26thキネコ国際映画祭

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日本最大規模の子ども国際映画祭「キネコ国際映画祭」は、今年で26周年を迎えます。
作品は“子ども”が対象ですが、作品に込められたメッセージを重視し、「戦争」「生と死」「性」などをテーマにした作品も上映されます。
海外のアーティストによるワークショップや世界の映画祭関係者との交流なども楽しむことができます。
また、海外作品の吹替えを映画上映時にライブで行う「ライブ•シネマ」も、この映画祭の魅力です。字幕が読めない子どもたちにも楽しんでもらえる企画です。
11月22日のオープニングでは、ジェネラル・ディレクターの戸田恵子さんをはじめ、中山秀征さん、横山だいすけさんなどが登壇し、生吹替「ライブ・シネマ」を行います。

家族で楽しめる子ども国際映画祭。ぜひ、お子様連れでない大人の方もお出かけください。

日程:2018年11月22日(木)~ 11月26日(月)

会場:
東京・二子玉川
109シネマズ二子玉川
iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ
二子玉川ライズ ガレリア・中央広場
二子玉川公園

公式サイト: http://kineko.tokyo/







ポーランド映画祭2018

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今年で7回目を迎えるポーランド映画祭。
今回は監修のイエジー・スコリモフスキ監督の80歳のお誕生日をお祝いすると共に、ロマン・ポランスキー監督の85歳も記念して両監督の作品のほか、国内で2017年の最高傑作と称された『クリスマスの夜に』、ポーランド独立回復100周年を記念したラインナップ、またポーランドの女性監督に焦点を当てた作品などが上映されます。

東京:
2018年11月10日(土)~23日(金・祝)
会場:東京都写真美術館ホール

京都 11/10〜11/23 出町座 075-203-9862
京都 11/13(火)のみ 同志社大学 075-251-3270
大阪 11/12(月)のみ テアトル梅田 06-6359-1080

公式サイト:http://www.polandfilmfes.com/ 


東京国際映画祭 イラン映画『冷たい汗』ソヘイル・ベイラギ監督とのQ&Aセッション (10月30日) 

友人の毛利奈知子さんから、私が参加できなかった10月30日のQ&Aの報告をいただきました。11月1日のQ&Aに先駆けて、お届けします。(景山咲子)

『冷たい汗』  アジアの未来部門
女子フットサルのイラン代表チームがアジア選手権大会の決勝進出を決め、いざ、マレーシアへ。ところが、主将をつとめる女性が、夫の出国許可がないため足止めを食ってしまう物語。
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(写真:11月1日のQ&Aの時に景山咲子が撮影したものです)

2018年10月30日 21:30からの上映後のQ&A 
 於:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ SCREEN2

午後11時を過ぎた遅い時間にも関わらず、たくさんの観客がその場に残って、ソヘイル・ベイラギ監督のQ&Aセッションに参加されていました。司会は「アジアの未来」プログラミング・ディレクターである石坂健治さん、ペルシア語・日本語の通訳はおなじみのショーレ・ゴルパリアンさんでした。本Q&Aセッションでは日本人だけでなくイラン人の観客の方からの質問もありました。

司会者コメント: アジアの未来の部門で今回上映されたこの「冷たい汗」はベイラギ監督にとって2作目の作品です。イランで公開中ということですが、成績がかなり良いそうですね。

監督A: もう今7週目ですが、あと2週くらい上映される予定です。この映画は、たいへん評価されてお客さんがたくさん入っています。こういう感じの映画は通常なかなかロングランされませんが、この映画はうまくいったので嬉しいです。

司会者Q: 女性の観客の支持が多いということなのでしょうか?

監督A: テーマがこういうテーマなので女性の観客が多く、メインの観客は女性だと思います。

観客Q: この映画では、最近イラン映画に多い女性の差別の問題を中心にしつつ、それ以外の様々な要素が描かれ、SNSや激しい裁判のディスカッションドラマにもなっていたりと、いろいろな要素が入っていたので、面白かったです。話の途中で、SNSで彼女の問題を拡散していこうという動きがあり、もっとその部分が広がると思いましたが、映画の中でその部分はそれほど広がりませんでした。イランにおけるSNSにおける効果、SNSの盛り上がりがあるかといった状況を教えていただけますか?イランにおけるSNSの規制がかかったりするのでしょうか?この映画の中で主人公の性格の問題があったからか、あるいはこういう内容の問題だったからSNSによってそれほど広がらなかったのでしょうか?イランにおけるSNS状況を踏まえつつこの作品の中でのその描き方について教えていだだきたいです。

監督A: 今、イランの社会の中ではSNSは一番フリーなメディアといえるほど人気が高く、自由な意見を載せられるのがSNSです。イランの中ではいろいろ規制があり、特にテレビなど映像関係は規制がかかります。SNSは規制がかかっていませんので、皆が自由に意見を書いたり、自分に問題があるとSNSで発表したりしています。映画の中でも主人公のアフルーズは自分の問題をSNSで説明していけば皆が助けてくれると思って載せていました。

観客Q: 製作のきっかけになった直接的な事件や出来事があったのでしょうか?


監督A: ある時、ひとつのニュースを読みました。それは国から試合に行く自分の奥さんが国外に出るのを旦那さんが許可しなかったというニュースでした。そのニュースがこの作品のアイデアのきっかけになりました。しかし、きっかけだけであとは自分で想像力を膨らませて書きました。

観客Q: ヘジャーブは家庭の中では外してもいいはずなのに、カメラが入るとヘジャーブを被っていないといけないのでしょうか?

監督A: ヘジャーブは頭に被るスカーフなどのことですが、これについては規制があり、ヘジャーブを守らないと自分の映画を公開できません。そのため、家の中で女性を描く時でもヘジャーブを被ってもらわなければなりません。

観客Q: イランとタイの試合のシーンでタイのチームの選手もヘジャーブをつけていたのはなぜですか?

監督A: イランの社会の中では女性は必ずヘジャーブをつけないといけません。スポーツ界でも同様です。特にフットサルは規制があり、完全に映画で見た通りにヘジャーブを守らないとフットサルができません。映像の中でご覧になったようなそのままの服装でフットサルの試合をしています。カメラが入っているフットサルの試合では海外の選手でもヘジャーブをつけなくてはいけません。カメラが入ってなければ(海外の選手は)ヘジャーブはつけなくてもフットサルの試合はできます。

司会コメント: イランのフットサル女性チームは強いですよね。アジアで何度も優勝していますね。

監督A: 選手たちはとても厳しい状況の中でフットサルをしています。障害があると人間は強くなりますよね。イラン女性も頑張っていて、 今までに二回くらいはアジアの大会ではチャンピオンになっています。

観客Q: イランの女性の働く機会について知りたいと思います。アフルーズの旦那さんはひどい男として描かれています。アフルーズは旦那さんを嫌って別居している割には自分で働いて生活費を稼いでいません。旦那さんに生活費を出してもらって、家も借りてもらってフットサルをしています。旦那さんに依存しているといえます。 だから従属すべきという訳でもありませんが、独立したいなら経済的にも独立しないと対等にモノが言えないのではないでしょうか? イランでは女性働く機会や、生活できるだけの十分な賃金を得る機会は女性にはないのでしょうか? それがないなら仕方ありませんが、、、。アフルーズに同情はしますが、働けるのに働かなくて権利だけ主張しているように思えます。女性の働く機会や賃金の高さを知りたいです。

監督A: 映画の中のアフルーズは、旦那さんに頼っているのは、経済的にというのではなく、海外の大会に出るには旦那さんの許可を得なければならないので旦那さんの言うことを聞いているのです。しかしながら、実際にはイランの中では女性は独立していてとても強いです。さまざまな仕事に多くの女性が進出しています。社会に進出しているかということと、この映画の中のアフルーズの問題とは違うと思います。旦那さんは、アフルーズには独立性を手に入れさせたくないと思っています。そういう考えを持っているため旦那さんはアフルーズが試合のために国を出ることを許可しないのです。アフルーズは強い女性なので独立を手に入れたら夫より上のポジションに行くのではないかということが旦那さんは許せないのでしょう。

司会者Q: 夫の側に嫉妬があるという感じでしょうか?

監督A: ひとつだけ問題を言えばやはりそれは嫉妬です。

観客Q: 国家的なパワハラ、セクハラのような感じに見えるのですが、イランではそれに対する取り組みはあるのですか?

監督A 男性のパワーについて話を戻すと、イランでは伝統的な考えを持っている男性は家族の中でパワーを持っていますが、イランの平均的なところでは少ないほうだと思います。

観客Q: Me Tooの取り組みはイランではいかがでしょうか?

監督A:イランの女性の一人ひとりは静かにMee Tooをがんばってしていますが、一般的には、外に出てMee Tooデモをしたりはしていません。

観客Q: あのテレビ番組は本当にイランであるのでしょうか?

監督A: まずテレビ番組はまったく同じ番組があります。リメイク的な感じで、かなり細かく見て作りました。(注:この番組を知っているイラン人の観客と思われる方たちから笑いが起こりました。よほどよく似せて作られているのだと思います。)

観客Q: イランの国内で公開中とお聞きしました。SNSでは今自由に発言できるとのことですが、この映画を見た観客の反響はいかがでしょうか?映画の中で起こったストーリーの状況を変えようといった動きは出ているのでしょうか?

監督A: まずSNSにおけるこの映画を見た人たちの意見はとてもポジティブで反応がよかったです。 この映画はセンシティブな内容だったのでPR活動は許されなかったのですが、口コミですばらしい宣伝をしてくれたのは普通の人たちでした。それもSNSを使ってここまで宣伝して守ってきてくれました。
また、この映画の中で、実際アフルーズに事件が起きた時には、ニュースにはなりませんでした。ですので、アフルーズがSNSに投稿をしていなければ皆がこの事件を知ることが無かったと思います。SNSの力は大切で、このアフルーズの事件はSNSから広がって、それを読んだ人たちが怒りを書いたりしたので、そういう部分ではアフルーズは救われたと言えます。

観客Q: 主人公のアフルーズはチームメイトとずっといっしょにいました。そのチームメイトの女性も問題を抱えているようでしたが、そのあたりがよくわかりませんでした。その関係性を教えてください。

監督A: 友だちの名前はマシと言います。マシはアフルーズとチームメイトとしてずっといっしょにサッカーをしてきました。 同じ家で同居もしていて、とても仲が良くお互いを信用している親友同士でした。ですから、フェデレーションからアルフーズを裏切るようなことを薦められて彼女はとても迷います。しかしながら、最終的にやはりマシは自分の道を歩むことを決め、自分の友だちのアフルーズに背中を向けて、海外に行ってしまいます。マシは個人的には問題はなかったかもしれませんが、しかし、彼女のこの決断によって後からマシの心が揺れたのは親友のアフルーズを裏切らないといけなかったからです。 結果として、権力者によって仲の良い二人も離すことができる訳で、権力とはそういうものなのです。

観客(イランの女性)Q: 宣伝がとてもたいへんだったと聞いていますが、この映画を公開するためには、規制・検閲されたところ、またカットされたところはあったのでしょうか?

監督A: 基本的には検閲はなかったと言えます。シーンのカットはなかった。指導省が映像後完成後、一般公開の前に映画を見て、一般公開の許可を与えています。指導省からところどころ台詞についてたとえば言葉遣いが良くないなどと言われ、ディテールで台詞だけを変えたところがあります。結果としてこの映画が出来上がって上映許可が下りたが、その後なかなか いい宣伝をさせてもらえなかったり、劇場をなかなか空けてくれなかったりといったことがありました。 そういう意味ではこの映画を抑えようとする動きがあったと思います。
また、エンディングについては違うエンディングもあったが、検閲には関係なく自分で考えて最終的に決めたものです。

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☆感想☆
テレビ番組の司会を担当しているアフルーズの旦那さんは、メディア業界で働いていて、職業的なステータスも高く、収入も良さそうだし、その上ハンサム。アフルーズはある意味恵まれてもいるのに、なんであんなに旦那さんに反抗的なのだろう?そして、なんであんな性格のキツい反抗的なアフルーズと旦那さんは別れたがらないんだろうとまずは思ってしまいました。おそらく、アフルーズとしてはどんなに旦那さんがハンサムですてきな仕事をしていても、彼の性格が良くないあるいは合わないという問題があったり、アフルーズに対して妻としての自分の理想を押し付けるタイプというか支配的であるのが気に入らないのだと思います。一方、旦那さんは、随分酷い男に描かれていて、アフルーズを支配したがっていたり、フットサルで成功しているアフルーズへの男の嫉妬のようなものが表立って出ていたりするものの、根っこの部分ではアフルーズのあの性格のキツさや強さ、フットサルに燃えている姿に案外かなり惚れ込んでいるのではないかと思いました。それは最後の方で、旦那さんが部屋で一人、大きなスクリーンに映るアフルーズが試合で奮闘している様子をじっと見つめていたシーンで感じました。彼はアフルーズに対する愛情の向け方が間違っているだけで、実はアフルーズの鼻っ柱の強いところも含めて彼女に対する愛情は一方的かもしれませんが、かなり深いんじゃないかと思いました。若い時に結婚してそれなりの期間、夫婦として生活している訳で、その月日を無駄にしたくないし修復できると信じている旦那さんの気持ちもわからないでもありません。しかし、アフルーズにとって今は彼に対する愛情以上にフットサルが命であったり、旦那さんの支配的なところに我慢できないっていうところですれ違っているという、なかなか他人には解決できない夫婦の問題の難しさも感じました。しかし、アフルーズがフットサルの選手として海外に出ることを許可することと夫婦間のすれ違いは、旦那さんに彼女に対する愛が実は深いならなおさら別の問題として考えてほしいところです。

男性であるソヘイル・ベイラギ監督がイランのスポーツ界におけるこのような女性の問題を扱って映画化されたというところはとても素晴らしいと思いました。テヘランに住む私の知り合いの若いイランの女性はサッカーが大好きなのですが、スタジアムに女性は観戦に行けないことをいつも嘆いています。また、彼女によると、女性のフットサルの試合はテレビで放映することが今では禁止されているそうで、女性のフットサルの試合はスタジアムでも女性しか見られないそうです。今回の「冷たい汗」のような映画がイランの社会の変革のきっかけとなって、イランの女性も自由にスポーツ観戦が出来たり、国を代表するような女性選手が自由に海外で試合に参加できたりする動きが今後広がるといいなと思います。

毛利奈知子(もうり なちこ)




TIFF10日目(白)

11月3日(土)

ミッドタウン日比谷に行って「ゴジラ・フェス」をちょっと覗きました。
広場に大きなスクリーンが設置されて、ワゴン車が並んでいます。ゴジラにちなんだスナックが売られていました。

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TIFF9日目(白)

11月2日(金)

本日は受賞作品発表です。

●受賞結果

東京グランプリ/東京都知事賞 『アマンダ(原題)』フランス/ミカエル・アース監督
審査委員特別賞『氷の季節』
最優秀監督賞 エドアルド・デ・アンジェリス『堕ちた希望』
最優秀女優賞 ピーナ・トゥルコ『堕ちた希望』
最優秀男優賞 イェスパー・クリステンセン『氷の季節』
最優秀芸術貢献賞『ホワイト・クロウ(原題)』
最優秀脚本賞 Presented by WOWOW『アマンダ(原題)』
観客賞『半世界』
アジアの未来 作品賞『はじめての別れ』
国際交流基金アジアセンター特別賞 ホアン・ホアン『武術の孤児』
日本映画スプラッシュ 作品賞『鈴木家の嘘』
           監督賞 武正晴『銃』
               田中征爾『メランコリック』
東京ジェムストーン賞 木竜麻生『鈴木家の嘘』
           リエン・ビン・ファット『ソン・ランの響き』
           カレル・トレンブレイ『蛍はいなくなった』
           村上虹郎『銃』


●最後のプレス試写で見た作品

『ある誠実な男』フランス/ルイ・ガレル監督・主演
アベルの親友だったポールが急死した。その妻マリアンヌ(レティシア・カスタ)はかつて自分の恋人でもあった。一緒に暮らしはじめるが、マリアンヌの息子はママがパパを殺したと吹き込む。ポールの妹、エヴ(リリー・ローズ・デップ)も加わってアベルは右往左往する。
前作の続編。陰では気をもんでも、アベルの前ではいつも余裕たっぷりに微笑むマリアンヌ。エヴが「あんなに恋焦がれていたのに、暮らしてみたら普通の男だった」と気づくのも織り込み済み。女性のほうが一枚も二枚も上手でした。子役がとっても美形です!チェックしとこう。

『蛍はいなくなった』カナダ
地方都市の生活にいやけがさしている女子高校生。一番愛した父は労働争議で遠くへ追いやられ、母は大嫌いな父の友人と再婚した。元ミュージシャンの男にギターを習い始め、休暇で戻った父に聞かせる。
娘役のカレル・トレンブレイがジェムストーン賞を受賞したので外せないな、と観ました。このヒロイン「人間が嫌い。ハートの女王みたいに斬首したい」といって怒ってばかり。愛してほしいの裏返しなのだろうけれど、みな中途半端に放り出す。みな失ってみれば大事なものがわかるよ、というメタファーなのか、ラストは闇の中で蛍が光る。

『ジェリーフィッシュ』イギリス
15歳のサラは精神疾患を抱えてなにもできなくなった母、小学生の妹、弟と暮らしている。収入はサラのバイト代だけ、ときどき支払いが間に合わず電気が止まる。みんなで暮らしたいと必死で働き、弟妹の面倒をみるサラは、学校の授業にもよく遅れる。パフォーマンスの先生に勧められてスタンダップ・コメディを知り、初めて打ち込めるものを見つける。母が手続きを忘れたために住宅手当まで止まってしまった。このままでは家を追い出される。
周りの大人は何をしているんだ~!と歯がゆくなります。どんな母親でも一縷の望みをつなぎたい娘、若い娘にすり寄る男、理由を聞かない先生。子どもの不幸は大人が原因、どんなに頑張っても限りがある。それでも逃げないサラ。こちらのサラ役リヴ・ヒルにもジェムストーン賞をあげたい。後ろから蹴飛ばしたくなるような男たち、ダメ母を演じた俳優さんに助演賞を。イギリスの笑いってほんとに辛口。そこが好きですが。(白)