロージング映画上映
日時:10月29日(火)
会場:有楽町朝日ホール
授賞式15:00~17:00
映画上映17:30~19:35

(3) 特別展示会「映画の旅」展
期間:10月28日(月)~11月1日(金)
時間:10:30~17:30
会場:中国文化センター
記念式典:10月28日(月) 13:00~13:30

公式HP

上映作品&上映日時

『ナタ~魔童降臨~』
監督:餃子(ジャオズ)
脚本:饺子(ジャオズ) / 易巧(イー・チャオ )
キャスト:呂鮮婷(ルー・シエンティン)/ 囧森瑟夫(ジョセフ) / 瀚墨(モー・ハン)
製作年:2019年 ジャンル:アニメーション 上映時間:110分
あらすじ:殷王朝最後の紂王を倒すために作られた霊丸。ナタはそれを託され英雄となるはずだった。ところが魔王として生まれる魔丸にすり替えられてしまう。英雄となるはずだったナタは世を混乱に陥れる魔王になる運命を背負うことに…。
10月24日(木) 14:50-16:40 東京都写真美術館ホール
           上映前、開幕式あり。14:00~

『流転の地球』
監督:郭帆(フラント・グォ)
脚本:龔格爾(ゴン・グーアール)/厳東旭(イェン・ドンシュー)/ 郭帆(グオ・ファン)等
キャスト:呉京(ウー・ジン)/屈楚蕭(チュー・チューシャオ)
李光潔(リー・グアンジエ)/ 呉孟達(ウー・マンダー)
製作年:2019年 ジャンル:SFファンタジー 上映時間:125分
あらすじ:太陽の爆発によって引き起こされる地球の壊滅を防ぐために人類が選択したのは地球上1万箇所にエンジンを取り付けて太陽の引力から脱出し、2500年掛けて新たな惑星を目指す壮大な計画だった。

10月26日(土) 13:30-15:35 東京都写真美術館ホール
10月29日(火) 17:30-19:35 有楽町朝日ホール
           15:00~閉幕式&授賞式あり

『高度一万メートルの奇跡』
監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)
脚本:于勇敢(ユー・ヨンガン)
キャスト:張涵予(チャン・ハンユー)/ 欧豪(オウ・ハオ)
杜江 (ドゥー・ジァン)/ 袁泉 (ユアン・チュアン)
張天愛(チャン・ティエンアイ)/ 高戈(ガオ・ゴー)/ 李沁(リー・チン)
製作年:2019年 ジャンル:ヒューマンドラマ 上映時間:111分
あらすじ:2018年、四川航空3U8633便に起きた実際の事件を元につくられた作品。標高1万メートルの上空で突如コックピットに亀裂が入り、フロント硝子がはじけとんだ。機内の気圧が一気に下がり、乗客は生死の淵に立たされる。

10月25日(金) 16:30-18:21 東京都写真美術館ホール
10月27日(日) 18:10-20:01 東京都写真美術館ホール    
           上映後、舞台挨拶あり。

『青雲 ~投げ出した人生の拾い方~』
監督:滕丛丛(テン・ツォンツォン)
脚本:滕丛丛(テン・ツォンツォン)
キャスト:姚晨(ヤオ・チェン)/ 袁弘(ユエン・ホン)
李九霄(リー・ジュウシャオ) / 梁冠華(リャン・グァンホア)
楊新鳴(ヤン・シンメイ)
製作年:2019年 ジャンル:ヒューマンドラマ 上映時間:99分
あらすじ:女性の視点から女性の運命を描くヒューマンドラマ。卵巣がんを患った女性が手術費を集めるために自らの運命を切り開くストーリー。

10月23日(水) 16:20-17:59 東京都写真美術館ホール
10月26日(土) 11:20-12:59 東京都写真美術館ホール

『影 ~ロスト・イン・ラブ~』
監督:霍建起(フォ・ジェンチイ)
脚本:霍建起(フォ・ジェンチイ)
キャスト:陳暁(チェン・シャオ) / 杜鵑(ドゥー・ジュアン)
王嘉(ワン・ジャー)/ 馬蘇(マー・スー)
製作年:2019年 ジャンル:ラブストーリー 上映時間:96分
あらすじ:バイオリニストのルーソンとインテリアデザイナーのウェンインはパリで出会ってから、いつのまにか深く惹かれあうように。霍建起監督の傑作ラブストーリー。

10月24日(木) 10:40-12:16 東京都写真美術館ホール
10月25日(金) 18:50-20:26 東京都写真美術館ホール

『最高の夏、最高の私たち』
監督:章笛沙(チャン・ディーシャ)
脚本:章笛沙(チャン・ディーシャ)/ 黄斌 (ホアン・ビン)/ 黄墨奇(ホアン・モウチイ)
キャスト:陳飛宇(チェン・フェイユー)/ 何藍逗(ハー・ランドウ)
恵英紅(クララ・ワイ)/ 周楚濋(ジョウ・チュウチュウ)
製作年:2019年 ジャンル:ラブストーリー 上映時間:110分
あらすじ:誰しも忘れられない思い出の人がいる。カメラマンの耿耿(グングン)にとってそれは高校時代の余淮(ユージュン)だった。劣等生と成績優秀な二人。懐かしくもどかしい記憶をたどると・・・。

10月22日(火) 18:30-20:20 東京都写真美術館ホール
10月27日(日) 15:30-17:30 東京都写真美術館ホール
           上映後、舞台挨拶あり。

『烈火英雄 ~戦士達に贈る物語~』
監督:陳国輝(チェン・グオフェイ)
脚本:王超(ワン・チャオ)
キャスト:黄暁明(ホアン・シャオミン)/ 杜江(ドゥー・ジャン)
譚卓(タン・ジュオ)/ 楊紫 (ヤン・ズー)
製作年:2019年 ジャンル:ヒューマンドラマ 上映時間:120分
あらすじ:濱海市の港湾地域で配管破裂事件が発生!配管内の原油が流れだし海面一帯に炎が広がる。相次いで起きる爆発。市民を守るため火消したちは決死の覚悟で炎に飛び込む。

10月24日(木) 17:10-19:10 東京都写真美術館ホール
10月26日(土) 16:00-18:00 東京都写真美術館ホール

『銀河学習塾』
監督:鄧超(ダン・チャオ)/ 兪白眉(ユー・バイメイ)
脚本:兪白眉(ユー・バイメイ)
キャスト:鄧超(ダン・チャオ)/ 白宇(バイ・ユー)
任素汐(レン・スゥシー )/ 王西(ワン・シー)
製作年:2019年 ジャンル:ヒューマンドラマ 上映時間:147分
あらすじ:暗闇が続く宇宙、空間交信が途切れた宇宙飛行士が思い出したのは父との思い出だった。親子の織り成す時空を越えた、居心地の良い、温かなストーリーに包まれたとき人々は涙する。

10月22日(火) 15:30-17:57 東京都写真美術館ホール
10月25日(金) 13:30-15:57 東京都写真美術館ホール

『完璧な他人 ~スマホが暴く秘密たち~』
監督:于淼(ユー・ミャオ)
脚本:李潇(リー・ショウ)/ 王思(ワン・スウ)/ 王歓(ワン・ホァン)
キャスト:佟大為 (トン・ダーウェイ)/ 馬麗(マー・リー)
霍思燕 (フォ・スーイェン)/ 喬杉(チャオ・シャン)
製作年:2018年 ジャンル:コメディ 上映時間:103分
あらすじ:久々に顔を合せた同級生。そのうち一人がスマホを使ったゲームを提案する。そのゲームとは参加者に届いたメールやSNS、電話などを全てみんなの前で公開するというものだった・・・。

10月23日(水) 18:30-20:13 東京都写真美術館ホール
10月26日(土) 18:30-20:13 東京都写真美術館ホール

『越劇映画‐西廂記』
監督:夏偉亮(シア・ウェイリャン)
脚本:孫虹江(ソン・ホウンジャン)
キャスト:方亜芬(ファン・ヤアフェン) / 銭恵麗(チェン・フイリー)
張永梅 (チャン・ヨンメイ)/ 呉群(ウー・チユン)
製作年:2019年 ジャンル:戯曲 上映時間:137分
あらすじ:中国上海越劇院の『越劇映画-西廂記』は、方亜芬、銭恵麗、張永梅、呉群など上海越劇院の著名俳優らによる素晴らしい舞台を映画化。新たに一新した衣装にも御注目。

10月23日(水) 13:30-15:47 東京都写真美術館ホール
10月27日(日) 12:40-14:57 東京都写真美術館ホール
           上映後、舞台挨拶あり

まとめ 宮崎暁美






山形国際ドキュメンタリー映画祭2019  大賞は『死霊魂』に

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 授賞式

●受賞者2.jpg
受賞者の皆さん

10月10日から17日まで開催されていた山形国際ドキュメンタリー映画祭2019の授賞式が、16日山形市中央公民館で行われ、各部門の受賞作品が発表された。
インターナショナル・コンペティション部門の大賞にあたる「ロバート&フランシス・フラハティ賞」は、中国共産党による反右派闘争の時代、粛清されゴビ砂漠の収容所に送られ、生き延びた人々の証言を集め、亡くなった方たちを慰霊する王兵(ワンビン)監督の作品『死霊魂(しれいこん)』に贈られた。『死霊魂』は8時間26分に及ぶ作品。王監督の大賞受賞は3回目。観客によって選ばれる市民賞にも選ばれた。
アジアの作品を対象にしたアジア千波万波部門の最高賞「小川紳介賞」には、レバノン内戦で行方不明になった人たちの存在を描いたガッサーン・ハルワーニ監督の『消された存在、__立ち上る不在』が受賞。両作品は米アカデミー賞の応募資格を得た。授賞式に参加できなかった両監督は、映像メッセージが紹介された。王兵監督は中国で新作を撮影中で作品製作が佳境とのこと。ガッサーン・ハルワーニ監督は広島での体験(死者が残した影を見た)が本作の背景になったと型っていた。受賞作は、17日に7本が上映された。
30周年、16回目を迎えた山形国際ドキュメンタリー映画祭2019は、コンペ、アジア千波万波の両部門に過去最多の応募があり、この中から計176本が上映された。

受賞作
★インターナショナル・コンペティション部門
審査員:オサーマ・モハンメド(審査員長)、ホン・ヒョンスク、サビーヌ・ランスラン、デボラ・ストラトマン、諏訪敦彦

ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
『死霊魂』 監督:王兵(ワン・ビン)
https://www.yidff.jp/2019/ic/19ic04.html
●王兵監督.jpg

山形市長賞(最優秀賞)
『十字架』
監督:テレサ・アレドンド、カルロス・バスケス・メンデス
https://www.yidff.jp/2019/ic/19ic03.html
●テレサ・アレドンド、カルロス・バスケス・メンデス.jpg

優秀賞
『ミッドナイト・トラベラー』
監督:ハサン・ファジリ
https://www.yidff.jp/2019/ic/19ic09.html

『これは君の闘争だ』
監督:エリザ・カパイ
https://www.yidff.jp/2019/ic/19ic14.html
●エリザ・カパイ監督.jpg

審査員特別賞
『インディアナ州モンロヴィア』
監督:フレデリック・ワイズマン
https://www.yidff.jp/2019/ic/19ic10.html

★アジア千波万波
審査員:楊荔鈉(ヤン・リーナー)、江利川憲

小川紳介賞
『消された存在、__立ち上る不在』
監督:ガッサーン・ハルワーニ
https://www.yidff.jp/2019/nac/19nac07.html
●消された存在、__立ち上る不在.jpg

奨励賞
『ハルコ村』
監督:サミ・メルメール、ヒンドゥ・ベンシュクロン
https://www.yidff.jp/2019/nac/19nac21.html
●サミ・メルメール監督.jpg
ヒンドゥ・ベンシュクロン監督

『エクソダス』
監督:バフマン・キアロスタミ
https://www.yidff.jp/2019/nac/19nac08.html
●バフマン・キアロスタミ監督.jpg

★市民賞
『死霊魂』監督:王兵(ワン・ビン)

★日本映画監督協会賞
『気高く、我が道を』
監督:アラシュ・エスハギ
https://www.yidff.jp/2019/nac/19nac10.html
●アラシュ・エスハギ監督.jpg

受賞作品上映スケジュール

各賞について

山形国際ドキュメンタリー映画祭がアカデミー賞公認映画祭!日本初のドキュメンタリー作品での公認映画祭として受賞作はそのままエントリー可能に。
https://www.yidff.jp/news/18/180913.html

クロージングパーティでのお宝写真
ショーレさん、アラシュ・エスハギ監督、ナデリ監督、バフマン・キアロスタミ監督3.jpg
左からショーレ・ゴルバリアンさん(ペルシャ語通訳)、アラシュ・エスハギ監督、アミール・ナデリ監督、バフマン・キアロスタミ監督
文・写真 宮崎暁美


山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 ほかの記事へのリンク

今年も山形へ(暁)(2019-10-14 04:46)
山形は夢に・・・ イラン特集観たかった! (咲)(2019-10-13 22:11)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 開幕(暁)(2019-10-13 07:28)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 Yamagata International Documentary Film Festival YIDFF 2019(2019-09-28 09:13)

以下は「シネマジャーナル おすすめ映画&イベント」の記事 •山形国際ドキュメンタリー映画祭2019もうスグです‼︎(2019-09-26 00:00)

以下は「ミッキーの毎日・映画三昧」の記事
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019(3) 『アリ地獄天国』(2019-10-14 08:49)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019(2)『放つ』『ホセイン・ヤハリ』『借家』(2019-10-13 14:07)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019(1)『インディアナ州モンロヴィア』『気高く、我が道を』(2019-10-12 17:04)

今年も山形へ(暁)

4年前の2015年第14回から参加している山形国際ドキュメンタリー映画祭。ほんとは始まった1989年から行きたかったのだけど、ちょうど映画祭がある頃にシネマジャーナル本誌が入稿直前にぶつかっていて、ずっと行くことができずにいた。そして東京国際映画祭の直前ということもあり、その前に済ませておきたい原稿書きなどもあったので行けなかったのですが、4年前、台湾のドキュメンタリー映画特集があり、意を決して山形にでかけたのでした。そして映画祭の雰囲気と山形の街、そして映画祭に集う映画好きたちとの交流の楽しさにすっかり魅了されました。会社をリタイアし、弾丸日程ではなくゆっくり出かけられることになったのもあり、前回からはとうとう全日来ることに。もっともシネマジャーナルが一昨年(2017)、年1回4月発行になったからというのもありますし、母の介護が終わったということもあります。おかげでゆったりこられることになりました。でもその代わりネットが中心になったので、これまでのように帰ってからレポートを書けばいいというのではなくネットに載せなくてはならず、映画のあとおちおち交流を楽しむというわけにはいかなくなったのがちょっときつい。飲んで帰ったあとパソコンに向かう日々です。

一昨年は開会式前日の夜行バスに乗り、当日の朝、山形に着いて、蔵王の山頂まで行ったのですが、今年も前日の夜行バスに乗り、開会式当日の10日早朝に山形駅に着き蔵王に行ってきました。スキーをやっていた私にとって、蔵王はスキーでしか来たことがなかったのですが、紅葉の時期の蔵王もすばらしかったので、今年も蔵王へ。

●鳥海山.jpg
鳥海山

しかし、去年と同じ地蔵岳山頂ではなく、中央高原という隣の斜面を登るロープウェイで鳥兜山山頂に向かいました。すばらしい天気で真っ青な空でした。そして、飯豊・朝日連峰、月山、鳥海山まで見ることができました。ロープウェイの方たちによるとよほど良い天気でないと、鳥海山までは見えないといっていたのでほんとにラッキーでした。展望台には山形県ゆかりの斉藤茂吉の碑もありました。
2014年に心臓弁膜症であることがわかり手術をし、その後順調に回復していると手術をした先生には言われてはいるのですが、最近、また歩くとけっこう息が切れるようになりました。それでもかつては山登りが趣味だったので、そんなに歩かないでロープウェイで登れる蔵王に行ったのです。
去年は前日、初雪が降り、雪と紅葉がとてもきれいでした。でも周りの山々の名前はわかりませんでした。今年は紅葉にはまだ早かったけど、遠くの山々が見え、ロープウェイの案内の方が山の名前を教えてくれました。教えてくれた飯豊、朝日、月山、鳥海山とも30年くらい前に登った山々で、とても感慨深いものがありました。
あまり天気がいいので、刈田岳のお釜も行ってみることにしました。ここは山形駅前から1日1便直通バスが10月末まで出ています。ロープウェイを降りてバスに乗ったらびっくり。平日だから空いているだろうと思ったらたくさんの人が乗っていて空きはなく、しかたなく補助席に座って約1時間。刈田岳の山頂停留所まで行きました。バスを降りてお釜が見えるところまでフウフウ言いながら登っていくと、お釜とその周りの山々の景色が広がりました。ここは40年前、高校の修学旅行で来たところだったのですが、その時とはずいぶん感じが違っていて、こんなだったかなと思いました。中の水の量が少なかったのと周りの崖が崩壊によってかなり崩れていたのかもしれません。それにしてもいい天気なので、ほんとにたくさんの人が来ていました。

●P1080555補正.jpg
お釜

それでも飯豊・朝日連峰のほうの空を見ると券雲が出ていました。天気が崩れる前に現れる雲として知られる券雲。大型の台風が近づいていると予報が出ていたのでその前触れだったのでしょう。やはり次の日11日は、曇りから雨の天気でした。そして12日は朝から雨。関東地方はすでに台風の影響で、新幹線の運行中止などが出ていました。それなのに、12日は東京から来た仲間たちと映画終了後飲みに行ってしまいました。この日は王兵(ワンビン)の8時間26分!におよぶ『死霊魂』という作品を観たので、これはもう語らずにはいられないということで、この作品を観た4人の仲間で雨の中すずらん街へ。帰りはそうとう雨風がすごくて、宿にたどり着いたときにはズボンも靴もグチャグチャ。それでも「ああ山形に来た」という満足感でいっぱいでした。おかげで原稿どころではなかったのだけど、とにかくオープニングだけはアップしなければとまとめていたら、結局朝になってしまった。映画祭に行ったら5時間くらいは寝ようと思っていたのに、これでは東京にいるときと一緒。いかんいかん(笑)、映画中に寝てしまうから寝なくては。
作品紹介についてはまた後ほど。


山形は夢に・・・ イラン特集観たかった! (咲)

これまで毎回行きたいと思いながら、重い腰をあげることのできなかった山形国際ドキュメンタリー映画祭。
今年は、革命前のイラン映画特集が組まれると知って、これは行かなくては!と。
ところが、10月12日(土)に高校の同級生の恒例のコンサートに行くと5月から約束していて、これは外せない。ということで、10月13日~14日の1泊2日で行くことにしていました。ところが、台風接近で、12日のコンサートが中止と11日に連絡が。思い切って、12日の午前中に山形に行ってしまおうかとも思ったのですが、台風が来る中、父を一人置いていくことはさすがの私も気が引けます。台風が大きくそれて影響のないことを祈りつつ、台風が通り過ぎるのを待ちました。
緊急速報メールが、けたたましいアラームと共にしょっちゅう入ってドキドキしましたが、9月の台風の時より、我が家では風も雨も静かでした。
12日の内に、山形新幹線は、13日終日運休と決定。東北新幹線経由で仙台から行こうと軽く思っていました。ところが、台風の被害はすさまじく、あちこちで川が氾濫。多くの方が被災されたことに、もう言葉もありません。
土砂崩れなどで鉄道も寸断。東北新幹線も仙山線も仙台~山形の高速バスも運行見合わせ。それでも、なんとか山形に行けないか・・・と、運行状況を見続ける私。さすがに2時過ぎに、これはもう無理と諦めました。やはり今日、山形に向かうというIさんから、4時頃に東北新幹線が動くようですと連絡をいただいたけど、東京駅に駆け付けるには、我が家は遠い! 

行けなかった顛末が長くなってしまいましたが、今年組まれたイラン特集と、その他のイラン作品について、ここに記録しておきたいと思います。

◆リアリティとリアリズム:イラン60s-80s
10月11日-15日 会場:ソラリス1

世界中で多くの人を魅了し続けるイラン映画。その魅力の根源を60年代から80年代の作品の中に探る。イラン映画の魅力の一つである、映画の中のリアリティと映画表現としてのリアリズムにじっくり向き合うことのできる作品を、劇映画、ドキュメンタリー映画、実験映画から長短編合わせて15本上映する。60年代末にはじまる「イラン・ニュー・ウェーブ」の嚆矢となった、ソフラブ・シャヒド・サレス、バハラム・ベイザイの60年代から70年代の劇映画をはじめ、近年、イラン国立映画アーカイブで復元され、今回、日本で初めての紹介となる、カムラン・シーデルの60年代のモノクロ作品や、日本初上映となるアッバス・キアロスタミの『第1のケース…第2のケース』、エブラヒム・モフタリが1979年のイラン・イスラーム革命後に制作した『借家』、ホスロ・シナイの70年代の作品『ホセイン・ヤヴァリ』、アミール・ナデリの80年代の傑作『水、風、砂』など。ゲストにアミール・ナデリを迎え、トークセッションも開催する。

*10月11日16:40~
『あの家は黒い』監督:フォルーグ・ファッロフザード/1962/21分
『髭のおじさん』監督:バハラム・ベイザイ/1969/28分
『放つ』監督:ナセル・タグヴァイ/1971/24分 

*10月11日18:40~
『ホセイン・ヤヴァリ』監督:ホスロ・シナイ/1973/17分
『借家』監督:エブラヒム・モフタリ/1982/42分 
ミッキーの毎日・映画三昧 http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/470856199.html

*10月12日10:30~
『第1のケース…第2のケース』監督:アッバス・キアロスタミ/1979/53分 

*10月13日13:30~
『白と黒』監督:ソフラブ・シャヒド・サレス/1972/4分
『ありふれた出来事』監督:ソフラブ・シャヒド・サレス/1973/80分 

*10月13日16:00~
『静かな生活』監督:ソフラブ・シャヒド・サレス/1975/94分 

*10月14日13:10~
『女性刑務所』監督:カムラン・シーデル/1965/11分
『女性区域』監督:カムラン・シーデル/1966/18分
『テヘランはイランの首都である』監督:カムラン・シーデル/1966/19分
『雨が降った夜』監督:カムラン・シーデル/1967/36分 

*10月14日16:00~
『水、風、砂』監督:アミール・ナデリ/1989/70分 
ミッキーの毎日・映画三昧 http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/470886359.html

*10月15日10:00~
『バシュー、小さな旅人』監督:バハラム・ベイザイ/1985/120分 


◆アジア千波万波


★奨励賞受賞
『エクソダス』Exodus(イラン/2019/80分)
監督:バフマン・キアロスタミ Bahman Kiarostami
アフガニスタンへの帰還を望み国境の出国管理施設に押し寄せる出稼ぎ労働者たち。家族や仕事、それぞれに事情を抱えた人々が織りなすレゲェ調「出イラン記」。
*上映11日19:20、13日11:00

★日本映画監督協会賞 受賞
『気高く、我が道を』Gracefully(イラン/2019/64分)
監督:アラシュ・エスハギ Arash Eshaghi
若い頃、祭りなどで女装の踊り子として人気を博した80歳の男性。革命後に踊りを禁止され牛飼いの農夫として暮らすいまも、踊る喜びを求め続ける姿。
『海辺の王国で』(ポーランド・日本/23分)併映
*上映:11日14:30 、12日11:30
ミッキーの毎日・映画三昧  http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/470830649.html

☆アジア千波万波で上映されたイラン映画、2本とも受賞しました!
詳しくは、宮崎暁美さんの報告記事をご覧ください。
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/470947183.html
ショーレさん、アラシュ・エスハギ監督、ナデリ監督、バフマン・キアロスタミ監督2.jpg
クロージングに参加した宮崎暁美さんの撮ったお宝写真をこちらにも掲載します。
左からショーレ・ゴルバリアンさん(ペルシャ語通訳)、アラシュ・エスハギ監督、アミール・ナデリ監督、バフマン・キアロスタミ監督


★番外 メヘルダード・オスコウイ監督特集
上記に加えて、2年前の山形国際ドキュメンタリー映画祭で『夜明けの夢』のタイトルで上映された作品が、今年11月2日(土)より『少女は夜明けに夢をみる』の邦題で東京・岩波ホールほか全国順次公開されることにちなみ、メヘルダード・オスコウイ監督特集が、10月13日(日)夜9時半~11時半 SLOW JAM Yamagata (スロージャム)さんで、まさにこの記事を書いている今、開催中。

【上映作品】
『日蝕』イラン/2000/ペルシャ語/カラー/ビデオ/15分
  https://www.yidff.jp/2001/cat043/01c077-1.html
『母の家は入り江』イラン/1999/ペルシャ語/カラー/ビデオ/32分
  https://www.yidff.jp/2001/cat043/01c055.html

テヘランにいるメヘルダード・オスコウイ監督とのスカイプでのトークセッションもあるとのこと。 オスコウイ監督には、去る9月26日に東京でインタビューさせていただいたばかり。スカイプで再会したかったです。ほんとに残念!

☆追記:このイベントにも、ナデリ監督が参加されて、テヘランにいるオスコウイ監督も「尊敬するナデリ監督にご臨席いただけて光栄です」とおっしゃったそうです。

DSCF1446 320.JPG
★『少女は夜明けに夢をみる』 メヘルダード・オスコウイ監督インタビューは、こちらでご覧ください。


☆追記
仙台在住の友人から、13日に山形に行ってきましたとのメールをいただきましたので、ここにご紹介します。

******
張り切って家を出たものの、高速道路が災害で通行止めになっていて、焦りました。宮城県から山形県へ山越えをする道路も、水や土砂が所どころ流れていて通行止めになって回り道をしました。でも、なんとか、30分遅れで『エクソダス』を見て、その後のサレス監督のは落ち着いて見ることができました。

13:30からのソフラブ・シャヒド・サレス監督の『白と黒』『ありふれた出来事』上映の前に、ナデリ監督から、サレスがいかにイラン映画に影響を与えたかという話があって、そのあとに、サレス監督とキアロスタミ監督に黙祷を、と、時間を取ってくださいました。
映画を見て、その意味がとっても分かりました。お話を聞いてよかったです。
サレス監督からキアロスタミ、さらに是枝さんがつながりました。

サレス監督の長編2本は、まだまだ言葉にできないぐらい心にくい込みました。しみじみ感動していて、今もうまく言葉にできないくらいの感動があります。

ナデリ監督と写真を撮りました!!
naderi yamagata naderi 320.jpg
(ナデリ監督のみ、ここに掲載します。)





山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 開幕(暁)

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会期:2019年10月10日[木]-10月17日[木]
会場:山形市中央公民館(アズ七日町)、山形市民会館、フォーラム山形、ソラリス、山形美術館、山形まなび館 ほか

開会式[日時]10月10日[木]
[会場]山形市中央公民館ホール
オープニング上映:『富士山への道すがら、わたしが見たものは…』
監督:ジョナス・メカス/1996/24分
  
16回目を迎える山形国際ドキュメンタリー映画祭2019が10月10日から始まりました。隔年開催なので、今年は30周年。
開会式は山形市中央公民館ホール(アズ七日町)にて行われ、たくさんの国から集まった来日ゲストや映画関係者、観客合わせて400人を超える人たちが集まり開会式がおこなわれた。
山形交響楽団金管8重奏の演奏とともに、これまでこの映画祭に来場した世界各国の監督たちの映像をスライドショー上映。映画祭創始者の小川伸介監督の姿も。フレデリック・ワイズマン、佐藤真、王兵など、世界のドキュメンタリー映画作家をはじめ、この映画祭から巣立った監督たちの姿が映し出され、山形国際ドキュメンタリー映画祭30年の歩みを振り返ることができた。

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1989年 第一回山形ドキュメンタリー映画祭

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佐藤真監督

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王兵監督

開会式後のオープニング上映は、今年1月(2019)に死去した詩人で映画監督であるジョナス・メカス監督の作品『富士山への道すがら、わたしが見たものは…』(16ミリフィルム)が追悼上映された。この中には、1991年にメカス監督が山形を訪れた時の映像も収められている。
*この作品は10月15日に再上映あり
 山形市民会館小ホール18:00~20:04
 この時には『メカスの難民日記』も併映される

上映前に、メカス監督が山形を訪れた時に案内役をつとめた農民詩人の木村迪夫(みちお)さんが登場。藤岡朝子さん司会兼英語通訳で、メカス監督、来日当時に行われたシンポジウムでのエピソードが語られた。

*原村政樹監督の『無音の叫び声 農民詩人・木村迪夫の牧野物語』は木村迪夫さんのこと描いた作品で、2015年のこの映画祭で上映され、公開もされている。同作は第31回農業ジャーナリスト賞を受賞。
また、この映画祭創始者の一人、小川紳介監督を山形牧野村に導いた人でもある。
参考 シネマジャーナル『無音の叫び声』原村政樹監督 記者会見
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木村迪夫さん

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019では、下記部門の上映が行われる

インターナショナル・コンペティション
世界各地より応募された中から15作品を上映。
•アジア千波万波
アジアの新進ドキュメンタリー作家の作品を紹介。

特集プログラム
•AM/NESIAアムネシア:オセアニアの忘れられた「群島」
•リアリティとリアリズム:イラン60s-80s
•Double Shadows/二重の影 2
•「現実の創造的劇化」:戦時期日本ドキュメンタリー再考
•日本プログラム
•ともにある Cinema with Us
•やまがたと映画
•春の気配、火薬の匂い:インド北東部より
•特別招待作品
•YIDFFネットワーク特別上映
•フィンランドサウナ × 映画
•ヤマガタ・ラフカット!
•ヤマガタ映画批評ワークショップ


表彰式[日時]10月16日[水]17:00 
[会場]山形市中央公民館ホール(6F)
クロージング上映作品:『アンジェラの日記 ― 我ら二人の映画作家』
監督:イェルヴァン・ジャニキアン、アンジェラ・リッチ・ルッキ/2018/125分

受賞作品上映[日時]10月17日[木]
上映スケジュールは表彰式後に発表される

公式HP https://www.yidff.jp/home.html