『怒れるシーラ』 原題:Sira
監督:アポリーヌ・トラオレ / Apolline Traoré
2023年/ブルキナファソ=セネガル=フランス=ドイツ/122分/フラニ語、モシ語、フランス語、英語 字幕:日本語、英語
予告編:
https://youtu.be/ZrxWYOaZQOw?si=mBQUFQM1nGQn_Hme日本初公開
首都ワガドゥグでアフリカ最大の映画祭フェスパコが開かれている、日本ではなかなか観る機会のないブルキナファソの映画。
砂漠を渡り、キリスト教徒の婚約者家族のもとへ向かう途中イスラム過激派に襲撃され、家族と尊厳を奪われたフラニ人(サヘルで暮らす遊牧民族)女性の生きるための闘いと復讐の物語。
不安定な情勢が続く、日本ではまったく報道されない“サヘル危機”の実情を織り込みながら、無力な犠牲者としか見なされない現地の女性たちをエンパワメントしています。
(藤本さんからの案内文)
★トーク2/22(土)17:30上映後
【テーマ】 《ブルキナファソの女性監督が世界に訴える、“サヘル危機”とは?》
【ゲスト】 岩崎有一さん ジャーナリスト
ブルキナファソの女性監督が世界に訴える サヘル危機とは?
監督はアメリカで映画の勉強をし、ブルキナファソに2008年に戻って、撮り続けている。
サヘル危機とは?
岩崎有一さん: フリーのジャーナリスト
2013年~16年、サヘル危機 ブルキナファソとマリで取材。
2017年に入って、ここにいては危ないと言われ、隣国に。

サハラの南がサヘル。
サヘル:8か国にまたがる
マリ北部紛争からサヘル危機に
昔々、アフリカに国境がなかったころ、トゥアレグ族が暮らしていた。
フランスは、その存在を考慮せずに植民地を手放した結果、彼らの暮らす地区を分断する形で国が出来た。
リビア: カダフィは反体制派に殺された(米国など)
トゥアレグの人たちが傭兵としてリビアに出稼ぎに行っていた。彼らが武装して各国に戻った。
アルジェリア国内に暮らすアルジェリアのアルカーイダが、マリの武装組織と組む。
トゥアレグと相いれない考え。
アルジェリアのジハーディストによって、マリ全土が混乱。さらにサヘル全域におよぶ
イスラーム映画祭1で上映した『禁じられた歌声』は、マリ北部がジハーディストに掌握された時の話。
ブルキナファソ:2015年、アルカーイダによるテロが首都ワガドゥクで起こり、それから南部にも広がった。
サヘル危機による避難民 200万人いるといわれる。
ジハーディストは恐怖を効率的に使用。
男たちは皆殺し。
女性は殺さず乱暴する。
苦しみを持って生き続ける人がいるほうがジハーディストには都合がいい。
マリで、2016年、トゥンブクトゥをめざして北上するが、たどり着けなかった。
途中の町で軍人が殺され、庶民は殺されず、夫や両親の目の前で女性が暴力を振るわれることも多々あった。町を破壊。病院、学校、役所、自動車部品工場などのほか、シンボル的なものも破壊された。
食事、大皿を大勢で囲んで手で食べる
“ピリピリ” すごく辛い唐辛子
口にした唐辛子を背中に塗る →拷問的行為
ジハーディストといっても、様々な集団。
スウェーデン ウプサラ大学の研究所にジハーディストに関するサイト。
マリ 30勢力
ブルキナファソ 4勢力
フラニ: サヘルで幅広く暮らす遊牧民族
なぜ迫害されるのか?
遊牧しているフリをして、テロリストを匿っているという噂。
政府のケアが及ばないところで、庶民をケアして歓迎されている。
テロではなくビジネス

フラニに対する非難は不当なもの。
民族どうしの問題は話し合って解決してきた
男だけで決めるな! (と、シーラの母)
サヘル危機はどうやって収束するのか?
誰に聞いても「わからない」
トゥアレグ: フランスの責任
ブルキナファソ1国で解決できるものでない。
トーゴとベナンでもジハーディストの攻撃が始まった。
格差から生まれる絶望。
ブルキナファソ: 宗教的な問題も民族的な問題もなかった。
金が出てから問題が起こった。
サヘル危機は、もっと一般に知られるべき。
最後、シーラが赤ちゃんを殺さなかったのは、ジハーディストへの赦し?